ちっちゃくてデカくて可愛い七瀬さんを勘違い元カレから奪って幸せにする   作:烏丸英

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友たちもいい感じだけど、それはそれとしてオチがつく

「えっ……!?」

 

 まさか、好きな女の子からフォローされるとは思っていなかったであろう楽人が驚きの声を漏らす。

 そんな中、熊川さんは真面目な様子で彼へと話をしていった。

 

「多分、あの時に私がキレ過ぎたからそう思ってるんだろうけどさ……突然の事態に対応するのって難しいもんね。遊佐くんがダメっていうよりかは尾上くんがすご過ぎたっていった方が正しいし、そもそも尾上くんの対応も遊佐くんからの報告があったからって本人も言ってたじゃん?」

 

「そうだね。楽人が紫村の行動を教えてくれたからこそ、どう対応するか考えられたっていうのはあるよ」

 

 当時、熊川さんに言ったことを彼女はまだ覚えていてくれたらしい。

 そのことを喜ぶ僕の前で、熊川さんは話を続けていく。

 

「文化祭当日は紫村と先輩たち相手にはっきり言ってくれたし、同じ轍を踏まないように考えたり、頑張ったりしてるじゃん。そういうとこ、みんな評価してると思うよ?」

 

「そ、そうかな……?」

 

「そうだよ。じゃなきゃ今日だってこんなに人が集まったりしないって! 私だって、遊佐くんのために来たようなもんなんだからね?」

 

「うぇっ……!?」

 

 熊川さんのその言葉に、楽人がわかりやすいくらいに動揺する。

 好きな女の子が自分のために来てくれたという事実に驚きに驚く親友を僕がくすくすと笑って見つめる中、ひよりさんが口を開いた。

 

「まあ、今はバスケ部がこんな状況だから遊佐くんもナーバスになってるだけだと思うけどさ、もうちょっと自信を持った方がいいと思うよ! 凹む気持ちはわかるけど、自分を卑下しまくるのって良くないって、あたしは思うな!」

 

「僕も同意見かな。楽人はすごい奴だって言ってるんだけど、僕の言葉じゃ響かないみたいでさ……熊川さんの話だったら素直に聞けるみたいだし、良ければもっと言ってあげてよ」

 

「おまっ、雄介!? そういうこと言うなって……!!」

 

 軽い援護射撃を繰り出しつつ、親友を少しいじる。

 顔を赤くしながら慌てた楽人は僕の肩を叩いた後で視線を泳がせた後、照れた様子で熊川さんへと言った。

 

「その、ありがとう。熊川さんのおかげでちょっと……いや、結構元気出たし、自信も湧いてきたよ」

 

「ふふふ……っ! どういたしまして! これでさっきのお返しはできたかな?」

 

「え? さっきって……?」

 

「片付けしてる時のことじゃない? 凹み気味だった優希のこと、遊佐くんがいい感じにフォローしてたじゃん!」

 

「そうそう。だからまあ、これはそのお礼みたいなもので……ん?」

 

 ひよりさんの言葉に反応した熊川さんが、うんうんと頷きながら言う。

 しかし、その途中で何かに気付いた彼女はひよりさんの方を向くと、少し表情を引き攣らせながらこう問いかけた。

 

「ひより? なんであんた、私と遊佐くんが片付け中にしてた話の内容を知ってんの?」

 

「あっ……!!」

 

 しまった、というような表情を浮かべたひよりさんの反応に、熊川さんも全てを察したようだ。

 ものすごく見事に口を滑らせたなと思う僕の前で、羞恥で顔を真っ赤にした熊川さんがひよりさんへと抗議し始める。

 

「あんた、盗み聞きしてたな!? このケツデカ娘、油断も隙もないじゃない!!」

 

「ごめんって! たまたま偶然、聞こえてきちゃってさ……!」

 

「お~、そうかそうか! 私がついさっき、あんたの裸を見たこと忘れてないよね? スリーサイズの情報も含めて、雄介くんに見たもの全部教えてやろうか!?」

 

「ええっ!? そこで僕!?」

 

「いやっ、ちょっ! それはやめてほしいっていうか、ここで暴露するのは流石にマズいって!」

 

「い~や、我慢の限界だ! 言うねっ! 尾上くん、実はひよりって――!!」

 

「ストップ! スト~ップ! 悪かったって~! 今度なんか奢るから、勘弁してよ~!」

 

 いったい、熊川さんは何を見たのだろうか? 周囲に他のお客さんたちがいるということもあるが、あのひよりさんがここまで恥ずかしがることってなんなんだろうか?

 ちょっと良からぬ妄想を繰り広げそうになるのを必死で堪えながらも、僕はそのことが気になっている自分がいることを認めざるを得なかった。

 

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