ちっちゃくてデカくて可愛い七瀬さんを勘違い元カレから奪って幸せにする   作:烏丸英

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VSいいおっぱいの日

「そういえば雄介くん! 今日は何の日だかわかる!?」

 

「えっ? また……!?」

 

 いいお尻の日から数日後、僕はあの日を繰り返しているのではないかと思わせるような出来事に直面していた。

 バスケの練習をした休日の夜、僕の部屋で過ごしていたひよりさんから不意に以前にも聞いた質問を投げかけられた僕であったが、今度は多少の備えができている。

 

「今日は十一月八日……まあ、何の日かは知ってるけどさ……」

 

「ほほう!? じゃあ、元気よく言ってみよう! せ~のっ!」

 

 四日前にも見たとても楽しそうな笑顔を浮かべながら僕にそう促してくるひよりさんの言葉に、僕は少し頭を抱える。

 今日が何の日かは知っているが、それを盛大に声に出したくはない僕の顔を覗き込むようにして、ひよりさんは再度言った。

 

「あれ~? 知ってるんじゃなかったの~? もしかして雄介くん、強がって嘘吐いちゃったのかな~?」

 

「そうじゃなくって! わかるでしょ!? 言いにくい理由!!」

 

「あははははっ! まあ、そうだよね! いいおっぱいの日だなんて、大声では言いにくいか!」

 

 ケタケタと笑うひよりさんは、今回も僕をからかうつもりのようだ。

 のっけから彼女のペースに乗せられてしまった僕だが、今回は思い通りにはならないぞと思いつつ、ひよりさんへと言う。

 

「それで? 今回は何を用意してきたの?」

 

「あれ? あたしまだ何も言ってないけど? もしかして雄介くん、期待しちゃってた?」

 

「流石の僕でもこう立て続けにからかわれたらパターンは読めるよ。今回もいいお尻の日と同じように、コスプレ写真でも用意してきたんでしょ?」

 

 にま~っと笑うひよりさんのペースに飲まれないよう、平常心で対応する。

 できる限りからかいに反応せず、淡々とそう言う僕の様子にひよりさんは少しもったいなさそうな顔をしていた。

 

「む~っ……! 雄介くんといえど、短期間に同じような方法を使ったら耐性ができちゃうか……!」

 

「もう付き合って半年以上になるからね。そろそろひよりさんの逆セクハラにも慣れていかないと」

 

 ひよりさん流のスキンシップというか、僕をからかって遊ぶことにも少しずつ対応できるようになっている。

 流石に無反応とはいかないが、ちょっとやそっとじゃ僕だって動揺しないぞと胸を張ってアピールしながら、彼女へと言った。

 

「ひよりさんは魅力的な女の子だけど、そういうやり方はあんまりよろしくないからね。前々から言ってるけど、自重を覚えようか?」

 

「とは言いつつも、こういうのも嫌いじゃないでしょ? あたしが送った写真も保存してるの、知ってるよ!」

 

「それはそれ、これはこれだから。そういうことはもう少し関係を深めてからにしようね?」

 

 図星を突かれてはいるが、本当にそれはそれ、これはこれだ。

 僕だって男の子だし、かわいい彼女からのサービスを喜ぶ気持ちはあるが、だからといって暴走しがちなひよりさんに好き勝手にされるとマズい部分もある。

 

 今みたいに二人きりの状態で過激な写真を見せられたら、僕だってどうなるかわからないし……と思いつつも、僕は自分自身を落ち着かせる意味も込めてひよりさんへと言った。

 

「でもまあ、今回は流石に大丈夫だよ。いいお尻の日とやることはほぼ同じだって、わかってるからね」

 

「……ほほう?」

 

「お尻の日はそのままお尻を強調したコスプレ写真を送ってきたから、今回は胸を強調した写真を撮ってきたんでしょ? そりゃあ、ひよりさんは胸が大きいけど、そろそろ僕にだって耐性ができてきてるからね。そう簡単には動じないよ!」

 

「う~む……立派なフラグ建築ありがとうございます、って感じだ」

 

 ひよりさんは意味深なことを言っているが、それで動揺する僕ではない。今回こそは彼女を完封し、彼氏としての風格を見せつけるのだ。

 大丈夫、今回はお尻の日の焼き直しみたいなものだし、ひよりさんがどれだけかわいくても耐え切ることはできる! ……と考え、気持ちを整える僕に対して、彼女はうんうんと頷いた後で口を開いた。

 

「なるほどね……雄介くんはあたしを舐めているわけだ? あたしが何の工夫もしないと、そう思ってるわけだね?」

 

「うっ……!」

 

「そもそもね、雄介くんがあたしのおっぱいで動じないのは予測済みだよ。その前に大好きなお尻の写真を見せてあげてるんだもん、尻フェチにおっぱいを見せても効果は薄いってことくらい、あたしだってわかってる。それを理解した上で、あたしが何の策も用意してこないと本当に思った?」

 

 また色々ツッコみたいところなのだが、ひよりさんの圧がそれを許してくれない。

 身長百五十センチに満たない小さな彼女に気圧されるだなんて、なんとも情けないじゃないかと自分でも思う中、腕を組んだひよりさんが僕を真っすぐに見つめながら口を開いた。

 

「ところで話は変わるんだけど……雄介くんは逆バニーって知ってる?」

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