ちっちゃくてデカくて可愛い七瀬さんを勘違い元カレから奪って幸せにする   作:烏丸英

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VSいいお尻の日リターンズ(Aの写真はなんでしょう編)

 ニッコニコの笑顔で僕にそう言ってくるひよりさんはとてもかわいい。

 だが、それはそれとしてまたしても僕に危機が忍び寄っている。

 

 十一月の最終日……つまりはケツの日だからいいお尻の日なのだろうが、もう四日にやっているんだから二度目なんて無理に作らなくていいじゃないか。

 普通にいい締めの日とか、そういう最後をもじったいい○○の日を作ればいいというのに、どうしてわざわざいいお尻の日を二日分作ってるんだ?

 

「それだけ世界にお尻好きが多いってことじゃないかな! 雄介くんもその一人でしょ?」

 

 思考を読まれた、怖い。ちょっとひよりさんが色んなことを先読みし過ぎて超能力者に片脚突っ込んでる気がする。

 っていうかやっぱり僕は尻フェチ認定されてるんだなと思いつつ、ひよりさんの言うことにも一理あるなと世のお尻好き人口は僕の想像よりもずっと多いかもしれない……とか考えている間に、ひよりさんがスマホを取り出した。

 

「というわけで前回送らなかったもう一枚の写真を送るね! 今回はどんなコスプレしてるか、想像してみてよ!」

 

「何がというわけでなのかはわからないけどわかったよ、うん……」

 

 こうなったひよりさんに何を言っても無駄だ。まあ、別に嫌なものを送り付けられるわけじゃないし、ありがたく頂戴しておこうの精神でいこう。

 そのついでに出されたクイズに対して、僕は諦めの境地に達しながら予想を繰り広げる。

 

「前回がBの写真でバニーガールだったわけでしょ? だったらA関連の何かだと思うんだけどなぁ……?」

 

「おっ、いいねぇ! 雄介くん、今日は冴えてるね! やっぱりお尻関連のことは勘がいいのかな?」

 

「人を無類のお尻好きみたいに言わないで。ひよりさんが好きなだけだから」

 

 大前提として、とても大事なことを彼女に言う。

 誰彼構わずお尻に興奮する変態とは思っていないだろうが、段々とひよりさん以外の面々にはそんなふうに思われつつある気がしなくもないと考えつつ、僕はちらりと彼女を見やる。

 

(っていうか僕を尻フェチだって弄る度にひよりさんは自分のお尻が大きいことを宣伝してるみたいなものだと思うんだけど、そこらへんはどう思ってるんだろう……?)

 

 そこを気にしているのは間違いないのだが、僕をからかう時だけはそこがすっぽりと抜ける。

 捨て身の覚悟で僕をからかいに来てると考えると何がそこまでひよりさんを突き動かしているのかとも思ってしまうわけで、少し不思議だ。

 

「そりゃあ、大好きな彼氏が相手の時だけの話だからね! あたしも雄介くんが好きだから、こういうことをしちゃうわけですよ!」

 

 また思考を読まれた、怖い。

 これ以上変なことを考えて折檻される展開になる前にクイズに答えてしまおうと考えた僕は、ひよりさんのコスプレを当てにかかった。

 

「A……Aか……何か関係する衣装とかあったかな?」

 

「う~ん、これは難しいかも。聞けば納得してもらえるだろうけど、普通に思い付くのは無理に等しいと思う! ヒントをあげるとするなら、この時期に相応しい格好じゃあないって感じかな!」

 

「ってことは水着かな? でもAが関係する水着ってなんだ……?」

 

「おおっ! 本当に鋭い! もうちょっとで答えだよ! 頑張れ!!」

 

 ちょっとクイズが楽しくなってきている自分がいることを自覚しながらも、どうせならば楽しんだ方がいいよなと割り切った僕が真面目に答えを考えていく。

 バニーガールもそうだが、それ以上に露出が激しい水着をこの季節に着て撮影してくれるだなんて、かなり気合が入ったことをしたな……と、ひよりさんの根性(でいいのだろうか?)に関心しながら、Aに関係する水着を探っていった。

 

(いやでも普通にないよな……? ビキニはBだし、スクール水着はSだし、Aなんて見つからないよな……?)

 

 一生懸命に頭を働かせる僕だが、そもそもの知識が少ないためにこれだと思える答えに辿り着けなかった。

 これ以上考えても正解は見つからなさそうだと判断した僕は、両手を上げると共にひよりさんに言う。

 

「ダメだ、ギブアップ。正解できそうにないや」

 

「むっふっふ~……! 残念だったね! じゃあ、正解発表といこうか!」

 

 僕がクイズに正解できなくても上機嫌なひよりさんがスマホを操作し始める。

 改めて、送られてくる写真に対してドキドキし始めた僕が緊張しながら見守る中、僕のスマホにメールの着信通知が表示された。

 

「えっと、それじゃあ……拝見させていただきます」

 

「あははっ! なんか鑑定されるみたいだね!」

 

 ここからはもう僕のリアクションを楽しむことに全力を注ぐであろうひよりさんが明るい声で言う。

 対して、ドキドキしている僕はメールを開き、添付画像を展開して……表示された写真を見つめる。

 

 正面から撮影された写真には、左右で柄が違うトップスの水着を着たひよりさんの姿が写っていた。

 片方は青地に白い星が、もう片方は赤と白のストライプ柄になっており、下半身も同じく赤白のストライプになっている。

 

 その水着の柄に見覚えがあった僕は、少し考えた後に……色々と納得し、ポンと手を叩いた。

 

「あっ、なるほど! アメリカの星条旗でAってことか!」

 

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