ちっちゃくてデカくて可愛い七瀬さんを勘違い元カレから奪って幸せにする   作:烏丸英

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VSいいお尻の日(いいお尻の日にいいオチが付いた編)

「そういうこと! ひひっ! いい感じでしょ~?」

 

 えっへんと胸を張るひよりさんは、実に得意気だ。

 Aの意味を理解し、よくここまで考えたなと感心した僕は、続けて数枚の写真を見やる。

 

 今の彼女と同じように得意気になって胸を張ったり、指でピストルの形を作って格好つけたり、四つん這いになってお尻を強調したり……バニーガールの時と同じかそれ以上に多く撮影された星条旗ビキニの写真を見た僕は、うんうんと頷きながら口を開いた。

 

「全部かわいいね。うん、ありがとうございます」

 

「でしょでしょ!? 露出度もバニーガールの時より上だし、これには雄介くんもドキドキしちゃってるんじゃない!?」

 

 ずずいっと距離を詰めながら僕の反応を窺うひよりさんであったが、僕は動じない。

 冷静に送られてきた画像を保存した後、笑みを浮かべながら言う。

 

「まあ、うん。ドキドキはしたね。本当にひよりさんはかわいいしさ」

 

「んん……? な~んか引っ掛かる言い方だね? っていうか、あたしの予想ではもっとわたわたすると思ってたんだけど、平然とし過ぎじゃない?」

 

 無論、僕だって心の底から平静を保てているわけではない。思春期の男子が恋人のセクシーな水着写真を見て、何も思わないはずがないだろう。

 しかし、顔を真っ赤にして慌てるほどでもないという余裕を持つ僕は、その理由を不満気なひよりさんへと伝える。

 

「そりゃあ、ね……僕が何度ひよりさんの水着姿を見てきたと思ってるの?」

 

「むむぅ……!」

 

 プールの授業中に見たスク水姿から始まり、みんなで遊びに行く時に備えて買い物に行った時にはいくつかの水着を試着した姿も見た。

 確かに肌面積の広いひよりさんのビキニ姿は魅力的だが……流石にここまで連打されれば、僕にだって耐性というものができるということだ。

 

「僕に色々見せ過ぎたね。実物を何度も見てるんだから、今さら水着姿の写真で大慌てなんかしないよ」

 

「ほ~う? ふ~ん? なるほど? 雄介くんも言うようになったじゃん……!!」

 

 これまでの反撃も兼ねてそう言い返してやれば、ひよりさんはむっとした表情を見せた。

 ちょっと言い過ぎたかな……? と不安になる僕であったが、そんな僕の前で彼女は信じられない行動を見せる。

 

「そうかそうか、そこまで言うんだったら仕方がない……あたしも本気、見せますか!」

 

「えっ? ええっ!?」

 

 急に立ち上がったひよりさんが着ている服に手を掛けると、一気にそれを脱ぎ捨ててみせたのだ。

 その行動に驚き、目を見開く僕の前でひよりさんがあっという間に上下の服を脱ぎ捨てれば、その下に着ていた星条旗ビキニが露わになる。

 

「いや~! 念のため着ておいて良かったよ! バニーガールと違って、こうして隠して着れるのは水着のいいところだね!」

 

「ちょっ! き、着てたの!? そこまで準備しておくとか、用意周到過ぎない!?」

 

「あたしを舐めてもらっちゃ困るね! ……さ~て、写真じゃ慌てないとか言ってたけど、これならどう? って、今の雄介くんを見れば、まるわかりか!」

 

 突然の脱衣からの水着姿お披露目&写真で見せた星条旗ビキニ姿という見事過ぎるコンビネーションパンチを食らった僕は、完全に動揺してしまっていた。

 顔を赤くした僕の様子ににんまりと笑ったひよりさんは、ぺろりと舌なめずりをしてから蠱惑的に言う。

 

「さ~て……! それじゃあ、生意気なことを言った口を雄介くんも大好きなお尻で塞いであげようかな? 写真じゃわからない実物の感触と大きさってやつを教えてあげるよ!」

 

「待って! だっ、誰か! 男の人呼んで!!」

 

 にじり寄るひよりさんに警戒を払いながら距離を取る僕の気分は、完全にジュラ○ック○ールドのク○ス・プ○ットだ。

 まさか彼女はこうなることを最初から予測してビキニを仕込んできたのかと、さっきから感じている異様なこちらの思考や反応を読む力に改めて驚愕する僕へと、ひよりさんが言う。

 

「覚悟しなよ、雄介くん! もう二度と、あたしの水着姿じゃドキドキしないとか言えないようにしてあげるから!」

 

「そんなこと一言も言ってないんだけど!? お、落ち着いてひよりさん! 頼むから落ち着いて!!」

 

 ――その後、僕はバスケットで鍛えた反射神経と運動神経を活かして懸命にひよりさんを制し、貞操の危機を乗り切ることに成功した。

 ひよりさんはご両親からこっぴどく叱られ、しばらく僕の家に行くことを禁止されかけたという。(僕が嫌だったからそこまでしなくてもいいとお二人に言ったため、なしになった)

 

 十一月に何度もあったいい○○の日、その最後の最後でとんでもないオチがついてしまったなと思いながら、なんだかんだで楽しかったここ一か月の思い出と増えたひよりさんの写真ファイルを振り返った僕は、満足した気分で十二月を迎えるのであった。

 

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