波導使いを経てXYの主人公に転生したけど、取り敢えず最強目指す 作:バイオブロリー
凄く励みになってます。
「あったあった!本当にタマゴがあったよ、お兄ちゃん!!しかも2つも!!」
タマゴへと転生した相棒と再会した翌日、俺はセレナと一緒に隣街のメイスイタウンを訪れていた。
こう言っては難だがアサメタウンは本当に何もない場所なので、買い物などをする時はそれなりに発展しているメイスイタウンに出掛ける事が殆どだ。
そしてセレナとの約束を果たす為にさりげなく波導を使って周囲にポケモンのタマゴがないか探っていたのだが、まさかこんな簡単に見付かるとは。
タマゴを見つけた場所は正確に言えばメイスイタウンから
本当なら立ち入る事は出来ない場所なのだが、そこは持ち前の身体能力に物を言わせてセレナを背負うと無理矢理橋下まで辿り着いていた。
「それとお姉ちゃん、顔色が悪いけど大丈夫?」
そして実は同行者は他にもいる。
「え、えぇ、問題ないわ。まさかこんな経験をする事になるとは思ってなかったけど」
セレナが言うように顔を蒼くしているのは、昨日隣に引っ越してきた少女だ。
何の偶然か彼女の名前は
しかも二人は名前が同じだけでなく、何故か容姿までもが瓜二つだった。
昨日顔を合わせた時に揃いも揃って固まってしまったのは、それが理由である。
ドッペルゲンガー?あるいは平行世界の同一人物?
しかしよくよく調べてみると俺達の家族は父親同士と母親同士がそれぞれ遠縁の親戚だったらしい。
だから完全な他人の空似という訳ではなく、一応は親戚同士で偶発的に子孫の遺伝子が似通ったという事だろう。
それにしたって名前まで一緒となると何やら運命めいたものを感じたのか、それはもう昨日の両家の盛り上がりは凄かった。
当人同士も困惑よりも親近感が勝ったのか、
かくいう俺も確かに驚きはしたものの、一応はゲームの知識があったのでそういう事もあると一人で納得していた。
一応瓜二つと言っても二人のセレナは年齢の違いによる身長差はあるし髪型も違う。
わざわざ波導を読むまでもなく、二人を間違える心配は無さそうである。
そんなこんなで今日は親睦を深めるという目的もあって子供だけでメイスイタウンを散策している最中だった。
だが
「それにしてもカルム、アナタはどうしてこんな場所にポケモンのタマゴがあるって分かったの?」
「お兄ちゃんは探し物の達人なの。家族の誰かが失くし物をしても、あっという間に見つけちゃうんだから」
別に俺は波導の事を周囲にひた隠しにしているという訳ではない。
現に家族は俺の毎朝の修行が波導を鍛える為であることを知っている。
ただ波導が実在する事を認識して貰うには、どうしても肌感覚で実感して貰う事が必要であった。
それもあって一々説明するのが面倒というのが正直な所だ。
ちなみに流石は俺の妹なだけあって
しかし俺がやっている修行の中身を聞いて早々に諦めてしまったらしく、勿体ないと思いながらも無理強いする事は出来ない。
「
「……うん、わかった」
そして首尾よくタマゴを見つける事は出来たものの、今は親のポケモンが少し離れているだけの可能性もある。
ちゃんと親のポケモンが戻ってくるならそれが一番だが、もし帰って来ないようなら保護という観点からもタマゴを持ち帰って問題はないだろう。
そのまま呆けていても仕方なく時間もちょうど良かったので、俺達は持ってきていた弁当を広げる。
俺はおにぎりを頬張りつつ少しでも時間を有効活用しようと、ポケモンバトルに関する決まりが細かに記されたルールブックに目を通していた。
「アナタもポケモントレーナーを目指してるの?」
「も、って事は
「うん。アタシの家はパパもママも昔はバリバリのトレーナーで、昔は何回かポケモンリーグに参加した事もあるんだって」
「そりゃ凄いな」
この世界におけるポケモンリーグとはアニメと殆ど同じであり、地方毎にジムバッジを8つ手にした者達によるトーナメント戦の事だ。
ただしチャンピオンリーグに相当する大会は存在せず、ポケモンリーグの優勝者はその地方のチャンピオンと四天王が総当たりする四天王リーグへの挑戦権が与えられる。
その結果に従って次代のチャンピオンと四天王が決定する事になっていた。
そして基本的に主人公の視点で語られるゲームやアニメでは失念しがちだが、ポケモンを育てつつ各地を回って8つのジムバッジを手に入れるのは想像以上に難易度が高い。
それを何回も成し遂げているという事は、セレナの両親は間違いなくポケモントレーナーとして優秀なのだろう。
「だけど二人とも優勝には届かなかった。だからアタシはパパとママの夢を継いでポケモンリーグで優勝して、そのまま四天王に……ううん、絶対にチャンピオンになってみせる!」
そう自分の夢について熱く語る
転生者である俺の目から見ても
前々世の知識は関係なしに
その事を俺はこの瞬間に直感したのだった。
「でもアナタ達のお母さんは有名なサイホーンレーサーでしょ?そっちの道に進む気はないの?」
「実際サイホーンに乗って駆け抜けるのは気持ちが良いし、母さんの仕事も尊敬してる。でも二足の草鞋を履いてやっていける程、どっちの道も甘くはないだろうからな。だからうちの母さんの口癖じゃないけど、せめて当たって砕けるまでは俺も本気でポケモントレーナーの高みを目指すつもりだ」
「そっか、それじゃあアタシ達はライバルという事ね」
「そうだな」
こうして俺と
とは言っても俺達はまだ自分のポケモンも持てる年齢にも達していないので、あくまで決意表明をしただけに過ぎない。
いずれは本気で競い合う時も来るのだろうが、そもそも俺の精神年齢を考えれば
俺の方からガチガチにライバルとして意識するのは流石に情けなさ過ぎるし、
きっとこのまま暫くは友人として仲良くやっていけるだろう。
そんな中で俺と
「セレナちゃん、大丈夫?」
「ううん、何でもない。ただお兄ちゃんとお姉ちゃんは将来の目標がしっかり決まってて凄いなって」
「セレナちゃんもサイホーンレーサーになりたい訳じゃないの?」
「私もサイホーンは嫌いじゃないよ。でもお兄ちゃんと違ってまだ上手に乗れる訳じゃないし、本当にサイホーンレーサーになりたいかどうかも良く分かんない。けど二人みたいにポケモンバトルがしたいかって考えたら、そうじゃない気もして……」
「ごめんなさい、きっとアタシの聞き方が悪かったのね。アタシ自身が両親の影響でポケモントレーナーになる事を決めたから、アナタ達にもそういう考え方を押し付けちゃった。でも将来の選択肢がその二つしかない訳じゃないんだし、セレナちゃんが今から焦る必要なんて全然ないわよ」
自分の発言をすぐに客観視出来る事といい、やはり
しかし
俺は今回の人生を送るに当たって、いくつか自分自身に決め事を課していた。
一つは波導使いとして無闇に他人の感情を覗かないこと。
相手の感情を誤解なく理解できるのは決して悪い事ではないが、実際に他人の心の内まで何処まで踏み込んで良いかは線引きが難しい。
そこら辺はモラルというかマナーというか、取り敢えず俺なりの良心に従う事にしている。
そして二つ目は転生者として前世の知識で他人に対して下手な先入観を持たないこと。
これに関しては正直なところ徹底出来ていない自覚はあるが、少なくとも自分が知る物語通りに他人の人生を捻じ曲げるような真似はしないつもりだ。
サトシに対してもキャンプで
それらのルールに対して中には看過できない事柄が今後起きうる事は想定できるが、そこはケースバイケースと割り切る他ないだろう。
そしてそれは
母さんのようにサイホーンレーサーになるのも、ゲームと同じようにトレーナーとして高みを目指すのも、アニメのようにポケモンパフォーマーを目指すのも、あるいは全く別の道へ進むのも全ては
だが現実に妹が悩みを抱えているのであれば、兄として力になるのは当然の話である。
気付けば
ようやく次回からポケモンも少し登場する予定