波導使いを経てXYの主人公に転生したけど、取り敢えず最強目指す   作:バイオブロリー

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004 輪廻の先にて

 セレナ(お隣さん)の家族が引っ越してきてから三ヶ月が経ち、俺達の家も色々と様変わりしている。

 まず新たに家族に加わったプラスルとマイナン。

 メイスイタウンで見つけたタマゴの親は結局現れぬまま、俺達はタマゴを家に持ち帰ることになった。

 そのタマゴから生まれたのがプラスルとマイナンであり、二匹とも性別は♀。

 何と言うか動作の一つ一つが愛くるしく、俺はもう完全にメロメロである。

 しかし残念ながら最初に約束していた通りセレナ()が十二歳となったらプラスルとマイナンの正式なトレーナーとなる事になっており、少し悔しいが俺以上にセレナ()によく懐いているので将来はきっと良いトリオになる筈だ。

 

 そしてプラスルとマイナンが孵ってからというもの、セレナ()自身にも大きな変化が生じていた。

 末っ子ゆえの気質もあってかセレナ()はそれまで何かと俺の事を頼ってくる事が多かったが、最近は何事もまず自分の力で乗り越えようとする意志が目に見えて伝わってくる。

 きっとプラスルとマイナンに対する責任感が芽生えると同時に、セレナ(お隣さん)という同性で指針となるような存在が身近に出来た影響も大きいのだろう。

 セレナ()が少しずつ兄離れしようしているのが寂しく無いと言えば嘘になるが、ここは素直に妹の成長を喜ぶことにした。

 

 だから最後に一つだけ将来に悩むセレナ()へのお節介。

 俺は少し前にセレナ()が隣にいるタイミングを見計らって、ネットでさりげなくポケモンコンテストの動画を再生した事があった。

 それを見てセレナ()がどんな反応を示したかと言えば、想像以上の食いつきっぷりだった。

 まだ夢としてはっきりと口に出してはいないものの、セレナ()がポケモンコーディネイターに強い憧れを抱くようになったのは間違いない。

 またしても母さんには悪いことをしてしまったかもしれないが、少し前までならともかく最近のセレナ()を見ていれば強く反対する事もない筈だ。

 

 ついでに言えば今のカロス地方ではアニメでやっていたトライポカロンのような大会は開催されていない。

 今後そういった催しを運営する組織が設立するのかもしれないが、少なくとも今の時点でポケモンコーディネイターを目指すならポケモンコンテストが盛んなホウエン地方やシンオウ地方で経験を積むのがセオリーと言えるだろう。

 もちろんセレナ()がどんな選択をするか確定した訳じゃないし、ポケモンを連れて旅立つことになるのもまだ先の話である。

 だが今のセレナ()を見ていると初めての旅がカロス以外の地になる可能性も高いように思えた。

 

 

 

 

 ……とここまではセレナ()の事に関してばかり触れてきたが、俺自身はと言うと相変わらずだ。

 早朝のトレーニングに加えて、ポケモントレーナーとなる為の勉強する日々を送っている。

 強いて変化を挙げるなら同じ夢を持つセレナ(お隣さん)と共に過ごす時間が増えた事くらいか?

 

 セレナ(お隣さん)は単に大人びているだけでなく、凄腕のポケモントレーナーだった両親から既にしっかりとその知識を引き継いでいた。

 その知識量は同年代の子供達の中では群を抜いており、セレナ(お隣さん)のストイックな性格もあって本当の意味で話が噛み合うのが前々世の知識がある俺くらいになってしまっているようだ。

 それでも一応は一日の長もあってまだ俺の方が知っている事が多いせいか、いよいよもって本格的にライバル視されるようになったらしい。

 

 とはいえ前に考えていた通りまだ子供同士の話なので、セレナ(お隣さん)とは一緒に調べ物をしたり議論を交わして過ごす時間が多くなった訳である。

 俺としてもセレナ(お隣さん)の視点に気付かされる事も多いし、セレナ(お隣さん)の両親から知識だけでなく実体験としてポケモンバトルの話が聞けるのは有難い。

 気付くと自然と一緒にいるのが当たり前になっている事を考えれば、俺とセレナ(お隣さん)はライバルであると同時に一番の友達と言えるかもしれなかった。

 

 

 

 しかし今日に限って言えばセレナ()セレナ(お隣さん)もいない中、俺は一人で部屋に籠っていた。

 後から来たプラスルとマイナンに先を越されてしまったが、遂に相棒もタマゴから孵化する時を迎えようとしていたからだ。

 セレナ()に加えてセレナ(お隣さん)も一緒にタマゴの世話をしてくれていたので、本当なら二人にも立ち会って貰うべきなのは分かっている。

 だがどうしても相棒と最初だけは二人の時間を過ごさせて貰いたかった俺の心情を察してか、二人は黙ってこの時間から身を引いてくれていた。

 

 そして遂に迎えた相棒と本当に再会する瞬間。

 タマゴから発せられた眩い光が部屋を覆いつくしたかと思うと、それが晴れた時に俺の前にいたのは……。

 

「久しぶりだな、リオル(相棒)

 

 前世で共に育ち戦った俺の相棒はルカリオ。

 それがきっと俺と同じく転生を果たした事で、一からリオルの姿へと戻ったという事だろう。

 前世では出会った時からルカリオだったので、こうしてリオルの姿の相棒を見るのは中々新鮮であった。

 

(……けど本当にリオルなんだよな?)

 

 しかし前世がルカリオだったという先入観からリオルだと判断したが、今の相棒の姿をよくよく観察してみると俺が知るリオルとは随分と異なっていた。

 今の相棒の全身は黒に近いダークグレーの体毛で、胸元部分だけが真紅に染まっている。

 また通常のリオルが目元から頭部の房に掛けてマスクを思わせる黒色であるのに対し、相棒はその部位が白炎が如く揺らいでいた。

 だがトータルで見ればやはり今の相棒もリオルとしか形容できぬ容姿であり、何よりその瞳はリオルとルカリオの代名詞とも言える波導によって蒼き輝きを放っている。

 

 一方の相棒も転生して姿が変わった俺を見て少なからず戸惑っているようだったが、波導によって強く繋がる俺達が姿形に囚われる必要はない。

 俺達はどちらともなく拳を突き出すと、それを重ねた瞬間に俺と相棒の波導が交じり合った。

 そして一つになった波導に乗じるようにして、俺と相棒が離れ離れになってからの記憶が互いの脳内に流れ込んでくる。

 

「ありがとう、最後までポケモンだけじゃなくて人間の事も師匠と一緒に守ってくれてたんだな。……それと、ゴメン。結局約束を果たす事が出来ないまま、先に逝ってしまって」

 

 相棒が俺に対して抱く思い。

 そこには純粋な懐古の念だけでなく、僅かな悲しみや怒りも含まれていた。

 別れ際に交わした再会の約束。

 それが叶う可能性が限りなく低かった事は互いに理解しつつも、俺が約束を果たせなかった事に変わりはない。

 残された側の相棒がそういった感情を抱くのは当然だ。

 だが俺が今際の際に抱いていた後悔の念もしっかり伝わったのか、相棒の中にあった蟠りのようなものもすぐに薄れてゆく。

 

「それじゃあ改めて。新しい時代へようこそ、リオル(相棒)。俺の記憶に触れたなら伝わってると思うが、今は昔と比べて随分と様変わりしてる。最初は慣れないことも多いかもしれないが、きっと前よりはずっと生きていきやすい世界の筈だ。取り敢えず新しい人生をどう生きるか決めるまでは俺と一緒に……」

 

 しかし何故か話の途中でリオル(相棒)が思い切り俺の事を小突いてくる。

 それも曖昧なものだった先程と違って、今度は明確に怒りの感情を孕んでいた。

 俺は波導を通じてすぐさまその理由を悟るのだが、それを知って思わず苦笑いを浮かべながら嘆息する。

 

「ったく、一応は念の為に確認しておこうと思っただけだよ。リオル(相棒)、今度こそ最後までずっと俺と一緒にいてくれるか?」

 

 俺の問いかけにリオル(相棒)は頷くと同時に、分かればよろしいと言わんばかりに鼻を鳴らした。

 リオル(相棒)は昔っから回りくどいやり取りが嫌いなのだ。

 俺からすれば理不尽でしかないものの、リオル(相棒)とのこういうやり取りも何処か懐かしい。

 

 こうして俺とリオル(相棒)は再び家族になると同時に、新たな人生で同じ夢に向かった歩み始める。

 そして時は更にあっという間に流れ、12歳となった俺はいよいよ旅立ちの日を迎えようとしていた。

 

 

 

リオルイメージ

 

【挿絵表示】

 




先週はちょっと情報が多すぎましたね。
御三家のメガシンカ嬉しい。

リオルのイメージに関しては
ポケフュージョンによる生成です。
詳細は次回。
タイプに関しては今回のタイトルから予想がつくかも?

どうでもいい余談ですが
リメイク前のリオルは前世で助けた子犬の生まれ変わりという設定でした
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