波導使いを経てXYの主人公に転生したけど、取り敢えず最強目指す 作:バイオブロリー
対峙する
まだ出会って間もないが、ケロマツはまず間違いなく負けず嫌いな性格だ。
それも筋金入りの……。
どうもケロマツは今の時点で
一方の
常に競い合える相手が近くにいるのは寧ろ幸運な事とはいえ、取り敢えずの落としどころに俺は頭を悩ませる。
(今の時点じゃ
本当ならいつもの修行の一環として
そしてトレーナーの俺がいつまでもグダグダと悩んでいてはポケモン達のやる気も削がれてしまうと、俺はいよいよ意を決した。
「よし、両方ともやる気があるのは良い事だ。ここは自己紹介代わりにバトルでお互いの事を知っていく事にしよう。俺もケロマツの事を良く知りたいからケロマツは俺の指示で、
俺の提案に
「けど
基本的なポケモンバトルのルールは大きく二つ。
まず最も基本的なルールとして、当たり前の話だがポケモンが戦闘不能となった時点でバトルは終了。
これは文字通りポケモンの体力が尽きて戦闘の継続が不可能になる事に加えて、ポケモン自身による戦闘意思の放棄も含まれていた。
一番分かりやすい例で言えばやはりアニメのポケモンリーグ・セキエイ大会で眠ってしまったサトシのリザードンだろう。
あくまでも自発的な戦闘放棄が対象なので、互いの技で「ねむり」状態を初めとした行動が封じられた状態に陥ってもバトルは継続される事になる。
このルールはポケモンにバトルを強要させない事を目的として設定されており、余りに不審な点が見られれば時にトレーナーの資格を問う審議の対象にもなるらしい。
次にポケモントレーナー同士によるポケモンバトルでは使う技がゲームと同じく4つに制限される。
ゲームと違ってポケモン達は別に技を4つしか覚えられない訳ではなく、実際に
ポケモンが覚えている技の中でどれを選択するかもトレーナーが取り得る戦略の一つであり、万が一の漏洩を防ぐために公式戦であっても事前の申請は行われていない。
バトル中に5つ目の技の使用が確認された時点で問答無用の失格となる。
トレーナーのミスとしてはそうそう無い事とはいえ、気を付けなればならない点が一つ。
本当なら言うまでもない事だが当然ポケモンにも意思があり、ポケモンバトル中であっても全ての行動がトレーナーの指示に縛られる訳でない。
ポケモン自らの考えで回避行動を取ったり、時には相手の隙を突いて技を使う事もある。
だがポケモンが自発的に5つ目の技を使ってしまった場合も当然失格となるので、身の危険が伴うバトルの最中でもポケモンがどれだけトレーナーに信頼を寄せているか試されていると言えるかもしれなかった。
他にも細かいルールは沢山あるものの、取り敢えずこれだけ押させておけばポケモンバトルは成立する。
後はバトルの本番……と言いたい所だが、流石にケロマツが使える技も知らない状態では指示の出しようがない。
「ケロマツ、少し良いか?」
そう断りを入れて、俺はケロマツの額に手を置いた。
科学の力は凄く本当ならポケモン図鑑を使えばポケモンが使える技を調べる事も出来るのだが、事前に貰っていたポケモン図鑑はトレーニング中だったので家に置いたままである。
代わりに俺はケロマツの波導を読み取る事で、今の時点で何の技が使えるか探ってみた。
(「はたく」「なきごえ」は
技の使用は4つに制限されるポケモンバトルだが、特性以外にもポケモンが有する技術や能力、他には身体的特徴を活かした戦略には特に制限はない。
例えば技を用いないポケモン同士の格闘戦はざらに起きるし、リオルやルカリオは波導を読む力によって他のポケモンと比べても遥かに高い回避能力を持つ。
ケロマツやその進化形であるゲコガシラが肌を乾燥から守る為に分泌しているケロムースも技とは異なるが、弾力性と粘着性を有する事からポケモンバトルにおいても様々な応用を利かせることが可能だ。
「それでは君達の初バトルの審判は僕が務めましょう」
「カルム、準備はよろしくて?」
「はい、お願いします」
先輩達に促されて俺とケロマツは
そして
まぁ余所は余所、ウチはウチというやつだ。
気を取り直し改めて向かい合った俺達に対し、デクシオ先輩がバトル開始の合図を告げる。
「ケロマツ!まずは「みずでっぽう」で牽制しつつ、リオルの体力を削るぞ」
俺の指示に従いケロマツが口から噴き出した「みずでっぽう」が
しかし
俺がケロマツに期待していた「でんこうせっか」を用いる高速の移動法は
フィールドを目まぐるしく縦横無尽に駆け巡る
「落ち着け、ケロマツ。リオルの動きに惑わされずに、ギリギリまで引き付けるんだ」
やはりまだケロマツが「でんこうせっか」で
とはいえこれは想定内。
そもそも今のケロマツと
そして「でんこうせっか」を使って距離を縮めてきたという事は、恐らく
それに
そうなると
すると俺の指示で動きを止めたケロマツに向かって一気に距離を詰めるリオルの両の拳が輝きを放ち始めた。
(あれは「バレットパンチ」。「でんこうせっか」そのものじゃなくて、あくまで拳で勝負するつもりか。
技の種類によって起点となる身体の部位はそれぞれ異なり、それが違いさえすれば訓練次第で同時に技を使う事も可能となる。
尤もそれを可能とするのはほんの一握りのトレーナーとポケモン達であり、過去の公式バトルの動画を見漁った限りではポケモンリーグの上位に食い込む者達くらいだった。
それを
それを見たケロマツからは先程とはまた違った驚きと畏れが入り混じった感情が伝わってきた。
(大丈夫、いずれお前だってその域には絶対に辿り着ける。だから今は胸を借りるつもりで、この瞬間のお前の全力をぶつけてやれ!)
「でんこうせっか」と「バレットパンチ」というスピードに秀でた技の重ね掛け。
これは今のケロマツではどうやっても躱す事はできない。
だが今回のバトルで俺とケロマツが有利な点は俺が
「今だ、ケロムースで受け止めろ!」
俺の言葉にケロマツの首元を覆っていたケロムースが一気に増殖して、身体全体を覆いつくす。
ケロムースは「バレットパンチ」の直撃を防ぐだけでなく衝撃までをも和らげ、更に拳に粘り付いたケロムースに僅かだが
「ケロマツ、「したでなめる」!」
これだけ近距離からの、しかも隙を突いた攻撃ならば、如何に
効果抜群の技を受けて
このチャンスを逃すまいとケロマツは連続で「したでなめる」を繰り出すが、次の瞬間ケロマツの前から
だがトレーナーの俺は
一瞬にしてケロマツの背後に回り込んだ
技の名の通り発勁としての効力も有する「はっけい」はケロムースを浸透し、ケロマツの急所に直撃したのだった。
俺が指示を出す間もなく意識を刈られたケロマツは地面に倒れこみ、バトルはそこで終了。
ケロマツ、そして俺のトレーナーとしてのデビュー戦はこうして黒星で幕を閉じるのだった。