余命僅かって理由でパーティーメンバー全員追放したら訳わからんことになった   作:大蛇丸Daisuke

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攻撃魔法しか使わない美少女たちから逃げたい

「お前らをパーティーから追放する」

「「「は?」」」

 

 昼下がりの酒場。

 多くの冒険者で賑わう酒場の一席でそう宣言した俺に、三人の少女たちは一斉に冷たい声で疑問符を表した。

 

「何言ってるわけ? 昨日変なものでも食べた? ウチの魔法で消毒してあげよっか?」

「お前の言う消毒は物理だろ」

 

 最初に言葉を発したのは魔法使いのメルティ。

 赤色のツインテールに紅の瞳。三角帽子にローブと言った見るからに魔法使い然とした装いにフレームの無い丸メガネを掛けた少女で、見た目だけで言えばちびっ子でしかない。

 しかしながら余りにも胸部に防御力がありすぎる。

 

 身長130cmに釣り合わないクソデカおっぱいは、ロリ好きに関わらず多くの男冒険者たちに狙われている。

 

 そんなメルティは生まれ持った莫大な魔力を使った炎魔法が得意で、彼女の言う"消毒"は炎魔法での"焼却"である。

 

 死んでまうがな。

 

「消毒後はわたくしの魔法で癒して差し上げますわよ〜?」

「存在ごと消えるが???」

 

 次に言葉を発したのは魔法使いのシンリー。

 金髪碧眼のロング。修道服に身を包んだ妖艶な美女である彼女は、例に漏れずメルティよりも分厚い胸部装甲が目立っている。

 修道服というエロから遠い装いであるのにも関わらず、はち切れそうなほどにぽよぽよ揺れるおっぱいには、どれだけ敬虔な信徒でも前屈みでお祈りすること間違いない。

 

 そんなシンリーは王都の教会で育ったシスターであり、莫大な魔力を使った光魔法が得意である。

 しかしながら回復魔法を生まれつき使えないため、彼女の言う癒しとは光魔法【聖刺悪滅の陣】とかいう巨大な光で敵を焼き尽くす魔法のことである。

 

 幻想的な光ではあるけど骨も残んないんすよ。

 

「お二人とも!! まずは理由を聞いてからですよ。センセーにも何か事情があるのかもしれませんし……まあ、事と次第によっては私の魔法で監禁するかもしれませんけど」

「圧縮されるんだよね」

 

 最後に言葉を発したのは魔法使いのアンネ。

 銀髪青目に犬耳が生えた少女で、最早定められたようにぽよぽよと巨大なおっぱいが目立っている。

 彼女は力こそパワーな部族に生まれた獣人で、生まれつき体が弱かったために部族内で迫害されていた。

 しかしながら力に恵まれなかった代わりに絶大な魔法の才を授かったことで、俺たちのパーティーでも大活躍をしてくれた。

 

 そんな彼女の得意魔法は"重力魔法"。

 アンネの言う"監禁"とはすなわち重力による捕縛であり、時間経過でプチプチ圧縮されることが約束される魔法である。

 

 他の二人より殺意あるよね???

 

 

 ふぅ……と各々の殺し文句(物理)を受け取った俺は、一旦心を落ち着かせつつ三人を見据える。

 どいつもこいつも濁った瞳で俺をギラギラに睨んでらぁ……。

 

 だがしかし、吐いた唾は飲めぬ。

 "追放"という事象を宣言してしまった以上、三人の圧に負けて「あ、やっぱ無しで……へへへ」とか誤魔化していられないのだ。

 いやできるっちゃできるけど俺が困る。

 

 うん、そうだ。

 俺は己の野望のため、コイツらを追放しなければいけない。

 結果的にそれが三人を傷つけることになっても。

 

 

☆☆☆

 

「あ~~~、回復魔法とか支援魔法使う優しい貧乳美少女に抱かれて死にてぇぇ〜〜〜!!!!」

 

 俺の名はセルビス。

 斥候、盾役、身体強化魔法を使った特攻、料理、掃除のできる万能型エルフとは俺のこと。

 一家に一人欲しいエルフとは俺のことである。

 

 そもそもエルフとは。

 簡単に言えば確定で1000年生きるアホの種族である。

 

 999年で死ぬことは無いが1001年生きることもない。

 外傷による要因以外では決して死ぬことは無い種族で、尚且つ人族換算で18歳の姿からは決して老いることはない。

 

 人族の成りたい種族ランキング不動のナンバーワンを誇るのがエルフという種族なのだ。

 

 しかしながら人族は知らない。

 決して18歳の姿から老いることは無いが、精神も18歳の頃で止まり、成熟することは決して無いということを。

 そしてエルフとは種族的に総じてバカが多いせいで纏まりが無く、伝統も歴史も大事にしない刹那的な種族ということを。

 

 だからこそ現代において純粋なエルフ族というのは希少で、大抵一夜の過ちで他種族との間に出来たハーフエルフやらクォーターエルフやらが大半である。

 誰もが責任とか何も考えずにセックスしまくるからである。

 

 アホだ。アホの種族だ。

 俺は自身の種族をそう思っている。

 

 そして例に漏れず俺もアホだ。

 なぜなら──

 

 

 ──あ~~~、回復魔法とか支援魔法使う優しい貧乳美少女に抱かれて死にてぇぇ〜〜〜!!!! 

 

 とかいう夢を追い求めて920年間童貞のまま過ごしているからだ。

 

 

 なんで回復魔法とか支援魔法使う優しい貧乳美少女が良いの、って?

 

 エルフの種族特性的にね、魔力を敏感に感じ取る性質があるのよ。

 んでもって攻撃魔法を使う人って、内包してる魔力が刺々しいせいで近くにいるとずっとピリピリしてるんすよ。

 でも回復魔法とか支援魔法を使う人ってのは、内包魔力が太陽のごとく明るく優しくてぇ……近くにいるとホワホワして……ふふ、勃ってしまいまして、ね……好きなんですよ。

 

 あ、貧乳は俺の性癖ね。

 

 

 まあそんなわけでさ。

 

 攻撃魔法しか使わねー美少女たちを追放したい、っていうのが目下の俺の悩みなんすよ。

 

 

 

 

 

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