カルト教祖に転生〜邪神に暴力を捧げるデスゲーム〜   作:黒子

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第4話 初めての信

『うひょひょ〜!! ナイス暴力だったよ!! 改宗ポイントあげちゃうあげちゃう!!』とは我が神ムータン。前に会った時は喧嘩別れした気がするが、所詮は緑の狸。

 

 暴力を捧げると尻尾を振って喜び、チャリンチャリンと改宗ポイントをくれる。そして、お楽しみの「ステータスオープン」だが……。

 

 

 【 名 前 】 アズマ

 【 宗 教 】 ムータン教

 【 信 者 】 0

 【 改宗pt 】 40

 【教祖スキル】 神との対話/勧誘

 

 

 うーん……。チンピラを一人片付けると改宗ポイントが10付与されるってことか……?

 

「アズマさん! ありがとうございますじゃ!!」

 

 老婆が元々前屈みなのに、更に頭を下げて礼を言う。これは、改宗チャンスなのか? もう若い女の子なんて贅沢は言ってられない。

 

「いやいや〜! こちらこそいい暴力チャンスを頂いて助かりましたよ〜。ところで、ば〜ちゃんはさぁ、何か宗教入ってるの?」

「宗教ですじゃ? それは国教であるヴェートラ教ですが……」

「えっ……まだそんな古い宗教入ってるの……?」

「古い宗教……?」

「そーだよ〜。今は新しい宗教、新興宗教に入るのが流行ってるんだよね〜。実は俺もある宗教の教祖やってるんだよね〜」

「教祖様だったのですじゃ?」

「そうそう。今なら信者一号になれるけど、ばーちゃんどう? 軽い気持ちでやってみない?」

 

 脳内で教祖スキル【勧誘】を意識しながら、老婆をムータン教に誘う。さぁ、どうだ……!? 頼む! 無になりたくない!!

 

「こんなババアでよければ……」

 

 よっしゃぁぁあああ!!

 

『信者プラス1。改宗ポイントマイナス15』

 

 システム音が信者の獲得を知らせる。やべぇ……。何故だか知らないが脳汁ドバドバ出てる。これ、滅茶苦茶気持ちいいぞ……!!

 

「教祖様……? 目がおかしくなっておりますじゃ……」

「えっ!? そんなことないよ!? ところでばーちゃん、2階で寝てるじーちゃんも信者になってもらっていいかな? やっぱり夫婦は同じ宗教の方がいいと思うんだよね〜。葬式の時揉めたりしても嫌でしょ?」

「葬式で揉める……? そんなことが……?」

「あるよ! めっちゃある!!」

「そうなんですじゃ……? それならちょっと爺さんに聞いてみましょうかねぇ」

 

 婆さんは背中を丸めたままカウンターの奥の階段をゆっくりと上がっていく。俺もカウンターの中に入って後へと続く。

 

「あんた。起きとる?」

 

 寝室の扉を開けて声をかけると、痰が絡んだような声で「お、起きとる」と返ってきた。爺さんだ。

 

「今ね、新しい宗教の教祖様がパウロ商会の奴等を追い払ってくれたんよ。爺さんからもお礼を言うて」

 

 婆さんに手招きされて入ると、爺さんがベッドの上で上半身を起こすところだった。具合が悪いのは本当のようで、顔が真っ青だ。これ、大丈夫か? 死ぬんじゃね?

 

「パ、パウロ商会の奴等をお、追い払ってくれて、あ、ありがとうございます……」

 

 爺さんは震えながら俺に頭を下げた。その横には猫がいて「ニャア」と鳴く。

 

「いやいや〜。お役に立てて良かったですよ〜。ところでじーさん。さっきばーさんにウチの宗教入ってもらったんだけど、どうかな? じーさんもウチくる?」

「しゅ、宗教ですか?」

「そ、しゅーきょう。最近新しく始めたんだよね〜。今なら信者第二号になれるけど、どうする?」

 

 爺さんの青い顔に警戒心が現れる。しかし、俺が【勧誘】を意識してベッドを凝視すると、急に穏やかになった。

 

「お、老い先短い身ですが、よろしくお願いします」と爺さんは頭を下げる。そしてシステム音が鳴る。

 

『信者プラス2。改宗ポイントマイナス25』

 

 えっ……? 信者プラス2……!? どゆことだ!! そして脳汁ドバドバ来たぁぁぁああ……!! 気持ちいいィィィィイイイ!!!!

 

「教祖様……!?」

「だ、大丈夫ですか?」

「ニァオ?」

 

 二人と一匹の声を聞きながら、俺は余りの気持ち良さに意識を失った。

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