「オススメですか?焼き鳥ですよ」   作:Tkmraeua2341

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あ、貴方様も、どうか、閲覧をお楽しみください
た、ただ、憐れな憐れな拙い文字書きに相応な評価を、頂ければと…



第2話

 

焼き鳥ってさ、結構種類有るよね。

私が俺だった頃、ビールよりもジュースの方が美味いしいっぱい食えるって早々に気づいたオデブの頃。

お祭りや庶民向けの大きな店の前でやってた焼き鳥の屋台を見たことがある。

見ただけ?そう、見ただけ。

利用しなかった理由?…そういうとこでやってるおっちゃんってだいたいフレンドリーすぎてちょっと…ね。

まぁ遠目に見たり横目でチラ見しながら買い物して帰ってた訳だが、結構な種類に分けてあった気がするのだ。

もも肉と鶏皮は覚えてる、あと塩とかタレとかでさらに分けられてた気がする。

どうして急にこんな事言うのかって?

 

 

 

 

 

「…いくら品数を増やしたいからって、エビを串で焼くのはどうなんだ?旨かったが…」

「これはこれで美味しいと思ったんです、結果は…ならず者さんの茹でたエビの方が、圧倒的でしたが…ならば私も鳥肉を茹でてみます」

「…エビと鳥肉じゃあ勝手が違うと思うが…塩加減だけじゃなく茹で加減にも気を付けるんだな」

「はい!」

 

 

 

 

 

結果、鳥は焼くほうがいい。

 

「なんだろうこれ…鳥のササミ…いやそれよりもパッサパサなのに味がしないとか…骨も一緒に入れてれば…それだともうただのスープ…」

「…おや、あなたは…前にも会いましたね、褪せ人さん」

「ははは、大丈夫ですよ、もも肉と鳥の皮は毎日焼いてますから」

「…これですか?新商品を作ろうとした…残がい…残飯…いやせっかく作ったんだし、うーん…」

「…成功の元、と名付けましょう」

「…え、食べるんですか?…申し訳ないんで鳥皮も一本どうぞ」

「…あ、鳥皮と一緒だと美味しかったですか?…なら交互に刺して…いやそれなら初めから…ぬーん…」

「……あ、ごめんなさい、他になにか食べていかれますか?」

「…はい、焼き立てなのでお気を付けて」

 

 

 

 

 

 

さて、新商品の開発に難航している私だが、今は別の意味で難航している。

 

そう、大昇降機だ。

 

大きすぎる…専門の職人か仕掛けを知ってる方でないと操作できないだろこれ。

ここまで来るの結構大変だったんだけど…。

戦闘?迂回したり隠れたり走ったり登ったりで避けてきた。

祝福もあるし一旦休憩…おん?

祝福の先になにかある様な感覚が。

なんぞ?

 

眠るようにその感覚に従い体を預けると、見知らぬ場所に立っていた。

全体的に木の茶色と黄金色、橙色が品よく入り混じったかの様な、西洋風の広い室内に私はいる。

かつては立派な武器だったのか、それとも個人の武器をその場と調和するように作り替えたのか、定かではないが人の背丈程もある剣や斧が机の真ん中に刺さっており、その中心に巨大な白金色の祝福が輝いていた。

そして机…円卓を囲むように椅子が並び、数人人が立っている。

壁には…神官か?まるで僧侶のような人の石像が置かれている、天井に届かなくとも見上げるほどに大きい。

後は…暖炉がある、火は入ってるのに暑すぎず、快適だ。

なんだここは?見える景色も体温も暖かいはずなのに何処までも寒気がする、あの大きな両開きの扉の奥からも、上手く言えないが恐怖を感じる。

閉じられた上で感じるこの恐怖…いつの日にか聞いた、ぬしの白蛇様みたいなのが居るのか?

 

「おや?初めての方ですね、円卓にようこそ。私はコリン、聖職者です」

「はじめまして、褪せ人ですが商人の真似事をしています、オススメは焼き鳥です」

「焼き鳥…?」

 

さて、聖職者のコリンさんに色々話を聞いた。

最初に導きがどうこうと言われてしまったが、私にはあまり関係ないだろう、私は殿様…じゃなかった、王様の器じゃないからね。

見えてはいるよ?だからリムグレイブからリエーニエに来たんだし。

まぁ大昇降機の事を話したら「きっとたどり着けるでしょう、導きが見えているのだから」とふんわりと励まされた、ぬぅ…。

 

だが案外なんとかなるかも知れないらしい。

何でも、この円卓に導かれた褪せ人の中に、かなり精力的に活動している人が居て、すでに大ルーンを2つも集めたのだとか。

つまり、デミゴッドを2人、屠った実力者と言うことだ。

どんな屈強な男なのだろうと想像していたら、とてもユーモアな方だとコリンさんに言われた。

後、よく食べる方だとも。

これは私も焼き鳥をおすすめしなくては!

 

そう意気込んでいたら、目や耳の飾りの多い白い鎧を纏った方に話しかけられた。

 

「…ふむ、新しい褪せ人か…円卓の先達として、君を受け入れよう。ゆっくりとしていきたまえ」

 

どうやら彼が円卓の代表のようだ。

彼の名はギデオン=オーフニール、百智卿とも呼ばれるすごい人みたい。

お近づきの印に焼き鳥を渡そうとしたら、なんとなく白い目で見られたような気がした。

あれかな…コリンさんにも拒否られたし円卓では焼き鳥不評なのかな?

それとも宗教上の教義で鳥は食べれないとか?ならしょうがないよね。

 

ひとまず他にもDと名乗る金銀鎧の方や銀に赤のお兄さんにも挨拶をしたが、Dさんは馴れ合いを拒むようであまり話してくれなかったし、お兄さんは「…ホスローは血潮で物語る…」とずっと呟きながら無視されてしまった。

 

他にも行ける所を探検していたら床に座り何に使うのか分からない道具や本を周囲に広げている金髪の女性と、乱雑に多くの武器が放置されている鍛冶台で鍛冶仕事をしている混種の男性を見つけた。

 

「…はじめまして、私はローデリカ、調霊のお仕事をしています」

「はじめまして、焼き鳥食べますか?」

「…焼き鳥?」

 

調霊とは、墓すずらんという植物とルーンを使って遺灰に宿る霊達の力を強化出来る事のようだ。

他にも生前の力を引き出させたり、安らかに落ち着けるように宥める事もあるらしい。

因みに、焼き鳥は食べてくれた。

脂っこいものはちょっと…と遠慮されたので取れる量が少ないから自分用にしていた胸肉を渡した。

 

「…あの、このまま…食されるのですか?…なにかお皿に…」

「あ、はい」

 

結局食べるまでに色々準備する事になった。

 

 

 

 

「いやー、お騒がせしました」

「…別に構わん。儂は鍛冶師だ、鍛えてほしい武器はあるか?」

「ダガーを持っていますが、鳥を捌くとき以外使わないので…」

「そうか…用ができれば来い、鍛えてやる」

 

混種の鍛冶師、ヒューグさん。

武器にこだわりのある褪せ人ならば彼にかなりお世話になるのだろう、私もそのうちお世話になると思う…うん…きっと…。

気不味くなったのでヒューグさんにもローデリカさんのと同じ焼き鳥を渡す。

なんかすっごいしみじみと食べられてこっちが居た堪れなくなってしまった…私の焼き鳥そんなになの?

 

その後、お皿を洗える所を探して階段を降りていけば蛮族のような女性が落ち込んでいた。

 

「えっと…大丈夫ですか?」

「…新しい褪せ人か…すまんが、一人にしてくれないか。情けないことだが、心が乱れているんだ」

 

あらま…相当参ってるみたい。

どう励まそうかと悩んでたら誰かが階段を降りてきた。

 

「…ああ、お前か」

「おや、褪せ人さん、縁あって私も円卓に来ることができました。あなたも円卓の方だったんですね。それで…この方とお知り合いなのですか?」

 

銀の甲冑が頷いた。

ならば初対面の私よりもこの人に任せたほうがいいだろう。

後はお願いします、と頭を下げつついつものもも肉と皮を2本渡して私はさっさとこの場を離れた。

 

さて、今度は反対側を探検しようと歩き出したが、瞬く間に終わってしまった。

書物が多くある部屋で百智卿が腰を曲げつつ読み漁っており、お邪魔してはいけない空気を発していた。

なので部屋に入らず奥に行けば、何も言わない双子の老婆が微動だにせずに居るばかりだった。

 

では、そろそろ行こうか、と円卓中心の祝福に向かえば蛮族娘を任せた褪せ人さんもやってきた。

ちょうど良かった、帰り方が分からなかったんだ。

とりあえず祝福に触れればいいのかな、と思っていたので今会えたのはとても有難い。

 

…ふんふん、祝福に触れながら行ったことがある祝福を思い浮かべればいいのか、ありがとうございます。

では、さらば!

 

 

 

 

 

「あれ?あなたも大昇降機に?」

 





ぎゃっ!
ぎゃあっ!
やめておくれ、やめておくれ…
質が低いのはわかってたんだ、だが頭に浮かんだことを拙いからと無視していては、何も生まれないじゃないか
お願いだから、酷いことはやめておくれ
ぎゃっ!
ぎゃああああああああっ!

ッポーン【妄想の傀儡】


遺灰:妄想の傀儡

拙い文字書きのお気に入りの傀儡
不定形の煙の霊体を召喚する

それは拙い文字書きが想像する読者の姿であり、彼には屈強な老兵にも傾国の美女にも見えたという
しかし、傍目には顔のない人型の煙にしか見えない
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