私立! バイオレンス学園!!   作:明るく楽しく暴力系ヒロインを!

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 話を修正するより思い切って削除して書き直すことにしました。


4時間目:ここってバイオレンス学園だよ!!

 昨日は教師から余計なことを言われたせいで、普段絡んでいない女子と話をする機会を得ましたが、こういう利害関係ありきでの関係って高確率で変な人と知り合う羽目になるんですよね。

 いや、星野君も宮本さんも一般的な尺度で言えば『変な人』に分類されますが、それを言えばオイラもですね。教室の扉を開けて、自分の席に向かおうとした時のことです。

 

「待っていたぜ!!」

 

 オイラの机に腰掛けてビシッと指差して来る女子が1人。

 ツンツン金髪にピアス、バイオレンス学園の生徒らしくロンパリな視線は何処を見ているのか分かりません。威嚇する様に剥き出した歯は意外と綺麗に揃っていました。てっきり、折られているモンかと思ったんですが。

 

「貴方、誰ですか?」

「まずは自己紹介からだよなァ! アタシの名は『雷霆 電(らいてい ひかり)』って言うんだ! よろしくな!」

 

 キラキラネームならぬバリバリネームですね。名前に恥じないハジケっぷりを見せてくれますが、とりあえず手を差し出されたので握手することにしました。

 

「はぁ、どうも。よろしくお願いします」

「オメーと仲良くしていると良いことあるらしいからな! だから、今日から友達になることにした! なんか困っていること無いか!!」

「ここまで正直で打算的だと好感が持てますね」

 

 宮本さんみたいに下手に体裁を取り繕われるよりかは楽ですね。こっちも相手の顔を立てる必要が無いので。

 

「で、アタシにできることを言ってみろよ。むかつく奴がいたら殴り倒してやるからよォ~!」

 

 なんて、模範的バイオレンス学園生なんでしょうか。このクラスにも彼女と喧嘩したことがある生徒がいるのか、朝っぱらから火花が散っています。

 

「じゃあ、大人しくしといて貰えますかね? 別に誰かを殴り倒して貰いたいとかは無いので」

「アタシが殴りてぇんだよ! ガッポガッポな特典付きでよォ~!」

「なんだろう。手段と目的の一体化はやめて貰って良いですか?」

 

 ここまで来ると単なる暴力系ですね。これにヒロイン要素を見出して学園の関係者は、頭悪いなってと思います。

 さて、どう蒔いた物かと考えていると。これまた立ち上がる別の生徒が1人。燃える様に真っ赤な髪を振り翳しながら歩いて来ます。ロックですね。

 

「だったら、ワタクシ様がいますわ! ヒロインらしく美味しいポジションを取るつもりだなんて、雷霆の分際で賢そーな真似を! この『炎王院 焔(えんおういん ほむら)』が許しませんこと!!」

「とてもではありませんがヒロインを目指す方の言葉とは思えませんね」

 

 教室内のIQが著しく下がっていますね。オイラを間に挟んで火花がバチバチと散っています。宮本さんや星野君とばっかりコミュを取っていたので忘れがちでしたけれど、この学園ってそういう所なんですよね。

 

「あァ~? エセお嬢様がアタシの……お前、何て名前だっけ?」

「大西です」

「アタシの大西を取ろうとするなんて10年早ェんだよ!」

 

 所有しようとする物の名前も分からないのに、こんな大言を吐ける雷霆さんの厚顔無恥っぷりは、軽蔑所か尊敬のレベルです。ちなみに彼女の物になった覚えはありません。

 

「はしたない人ですこと!! 大西様! こんな奴と付き合っていたら、碌でもない目に遭いますわ! さぁ、ワタクシと一緒に!」

「現時点で碌でもない目に遭っているんで、もう良いです」

「ほら、見なさい! 雷霆さん! 大西様も呆れ返っているじゃありませんの!」

 

 サラリと人に責任を押し付ける辺り、ノブレス・オブ・リージュを微塵も感じさせないお嬢様っぷりを披露してくれますね。

 エナジードリンクも飲んでいないのに彼女達の争いで、スッカリと目が覚めてしまいました。ただ、この2人の存在は悪くないかもしれません。

 

「(他の生徒はドン引きしていますしね)」

 

 敢えて、ヤバイ女子を囲うことで抑止力とする。と言うのはありかもしれません。雷霆さんも炎王院さんも申し分ない個性の持ち主です。

 

「こうなったらよォ~! 大西に決めて貰おうじゃねぇか! どっちとダチになるかをよォ! ダチバトルだ!!」

「そうですわ! 大西様! どちらを選ぶかなんて……」

「いや、友達は数いてナンボなんで。お2人共よろしくお願いします」

 

 別に恋人を作る訳でもないですし、友達になるのにこんな仰々しいイベントは要らないと思いますが、両方友達ってことで良いんじゃないかって思います。ですが、この答えは気に入らなかったようです。

 

「アタシが一番じゃねぇのかよォ~!」

「友達になったばかりなのに暴力を振るうの止めて貰って良いですか?」

 

 雷霆さんが胸倉を掴んでガクガクと揺さぶって来ました。スキンシップにしては随分と激しいと思います。見かねた炎王院さんが雷霆さんの膝に蹴りを入れていました。

 

「おバカ! 殿方との接し方も分からないんですの! やっぱり、貴方は尻穴にコンセントを突っ込んでいるのがお似合いの様ですね!」

「貴方は公共の場で言って良いことと悪いことの区別が分からないようですね」

 

 少なくとも女性がそんなお下品なことを言ってはいけないと思います。

 他責モンスターである炎王院さんはオイラの発言にイラっと来たのか、今度は彼女に胸倉を掴まれて揺さぶられました。

 

「ワタクシ、貴方を助ける為にやったというのに! 言葉の揚げ足を取ってネチネチと!! それでも男ですか!!」

「時代に逆行するストロングスタイル。オイラは嫌いじゃないですよ」

 

 昨今は大人も子供も配慮の中、特段気にすることなく下ネタと無配慮を撒き散らすのは、古き悪きお嬢様をしていて良いと思います。これぞ、バイオレンス学園の生徒って感じですね。

 

「オラァ! アタシの大西に何してんだ!」

 

 今度は雷霆さんが炎王院さんにローキックを決めていました。拘束が緩んだ隙に逃れましたが、2人の間には一触即発の空気。クラスメイト達からも『お前が蒔いた種だろう』みたいな視線が注がれています。

 

「だったら、どっちが真のダチに相応しいか決めろよな!」

「少なくとも。そんなことをダチに強要する人が友人に相応しいかは疑問ですね。交友関係に順位を付けるなんて、意味が無いと思うんですよね」

「また、そうやって煙に撒きましてからに! 責任の所在を曖昧にし続けるのは政治家と役員だけでお腹いっぱいですわ!」

 

 なんで、この人達。こんなに順位に執着しているんでしょうか? 一番じゃなきゃ特典が受けられないと思っているんでしょうか?

 

「と言うかですね。順位も何も、オイラ達が話したのは今日が初めてじゃないですか。本当に順位を付けるならこれからだと思うんですよね」

「じゃあ、現時点で1位は誰だよ!」

 

 なるほど。指標を立てておくのは今後の目的遂行の為には悪いことではありません。と言っても、オイラの知り合いは宮本さんと星野君の二択ですし、選択は限られるんですよね。ガラリと教室の扉が開きました。

 

「おはよーさん。なんか、朝からやっていたのか?」

「オイラの一番のダチの星野君です」

「え?」

 

 なんのこっちゃ。みたいな顔をされましたが、雷霆さんと炎王院さんからロックオンされていました。

 

「どうやって大西と仲良くなったか教えろ!!」

「やっぱり男同士のアレですか! アレですか!!」

「何の話!? おい、何が起きてやがんだ!?」

 

 雷霆さんに絡まれる星野君を傍目に、オイラは散らかされた机を元に戻そうとしたら、既にオイラの席に座っている女子が1人。宮本さんです。彼女はフゥとため息をついていました。

 

「まったく。一番なんて争う意味も無いというのに」

「そうですね。どいて貰って良いですか?」

「大西君。私には分かっていますよ。本当の一番が誰なのかって。角を立てない様に星野君の名前を上げたんですよね?」

「いや、本心ですけど」

「そうなんですよね?」

 

 どうして、この学園の女子は人の話を聞く気が無いんでしょうか? 星野君が一番になるのはちゃんと話を聞いてくれるからなんですが。

 

「このままじゃ、宮本さんも絡まれから席に戻った方が良いと思いますよ」

「私のことを心配してくれるなんて。やっぱり……」

 

 よっぽど、誰からも呼びかけをされなかったんでしょうか。そう思うと、ほろりと来る物がありますね。そんなことを考えていると、ようやく担任がやって来ました。

 星野君に絡んでいる2人を引き剥がして、連絡事項を言って、出席確認だけとると教室から出て行きました。

 

「(果たして。朝からコレとは。今後どうなるんでしょうか)」

 

 目下、ヤバいのは昼休みでしょうか。あの二人がヤバさを発揮してくれている間は、他の人は来ないと思いますが、問題はオイラが耐えられるかですね。

 なんで、絡みに来るのか。聞きたいことは山ほどありますが、とりあえずは目の前で行われている授業の方を集中して聞くことにしました。

 

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