「な、何だこれ!?」
「ミレニアムの新兵器かなにかなのか!?」
宙に浮いたスケバン達は突然起きた現象に困惑するしかなかった。
「今だ!撃て!!」
「は、はい!」
陽介に指示をされたユウカ達が宙に浮いたスケバン達を撃つ。
宙に浮いた生徒は突然のことに困惑している中での弾丸に当たり気絶する。
「風よ降ろせ」
気絶したことを確認した陽介はスケバンを降ろすのだった。
「先生、今のは一体?」
突然の現象にハスミはおそらく現象を引き起こしたであろう陽介に詰める。
「魔法だよ。ほら、火よ」
陽介はハスミの疑問を端的に答え、さらには魔法であることを証明すべく人差し指から火を出す。
「え、嘘でしょ!?」
「そんなことよりほら、他の子が来るよ。今から光の魔法で目を覆わせるからその隙に撃っちゃって。光の精霊よあまねく光で我が敵の目を覆い隠せ」
そう言って魔法を発動させるとスケバン達の前で突然光が発光する。
突然のことで驚いたスケバン達は目を瞑りその隙にスズミが撃つ。
「風よ切り裂け」
陽介がそう言うと風の衝撃波が発生し銃構えていた生徒の銃と衣服が切り裂かれ衝撃で後方に飛ぶ。
「動態の精霊よ機敏なる力をこのものら身に纏わせよ。力の精霊よ屈強なる力をこのものらの身を授けよ。守りの精霊よ堅牢な守りでこのものらの守りたまえ」
突如ユウカ達の周りに無数の魔法陣のようなものが浮かび上がる。
「先生これは一体?」
「支援魔法だ。これで敏捷性と筋力と耐久が上がったはずだ」
陽介にそう言われ、ユウカ達はすぐさまその効果を実感する。
「え、嘘でしょ!?体が軽い」
「銃の反動があまり感じられない」
「嘘!? 当たったのに全然痛くない」
そうして陽介の魔法と生徒のコンビネーションで切り抜けていく。
陽介の魔法により強化された今の彼女たちはホローポイント弾なんて全く痛くない。そうしてどんなに撃たれようとも動じずに撃ち続け、そこに陽介の支援や攻撃魔法がスケバンを気絶させていき、近くにいたスケバンを陽介たちを恐れ逃げていくのだった。
気づけば辺りのスケバンいなくなっていた。
「なんだか、いつもより戦闘がやりやすかったですね」
「やっぱりそうよね?」
「先生の魔法の力もありますが先生の指揮のおかげで普段よりずっと戦いやすかったです」
「なるほど、これが先生の力。まあ、連邦生徒会長が選んだ方だから当たり前か」
スズミの言葉を始めとして口々に少女達が陽介を絶賛し期待と信頼のこもった視線が陽介を刺す。
こういった称賛や視線に慣れなかった陽介は恥ずかしいのか目を背けて通信でリンに話しかける。
「リンさん、この辺りのスケバン達はいなくなった。ここからあとどれくらいだ」
「はい、先生。ここから大体10kmぐらいです」
「そうか分かった。鎖の精霊よ」
リンの言葉に頷いた陽介は魔法でユウカ達を鎖で繋ぐ。
陽介の突然の行動に一同は困惑するしかない。
「先生一体何を?」
「このまま戦いながら目指していたら時間が掛かる。だから魔法で飛ぶ。大丈夫だ。30秒で着く。風の精霊よ…!」
「先生。10kmを30秒ってそれは…あぁ!」
ハスミの質問に陽介は魔法で飛ぶことを伝え魔法を行使する。
しかしユウカが10kmを30秒で移動する際の速度と10kmという短い距離で停止する場合身体に掛かる衝撃を瞬時に計算し陽介を止めようとするが言葉虚しく少女達は飛ぶのだった。
そうして30秒が経過した頃にサンクトゥムタワー付近に到着した。
「よし着いたぞみんな。ん?どうしたんだ早瀬さん、そんな絶望した顔をして戦わずに目的地付近に到着したんだぞ」
陽介は絶望していたユウカに話しかける。
「もお、先生の信じられませんよあの速度を急停止なんていくら私たちの体が頑丈だからって限度があるんですよ…」
ユウカは陽介に長々とさっき行ったことの重大性を長々と説明していき説教する。そうして説教している中で二人の会話をハスミが遮る。
「待ってください、ユウカ。先ほどから先生に危険性について教えていますがあの時私たちが飛行したとき特になにも負荷がありませんでした。それどころか風すらもあまり感じられませんでした」
ハスミにそう言われユウカはさっきの飛行を思い浮かべる。そうして見る見る内に顔を歪めていき。
「ご、ごめんなさい先生。私、つい驚いてしまって」
「いいんだよ、早瀬さん。俺も最初に魔法で風の膜を張るって伝えなかったのも悪いし」
「本当にごめんなさい先生。それと私の名前はユウカで大丈夫ですよ。ほら先生もうシャーレの部室は目の前よ」
そうして今度は陽介とユウカの空間に一つの通信が入る。
『先生。今、この騒ぎを起こした生徒の正体が判明しました』
二人の間に入ったのはリンだった。
リンは騒ぎの主犯について話す。
「ワカモ。百鬼夜行連合学院で停学になった後、矯正局を脱獄した生徒です。似たような前科がいくつもある危険な人物なので、気を付けてください」
そうしてリンの話を聞いていると近くから騒がしい音が聞こえる。
スケバン達の音ではない。もっとゴゴゴとした音だ。
「気をつけてください、巡航戦車です…!」
音の正体に気づいたチナツはすぐに陽介達に警告する。
そうして警告して間もなく巡航戦車が陽介達の目の前に現れた。
「クルセイダー1型…!私の学園の戦車と同じ型です」
「不法に流通された物に違いないわ!PMCに流れたのを不良たちが買い漁ったのかも! つまりガラクタってことだから、壊しても構わないわ!!行くわよ!!」
ユウカのその言葉にハスミ、スズミ、チナツはクルセイダー1型を破壊すべく行動する。
陽介の魔法がまだ続いているならすぐに壊せると考えたからだ。
「ちょっと待ってくれ、羽川さん」
「なんでしょうか先生?それとハスミで構いませんよ」
陽介はハスミを呼び止める。
呼び止められたハスミは停止しそれと陽介に名前呼びを頼むのだった。
「そう。それじゃあハスミさんあのクルなんだっけ?まあいいや、手を掲げてみて」
「クルセイダー1型ですよ先生。それと一体なんの意味があるんですかそれは?」
「いいからいいから手を掲げて俺の言葉に続くんだ」
「はぁあ?」
陽介の理解できない言葉にハスミは困惑を浮かべるが先ほどの支援に飛行魔法等というの見せられてなにかあるのだろうと思ったハスミは陽介の指示通りに動く。
「風の精霊よ」
「風の精霊よ?」
「我が眼前の敵を切り裂けっと言って腕をあのクルセイダー1型に向けて腕を振ってみてくれ」
「我が眼前の敵を切り裂け?」
陽介の言葉にハスミが続くと突然ハスミの腕から衝撃波が発せられる。
発せられた衝撃波はそのまま戦車へと直撃し直撃した戦車には大きな切断跡が残った。
「へっ?」
「「「えっ?」」」
「「「「ええっ????!!!!」」」
突如起こった現象にこれまで散々陽介の魔法を見てきたユウカ達も思わず叫ぶ。
「よくやった羽川さん。後は俺に任せてくれ。炎の精霊よ…灼熱の炎で…我が敵を消し炭に…」
ハスミの成果を確認したおじさんは手を翳しゆっくりと詠唱する。すると小さな魔法陣が円形の列を組みそこから炎が中心点へと集まっていき集まった炎が大きな鳥の形へと変化する。
「やばい、やばい、あれはさっき来たやつより遥かにやばいよ」
「早く、早く出て、じゃないと逃げられないよ」
戦車に乗っていたスケバン達はさっき食らった風の斬撃よりも遥かにすさまじい攻撃がくることを察しすぐさま戦車から脱出しすぐさま逃げ出す。
ユウカ達も近くにいては自分たちも危ないと察したのか壁や倒れた車を背に隠れる。
「…せよ」
スケバンとユウカ達が離れたことを確認したおじさんはもぬけの殻になった戦車に向かって
「すごい」
「あれが先生の魔法の力」
「すごい爆発だった」
「これほどとは」
陽介の魔法の威力にユウカ達は三者三様の様子を見せる。
「この辺りにはもういないな。よし行くぞ」
そうして陽介が歩き出したところに4人は付いていくのだった
そうして歩いているとハスミが陽介に話しかける。
「あの、先生。先ほどなぜ私は先生の魔法を使えたのでしょうか?」
「ああ、それね、さっき色々分かったんだけど君たちの頭に浮かんでいる頭の
「ちょっと待ってください先生。私たちのヘイローが魔法の媒体になるってどういうこと?もしかして私も使えるようになれるの?」
陽介の言葉にスズミも加わる。
「それなんだけど人によっては使える魔法は違うし頭のやつ(ヘイロー)の力が足りなくて魔法がそんなに使えない子もいるようなんだ。それにすぐにあの威力が撃てるわけじゃないよ。もっと精霊を感じ取って真意にお願いしなきゃいけないんだ」
そうして陽介の魔法談議にチナツもユウカも加わって駄弁っている内に
「着いた!」
「はい」
ユウカが喜びの声を上げ、それにハスミも続き、リンのホログラムが映る。
『「シャーレ」部屋の奪還完了。私も、もうすぐ到着予定です。建物の地下で会いましょう』
そう言ってリンは通信を切るのだった。
◇
シャーレを見事奪還をした陽介はリンに言われた通りに地下へと進んでいた。
そうして歩いている奥から声が聞こえる。
「うーん…これが一体何なのか、まったく分かりませんね。これでは壊そうにも…」
壊すという言葉からおそらくスケバンの類だろうとあの魔法で逃げない魂胆があるのか、それとも陽介達が到着する前にこの地下に潜んでいたのであろう。
そこにいたのは狐の面を被っていて和服と制服を組み合わせたのであろう。先ほどのリンやユウカ達とは明らかに違う服装に陽介は警戒を露にする。
「光の精霊よ我が右手に剣を顕現せよ。闇の精霊よ我が左手に剣を顕現せよ」
陽介は歩きながら魔法を唱える。 陽介は銃を破壊するために右手に光剣を少女が通信機器を持っているのを考え通信を切断するために左手に闇剣を。
見たところ狐面の少女の持つ銃はユウカのように連続で弾丸が撃てる機構ではなく単発式で銃のであり、先についている小刀から近中距離の戦い方をするのだろう。
「…あら?」
「機動の精霊よ…」
そしていつでも瞬時に動けるように魔法を唱える。
少女と陽介が対峙する。どちらも停止して陽介は何時でも動けるように構え少女と睨みあう。
「あ、あ…。し、し…失礼しましたー!!」
先に動いたのはワカモだった。
しかしワカモは陽介に向かうのではなくその逆の方向へと走り去ってしまう。
陽介はすぐさまワカモを捕らえるべく魔法を発動し、追いかけるが後ろから声がかかり陽介は視線を声の方向に向け壁に衝突する。
「ぐぎゃぁ!」
陽介は背中が壁に大きくぶつかり壁からは大きな衝撃音がこだまする。
「あの、先生。大丈夫ですか?」
陽介に声を掛けたのはリンだった。どうやらさっきの地下で会おうというのはそんなに時間がかからなかったようだ。
「…?何かありましたか?」
リンは陽介に何があったのか質問する。
陽介は考えた末、あの少女よりもシャーレの奪還の方が重要だと考える。
もし仮に陽介が自分と相対した少女が狐坂ワカモだと知っていればリンを振り切りワカモを捕縛しただろう。
「いや、何でもない」
「…そうですか。ここに、連邦生徒会長の残したものが保管されています」
そう言うとリンは歩き出しワカモがさっきまで持っていて陽介から逃げた際に落としたタブレットを拾う。
「…幸い、傷一つなく無事のですね」
タブレットの無事を確認したリンは陽介にそのタブレットを渡す。
「…受け取ってください」
「これは、タブレットか」
「はい。これが、連邦生徒会長が先生に残した物。「シッテムの箱」です」
陽介はタブレットを受け取る。
「普通のタブレットに見えますが、実は正体のわからぬ物です。製造会社も…」
リンは陽介に渡したタブレット「シッテムの箱」の説明をするが、陽介は説明を最後まで聞かずにタブレットを起動する。
【システム接続パスワードを入力してください】
どうやらパスワードが必要のようだ。試しに陽介はパスワードにSE〇Aやソニックなどを入れてみるが特に作動はしない。
これではどうしようもないと考えた陽介はリンの話が終わった後にパスワードについて聞こうと思ったが不意に陽介の手がパスワードを入力する。
……我々は望む、七つの嘆きを
……我々は覚えている、ジェリコの古則を。
___________。
・・・接続パスワードを承認。
現在の接続者は嶋崎陽介…確認しました。
シッテムの箱へようこそ、陽介先生。
生体認証、及び認証書生成のため、メインオペレートシステムA.R.O.N.Aに変換します。
「先生!?これは一体に!?」
突如画面から眩ゆい光が放たれ、二人は反射的に目を覆う。
◇
「ここは一体?」
陽介が目を開いた時、そこには教室一部が崩壊した壁にそとには無数の机と椅子の山がある。教室の中には複数の机と椅子。そして…
「くううぅぅ…Zzzz」
「子供?」
髪色は淡い水色で、服装は寝間着なのだろうか青い獣耳が付いていてよく見たらソニックの顔が描かれているように見える。恐らくソニックの着ぐるみパジャマを着ているのだろう。カチューシャに大きな白いリボンをつけ、机にうつ伏せで静かに眠っている幼女がいた。
眠っている幼女を起こすのは気が引けたのか陽介は音を立てないように椅子に座り少女が起きるまで待つことにした。
そうして座った時、幼女から寝言が聞こえた。
「くううぅぅ……Zzz…むにゃ、カステラにはぁ……いちごミルクより……バナナミルクの方が………えへっ…まだたくさんありますよ…」
可愛らしい寝言である。陽介はそんな幼女を微笑ましく見守っていると幼女の目が覚める。
「むにゃ…んにゃ…ありゅ?」
少女は眠たげに目を擦っていると陽介が視界に入る。
「ありゃ…え、あれ?せ、先生!?」
陽介が視界に入った瞬間、幼女が驚く。しかしその驚きが知らない人がいることではなく知り合いが目の前にいることへの驚きに感じられる。
「こんにちは」
「こ、こんにちは…この空間に入ってきたということは──まさか、陽介先生……!?」
「ああ」
「うわぁぁぁ!?そ、そうですね!!もうこんな時間!?わぁぁ、えぇと……」
「落ち着きなさい」
「そ、そうですね!?えと……まずは自己紹介からっ!」
少女が礼儀正しく足を揃え、陽介に自己紹介と挨拶をする。
「私はアロナ!こんにちアロナです!このシッテムの箱のシステム管理者であり、メインOS、先生のアシストをする…秘書です。やっと会うことができましたね!私はここで先生をずっと、ずーっと待ってました! 」
「待ってくれ俺は君を知らない。君はなにを知っているんだい?」
「残念ながら私にはそこまでの情報はありません。あるのはここに陽介先生が来ることと陽介先生のサポートをすることです。嘘だと思うなら先生の持つ記憶の魔法で調べてみてください」
アロナにそう言われた陽介はアロナの頭に手を当て魔法を詠唱する。頭に手を置かれたアロナはどこか嬉しそうだ。
「記憶の精霊よこの者の記憶を探れ」
そうして陽介は魔法でアロナの記憶を探る。そこにはキヴォトス全体のことがあるが連邦生徒会長のことがまるでピンポイント消されたようで陽介が知りたいことは知れなかった。少し時間がたったのちに少し残念そうな顔でアロナの頭から手を放す。アロナも陽介の手が離れたことに残念そうな顔をするがその理由を陽介が気づくことはない。
「どうですか?先生」
「本当にないようだな。ごめんな疑って」
「いえ!全然大丈夫です!これから先、頑張って先生をサポートしていくんですからこれくらい大丈夫です!あ、では形式的ですが……生体認証をお願いします、先生、指先に手を 」
陽介はアロナと指を突き合わせる。アロナは指切りみたいというが陽介からしたらとある映画を彷彿させるのだった。
そうして認証をしたのち陽介はアロナにこれまで起こったことについての説明をする。
「連邦生徒会長がいなくなってキヴォトスのタワーの制御する手段がなくなってしまった」
「そうなんだ。解決するために君の力が借りたいんだアロナちゃん。さっき見た君の記憶から君ならできるようだし」
「はい。先生の言う通り私ならなんとかできます。このアロナちゃんに任せてください」
そうして少し時間が経ったのだろうかアロナは自身の成果を報告する。
「先生。サンクトゥムタワーのadmin権限を取得完了しました。これでサンクトゥムタワーの権限は私アロナに指揮下にあります」
「そうか、じゃあその権限を連邦生徒会に移してくれ」
「いいのですか先生?今のサンクトゥムタワーは先生の支配下にあります。今後の先生の活動や目的の果たすためなら持っておいた方がいいと思いますけど」
「いいよそう言うのは俺じゃ扱えきれないだろうし俺が持つよりあの娘達が持つ方が有効活用できるだろうから」
アロナの提案に陽介はバッサリと答えるのだった。
その言葉を聞いたアロナは頷く。
「分かりました。これよりサンクトゥムタワーの制権を連邦生徒会に移管します!」
アロナがそう言うと再び眩い光が放たれ気づいたらさっきまでいた地下に陽介は鎮座していた。
「先生!先ほどはどちらに消えたのですか」
リンが陽介に詰め寄る。それも致し方のないことで突然光が放たれた思えば数分間陽介はいなくなっておりまた光が放たれた思えば陽介が現れたのだから。
数分間いなくなったということを陽介が聞いた時陽介はふと疑問に思った。
リンは数分と言っていたがあの謎の空間にいた時間は少なくとも数十分以上はいたはずだと。
もっともそんなことよりも重要なことを伝えないといけないと陽介は考えサンクトゥムタワーの権限を連邦生徒会に移したことを伝えた。
陽介にそう言われ慌ててリンは確認する。
「サンクトゥムタワーの制御権の回復を確認できました。これで連邦生徒会長がいた頃と同じように行政管理が行えます。お疲れ様です先生。キヴォトスの混乱を防いだことを連邦生徒会を代表して深く感謝します」
権限の回復を確認したリンは安堵の息を鳴らし陽介に深く感謝するのだった。
そうしてリンと会話を続けているとリンが陽介についてくるように言い連邦捜査部「シャーレ」の部室に案内する。
部室へと向かう最中にリンはシャーレについての説明と陽介の仕事内容について説明した。
「シャーレは権限だけはありますが目標のない組織なので、特に何かやらなきゃいけない…という強制力は存在しません…」
そうして長々と説明し結論としては先生がやりたいことは何でもやっても良いという破格な組織なのである。
「それではごゆっくり。必要な時には、またご連絡します」
「待ってくれリンさん」
そう言ってシャーレの部屋を出ようとするリンを止める陽介。
「はい。なんでしょうか先生」
「君は異世界に渡る手段もしくはそう言った話を聞いたことがないかい」
「異世界に渡る手段ですか?ごめんなさい先生。そういった話は聞いたことがないですね」
陽介の突然の問いかけにリンは困惑するしかなく、そういったことを知らないリンは陽介に知らないと言うしかなかった。
「そうか、知らないのか」
リンの言葉を聞いて陽介はあからさまに落ち込む。リンは自分が悪いわけではないのに酷く落ち込む陽介を見て心が痛くなり何か力になれないかと陽介に話しかける。
「あの、先生。お力になれないかもしれませんけど先生がどうやってキヴォトスに来たのかお聞かせいただけませんか?」
「そうだな。ふむ、話すよりも見せた方が早いな」
「見せる?」
「
陽介がそう言うと突如ホログラムのような映像が浮かび上がる。
リンは突然の現象に驚く。
「先生。これは?」
「記憶を再生する魔法だよ。えっと確かこれぐらい前だったかな…」
陽介の説明にリンの頭が回転する。リンは先生の扱う魔法は攻撃や支援といった魔法だけだと思っていた。しかしこの記憶を再生する魔法はシャーレ奪還に使われた魔法と比べると有用性が大きすぎる。
「先生、その魔法は『うおー!死ね!!オークがぁ!!!』えっ!?」
リンは記憶の魔法について話そうと思ったが記憶に映った光景がパッと見、美男子の集団が先生に向かって殺意を持って陽介を襲ってる光景に絶句するしかなかった。
「えっ?あの、先生これは?」
「ああ、これは俺がここに来る前に見ていた記録だよ。今から18年前に俺、トラックに轢かれて17年間異世界に行ってたんだ。これは村に入った時の光景だね。異世界人は老若男女美形なんだ。だから向こうからしたら俺は醜いオークという怪物に見えるから基本はこれなんだ」
そう言って陽介は映した映像のバーを弄り陽介がキヴォトスに来る直前に進める。映像は見ていたリンは先生が基本襲撃してくる過酷の異世界生活のことを想像し映像に集中できなかったが先生のために原因を探るべく何度も映像を見る。陽介の側にいたアロナは涙目であった。
そうして何度も映像を確認しているとリンがある場所に気付き陽介に指摘する。
「先生、この歪んでいる場所をもっとスワイプできませんか?」
「ああ、わかった。スワイプスワイプ、ついでに見やすいようにカメラ回転」
そうして場所を変えたとこを見ると空間の歪みの中央に一枚のカードが見えた。
「先生、おそらくこれかと?」
「これかぁ」
「何かこのカードに見覚えはないですか?」
「うーん。見たような見てないような気がするな」
陽介のリンの指摘に頭を悩めていると頭の中に声が響く。
(先生、先生ポケット確認してみてください)
声の正体はアロナだ。
アロナの指摘に陽介はポケットに手に入れ確認する。
そうして一枚のカードがポケットから出てくる。
「これが先生がキヴォトスに来た原因?」
「見た感じただのカードだな。これがどうやってやったんだ?」
カードを確認するがリンも陽介も唯のカードにしか見えない代物に疑問が湧く。
そうして何かないかとカードを指で触っていると突然空間が歪み出した。
「先生!?」
「逃げろ!リン!!」
陽介はリンに逃げるように促すが言葉虚しく二人は空間の歪みに巻き込まれるのだった。
◇
「ここは?」
空間の歪みに巻き込まれた後に写った光景はいつもの部屋だった。
そして陽介の目の前には甥のたかふみとその友人の藤宮さんがいた。
「そうか、俺は帰って…「「おじさん!!」」」
帰って来れたことに安堵の声を出す陽介。一方たかふみ達は陽介に抱きつき帰ってきたことをひしひしに感じながら目に涙を浮かべていた。
「おいおい、二人とも大袈裟過ぎるぞ。少し俺がいなくなったからって」
「だって、おじさんが消えた後精霊さん達に聞いてもおじさんはこの世界にはいないってことしかわからなかったんだよ」
「唯でさえ17年間の過酷な異世界から解放されたおじさんがまた過酷な異世界に行ったんじゃないかって心配だったんですよ!」
陽介は二人を諌めるが二人の言葉に陽介は何も言わず、ただ自分にはSE〇A以外にも帰る理由があることを受け止めながら。二人の背中に手を回すのだった。
「あの先生?」
そんな3人の空気の中に一つの声が掛かる。
それはそこにはいないはずの声だった。精霊ではない、人間のしかし耳が尖っている少女。七神リンが陽介達の前にいた。
「「誰ぇ!!」」
ハスミは風魔法を習得した。
なお現在の彼女の力量だとそよ風程度しか出ないよ。
他3人も魔法が使えるよ。どんな魔法かは楽しみにしてください。
生徒が魔法を使う際はスタミナ消費みたいな感じになるよ
おじさんはキヴォトスと日本を行き来する力を手に入れた。(生徒も日本に来れるよ)