キヴォトスおじさん   作:小説好きー

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番外編
たかふみのキヴォトス日誌


 おじさんがキヴォトスに就任してから数週間が経過した。

 七神さんが俺たちの世界に来ておじさんの経緯が聞かされた時、当時の俺たちはおじさんが先生になることに反対した。

 

 「駄目だよおじさん突然拉致してくるやつがトップの組織なんて絶対ろくでもないしおじさんは利用されるだけだよ」

 「そうですよ!それに教員免許の持っていないおじさんが先生になってもどうしようもないでしょう」

 

 等々俺たちはおじさんを説得したがおじさんの意思は固かった。

 曰く、子供のお願いを断るのは良心が痛むしここまで頼られたら断れないってことだ。

 幸いなことにおじさんはカードの力もあって日本とキヴォトスを行き来できるので仕方なく俺たちは了承するしかなかったのだった。

 

 現在、俺はおじさんのカードの力を借りておじさんの仕事を手伝っていた。

 キヴォトスでのおじさんの仕事は大まかに3つ。

 生徒や部活動の依頼を受ける。

 生徒の教育のための教材の作成。

 上記についての報告書や書類の作成。

 

 最初の生徒や部活動の依頼については特に問題はなかった。元々グランバハマルで冒険者をしていたのもあったし基本的におじさんに舞い込む依頼はスケバンや指名手配犯の確保とおじさんの魔法頼りの依頼が多い。

 現在、おじさんは指名手配された生徒やスケバン達の捕縛のためにゲヘナにいる。

 

 次に教育のための教材だ。これは俺もおじさんも誰かに教えることの経験が皆無だからほぼほぼ関係のないと思ってたけど試しに作ってみたら記憶の精霊さんがアドバイスをくれたようなんだ。おじさん曰くどうやら俺たちが今までおじさんに魔法で異世界の記憶を見せてもらったおかげかそういった補足をサービスでしてくれるようになったとだと。さらに授業の具体的な説明として魔法を使って分かりやすくしたおかげか監修をしてくれた生徒には好評で試しに動画を日本で配信してみたらCGでとても分かりかやすいと結構高評価をもらえた。

 

 俺の仕事は主に種類整理だ各学園からの依頼を整理することだ。前に秩序の精霊さんから魔法が使えるようになったおかげでこういった整理する魔法はその光景を見ていた当番の生徒からは「すごすぎて逆に引く」と言われるほどだ。やっぱりおじさんの魔法は日本よりも圧倒的に進んでいるキヴォトスでも強力な力になるようだ。主にくる書類は生徒からの相談、各学園から協力要請だ。

 

「これは保留の中にっと」

 

 俺は一枚の書類を目に通し保留の箱に入れる。これはおじさんに魔法の師事をして欲しいというものだ主に戦力上昇のためにゲヘナの万魔殿(パンデモニウムソサエティ)や風紀委員にトリニティの正義実現委員会等、研究でミレニアムからが多い。だけど七神さん曰く下手に広めると各学園のバランスが崩壊しかねないということで学園はまとめ時間が取れた後に合同演習としてするようだ。

 もっとも、当のおじさんは生徒に適正があったら教えているし高い適性を持つ生徒はおじさんが魔法行使を見ただけで魔法が使えるようになる子がいるようだとか。

 

「大体こんな感じかな。さて次は報告書や領収証か」

 

 魔法のおかげもあって大体なんとかなっている俺たちだけどそんな俺達でもどうしようもないものがある。

 それは書類の作成だ。

 俺もおじさんもあまり学はないほうだ。おじさんは言わずとしれた17年間の異世界生活が俺は社会人として経験の浅さから書類を作っては早瀬さんにいっぱい指摘されてしまってる。早瀬さんに指摘されているおじさんは何ともきつそうな表情をしていた。早瀬さんは良い子だからそんな子に失望されたくないのだろう。

 

「たかふみー、書類整理終わった?」

 

 そうして整理していると俺に声が掛かる。声の正体は藤宮だ。藤宮もアルバイトとしてだけどおじさんの仕事手伝っている。バイト内容は俺の手伝いだけど藤宮は俺と違って魔法は使えないから書類整理は俺と比べると遅い方だ。他にも荷物の受け取りに行ったり当番の子の案内をしている。

 

 シャーレの仕事は膨大だ。七神さん曰く自由にできるがおじさんはできるだけ全部やりたいという方針で仕事しているかよく徹夜をしている。俺も藤宮も手伝っているが忙しい時は本当に忙しくて終わったのが夜遅くなることがそれなりにある。

 

「ああ、そろそろ終わるよ藤宮。何か届いてなかった?」

「ん?ああ、おじさん宛に一通の手紙が届いているぐらいかな」

 

 そう言って藤宮は俺の一通の手紙を渡す。

 どうやらミレニアムのエンジニア部からおじさんへの請求のようだ。

 

「請求?多分弾薬費のことかなでも、あれ?ミレニアムってゲヘナ比べれば治安は良いはずなのに?ええっ!?」

「ど、どうしたたかふみ!?そんな驚いて?」

 

 俺はミレニアムのエンジニア部の請求に驚愕し藤宮に請求書を見せる。

 

「ご、50万っておじさん結構大きい案件でもしたのかな。でもこれならシャーレの経費で出るんじゃ…」

「そこじゃないんだ藤宮。下の請求先を見て」

 

 そう言って俺は請求先の欄を指差す。

 

「あれ?シャーレじゃなくて、おじさん個人への請求?」

「そう、つまりこの金額は経費じゃなくておじさんの生活費から出るんだ」

「えっ、待ってそれってやばくない」

「そうなんだ。これだと最悪何日か食事を抜かなきゃいけないんだ。確か今日はミレニアムの早瀬さんだったよな藤宮。もしかしたら詳細を知っているかも知れない」

 

 そう俺たちが話していると部屋の扉が開く。

 おじさんではないおじさんは基本的に部屋の出入りは窓からしている。扉を開けて来るのは俺や藤宮。そして生徒だけだ。

 

「こんにちは。先生いますか?」

 

 扉を開けて入ってきたのは今日の当番の早瀬さんだ。俺たちは早瀬さんにミレニアムへの50万ついて問い詰めて見たけど残念ながら早瀬さんも知らないようだ。

 

「これは先生に問い詰めないといけませんね」

「そうだね」

 

 俺たちは黒い笑みを浮かべるのだった。

 そうして俺たちはおじさんが帰って来るまで書類整理をしたりカフェでコーヒーを飲もうと降りるとおじさんがいた。

 

「お、おじさん」

「よ、陽介先生」

「ああ、ただいまといらっしゃいユウカさん」

「おじさんちょっと話があるんだけどいいかな」

「コーヒーは話が終わってからにしましょう」

 

 俺たちはおじさんの手を引っ張りシャーレの部室へとおじさんを連れて行くのだった。

 

「あの、お二人方。そのどうしたのですか」

 

 俺たちの黒い圧に気づいたのかおじさんは敬語で話しかけてくる。

 

「どうしたじゃありませんよ。先生これは何でしょうか?」

「おじさん収入が増えたのが嬉しいのはわかるけど限度があるよねぇ」

 

 俺たちはさらに圧をかける。俺が過去におじさんが購入したエイリアンソルジャー*1ゴールデンアックスⅠⅡⅢセット*2心霊呪殺師 太郎丸*3を合わせた金額の5倍近い金額だ。しかも依頼だから返品なんてできない。こればかり俺たちは心を鬼にして怒らないとおじさんの金銭感覚がおかしくなってしまう。俺たちはおじさんの長文の説教を始めようとした時、誰かがシャーレの部室の扉を開けてきた。藤宮ではなく一体誰が?

 

「やあ先生いるかい?」

 

 だけど俺はそれで止めるわけにはいかなく無視して始めようとした時早瀬さんが声を荒げる。

 

「ウ、ウタハ先輩!?なんでシャーレに?」

「やあ、ユウカ。今日は君が当番なのかい?私は先生に依頼されたものが完成したから持ってきたんだ」

 

 そう言ってウタハさんの後ろにはアタッシュケース俺たちに見せる。

 

「そうか。ようやくできたのか」

「先生が毎日来て一緒にやったからね。飛行魔法は便利だね。あとで送ってくれないかい先生」

「ああ、それぐらいならお安いごようだよ。白石さん達が作ってくれたこれは50万でも足りないぐらいなんだ。風の精霊よ秩序の精霊をこの場を整えたまえ」

 

 ウタハさんはおじさんにアタッシュケースを渡す。

 おじさんは風と秩序の精霊さんにお願いして書類の山が載ってる机の上を綺麗にする。

 書類は風に運ばれていい感じに整理される。

 そうして場所が開いた。机にアタッシュケースを置きおじさんは開く。

 そこにあったのはおじさんが普段精霊さんとの連絡に使ってる携帯と2丁の拳銃だった。

 

「おじさんこれは?」

「銃に見えますけど先生に必要のないものでは?」

 

 早瀬さんの言葉に俺は内心で同意する。おじさんの魔法はこのキヴォトスでも強力な手札だ。

 なのにおじさんは態々50万円も掛けてミレニアムに依頼するのはどう考えてもおかしい。

 そう思ったのが伝わったのかおじさんの口が開く。

 

「最初は俺の魔法だけで問題なかったんだ。鎖の魔法や氷魔法で拘束したり雷魔法で気絶させたりしてきたんだけど如何せんゲヘナの治安というか騒動は頻繁に起きるし指名手配されている生徒たちは戦闘を繰り返す内に俺の魔法への対処手段を考案してきたり一部の子が魔法が使えるようになったりと俺の力で気絶させたり拘束させるのが難しくなってきたんだ。

 空崎さんとかに魔法を教えたりとこっちも色々対策手段をなんとかしようとしてるんだけどその内生徒に重傷を負わせてしてしまうんじゃないかと思って、それでユウカさんに頼んでミレニアムに依頼したんだ」

 

「先生のあれってこれのことだったんですね」

 

 おじさんの言葉に早瀬さんは思い出したのか納得する。

 確かに生徒が傷つくことはおじさんとして本意ではない。

 それならこの50万円は納得できる。

 

「あの、おじさん。銃のことは分かったんですけどおじさんの携帯がアタッシュケースに入ってたのはなんでですか?」

 

 俺たちが納得しこれで話が終わるかと思えば藤宮の言葉に俺たちははっとする。

 銃のことは分かったけど。携帯についてなにもわかってないじゃないか俺たちは。

 

「ああ、これに試しに聞いてみたら今の通信に対応できたりスモモを入れたりとか色々カスタマイズができるらしく10万でお願いしたんだ」

「はあっ」

「えっ」

 

 おじさんの言葉に俺たちは絶句する。

「せ、ん、せ、い!」

「お、じ、さ、ん!」

 

 俺たちの怒りが噴火した。

 そこからおじさんは最近のスマホはよく分からないだの、連絡するならこのかっこよくてロマンがあるのが良いだのと言うが関係はなかった。

 どうみても態々する必要のない出費に俺たちはおじさんに説教するのだった。

 俺たちが説教すること十数分後。ようやく終わったのかと思い、ウタハさんがおじさんに話しかける。

 

「話は終わりましたか先生?」

「ああ、終わったよそれじゃ送るよ」

「いえ、もう少しゆっくりしてからでいいですよ先生。それとやはり代金はただでいいですよ。今回作成した銃は先生が提供してくれた魔道具が深くかかわっているからね。先生がくれた魔道具は逆に私たちが払うべきものだと思うんだ」

「そういうわけにはいかない。前の指輪みたいに売買取引が目的ならともかく今回は俺個人のが入ってるから生徒からお金はもらえないよ。後それと良いコーヒー豆が手に入ったからゆっくりしていくなら飲んでいくと良いよ」

「ふむ、ではお言葉に甘えさせてもらうか」

 

 その後、俺たちはコーヒーを飲み舌鼓を打つのだった。

 白石さんを送り返した後おじさんは早瀬さんに最近の金銭の使い場所について怒られていた。

 俺も無駄使いしないように気を付けないとな。

 

*1
3万

*2
1万

*3
8万




〈The Super Multi Force Juu〉
おじさんがエンジニア部へ技術提供をして生まれた銃。
おじさんが過去のダンジョン探索で発見したエルフの魔道具に類似した「力を収縮して放つ」魔道具と「力を蓄積する魔道具」を解析している。
おじさんの魔法を蓄積する機能から銃弾は必要なく最大10発の特殊魔法弾を事前に作成できる。
エルフの持つ剣のように多くの機能があり。銃形態では単発、散弾、小型レールガン、魔法剣形態、メリケンサック形態と様々でさらにはカスタマイズ性も高く。
素材は異世界産の魔道具を新素材開発部が解析し生まれたもので使われている。
命名したのはおじさん
なお作られた時期によってはアバンギャルド君とアビ・エシュフに上記の機能が追加されおじさん達と対峙することになる

他にも番外編として対策委員会と暑い日。ゲーム開発部とエイリアンソルジャー。イブキと千秋くんを執筆予定です

この小説での秩序の精霊魔法はいい感じに整理ができるという仕様になります。

・エイリアンソルジャー
・心霊呪殺師 太郎丸
両ソフトとも現在は10万以上の価値があるプレミアムソフト
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