灯里「そー言えばサメ映画ってあるじゃん」
宮子「ありますね。それがどうしたんですか?」
灯里「何か今回の話でさサメ映画の話題が出てくるんだけど、この
宮子「それを私に言われましても…」
鋼鉄砂漠潜泳邪竜 ジーオスデューンダイバー
鋼鉄砂漠鮫邪竜 ジーオスデューンシャーク
登場
―side:Akari Raijin―
砂漠から現れたのはジェネラル級に似て非なるジーオス。前肢はジーオススレッジの様なヒレ状だけど、後脚はジェネラル級と同じ形、更に背中には鮫みたいな背鰭が付いてる。
一言で言えば私も知らない全く未知のジーオス。そのジーオスは砂の中に飛び込むと水面の獲物を狙う鮫の様に背鰭を地上に出して私達に接近する。
砂漠を潜泳するもの…ジーオスデューンダイバーって所かな。
「総員待避!奴は私が引き付ける!」
私は拘束したカタカタヘルメット団を装甲車付近まで連行中だった対策委員会の面々にそう指示する。
「先生!無茶はやめてください!」
と叫ぶアヤネ。皆不安げな表情を浮かべている。そんな彼女達を安心させようと私は微笑み
「クラスの皆には内緒だよ」
と学生時代に観たアニメの主人公の台詞を引用してジーオスデューンダイバーに向き合う。
「マスターフォース!」
私は両腕を交差して強化服を身に纏うと同時に
「ゴッドオン!スーパーコンボイ、トランスフォーム!」
私はトランステクターと融合してスーパーコンボイをロボットモードへ変形させた。
「あれってスーパーコンボイ!?」
「ニュースで言ってた奴…」
「先生が…スーパーコンボイ…?」
ノノミ、シロコ、セリカが各々呟く中、私は襲撃に備えて構える。体当たりさせた後、奴は再び砂の中に潜り込んだ。奴の強さの程度はさておき、この砂漠という環境が奴にとって優位なフィールドである事に変わりはない。
ジーオスデューンダイバーは背鰭すら隠れる程の深さまで潜り込んでいる上にセンサー類も砂が邪魔で位置を特定出来ない。
再び背鰭を出したジーオスデューンダイバーはまだ連行されていないカタカタヘルメット団に向かっている。拘束されて逃げる事も出来ず、生命の危機を感じたのか怯えて失禁している。私は跳躍してカタカタヘルメット団とジーオスデューンダイバーの間に着地すると
「目を瞑ってろ!」
とカタカタヘルメット団に指示、超電導ライフルを連射する。
避けられたエネルギー弾が砂に着弾し、飛び爆ぜた砂が舞い上がる一方で、数撃ちゃ当たるという言葉通りに何発かはジーオスデューンダイバーに命中したらしく外殻が焼け爛れたジーオスデューンダイバーは砂中から飛び出し、私に襲いかかろうと飛びかかる。
「怒り心頭の様だ!」
私はスタスターを噴射させて飛び上がり、左手でジーオスデューンダイバーの首を掴む。必死に抵抗するジーオスデューンダイバーの胸部に私は右手に装備している超電導ライフルの銃口を当てると
「だけど、それが命取りになる」
ひたすら連射し、ジーオスデューンダイバーの胸部装甲は溶解、やがてコアをも貫いて活動を停止したジーオスデューンダイバーの身体の発光部位は光を失った。手を放すとジーオスデューンダイバーは重量のままに落下、砂の中に埋もれてしまった。
これで終わり…かと思いきやそう簡単には終わらなかった。先程のデューンダイバーより大きな背鰭。飛び出してきたのは顔がジーオスな鮫だ。
「ん、鮫」
「うへぇ、鮫だねぇ。おじさんは鯨の方が良かったなぁ」
そう、鮫。海を泳いでいるあの鮫。ただねぇ…その常識もサメ映画を見てると通用しないんだよねぇ…淡水どころか温泉地のあらゆる水源や水道から現れたり陸上に進出したり零体だったりトウモロコシ畑に現れたりサメ映画の鮫は何でもありだからねぇ。砂漠に現れるのも不思議じゃない。
ジーオスデューンシャークはエラがある部位から触手を伸ばすと私の両腕を拘束、更に胴体から脚を展開すると私を蹴ってくる。
「鮫なのに脚生えてるんだけど!」
「触手も生えてますねぇ」
「あれは生物としての鮫ではなくサメ映画のサメかと…サメ映画のサメではよくある事ですし」
アヤネが言うようにサメ映画のサメは何でもあり…って前述したがって。まぁ、サメなのに手足が生えてたりイカやタコの様な脚が生えてるのもあるからね。というかアヤネよ、お前もサメ映画観てるのか。私は数十年観てないけど…観る暇がなかったり機器がなかったりデータがなかったりでさぁ…はぁ、久々に観たいなぁ…温○○ャーク。
これ、痛いわ。スッゴク頭痛い。アデプトテレイターだから痛みへの耐性は高い筈だけど痛ぇなオイ!
こうなったらトレーラーユニットを召還!ジーオスデューンシャークの背後に出現した亜空間からトレーラーユニットが出現、更にトレーラーユニットは基地形態へ変形してハイパーモード用超電導ライフルとパーチカル・ビームキャノン砲を全てデューンシャークに向けて一斉掃射する。
流石のジーオスデューンシャークも攻撃を止めて砂の中に潜った。よし、今の内にハイパーモードへ合体だ!
「トランスフォーム!ダブルオン!」
私は合体コードを叫び、一方のジーオスデューンシャークは背鰭と触手を地表に出して、触手の先端から私目掛けてエネルギー弾を放つものの、トレーラーユニットが展開した防護フィールドに包まれていた私には届いていない。あのさ、この間のジーオスランダーと同じ事やってるよ。
「スーパーコンボイ!ハイパーモード!」
ハイパーモードへと移行した私は着地、着地と同時に砂埃が舞う。
ジーオスデューンシャークは地表から飛び出して私の右腕に噛み付くものの、私は右膝での膝蹴りを軽く2発当て、3発目で勢い良く蹴り上げる。空へ投げ出されたジーオスデューンシャークは勢いのままなすがままにと思いきや空中で制止、泳ぎ始めた。
「サメだからか…」
私はパーチカル・ビームキャノン砲を連射するがジーオスデューンシャークは全て回避して砂に潜る。
「流石はサメ型…中々に厄介だ…だけど、こちらも負けてはいられないのでな!」
背鰭と触手を地表に出して再度私に接近するジーオスデューンシャーク。しかし、その時ドローンによる爆撃がジーオスデューンシャークに浴びせられた。
僅かに振り向くとどうやら操作しているのはシロコの様だ。
ジーオスデューンシャークは方向転換して対策委員会の元へ向かう。ホシノ、ノノミ、シロコはそれぞれの愛銃をジーオスデューンシャークの背鰭と触手に向けて発砲するものの、全て回避されるかエネルギー弾に撃ち落とされる。
そしてジーオスデューンシャークが頭部も地表に出して皆を食らわんとする前に私は奴の背中に跨がり、右手でジーオスデューンシャークの上顎を掴むと左に振るわせて強制的に進路を変える。
「こいつにはこういう使い方もあるんでね!トレーラーユニット、ホールドアンドセパレート!」
私がそう叫ぶとハイパーモードだった
「超魂!マトリクスショット!」
一気に解き放った。ハイパーモード時に発動可能な超魂マトリクスメガショットより威力は劣るけど、咥内からコアを破壊するには充分だったのかジーオスデューンシャークは発光部位から光を失い、触手も力を失って垂れ下がった。超電導ライフルを引き抜くとジーオスデューンシャークの口からは煙が立ち上げていた。
ジーオスとの連戦を終えた私は対策委員会の面々と拘束されているカタカタヘルメット団に合流する。
「なぁ、どうしてアタシらを助けてくれたんだ?」
カタカタヘルメット団の1人が私に問う。
「そうだね…」
私はトランステクターとの融合を解除し、人間態に戻るとしゃがんで彼女達に視線を合わせる。
「理由はどうあれ貴女達は確かに悪い事をした。下手をしたら
「だったら尚更―」
「でも、だからと言って拘束されて逃げる事も出来ない人が
それに貴女達はまだ若い…こうして間に合ったしまだやり直せる…
彼女達の身元も調べられる範囲で調べてみたけど、この場にいる娘達はそれぞれが何かしらの理由で学校にいられなくなったりそれでこそ学校を失ってしまったり行けなかったりしてこうしていう事に手を出さざるおえなかった様だ。そういう娘達にもチャンスを与えるのもまた大切な役目だと思う。
その後、カタカタヘルメット団の娘達は通報を受けて到着したヴァルキューレの娘達によって誘拐未遂で逮捕され
「仕事だったとは言え済まなかった」
とセリカに謝罪し、連行されていった。
「さて、助けてくれてありがとう。なんだけど…ここまで派手に暴れた以上、説明しないといけないよねぇ…」
カタカタヘルメット団の引き渡しを終えた私は対策委員会の面々に視線を向ける。どう見ても私の事を説明しろって顔してるんだよねぇ…
「私が何者なのか説明するからひとまず教室に戻ろうか」
その後、教室に戻った私は対策委員会の面々に自分がアデプトゴッドマスターで
―side out―
「やはりカタカタヘルメット団だけでは勝てなかったか」
とある高層ビルの1室にて機械の頭を持つ男はそう呟く。
実は対策委員会に対しカタカタヘルメット団を差し向けたのはこの男である。
「かのジーオスという怪物どもが現れたのは予想外だったが、思わぬ収穫もあった。
まさかシャーレの先生とやらがかの巨人の正体だったか…」
その男はパソコンを操作し、ある映像を再生する。映像にはジーオスデューンシャークと交戦するスーパーコンボイの姿が映し出されていた。
灯里も気付かなかったが、彼女が2体のジーオスと戦っている姿をその男はドローンで密かに撮影していた。
「アビドスの連中は"彼女ら"に依頼するとしよう…問題はジーオス共か…」
彼にとって現在最大の懸念事項はジーオスである。何時何処に現れるのか予測不可能、対話も不可能、制御する方法もない、現れたら倒すしかない。
つまり計画通りに事が進んだとしても突然ジーオスが出現して暴れまわった末に台無しにしてしまう可能性すらあるのだ。灯里にとってもそうだったが、彼にとってもジーオスは忌々しい存在であった。
「―どうやら困っている様だな」
彼は後ろから聞こえてきた声に思わず振り向く。其処にいたのはタコの様な姿をした
「何者だ?」
「我が名はメイクス。ゾイックアデプトテレイターを生み出した創造主だ」
タコの様な宇宙人…クインテッサ星人メイクスはそう名乗る。
「ゾイックアデプトテレイター…?」
「ゾイドへの変身能力を付与した生体兵器だ。
金属細胞と完全なる融合を果たしたことで超人的な身体能力にあらゆる病原菌への耐性、有機生命体最大の弱点である寿命がなくなった金属細胞融合型不老有機生命体…アデプトテレイター。
単体でも優秀な生体兵器となり得る存在だが、巨大戦力として運用するには外部ユニットたるトランステクターが必要だ。故にトランステクターが大破したら修理するか新たなトランステクターを用意するしかない。
そこで我は思い付いたのだ。トランステクターなしで巨大戦力へと変身するアデプトテレイターを創造する事を、その過程で拡張性が高く兵器として優秀なゾイドが最適である事を。
我はマルチバースを渡り歩き様々なゾイドを捕獲、それを元にゾイックアデプトテレイターを創造した」
「まさか、シャーレのジェノブレイカーとやらも…」
「そう、元は我が作った物…まぁ、失敗作で廃棄したがな。どういう訳か自力で制御出来るようになっているようだが…実に興味深い」
「あれがどういう存在かは分かった。それで、こうして接触してきたという事は用があっての事だろう?」
「その通りだ。あのジェノブレイカーの様なキヴォトス人のガキ共を元にしたゾイックアデプトテレイターKVシリーズ…その原材料となるガキ共が我は欲しいのだよ。厄介な事にマルチバースのキヴォトスはかのジーオス共の群勢と奴らの皇帝によって滅ぼされてしまった」
「だが、此処には大量にいる」
「その通りだ。邪魔者を排除する為の戦力は提供しよう。キヴォトス人のガキ共の確保に協力するだけで良い。出来るだけ強い神秘を持つ者だ。後は好きにすると良い」
メイクスからの取引にその男は
「良いだろう」
と乗る事にした。
「感謝する。ではまずは1体提供しよう。このキヴォトスで偶然捕獲したキヴォトス人のガキを使った個体だ」
メイクスが差し出したゾイックアデプトテレイターの顔にその男は見覚えがあった。
「ふっふっふっ…はっはっはっ!まさか生きていたとはなぁ!こいつの手でアビドスの連中を終わらせる!何と滑稽な事か!」
その男が高笑いする一方、ゾイックアデプトテレイターとなってしまったその少女は虚ろげな眼差しをしているのだった。
To be continue…