灯里「宮子はさ、鶏の唐揚げに何かつける?私は何もつけずそのまま食べるかおろしニンニクをつけて食べるかのどっちか」
宮子「鶏の唐揚げですか?そうですね…ついてるレモンを搾ってかけますね」
灯里「お、おうマジか…」
宮子「師匠?どうかしたんですか?」
灯里「いや、人の好みに口出ししたりはしないんだけどさ、私…柑橘系は苦手なんだよね…あの果汁が手につくのは!ひぃん!やだ!」
宮子「…」
とある路地裏。闇夜の中佇む4人の少女達の姿があった。
「
「あっちにあのジーオスって怪獣が出たって聞いたけど何とかなるの?」
「噂じゃヴァルキューレのゾイドもやられちゃったみたいだもんねー」
「スーパーコンボイ?って巨人やジェノブレイカー?っていうやけにメカメカしいゾイドが現れてやっつけたらしいですね」
ピンク色の長髪に側頭部から角が生えている少女…陸八魔アルと後頭部に角が生えていて白黒の髪を後ろで纏めた少女…鬼方カヨコ、銀髪をサイドで纏め尖り気味の耳をした小柄な少女…浅黄ムツキに紫のグラデーションが入った髪に濃紺色の制服を着たオドオドした雰囲気の少女…伊草ハルカ。
彼女達は便利屋68。4人ともゲヘナ学園の生徒なのだが、アウトローに憧れるアルが起業した零細企業である。
見境のない活動もあってかヒナ達風紀委員から警戒されている事もあり、ゲヘナ自治区外にオフィスを借りて活動しているのである。
カヨコが言ってた様にアビドス砂漠にジーオスが出現した事はニュースになっている…スーパーコンボイが現れた事もだ。
連邦生徒会もスーパーコンボイやジェノブレイカーだけに任せる訳にはいかないという理由から(実際は
いくら彼女達便利屋68が実力者だと言ってもジーオスと戦えるかどうかはまた別問題だ…特に対有機生命体特攻のジーオスパイダー系列が現れた場合は。
いくら頑丈なキヴォトス人でもジーオスパイダー系列の毒の前には無力だ。
「その辺りに関してはクライアント曰くジーオスの出現が確認され次第、対抗戦力を出すと言ってたわ。どういった物なのかは企業秘密だからと教えてくれなかったけど…」
キナ臭さも感じたアルだが、依頼を引き受けた以上は実行しなければならない。尤も後にクライアントの言う対抗戦力の正体と出所、どの様に生み出されたかを知った彼女は依頼を受けた事を後悔する事になるのだが…
―side:Akari Raijin―
アビドス砂漠でのセリカ奪還と新種ジーオス2種との連戦から一夜が明けた。
話したよ、私がアデプトゴッドマスターだって事やら宮子と共にこの世界に漂流してきた事とか諸々。ひとまず何で私がババァを自称しているかは理解してくれた。えっ、そこじゃない?と言っても人外な事は普通にすんなり受け入れられたし…
さてさて、今日は借金返済について各々の案を出していくよー司会進行はアヤネね
「では、ご意見のある方は挙手をお願いします」
「はい!はい!」
真っ先に挙手したのは自信満々のセリカだ。
「はい、それじゃあセリカちゃん」
「これを売りつけてさあ!ガッポリ稼ごうよ!」
アヤネから指名を受けたセリカがカバンからとりだした1枚のチラシ。
えっと、『ゲルマニウム麦飯石ブレスレットであなたも一攫千金』…うわー胡散臭ぇー胡散臭ぇわーそしてセリカさんや、胡散臭いの気付いてないですわねー物凄い自信で笑顔が眩しい!
「街で声を掛けられて説明会に連れて行ってもらったの!これを身に着けるだけで運気が上がるんだって!で、これを周りの―」
うーん、ちょっと言っちゃ悪いけどオツムが心配だよ…
「セリカちゃん…それ、マルチ商法だから…」
ヨシッ!良く言ったアヤネ!
「儲かるわけない」
的確なツッコミありがとうシロコ!
「えぇ!?私2個も買っちゃったんだけど…」
「セリカちゃん、騙されちゃって可愛いですね」
ノノミの一言がセリカにクリーンヒットした!セリカはノノミに泣き付いた!
「えぇっと…それでは他に意見のある方…」
「はい!はい!」
次に挙手したのはホシノだ。次こそ期待出来そうか…?
「私達の学校ってさ、生徒数が少ないでしょ?生徒数を増やせば毎月の金額もかなり増えるよね。そして生徒を手っ取り早く増やすには…スクールバスを拉致ろう~!」
お い 年 長 者 。期待した私が愚かだったわ…
「登校中のスクールバスをジャックして、ウチの学校への転入学書類にハンコを押さないとバスから降りられないようにするんだ~
うへぇ~これで生徒数が増えること間違いな~し!」
「あのさ、ホシノ」
「どうしたの先生?」
「普通にアウトだからね、そんな事したら他の学校のお偉いさん方が黙っていないからね。そして見てごらん、アヤネの顔を。信じられないと言わんばかりに呆然としてるじゃんね」
しまった、ミカの口癖をパクってしまった。すまないミカ…ロールケーキ買ってあげるから許して…えっ、本人聞いてないから
「えー次は…シロコ先輩ですね」
あーこれは期待してない顔ですねシロコは何時ものすました顔して挙手してる。
「ん、銀行を襲う」
オイ今何て言った?
「ターゲットは選定済み。市街地にある第一中央銀行。金庫の位置、警備員の動線、現金輸送車の走行ルートは事前に把握しておいた。覆面も用意してる。これが確実かつ簡単な方法」
「シロコ、一つだけ言わせて貰うよ」
「ん、どうしたの先生?」
「それ犯罪だからね、ホシノの案と同様にアウトだからね」
私の言葉を聞き入れてくれたのかシロコは鞄から出した覆面を鞄の中にしまった。はぁ…ババァはこの娘達の将来が不安でしかないよ…はぁ…見てみろアヤネを…疲労が溜まってるのか面倒臭くなったのが投げやり気味な表情になっちゃってるよ
「はーい!次は私が!」
「はい…ではノノミ先輩」
果たしてノノミはまともな案を出せるのか否か…
「犯罪でも詐欺でもない素敵な方法があります!アイドルです!スクールアイドル!」
スクールアイドルという言葉が飛び出た瞬間、私の脳裏に蘇る学生時代の思い出―音ノ木坂に編入して廃校の危機に瀕して穂乃果がスクールアイドルやろうと言い出してμ'sを結成して解散の危機に瀕したり私が予定通りマネージャー止めようとしたら皆が私の過去を受け入れてくれてマネージャー続行して
「ノノミ」
「どうしたんですか先生?」
「此処でスクールアイドルという言葉を聞けるとは思わなかったよ。私ね、実は学生時代はアデプトゴッドマスターとしてジーオスと戦いながら学生生活を送っていたんだよ。
そしたらね、通ってたというか編入した高校が生徒数の減少が原因で廃校の危機に瀕したんだよ。そんな時に幼馴染みの1人がスクールアイドルをやって学校を盛り上げて入学希望者を増やす事で廃校を防ごうって発案したんだよ。私はジーオス討伐の仕事もあったりとか諸々の理由でスクールアイドル自体をやるのは断ったけど根負けしてね、マネージャーとして彼女達を支える事にしたんだよ」
「わぁ!そうだったんですね!それでどうなったんですか!?」
「彼女達は見事にやりきったんだよ!廃校を阻止してスクールアイドルの全国大会に優勝して最後に大きな舞台で派手に単独ライブをやったんだよ!」
「凄い!凄いです!」
「このババァに100年も前の懐かしい青春の思い出を振り返らせてくれてありがとう!もし本気でやるのなら私も全力で協力するよ!マネージャーとしての経験があるからね!」
私は
だが、虚しくもアヤネに却下されました…うぅ…駄目なのか…作詞作曲もやるのに…何が…何が駄目だったんだ…
はい、アヤネ=サンがブチギレて機嫌が悪くなったのでその機嫌を直して貰うために柴関ラーメンまでラーメンを食いに行く事になりました金は私が支払いますはい。初っ端からやらかしたセリカ?大人しく柴関でバイト中だよ。
未だ不機嫌なアヤネの機嫌を皆でとりながらラーメンを食ってると
「あ…あのぅ…」
とオドオドした雰囲気が可愛らしい娘が入ってきた。ん?何かさ、ゲヘナの風紀委員とか万魔殿の制服に似てるんだよね…?
「いらっしゃいませ!何名様ですか?」
「…こ、ここで一番安いメニューって、お、おいくらですか?」
人数答えずに一番安価なメニューを訊ねた…あっ…もしかして金がないのか?
「一番安いのは580円の柴関ラーメンです!看板メニューなんで、美味しいですよ!」
「あ、ありがとうございます…」
あぁ出ちゃったよ…と思ってたらお友達かな?を連れて戻ってきたしかもキャピキャピしてそうな可愛らしい娘と美人さん2人。
「アルちゃん、やっと見つかったね、600円以下のメニュー!」
「ふふふっ、ほら何事にも解決策はあるのよ。全部想定内だわ」
「流石です!アル様!」
「はぁ…柴関ラーメン一つ…お箸も4膳付けて」
「え…あ、はい、柴関ラーメン一つですね…かしこまりました」
セリカも違和感感じたみたいだね。確信したわ…あの娘達、何かしらの理由で金がないみたいだ。一杯のラーメンを4人で食べるとは膨れる腹も膨れないよ。
私は皆にトイレに行くと言って席を離れると
「大将、ちょっと良いかな?」
「どうしたんだい先生?」
カウンター先の厨房で料理中の大将に声をかける。
「さっきセリカが注文を取った娘達のところに3人分追加して上げてくれないかな?私が代わりに三人分の代金を支払うから。あと鶏の唐揚げもつけてあげて」
私の頼みを大将は快く受けてくれた。御人好しだなと言われたけど。
そうそう、どっかで見た顔だなぁと思ってたら思い出したよ。彼女達は便利屋68だ。ゲヘナ学園では校則で禁止されてる起業をしちゃったから風紀委員は追ってるって件の
ただ此処はゲヘナ自治区じゃなくてアビドス自治区。国に例えるなら国外にいるだけだから風紀委員がずかずかと入ってきて拘束をしようものなら対策委員会とのドンパチは避けられない。顔見知りのチナツやヒナなら融通が利いて話し合いで解決できるかもだけど…
えっ、捕まえて風紀委員に突き出さないのかって?しないよ?私はあくまでも困っている娘達のお手伝いが仕事だしこの間のセリカを誘拐したカタカタヘルメット団の娘達みたいに道を踏み外して犯してはならない過ちを犯そうとするなら止めるけど、あの娘達は校則違反しただけだし此処で悪さをしてないから捕まえたりはしないよ。それに空腹で困っている娘達に酷い事をするわけにはいかないからね。
え?何で鶏の唐揚げもつけたのかって?えっ、ラーメン屋に行ったらラーメンと鶏の唐揚げを頼むもんじゃないの…?私、物心つく前から両親がそう注文してたからそうもんだと思ってたけど違うの…?
「えっ!?わっ、私達、注文したのはラーメン一杯だけの筈…」
戸惑うのも無理はないだろうね
「あちらのお客様からです」
はーい、呼ばれた気がするから手を挙げとくよー後は親指を上に立てて
―side out―
便利屋68の面々はラーメンと鶏の唐揚げに舌鼓を打ちつつ対策委員会の面々や灯里と談話を楽しみ、完食後は互いの健闘を祈り別れた。
アルが晴れやかな笑顔を浮かべる一方、カヨコとムツキは相手がクライアントの標的であるアビドス対策委員会の面々だと気付いていた。
そしてカヨコはアルがアウトローを気取ってはいるが根は善良で非常に情に厚い人柄であることを知ってるが故に苦い顔を浮かべていた。
「ふう…良い人たちだったわね。また会えるかしら?」
と呑気な事を言っているアルに対しカヨコは溜め息を吐くと口を開いた。
「社長、あの子たちの制服見て気付かなかった?」
「えっ?制服?どうしたの?気付かなかったって?」
本当に気付いておらずキョトンとした顔をしているアルに対しムツキはイタズラに成功した子供の様な不適な笑みを浮かべてこう指摘した。
「くふふ、アルちゃん…あいつらがクライアントの標的のアビドスだよ」
2人の指摘を受けたアルは固まって数秒後、白目を剥く勢いで驚愕と共に叫んだ。
「な、ななな、何ですってぇーッ!?」
To be continue…