灯里「あっちの方も第1部はクライマックスを迎える中、執筆そのものは対策委員会編に突入したみたい」
宮子「あっちはストックを貯めながら週一更新なんでしたっけ?」
灯里「そうそう。私達の方も今や週一みたいなもんだけど」
宮子「原作に沿ってるようで逸れてるのも共通しているみたいで…」
「な、ななな、何ですってぇーッ!?」
白目向いて叫ぶアルの姿にムツキは面白いと笑い、カヨコはやはりか、と言わんばかりにため息を吐いている。
「あんな良い子達と戦わないといけないなんて…な、なんて運命の悪戯なのかしら…」
ショックで塀にもたれ掛かるアルに
「あ、アル様なら、だ、大丈夫ですよ!」
ハルカはあたふたしながら励ましている。彼女達の依頼は件のアビドスの制圧であり、その為にバイトを雇って金欠状態だったのだ。ある意味では恩を仇で返す行為と言うべきだろう。
「此処まで来たらやるしかないよ」
「そーだよ!アルちゃん、バイトちゃん達が待ってるよ!」
因みにその傭兵達も定時までしか働いてくれないので日を改めたりは出来ないし時間もない。
「そ、そうよね…既に依頼を受けた以上は、やるしかないわ…!」
アルは覚悟を決めたらしく立ち上がると
「バイトを集めなさい!行くわよ!」
と宣言するのだった。
―side:Akari Raijin―
来てます来てます…えっ、何がって?傭兵が。アヤネが飛ばしていたドローンが校舎より南15km地点付近で大規模な勢力を確認した。彼女曰くヘルメット団じゃなくて傭兵だそうだ。
それに便利屋68の子達もいる。
「先生…」
「分かってるよ、アヤネ。まずは私が対話を試みる。多分応じないだろうね。私が合図をしたら奇襲を仕掛けて。配置は―」
タブレット上の地図を元に皆に配置を伝え、私達は現地へ向かった。
「やぁやぁ便利屋68の皆、さっき振りだね」
という訳で私は校門から出て陣形を展開する前の彼女達の元に来た。
「あ、貴女は…さっきの…!?」
「そうそう、連邦捜査部シャーレ担当顧問の頼尽灯里さんだよ~。君達、本当は良い子達なんでしょ?此処は私に免じて手を引いてくれないかなぁ?」
「そ、それは…」
「ほらほら、本当は私やアビドスの娘達と戦うのが気まずいんじゃないのかな?それとも恩を仇で返す様な悪い子達なのかな?」
「う、うぅ…それはそれこれはこれよ!真のアウトローに私はなるのよ!」
「やれやれ、交渉決裂みたいだね…私としてはお近づきになりたかったんだけど仕方ない。悪い子にはお仕置きしないといけないね」
私は右手を挙げて下ろした。これが何なのかって?合図だよ、作戦開始のね。
密かに移動して各々が指定したポイント潜伏していた対策委員会の面々は私の合図と共に傭兵達を次々と制圧していく。
彼女達を一言で言うなら少数精鋭。戦闘能力が高く攻守に秀でたホシノ、身体能力が高いシロコ、ミニガンの反動を制御出来てるノノミ、目と耳が良いセリカ、肝が座っててオペレーター適性がずば抜けて高いアヤネ。
これまでこのメンバーで学校を守ってきた事もあってか練度も高い。RABBIT小隊と良い勝負かそれ以上かもしれない。今度模擬戦とか合同訓練させてみるのもありかもね。
はい、私の想定より早く私と便利屋68の元へ到着したね。
「誰かと思えばアンタ達たちだったのね!この恩知らず!!」
そりゃセリカはぶちギレて罵倒するよねぇ。感情が表に出やすい娘だし、郷土愛が強いから意気投合した相手が
「あははは、その件はありがと。でもそれはそれ、これはこれ。こっちも仕事でさ」
「残念だけど、公私はハッキリ区別しないと。受けた仕事はきっちりこなす」
「あ、アル様の為に頑張ります!」
ほんでもって気まずそうなアルと違ってムツキ、カヨコ、ハルカは割り切って戦う気満々だし。
こうして対策委員会と便利屋68の戦いが始まった。
均衡した戦況が続き、傭兵達の時計から定時を知らせるアラームが一斉に鳴り出し、傭兵達が戦闘を止めアルの制止も聞かず一斉に帰ってしまった…その時だった。
「■■■■■■■■■!■■■■■■■■■■■■!」
何処からか咆哮が聞こえてきて皆戦いを中断して空を見上げる。天空から此方に迫ってくる影。
「あれは鳥…?」
「社長、それにしてはでかい気がするけど…」
「でしたら飛行機ですかね…?」
「あんな生物的な飛行機いるわけ…」
その形ほ近づくにつれてはっきりと形を識別出来るようになって行く。
馬の様な姿に鳥の様な翼、金色に輝く角とプロテクター、槍の様な2本の砲塔。機体のカラーリングは白青赤のトリコロール。この惑星には存在しないゾイド。
となると正体は自ずと絞られる。
「アロナ、エネルギー波長の確認は?」
『はい、出来てます。ジェネノブレイカーと同じくゾイックアデプトテレイターの物です!』
やっぱりねぇ…まさかこの惑星で再び遭遇するとは思わなかったよ…
ペガサス型ゾイド…オルディオスのゾイックアデプトテレイター化個体。
―side out―
時は少し遡り、便利屋68の
「チッ、使い物にならないな便利屋共め…!」
数で勝る筈なのに均衡した戦況となっていることにクライアントは苛立ちを募らせていた。
対策委員会に勝てぬならアデプトゴッドマスターたる頼尽灯里に勝つなど不可能な話だ。
苛立ちを隠せないまま彼は視線を座り込んでいたある少女に向ける。メイクスという宇宙人が提供したゾイックアデプトテレイターという生体兵器。メイクスの真意を彼は知らぬが利用出来る物は利用しようというのが彼の考えだ。
虚ろげな眼差しを浮かべる彼女の髪の毛を彼は乱雑に掴むと引っ張って無理矢理立たせる。
「便利屋共々アビドスの連中と頼尽灯里を始末しろ!それがお前の役目だ!」
彼の指示に反応して彼女の首に装着された首輪…擬似OSユニットは輝き、彼女は激しい痛みに襲われる。
彼は痛みに苦しむ彼女の髪を掴んだまま窓際まで移動すると開閉可能な箇所の前に立って窓を開けると彼女を投げ捨てた。
宙を舞う彼女は光の繭に包まれ、光の繭は2重3重へと重なる様に巨大化、その繭を突き破る様にオルディオスは姿を現し、与えられた任務を遂行すべく飛び立つのだった。
―side:Akari Raijin―
「もしかして、クライアントが言ってた対抗戦力かしら?」
「でもアル様、ジーオスの姿は見当たりませんよ?」
オルディオスはグレートバスターの砲門を私達に向ける。
なるほど…そう来たか。クライアントは便利屋68の娘達に見切りを付けて、彼女達もろとも私や対策委員会の娘達を始末する気だろうね。全く虫酸が走るよ。
「マスターフォース!」
私は両腕を交差させてマスターフォースを身に纏い、更にトランステクターを召還する。
「ゴッドオン!」
私はトランステクターと融合し
「ダブルオン!スーパーコンボイ ハイパーモード!トランスフォーム!」
ロボットモードを飛ばして初手からハイパーモードへと姿を変えた。オルディオスが相手となるならハイパーモードじゃないと押し負けるからね。
「な、何ですってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?シャ、シャーレの先生があのスーパーコンボイィィィィィ!?」
驚きでフリーズするアルと彼女を守ろうと駆け寄るハルカ、ムツキ、カヨコ、そして彼女達との交戦を中断した対策委員会の面々を庇う様に私はオルディオスの前に立つとグレートバスターが発射されるよりも先に超電導ライフルとパーチカル・ビームキャノン砲を発砲する。
流石のオルディオスもこれだけの火力を前に怯んでグレートバスターの発射を中断してしまったようだ。
私は各部のスラスターを噴射させて飛翔、オルディオスの頭部を一発殴るものの、オルディオスも負けじと前脚で私を蹴り、更に頭部のサンダーブレードをなりふり構わず振るう。
サンダーブレードはマズい。こいつは旧ゼネバス帝国の最強ゾイドのデスザウラーにトラウマを刻まれたへリック共和国が同機を屠るために開発したマッドサンダーの角…マグネーザーの技術を応用した武器。
その切れ味はいかなる装甲をも切り裂くことが出来るばかりか強力な電磁エネルギーを纏わせる事で敵機の電子回路をショートさせて破壊する事も可能。
つまり
発射阻止したグレートバスターだって下手すればデスザウラーを葬り去る威力を有している。
更にオルディオスはへリック共和国史上最強クラスの空戦ゾイド…そして此処は奴の得意なフィールドな訳で…そんなオルディオスに私は攻撃をすれすれで回避しつつ重火器で牽制、首を目一杯に伸ばしたタイミングで私はオルディオスの首装甲を掴むと背中に移り乗ろうとしたものの、オルディオスは私に向けて胸部の加速衝撃砲を連射しつつグレートバスターの照準を定め、発射した。
相手は私じゃない…対策委員会と便利屋68の娘達だ。
「マズい!」
加速衝撃砲に耐えた私は全速力で地面に降り立ち、彼女達を庇う様に覆い被さる。
「ホァァァァァァァァァァァァ!」
その数秒後、グレートバスターから放たれた一撃は私に命中、激しい衝撃と痛みが
最大出力ではなかったのがせめてもの救いかな…皆は無事で良かった。
しかしオルディオスは待ってはくれない。振り向くと此方にサンダーブレードを向けて突進を仕掛けているのだから。
―side out―
オルディオスに対し対策委員会と便利屋68の面々を庇いながら戦っているスーパーコンボイの方が不利な状況である事に変わりはない。
それを理解しているのかオルディオスはサンダーブレードの前方に突き出す姿勢でスーパーコンボイに向かう。スーパーコンボイは逃げる事も出来るがそうすれば今度は対策委員会と便利屋68に砲撃の雨が浴びせられるだろう。現にオルディオスは万が一に備えてグレートバスターにエネルギーをチャージしている最中なのだ。
しかしその時、何処から飛んできた炸裂弾がオルディオスに命中、着弾地点から爆発が生じたのだ。
「荷電粒子砲、発射!」
更に追い討ちをかけるかのように荷電粒子砲が放たれ、オルディオスは攻撃を中断して回避に専念する。
「あれってジェネノブレイカー?」
そう、カヨコが指摘したように加勢したのはバックパックにRABBIT小隊の面々を乗せたジェネノブレイカーである!
先程の炸裂弾はミユがスナイパーライフルで撃ったものである。
ミユのスナイパーとしての才能、その命中精度は凄まじいものである。現にこうして身体を固定させているとは言えジェネノブレイカーのバックパックという不安定な場所から激しく動き回るオルディオスに命中させてみせた事でその実力は十二分に示しただろう。
「師匠、ご無事ですか?」
「助かったよ、宮子。いくらハイパーモードだとはいえ単独でオルディオスの相手はキツいからね」
「やはりあの時のオルディオス…」
「だろうね。オプティマスとゴッドカイザーBRはよく相手を出来たよ」
スーパーコンボイとジェネノブレイカーはオルディオスに向き合い体勢を整える。2体がかりなら撃破出来る可能性も高くなる。
「■■■■■■■■■■■■!」
オルディオスは咆哮すると間合いを狭めようと駆け出す。その挙動はまさに馬そのものだ。ジェネノブレイカーがエクスブレイカーを展開、スーパーコンボイも超電導ライフルを両手に装備し直す。
ジェネノブレイカーはホバリングでオルディオスの背後に移動して翼を狙い、スーパーコンボイは正面から迫るオルディオスの動きを牽制すべく超電導ライフルを発砲するが、オルディオスは減速することなく煙の中を突き破るかの様に真っ直ぐに突き進む。
このままならスーパーコンボイはサンダーブレードの餌食になるだろうが、スーパーコンボイはトレーラーユニットとの合体を解除、ロボットモードへと姿を変えるとオルディオスの脚部に回し蹴りを当てる。
流石に回避出来なかったオルディオスは転倒してしまい、地面を滑る。
直ぐに立ち上がって戦闘を続行しようとするオルディオスの視界にふとホシノの姿が目に入る。
その瞬間、オルディオス…厳密にはコアとなっているゾイックアデプトテレイターの脳裏に電撃が走る。
「もし何か奇跡が起きたら、またこの頃みたいに人がたっくさん集まって…」
「奇跡なんて起きっこないですよ、先輩」
何かを思い出しそうになったのか一瞬立ち止まったオルディオスだったが、擬似OSユニットからもたらされる激しい痛みに襲われ、がむしゃらに暴れた末に逃げ出す様に空に向かって去ってしまったのだった。
To be continue…