灯里「遂に私のトランステクターのスーパーコンボイのMPGが発売だよ!変形合体も完全再現!更にフリーポーザブル仕様だから自由に思い通りのポーズを取らせよう!」
宮子「師匠、性格には師匠のトランステクターじゃなくて師匠のトランステクターの元ネタでは…?」
灯里「細かい事は良いんだよ!箱や説明書に記載された設定なんて遊ぶ上での指標の一つでしかないんだからさ!
という訳でタカラトミー T-SPARKよりMPG ニュークリオンクエスト スーパーコンボイ、発売開始だよ!」
―side:Akari Raijin―
「良い?校則というのはね、本来はその学校の生徒を危険な事や問題から守る為にあるんだよ?
今回は私達がいたから良かったものの、下手すれば貴女の身の回りの人達やましてや学校全体に迷惑がかかったりするんだよ?」
はい、私は現在不良に追われていた所を救出したトリニティの生徒に説教をかましてますねはい。
理由はどうあれトリニティではブラックマーケットへ立ち入る事は校則違反。悪い子に指導するのも先生の役割なんだよ。不良?対策委員会の皆が追い返したよ。
「で、どうしてブラックマーケットに入ったのさ?阿慈谷ヒフミさん?」
彼女の名前はアロナに頼んで調べて貰った。阿慈谷ヒフミ…穏やかな性格と温厚な人柄から慕われやすく、周囲からの評価は高いそうな。良い子に見えるから説教をするのも辛いんだよ、でもしないとこの娘の為にならない。ブラックマーケットに入った理由を聞いたのは頭ごなしに何でもかんでも駄目だと否定するのも良くないと思うからだ。えっ、矛盾してる?世の中単純じゃないのよ。
「それでですが、その、私どうしても手に入れたいのがありまして…ただ悲しい事にもう一般には流通してなくて…そんな時にブラックマーケットで取引されるという事を知りまして…」
そう言いつつヒフミへバッグに手を突っ込んでまさぐってあるぬいぐるみを取り出した。
鳥みたいな外見のキャラだけど目は焦点が合っておらず、口にはチョコミントアイスらしき何かが突っ込まれている。あっ(察し)
「ペロロ様の限定ぬいぐるみ!アイス屋とのコラボで限定生産100個の激レアな逸品ですよ!」
ペロロとは…キヴォトス内で流通しているファンシーキャラクターブランド"モモフレンズ"のキャラクターの一つ。
モモフレンズはぬいぐるみやアクセサリー等といったものだけでなくこの手の奴にはお馴染みのグッズだけでなく戦車搭載用
シャーレ配属からアビドスを訪れるまでの期間にさ、偶々ワイルドハント芸術学院に行く事があってさ、其処にも何故かその絵画があったんだよ。
人気の度合い?お察しください←ただ刺さる人には刺さる様子。私は刺さらなかった…というか私の趣味って若干男子寄りって言われたんだよねぇ…かわいい女の子とカッコいいメカや恐竜にロマンを感じて…あっ、ジーオスはノーサンキューね。
「ペロロちゃんかわいいですよね!私はミスター・ニコライが好きなんです!」
「ニコライさんの哲学的なところカッコいいですよね!わかります!此処で同士に出会えるとは!」
こいつ本当に反省しているのか?いやね、人の趣味にどうこう言うつもりはないよ?他人に迷惑をかけないなら自己責任だというのが私のスタンスだし。ただ、いくら趣味の為とはいえ悪びれもなく校則違反をするのは先生としては褒められないかなぁ。そうだ、此処はこういった娘を取り締まる正義実現委員会のハスミに通報しよう。
「もしもし
「ごめんなさいごめんなさい!許してください何でもしますからどうか正実への通報だけはご勘弁を~」
ん?今何でもしますって言ったな?
「ホシノ、言質は取った?」
「うへぇ、バッチリだよ」
ホシノも今悪い顔してるねぇ。
「えっ、あ、あの、一体何を…」
「簡単な事だよ。ブラックマーケットの案内をお願いしたいかなーってね。通報されたくなければさ」
「…わ、わかりました。皆さんのお役に立てるなら喜んで引き受けます!助けられた御恩もありますので!」
ホシノの取引に応じたヒフミは取引に応じた。
因みにこの日のトリニティでは試験があったらしく、それをヒフミはすっぽかした事で成績は良いのに補習授業を受ける事になるのはまだ先の話…えっ、ネタバレ?これ読んでる人は多分原作世界線の内容は知ってるだろうから問題ないんじゃないかな?この世界が原作世界線の流れ通りになるかはわからないけど。
ただ傭兵達が使っていた武器や弾薬は売っておらず…ヒフミ曰く連邦生徒会の管轄外だから隠す必要がない、故に違法品であっても流通している。ここら辺りは宮子とRABBIT小隊の調査結果待ちかなぁ…
そんなこんなで辿り着いたのは銀行のビルの前。
「あの銀行は闇銀行で、キヴォトスにおける犯罪に密接に関わっています。
盗品の買い取りや違法資金の洗浄も手掛けているそうで…」
「それが新たな犯罪を生む悪循環になっているって訳だね。そういう悪どい連中は何処にでもいるもんだよ」
私がいた地球だってそうだったし、中には国ぐるみで悪行をしてた所もあったよ。他国から民間人を拉致してこき使ったりとかね。
「連邦生徒会は何をやってるのよ!」
「セリカちゃん、怒る気持ちも分かるけど連邦生徒会も人手不足なんだよ」
怒るセリカをホシノが宥める。彼女とて憤りは感じてはいるのに。
『皆さん、相当数の武装集団が大通り側から接近しています!』
其処へドローンで偵察していたアヤネからの警告が入ってきて、私達は建物の陰に身を隠す。
現れたのはヒフミを追っていた不良達ではなく、
彼らは装甲車を護衛するかの様に陣形を取って銀行のビルへ向かっている。というかあの装甲車、見覚えしかないんだが…
「あれはマーケットガードです。現金輸送車を護送しているようですが…」
ヒフミの解説のおかげで疑念は確信に変わった。あの現金輸送車は借金の利子の徴収でアビドス高校に来た車両だ。現金でしか受けつけないというのもアナログ故に資金の横流しを悟られにくいからという事なのだろう。
現金輸送車が銀行の前で停車すると、其処から一人のロボット人が降りてきた。
「ねえ、今降りてきたのって毎月利息支払ってる銀行員じゃない?」
「ホントですね。車のナンバーも一致してます」
「ん、ということは…カイザーローンは闇銀行と関係があるって事…!?」
動揺している対策委員会の面々に対し
「えっ、アビドス高校ってカイザーローンからお金を借りてるんですか!?」
ヒフミは驚きつつも皆に訊ねる。
「私達が借りたわけではないんだけどさ…やっぱり問題ある所なの?」
言い分からしてホシノは以前からカイザーローンに疑念を抱いていたようだ。
「カイザーローンはカイザーグループ傘下の高利金融業者です。カイザーグループ自体は合法な多角化企業でD.U.に本社ビルがありますが、実態としてはグレーゾーンにかなり手を入れているようで、
「やけに詳しいねぇ…」
「あはは…此処に
悪い子だねぇこれはお説教が足りなかったかな?お話しないといけないかな?
「じゃあ何!?私たちが返済してたお金は闇銀行に流されて犯罪に使われてたってこと!?」
セリカが声を荒くするのも無理はないし、他の皆も黙ってはいても怒りを滲ませているのは見て分かる。私だってそうだ。この子達の頑張りを踏みにじる行為に憤りを感じるなと言う方が無理だ。
「証拠を押さえる事が出来れば…」
「それですよ先生!さっきサインしていた集金の書類を確認すれば証拠になりませんか?」
私の呟きにヒフミは提案をしてくれた。
「なるほど、良い考えだね。後はどうにかあの書類の確保を…」
「ん、それなら銀行を襲えば良い」
「そうそう銀行を…って、えぇぇぇぇぇむぐぅ」
シロコの言葉に驚いて絶叫しようとするヒフミの口をホシノは塞ぐ。
「先生としては褒められた手段ではない…けど、私個人としてはそれが最善の手であるのは理解してるしあっちがその気ならこっちもぶちかましたれ!ってね」
「先生が公認するなんて以外だね」
ホシノはまるで私を試しているかの様な眼差しでそう言った。
「世の中、清廉潔白のままじゃ生きていけない事もあるんだよ。私だってそうだったからね。さて、突入するなら顔を隠した方が良いんだけど…」
「大丈夫、問題ない」
シロコが鞄から出したのはいつぞや銀行強盗して借金を返済するという案でお馴染みの覆面だ。人数分ある…いや足りない!1人足りない!
皆覆面着けたけど、ヒフミだけ素顔のままじゃん!
「ヒフミは覆面を用意できてないから、代わりにこれ」
シロコがヒフミに被せたのは休憩の時に購入したたい焼きが入った袋に目だし穴を開けた物だ。
「というか私も何ですか!?」
「通報、されたくないですよね?」
笑顔で迫るノノミ…いや、目が笑ってないわあれは。
「は、はいぃ…ごめんなさい…ナギサ様ぁ…」
あ、この娘ナギサのシンパだったのね
―side out―
カイザーコーポレーションが運営する銀行ビル。その一角に便利屋68の面々はいた。彼女達の持っていた口座は風紀委員の面々によって凍結されている為に使用する事が出来ない…彼女達が資金難に苦しむ原因の一つである。
今後の活動の為にも先ずは資金が必要である…のだが、何処の銀行からも融資が受けられず、最後の頼みの綱として藁にもすがる思いでカイザー銀行からの融資を受けようとしていたのである。
因みに彼女達は6時間近くも待たされている…暇潰しになる娯楽もないため寝るか自前の携帯端末でネットサーフィンをするかしかない。そんな中でアルは真面目に待っていた。
「大変長らくお待たせしました」
「ず、随分と時間がかかったわね」
「こちらにも事情がありまして。さて、結果ですが総合的に判断して…ごめんなさい、融資は難しいですね」
「な、何ですってー!?」
一方、別室で待機していたムツキとカヨコは融資が受けられないであろう事を薄々察していた。
ならば、その結果をそのまま受け止めるのか?2人の答えは否だ。自分達の生活の事もあるが何より自分達を、そして愛すべき
2人がどう報復するか考えていた時、突如としてシャッターが降りて銀行内を照らしていた電灯がすべて消灯し、更にシャッターの内の1枚が吹き飛ばされて風穴が開いたのだ。
緊急事態に場の空気が騒然に包まれる中、風穴を開けた者達が銀行内に侵入、警備員達を銃撃して無力化したのだ。
「全員動かないで!」
「ん!武器をその場に捨てるように!」
「言う事聞かない悪い子はおしおきですよー」
「外への通信は全部遮断されてるからね」
そう、その正体は覆面を被った対策委員会の面々である。
「言う通りにしないと怪我しちゃいますよ…あはは…」
対策委員会の面々の後ろには
一方、カヨコ、ムツキ、ハルカは覆面集団の正体が対策委員会の面々である事に気付いてはいるが、対策委員会の面々は便利屋68の面々がいる事に気付いてはいなかった。
ホシノ、セリカ、ノノミが銀行員達を牽制している 中、シロコはカウンターにいる銀行員に銃口を突き付けながら
「ん、さっき運ばれてきた集金記録、出して」
と強迫する。
「は、はいぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
強迫された銀行員は恐怖心で怯えながら急いで集金記録を現金ごとシロコが差し出したボストンバッグに詰めていく。
「ファウスト隊長、目的の物は回収した。撤収しよう」
シロコはそれを確認するとヒフミに向いて進言する。
「ファウスト隊長って私ですか!?」
「そうですよ!そして私は覆面水着団のクリスティーナだお」
ヒフミの言葉にそう答えるノノミ。そのネーミングセンスに皆が心の中で突っ込んだ事は言うまでもない。
「あっはい、そうですね…それでは皆さん失礼します!」
ヒフミは頭を下げて銀行から撤収、対策委員会の面々も後に続く。
彼女達が去った後、シロコに銃口を突き付けられた銀行員は先程の怯えた様子から一変
「マーケットガードに連絡しろ!連中を捕まえろ!」
と怒りに燃えながら指示を出す。
そしてアルは純粋なのか覆面集団の正体に一切気付いていないどころか彼女達の姿に自身が思い描くアウトローらしさを感じたのか目を輝かせていた。
「社長、まさかとは思うけど…」
カヨコはアルがどうしたいのか予想はついていた。 「そうよ!彼女達を、覆面水着団を追うわよ!」
予想通りに返答にカヨコはやっぱりと言わんばかりにため息を吐く。
「アルちゃんならそう言うと思ったー!行こう行こう!」
ムツキは楽しそうに笑いながら元気を取り戻したアルに安堵し
「アル様と一緒なら私は何処へでもついていきます!」
ハルカは相変わらずアルへの忠誠を誓っている。
融資が受けられなかった事などどうでも良いと言わんばかりに便利屋68の面々は覆面水着団もとい対策委員会の面々を追うのだった。
To be continue…