黒鉄の守護者と魔装竜   作:衛置竜人

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灯里「うわぁ、想像主(作者)が年末年始だからってサボってたらあっちのストックがあと3話しかないって焦ってるわぁ」

宮子「サボってたからですね」

灯里「しかも積みプラも殆ど崩せてないし」

宮子「早くしないと段々貯まっていきますよ」



#22『謝罪と襲撃』

 

 

―side:Akari Raijin―

 

 

宮子とRABBIT小隊から下準備完了の連絡が来た翌日。朝っぱらからアビドス某所にて爆発騒ぎが発生したって連絡がアヤネから来た。

 

しかも爆発地点は柴関ラーメンの店舗そのもの。つまり店が跡形もなく消えていたそうだ。

アビドスの娘達は当然激怒している状態で正直に言って何をしでかすか分からない。因みにホシノは朝から不在。

一方の私は何故冷静にいられるかって?大将が心配じゃないのかって?心配に決まっているよ。でもさ、私は大人である以上感情的になってる訳にはいかないんだよ。何故爆発が起きたのか、犯人の動機は何なのか、まずはそれを把握しなければならない。万が一にも対策委員会の面々(アビドスの娘達)が感情のままに暴れて間違い…それでこそ冤罪を吹っ掛けたり人殺しに発展しそうになった場合は私が止めなければならないからね。

 

 

という訳で現地に到着すると報告通り柴関ラーメンの店舗は瓦礫の山へと変わり果て、其処には便利屋68の面々がいた。社長のアルはどうしようと焦っているようにも見える。あーもしかしてアル本人の意思じゃないとか?そして対策委員会の面々は全員ブチギレ状態で容疑者の便利屋68の面々を睨み付けていた…それはもう凄い剣幕で。

ノノミは大将の容態を確認しているけど、命に別状はなさげだ。

「これやったのアンタ達ね…!絶対に許さない!」

特に一番感情が出やすいセリカは叫びながら銃口をアル達に向ける

「…こ、これでわかったでしょう!私達がどんなに悪党なのかを!」

言い訳せずそう答えるアルの声は震えていた…アウトローを貫きたいからか否か…彼女の夢を否定する気はないけど…このままじゃ身を滅ぼす事になりそうで心配だよ。

そんなガッツリ関わってはいないけどさ、オルディオス戦の後の事情聴取の時の様子からしてアル自身は根は善人だっていうのは分かるんだよ。

「とりあえず、セリカ。一旦銃を下ろして」

「どうして!?あんな連中の肩を持つのよ!」

「肩を持つとは私は一言も言ってないし怒る気持ちは解るよ。

けど、まずは何故こうなってしまったのか言い分を聞こう。怒りに任せて最悪の事態になってしまう事を見過ごすことはできないんだよ」

私の言葉にセリカは納得は出来なくとも理解はしてくれたのか銃を下ろしてくれた。

「さて、どうしてこうなったのか教えてくれないかな?」

「い、言った筈よ!私達は悪党(アウトロー)よ!」

「言葉が震えているのバレバレなんだよね。貴女にとっては想定外の事態だったんじゃないのかな?」

目を逸らすアル。そんな中…

「わ、私がやりました…ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!やっぱり私なんかいない方がマシですよね待っててください今死にますから」

ハルカが名乗り出た…どころか自決しようと自分の銃の銃口を自分の咥内に入れようとしている。キヴォトス人がいくら頑丈だとしても体内への攻撃は無事では済まないだろう。見かねたカヨコとムツキが止めようとハルカの両腕を掴んで動きを封じ、私はハルカから銃を奪う。

「自分の命を犠牲にして償おうとするの、感心しないなぁ…いい?貴女が死んだら貴女の大切な人はどう思うかな?」

私はハルカに視線を合わせ、彼女の目を真っ直ぐ見て問う。

「そ、それは…」

「貴女を大切に思っている彼女達は悲しむよね?でなきゃ庇おうとしないしこんな感じに貴女の自殺を止めたりしないよね?だから、自分の命は大切にね」

「は、はい…」

「それじゃ、本題に入ろうか?どうして爆発したのかな?大将が悪い事した?」

「いえ、良くして貰って…ただアル様がこんな店要らないと仰ったので私はアル様のお役に立つ為に…」

「なるほどね。で、アルは何故そう言ったの?」

私は視線をアルに向けて彼女に問う。

「それは…一流のアウトローになるために―」

「あの時、アルちゃんはこう言ったの。

『私たちは仕事しにこの辺りに来てるの!ハードボイルドに!アウトローっぽく!

なのに何なのよ、この店は!お腹いっぱい食べられるし!あったかくて親切で!話しかけてくれて、和気あいあいで、ほんわかしたこの雰囲気!ここにいると、みんな仲良しになっちゃう気がするのよ!私に必要なのは冷酷さと無慈悲さと非情さなの!こんなほっこり感じゃない!』って」

そう答えたのはムツキだ。意外にもアルの物真似が上手い。

「つまりこのままだと絆されてしまい目指しているアウトロー像に近づけないって思ったのかな?ただ、アル自身としては様子からして爆破する気はなかった…ニュアンス的には多分此処に入り浸るべきじゃないってところだったけど、ハルカはその言葉を文字通りに受け取って解釈してしまったって所だね。

それと爆弾の方は―」

「クライアントから依頼が来た時に設置した物。何処で標的(アビドス)と戦闘になった場合でも使える様にって。依頼に失敗して彼方から一方的に取り消された後は分担して回収を進めてたけど…まさか此処にも設置してあったとは思わなかったけど」

カヨコが答えてくれた。

「まだ回収仕切れなかった分を今回ハルカが使っちゃったって訳だね」

私の推察にハルカは頷く。多分、爆弾の正確な場所までは共有しきれてないね。

「先生、全ては私の責任よ。部下の失態の責任を負うのも社長の役目。だから如何なる処罰も受けるわ」

アルはそう名乗り出ると地面に正座する。

「そうだね、確かに今回の一件が起こったのも貴女が意固地になって大将の善意を振り払って思わず言ってしまった事が原因ではあるね。

良い?言葉っていうのは一種のナイフなんだよ。一度出てしまった言葉は戻って来ないし、場合によっては相手を傷付けたり今回みたいに災いを引き起こしたりしてしまう」

「それは…わかっているわ…」

「ハルカもだよ。如何なる理由でアルを慕う様になったのかは分からないけど、何でもかんでも全て言葉通りに受け取って即実行するのは良くない、下手したら慕う相手に迷惑をかける事になるって今回の一件でわかったよね?」

「はい…すみません、先生…」

「謝るのは私じゃなくて大将やアビドスの娘達、アルにしてね。偉そうに言ってるけど此処はアビドスの土地で判断するのは大将と彼女達だからね」

私の言葉を受けたハルカは大将と対策委員会の娘達に向けてひたすら頭を下げて謝罪し、アルも誠意を以て謝罪した。

 

後の処罰は対策委員会の面々が決める事…ワルキューレに突き出すか否かとかね。

そんなタイミングの最中、何処からか砲撃が飛んで来た。誰なのかな!?忠告もなしに撃ってきたのは?カイザーの連中?それともジーオス?連中なら私は容赦なく叩き潰すよ?

飛んで来たのを良く見ると正体は実弾…私が知る限りジーオスはエネルギー弾しか撃てないからこの段階では除外。

「この弾…まさか…」

どうやらカヨコは撃ってきた連中の正体に心当たりがあるようだ。

『アロナ、撃ってきた奴の正体と規模について分かる?』

私はアロナに向けてメッセージを送り、すぐに彼女から返事が来た。

『ゲヘナの風紀委員会が一個中隊規模、撃ってきたのは風紀委員の保有するバズートルです!』

風紀委員…という事は標的は便利屋68の娘達だね。しかし、バズートルもか…スーパーコンボイ()なら対して苦戦しない相手ではあるけど、ゾイドを保有していない対策委員会の面々(ホシノ抜き)でこの規模の相手を撃破出来…る…いやまて、風紀委員?風紀委員と聞いて見知った顔が浮かんできたよ?説得すれば戦闘を回避出来るかもしれないけど、果たして地元愛強しな対策委員会の娘達が黙っていられるか…彼女達から見れば自分の領地(テリトリー)で好き勝手ドンパチをやられているようなもんだからねぇ…

 

そんなゲヘナの風紀委員から一人の人物…褐色肌に銀髪ツインテの娘が前に出た。

「ゲヘナ風紀委員会の銀鏡イオリだ!大人しくこちらに便利屋68の連中を渡してもらおうか!」

ほらやっぱりね。

「ん、便利屋は渡さない。此処はアビドス。アビドスで起きた問題は私達アビドス対策委員会が対処する」

とシロコは反発する。

一方の私は見知った顔がいないか目視で探していると…見つけたよ。

「やっほーチナツ。元気してた?」

「はい。先生こそお元気そうで何よりです」

と気軽に件の人物…チナツに挨拶したら皆の視線が私達に向けられる。

「先生、そのゲヘナの人と知り合いなの?」

皆を代表して私に訊ねるセリカ。

「知り合いも何もシャーレ活動開始時からのメンバーの一人だからね。あの時は世話になったし、あれ以降も世話になってるし」

そうそう、部室棟奪還作戦時のメンバーとは今も連絡を取り合ってるよー皆良い娘でこのババァは涙出そう。 「おっと感慨に耽っている場合じゃなかった。で、こんな物騒な出で立ちで侵略ともとられかねない真似をして…チナツやヒナの考えじゃないよね」

私の指摘にチナツは困った表情を浮かべる。

「それについては私から答えさせていただきます」

そう言って現れたのは大人びた印象はありつつも横乳が1/3程はみ出ているという健全な男子諸君の性癖が歪みそうな制服を着た娘だ。…ゲヘナヨコチチハミデヤン?

「こんにちは、アビドスの皆様…そしてシャーレの頼尽先生。私はゲヘナ学園風紀委員会所属の行政官、天雨アコと申します。今の状況について少し説明させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか?」

その後、ゲヘナヨコチチハミデヤンもといアコは事情を話し始めた。ざっくり言うと校則違反者(便利屋68)が怪しい怪しいカイザーグループと組んだっていうのと今アビドスにいるから捕まえに来たのだとか。

まぁ、その情報は一部古い物ではあるよね。便利屋68の娘達はカイザーから切り捨てられたも同然だった訳だし。

「此方からいきなり強硬手段に出た事は謝罪します。しかし、此処は一つ犯罪者の逮捕に協力していただけませんか?」

アコは他の風紀委員達に武器を下ろすようハンドサインを出し、バズートルも兵器解放(マシンブラスト)状態を解除する。

「お断りします」

それに対するアヤネの返答はNoだ。

「何の通達もなしに武装態勢で他校の自治区に無断で入る事は明確な違反行為です。此処は貴女達ゲヘナの自治区ではなく私達アビドスの自治区です。勝手な真似は許す事など出来ません」

と毅然とした態度でアコに理由を告げた。

「これだけの兵力であっても怯まないなんて…その理由はやはり、信頼できる大人がいるからでしょうか?ねぇ、先生?」

「信頼して貰えるのは先生冥利に尽きるね。アヤネが言うようにこの件に関する最終決定権はアビドスにあるよ。此処は私に免じてさ、大人しく撤退してくれないかなぁ?」

「うーん、困りましたねぇ…私達も大人しく引き下がる訳にはいかないのですが…偶然にも先生がいたのが…」

「偶然なんかじゃないでしょ、天雨アコ。アンタは最初からこの状況を狙ってた」

そんな中、割り込んできたのはカヨコだ。

「あら?カヨコさん、面白い話をしますね」

「どうして風紀委員会が他の自治区まで私たちを追ってくる理由がわからなかった。

だって、空崎ヒナだったらこんなやり方絶対にやらない。だとすればこれはアンタの独断に違いない。

それにゾイドを持たない少数の私達に対してバズートルやギルラプターを複数って明らかに過剰戦力…ならアンタたちが戦闘を想定しているのは私達でもアビドスでもない。

アンタの真の目的はシャーレ。最初から先生を狙ってここまで来たんじゃないの?上手く取り入るなり監禁して利用する為に」

カヨコの推理に対策委員会の面々は驚きつつ、目的を言い当てられたアコは不適な笑みを浮かべる。

「カヨコさんが便利屋にいる事を失念していましたが、まぁいいでしょう。

そうです、きっかけはトリニティ総合学園の生徒会(ティーパーティー)がシャーレに関する報告書を手にしたという情報がうちの諜報部員から上がってきた事ですね。

此方としては今後の勢力闘争にて先生がトリニティに引き入れられでもすれば不利になって困るので、こちらで迎え入れようと思いまして」

うーん、辛口になるし生徒相手にこういう事を思うのもアレなんだけどさ、この娘、私を引き入れる事が出来るって本当に思っているの?一年生とはいえSRTと繋がりがあるし。いや、そこまでは多分知っているか…スーパーコンボイの正体が私だって事は漏れてない筈だけど、ジェノブレイカー(宮子)とRABBIT小隊が組んでる=私とも繋がってるって事は気付いてはいるだろうし…

「それだけどさ、私は困っている生徒達の手助けはすれど政争に関与するつもりも利用されるつもりもないよ」

断った私に対するアコの答えはこうだ。

 

 

「そうですか…出来れば穏便に済ませたかったのですが…仕方ありませんね。実力行使といきましょう」

 

 

 

 

To be continue…

 

 

 

 

 

 

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