灯里「久々の更新だー!一体何週間も待たせたんだー!ふざけんなよー!」
宮子「1ヶ月ですよ師匠。それに
灯里「まぁ、確かにそうだけどね。帰りが遅くなる=それでも睡眠時間を確保するには執筆時間を削るしかないしあっちはそれでストックが尽きて休載に入ったし」
宮子「下手すると打ち切り圏内に…」
灯里「ふーざーけーるーなーよあの
―side:Akari Raijin―
「―それにRABBIT小隊の皆さんの協力の元、調べた結果アビドス高校が保有している土地は現状この校舎とその周辺の一部地域のみである事も判明しました」
アヤネがアビドス自治区の地図を広げてそう告げる。赤丸がしてある箇所がアビドス高校が保有している土地だ。そしてその赤丸はアビドス自治区の土地のほんの1部でしかない。聞き込みを行ったアヤネやRABBIT小隊曰く柴大将を初めカイザーコーポレーションが所有している土地に住んでる/働いている人達は何年も前から退去勧告を出されていたという。
「何なのよそれ!カイザーの連中、ふざけるんじゃないわよ!」
開幕早々怒りの感情を爆発させるセリカ。
RABBIT小隊からの報告…アビドス自治区の土地の多くがカイザーコーポレーションの所有地になって事、本来はアビドスの所有になる筈の
カイザーが発掘を続けているかのゾイドがキヴォトスのパワーバランスを崩しかねない程の機体、そして私や宮子ですらタイマンで勝てるか怪しい機体である事については対策委員会の面々にはまだ話していない…実際話すか否か私自身も決めかねてる。ただでさえ借金の事が解決してないどころかそれが実質的に自分達を苦しめる為に使われていた事を知って間もないのに宮子とRABBIT小隊が得た情報の事に加えて発掘を行っている事あのゾイドに私達も敗北する可能性がある事まで話すのは負担が大き過ぎるというか酷というか…精神的負担がデカすぎる。
そもそも私も宮子も
「どうしてこんな事に?学校の自治区の土地を取引に出すなんて…」
「そうですよ!普通出来る筈がないですよ!一体誰が…」
シロコとノノミの疑問に
「先代のアビドスの生徒会だよ」
ホシノは答える。その口調はやらかした先代に呆れているのか冷めた様子だ。
「学校の資産の議決権はその学校の生徒会にある。カイザーに土地を売ったのも借金を返す為だろうね。
どんなゾイドを保有していたのか、埋まっているのかも資料は失われちゃっているし、そもそも掘り返して借金の返済に充てる為に売却しようにも人手と設備、手間がかかるしね。ゲヘナやトリニティみたいな大きいところはともかくウチはその設備自体もとっくの昔に売却していると思うよ」
ホシノが言うことも尤もだ。恐竜の全身骨格の化石を発掘するのに時間と金、人手がかかるのにゾイドの場合は動かせるように入念なメンテナンスと電気などの物資が必要になる。
あの復元工程を単身でやり遂げた人は凄い優秀だと私は思う。
「とりあえずカイザーを叩く
「オルディオスってゾイドというかゾイックアデプトテレイターってやっぱそんなにヤバいの?」
モエが率直な疑問を私に投げ掛ける。このキヴォトスに存在するゾイドは
「私の故郷の地球じゃゾイドは物語の中の架空の存在である事、実在しているゾイド達のスペックがその物語上のスペックと合致した上で話すけど…
オルディオスは元々はへリック共和国っていうゾイドを兵器として運用していた国家が敵国のガイロス帝国のギルベイダーというガイロス帝国史上…いやゾイド史上最強クラスの空陸両用ゾイドのギルベイダーという大陸間を無補給で飛行可能どころか単独で大気圏離脱・突入することが可能ばかりか570tある機体を抱えたまま飛行継続可能な推進力を持ってて、荷電粒子の束を丸鋸状に収束形成して発射する武器を筆頭とする反則級の兵装で共和国に8万もの死傷者を出した決戦兵器級の機体を屠る為に複数のゾイドの遺伝子情報を取り入れて開発されたゾイドなんだよ。
最高速度は陸上で時速360キロ、空中だとマッハ3.6という速度かつ機動力や運動性は格上のギルベイダー以上で実質相討ちながらも撃墜に成功してる。
それでこそ共和国が流したオルディオス大量配備って偽の情報を間に受けたガイロス帝国は予定していた共和国首都への爆撃を中止して対抗機のガンギャラドを開発したレベルだし」
うわぁ…みんな絶句しちゃったよ…まぁ、これよりヤバいキングゴジュラスとかいうトンデモスペックなゾイドを共和国が作ってるんだよね…
「私が見た限りギルベイダーのゾイックアデプトテレイター化個体は確認出来てないから一応安心していいよ。
但しオルディオスの対抗機に当たるガンギャラドのゾイックアデプトテレイター化個体はいるんだよねぇ…第56太陽系の地球で一度交戦して以来、所在がどうなっているかわからないけど。
…まぁ、オルディオスとかガンギャラドの様な幻に等しいのをどうやって入手したんだって話だけどね」
「ん、それってどういう意味…?」
「オルディオスや同時期に開発されたゾイド達はグランドカタストロフっていう地形が変わるレベルの大災害の発生で機体が損失したどころか生産技術も元となった野生体も失なわれているんだよ。
少なくともジェノブレイカーがロールアウトした時代には
その理由を知る事になるのはちょっと先の話。気になる人はこれをチェックしてね。
「とにかく、今日はもう日も影って来ているから此処までにしておいてまた明日どうするか考えよう」
と私は終了を促し、会議はお開きとなった。
対策委員会の面々はそれぞれの家に帰り、RABBIT小隊と宮子は校舎内の一室を借りて其処で宿泊する事になっている。
私は校舎屋上で策を練っていた。私や宮子、RABBIT小隊、対策委員会だけでは数的に不利だ。いくら個が強くとも数が少なければ勝率は下がる。
オメガレックス…ワイルド系ゾイドで唯一荷電粒子砲を内蔵したティラノサウルス種のゾイド。このキヴォトスに
素の段階で対空装備は持っている上にカイザーの事だから
私と宮子で1体だけを相手するならまだ勝率は高いだろうけど実質2対2、対策委員会やRABBIT小隊へ当てる戦力も用意しているだろうから彼女達からの援護は期待出来ないと考えると…敗北の可能性もあるか…
こうなったら伝があるゲヘナ、トリニティ、ミレニアムからの協力を仰いでみるかなぁ…
という訳で対策委員会の面々を連れて三校と交渉してみたけど…結果は…まぁ、うん…お察しくださいだよねぇ…あっ、ミレニアムは会長が不在だったからユウカに問い合わせたよ。
どの校もカイザーコーポレーションを良く思っていない(トリニティに至ってはブラックマーケットへの立ち入り自体が校則で禁止されてるし。あとナギサのお気に入りな阿慈谷ヒフミ、オメェブラックマーケットの出入りバレてんじゃねーのか?)のはそうなんだけど、
カイザーグループはキヴォトス中に強い影響力を有している。仮に各校による連合軍を結成してバチバチに戦争した末に勝ちましたカイザー潰しましたとなった場合、そのカイザーが抜けた穴はどうなる?って問題が発生する。
アビドスの一件に関わっておらず何も悪い事をしていなかった無実(100%潔癖かはさておき)の者まで巻き込んで失業者が大量に現れ、雇用や経済に混乱が生じるばかりか下手したら暴動に発展してただでさえ治安が悪いキヴォトスが法が意味をなさない無法地帯になりかねない。そんな団結も糞もないタイミングでジーオスが大群で攻めてきたら?私の故郷と同じ様な末路を迎えかねない。それだけは避けたいんだよね…
そして駄目元で公園の1角に移転した便利屋68にも訪ねてみたんだけど…結果は保留という事に。まぁ、アビドスは金がない上に仮に失敗すれば今度こそカイザー側はオルディオスを再び差し向けて彼女達を始末しにいくのだろう。
何にせよ現在の戦力は私と宮子、対策委員会とRABBIT小隊のみ。何度も言うけどさ…このままやり合っても負け戦になる可能性が高いだろう。
そんな夕暮れ時…皆が下校した後、私の元にモモトークを通してホシノからメッセージが届いた。
『先生、ちょっと時間もらっていいかなぁ?アビドス高校の屋上で待ってる』
行くしかないよね。対策委員会最年長だからこそ皆には吐き出せない事もあるだろうし。
という訳で私はホシノに今行くと伝えた…と言っても私はアビドス高校の使われていない一室を借りて滞在しているだけなんだけどね。
「お待たせ、ホシノ。待った?」
「ううん、おじさんも今来た所だからさ」
屋上のフェンスから街を眺めていたホシノは私の声を聞くや振り向く。
「ユメ先輩がいなくなってからさ、おじさんはアビドスを1人で守ってきた…そんな時にノノミちゃんが入学を希望したんだよ。おじさんは言ったんだよ。命の保証はないってさ。それにノノミちゃんは此処の土着企業のセイント・ネフティスの経営者一族の出身でさ、コネのあるハイランダー鉄道学園に進学すれば次期生徒会長も約束されていたのにそれを蹴ってまで入学したんだ。
ノノミちゃんが入学する事が決まった後、ゴミ捨て場で踞っていたシロコちゃんを拾ったんだけど、最初は大変だったよ。自分より強い者の言うことは聞かないとか言ってさ、わからせるしかなかったよ。今でも危なっかしい所はあるけど、皆を引っ張ってくれて頼りになるよ。
暫く三人で頑張って…そしてセリカちゃんとアヤネちゃんが入学してね。セリカちゃんは騙されやすい所があったり感情に正直過ぎる所があったりするけど、誰よりも頑張り屋さんで見ていてこっちも元気を貰えるよ。
アヤネちゃんは細かい所まで気付いたり気配り上手で本当にしっかり者でさ、もうおじさんは敵わないよ。それでこそアビドス高校の長に相応しいって思ってる。だからさおじさんも安心して任せられるよ」
嫌な予感しかしない。何となくホシノがやらんとしている事に察しがつく。何故ならば私が
『こうなってしまったのは…すべて私の責任なんだよ。穂乃果を止めていればラブライブ優勝も叶えられたかもしれない…それにさ、本当は私は皆と一緒にいる資格なんてないんだよ…理由はどうあれこの手を血で汚した私が血塗られた世界とは無縁の世界にいる皆と一緒にいる事など本当はあってはならないんだよ…』
私が暴走する穂乃果を止められなかった結果、彼女が雨の中で無茶なトレーニングをして倒れて理事長から咎められた結果、皆で話し合ってラブライブ第一回大会出場を辞退した。
多忙過ぎたのと自主性に任せて私からことりに声をかけて相談に乗ってあげられなかった結果、穂乃果と海未の大喧嘩になってμ'sが志半ばで解散する危機にまで発展した。
中途半端な所での解散は阻止したし、数ヶ月後のラブライブ第二回大会で優勝する事は出来た…終わり良ければ全て良しなんて言葉はあるけど、あの時あぁすればより良い結果になったんじゃないかという悔いは喉に刺さった魚の小骨の様に今も燻り続けている。私ってさ、過去の悔いを何時までも引きずっちゃうタイプだからさ。
「そんな大切な場所を守るためにはこうするしかないんだよ…」
ホシノが差し出した物…それは退学届けだった。私の嫌な予感が的中してしまった。
To be continue…