灯里「そう言えば
宮子「速攻で水着錠前サオリを引きにいきましたね…他2人も欲しかったみたいですしついでに私達のイベントも見たみたいです。それは良いんですが…何か書き始めたみたいですね」
灯里「私達の話をほったらかしにして…これは創造主をシメるか」
宮子「お供します、師匠」
―side:Akari Raijin―
「―これが私の知る限りの宮子の経歴だよ」
と私はRABBIT小隊の面々に宮子の経歴を話した。私達の正体も晒す事になるけど、あの娘はこの娘達の前で変身したらしいから今更隠す必要もないんだよね。で、RABBIT小隊の娘達は…予想通りというか…完全に御通夜ムードと化しちゃってる。まぁ、無理はないよ…サキ、モエ、ミユは平行世界の自分はジーオスに殺されちゃってるわミヤコは精神的にぶっ壊れた挙げ句に人外に改造されちゃってるし…
「そんな…っ!…あっちの世界のミヤコちゃん…!」
ミユは自分の死もショックだったみたいだけど、それ以上に宮子の事がショックだったみたいで涙を流している…宮子はあっちの世界のミユの事を何かと気にかけてたようだし、それはこっちの世界のミヤコとミユも同じようだから…ショックが大きいのも無理はないか…
「貴女達が彼女とどう接するかは貴女達次第…こればかりは難しい問題だからね。とりあえず貴女達が此処に滞在出来るよう私の方から警察には話してみるよ」
「なぁ、どうして私達にそこまでしてくれるんだ?あの宮子の事があるからか?」
サキが警戒心を解かず私に問いかける。
「それもあるかな…それに学校がなくなるというのは辛い事だがらね。私が通ってた高校も廃校の危機になってね、幼馴染み達はスクールアイドルっていう学校の部活動で行うアイドルを始めて必死に足掻いて廃校を阻止できた…私は彼女達の手伝いをしただけだけど。
その数年後だったかな?幼馴染み達とある街を旅行で訪れたんだけど、その街にあったある学校のスクールアイドルの娘達と会えたんだよ。その娘達も廃校の危機をどうにかしたくて必死に足掻いてて…あと一歩のところで届かなくて叶わなかった。それでも最後の最後まで足掻いてた」
「どうして足掻けたの?」
とモエは問う。
「廃校を阻止出来なかったとしてもせめてスクールアイドルの大会で優勝して自分達の学校の名を歴史に残そう、ってね。彼女達はそれを成し遂げた…まぁ、100年後にジーオスのせいですべて失われたんだけどね…私は守れなかった。
だから、学校を取り戻そうと必死に足掻く貴女達を見てると昔を思い出して放っておけなくてね。あっ、でもデモというやり方は良くはないと思うよ。マイナスになるだけだから」
「それでは、どうしろと言うんですか?」
ミヤコの言葉に私はこう返した。
「厳しい言い方になっちゃうかもしれないけど、それは貴女達が答えを見つけないと意味がないかな。
でも、手を貸す事ならオッケーだよ。困った事があれば何時でもシャーレにおいで。歓迎するから。あっ、弁当は好きに食べて良いからね」
と私はそう言ってテントを後にした。
「さてさて、盗み聞きはないんじゃないかなぁ」
と外で待機していたカンナ達に合流するなり私は棒読みでそう言った。
「まさか気付いて…」
「そりゃ気付くよ。このババアを舐めないでよ」
と言った時だった。
「―失礼しました、先生。貴女に盗聴機を仕込むよう指示したのは私です」
と第三者の声かした。連邦生徒会の白い制服を着た娘。
「はじめまして…ですね、先生。連邦生徒会防衛室のカヤと申します。行政委員会の中における、安全保障周りを担当しております」
「シャーレ担当顧問の頼尽灯里だよ、宜しく。私としてはあの娘達の居場所がなくなるなんていうのはどうかなぁと思うんだけど」
「随分と彼女達に肩入れするのですね」
「あの娘達の気持ちは理解できるからね。やり方はどうであれ昔の幼馴染み達を見ている様な気分になったし。それで、貴女達はあの娘達をどうしたいの?SRT特殊学園の復活はやっぱり有り得ないと言いたいの?貴女達が設立しといてさ」
「…私としては、彼女たちの要求を飲むこと自体が気に入らないのですが」
とまずそう答えたのはカンナだ。
「SRT学園の最高責任者はあくまでも連邦生徒会長であり、防衛室どころか行政委員会の管理からも離れた少々特殊な組織です。
ご存じかと思いますが、ここキヴォトスの各学園自治区は基本的に連邦生徒会の干渉をさほど受けず、各自治区には治安を担当する組織があります」
「ゲヘナの風紀委員、トリニティの正実や自警団…」
「その通りです。しかし、生徒が所属校の自治区以外の場所で犯罪を犯した場合は基本的にヴァルキューレの管轄となりますが、生徒が別の学園自治区に逃げたり、どこかの生徒会と結託したりすると逮捕が難しくなってしまうのです。
その場合も勿論、できる限りすぐに対応できるように動いてはきましたが、それでも限界がありました。
それを踏まえて連邦生徒会長はSRT特殊学園を立ち上げました。犯罪が発生した際にはいつどこであっても即時の対応を許可されているという事もあってSRT特殊学園の選抜は非常に厳しく、エリート集団となっています。ゾイドを含めた装備も現在のキヴォトス最高レベルです。
現にSRTの3年生で構成されたFOX小隊は以前、キヴォトスの長年の悩みの種だった
「連邦生徒会長が失踪してしまったことにより、SRTに関する責任の所在は宙に浮いてしまいました」
とカンナは付け加えた。
「SRT特殊学園は例えるなら非常に危険な火薬庫…だから責任を取ろうとする者は現れませんでしたってところかな。
装備が最先端の故に扱いが難しいから結果として身動きが取れなくなった。だから閉鎖するという選択肢を選んだ」
「もちろん、それだけが理由ではありません。連邦生徒会長は帰ってこないと決まったわけではない、SRTは存続しておくべきという意見も連邦生徒会の中にはありました。私もまた、そのような意見を持つひとりです。
そんな中、FOX小隊が先月に突如としてSRT特殊学園の閉鎖を進めようとしていた連邦生徒会のメンバーを攻撃して逃走しました。
結果として、サンクトゥムタワーの一部施設が全焼、連邦生徒会のメンバー数人が怪我を負いました」
「動機は…存続が脅かされていると感付いたからだろうね」
「行政官はその後、SRT特殊学園に関する話し合いを様々な方向性で広げようとしましたが―」
「今度は
私の言葉にカンナは頷く。
「RABBIT小隊はこのままですと学籍データが抹消され、どこの学園にも所属できず彷徨うことになるでしょう。しかし彼女達もSRT特殊学園の過酷な入学試験を通過した紛れもないエリートです。
その能力が無為に捨てられてしまうのは、かなりの損失。だからこそ彼女たちを説得してヴァルキューレ警察学校に編入するように勧めていただけませんでしょうか?
そこで前向きな答えが貰えそうであれば私の方でも学籍データを抹消しないように、急いで各位説得することも―」
「不可能じゃないと言いたいのかな。それは分かるよ…けどさ、あの娘達は理由はそれぞれ自らの意思でSRTに入学した。私としては彼女達を裏切るような事はしたくないね。
確かに公園を占拠してデモしようとしてたのは褒められたものじゃないけどさ、あの娘達はジェノブレイカーが参戦するまで、ジーオス共から人々を守る為に戦ってた…未知の敵であるのにも関わらずその使命を全うした。貴女達を否定する訳じゃないけど、頑張ってくれたあの娘達に酷な処罰もあんまりじゃないかな?」
「分かりました。では、RABBIT小隊の処遇については、頼尽先生にお任せします。シャーレに置いて見守るというのもあるでしょう、好きにさせるという手もあるでしょう…その点については、先生のご随意に」
「元よりそうする気だったよ。けど、話がわかって何よりだよ」
私はミヤコに話し合いの結果をモモトークで伝えてシャーレへ帰った。
そして、宮子はその日はシャーレに帰って来なかった…心配ではあるけどあの娘も心の整理が必要だからね。
―side out―
灯里がRABBIT小隊の元を訪れた翌日。空は雲に覆われどんよりとしていた。
そんな中で灯里は書類仕事を片付けている…昨日から徹夜して。
『先生、寝た方が…』
と心配するアロナに
「ありがとう、アロナ。でも私なら大丈夫だよ」
と灯里は答え、ふと窓の外へ視線を向ける。未だに宮子はシャーレに帰って来ていない。
一方の宮子はこの世界のD.U.市街地をさすらっていた。気配を消し、路地裏に逃げ込んで。そんな時だった…曇り空からポツリ、ポツリと雨が降り始めたのは。
ふと宮子の脳裏にある光景が浮かぶ。
『ミユ!こっちもタープが破れた!防水シートが足りない!』
『も、もう予備は無くって…!』
『土嚢を積んでも積んでも水が溢れてくるよぉ!』
『モエ、こっちを手伝え!いつまでも機械を抱きしめてる場合か!』
『いやいやいや、通信設備が浸水したらヤバいでしょ!?この辺の機器、全部合わせていくらだと思ってるの?』
『防水周りが補強できたら、次は排水路の方を!土砂が詰まっているのか、水が溢れてて…このままでは、周囲一帯が全て浸水しかねません』
『分かってる!でもこっちも補強が間に合わない!』
大雨が降り頻ったあの日、子ウサギ公園で暮らしていた自分達はテントを守る為に四苦八苦していた。
しかし、落雷によってテントの支柱が倒壊、弾薬や通信機器が全て水浸しになってしまった。この光景にあの世界のサキ、モエ、ミユは心が折れかけてしまい諦めムードと化してしまった。
『いえ、諦めるにはまだ早いです。排水路をどうにかして、浸水の少ない装備から回収して…』
そんな中、宮子だけは諦めずスコップを片手に排水路から土砂を取り除こうとした。
『装備だけの話じゃない!全部、全部だ!私たちのSRTは、もう…!』
『サキちゃん…』
『はぁ…こうなると分かってたら、最初っから…』
『最初にみんなで、言ったじゃないですか!私たちが諦めない限り、SRTの名前は―』
『ミヤコだって、分かってたんじゃないの?こんなバカみたいなこと、いつまでも続ける訳にはいかないって』
『今の私達は治安維持どころか、食料品を探し回る毎日…こんな状態でSRTの名前が守れてるとは思えない…!もはや自分が何をしているのか分からない…!』
『ほんと、何やってんだろね…。何もかも水浸しだし、野宿生活も疲れたし…』
『ミヤコちゃん…もう、諦めようよ…』
そう言われようとも宮子は諦めたくなかった。
『私は…!諦められません!SRTのためにも!』
必死に足掻く宮子の前に
『みんな大丈夫…?泥だらけだけど…』
現れたのが先生だった。
『あぁ、我々は問題ない。拠点は…このザマだがな』
と自嘲気味にサキは答えた。
『ここの土を片付ければ良いのかな?』
『はい、お願いします』
"先生"は宮子に指示を仰ぐと拠点の復旧活動に参加するのだが、慣れていないのかシャベル捌きは素人同然だった。
それを見ていられなかったのか
『シャベルの使い方が下手か、貸せ』
サキも参加、そして
『ほんと、何やってんだか』
『…手伝います』
モエとミユも感化されて参加、5人で復旧活動を行った。雨が止んだ後、装備の大半は水浸しになって使い物にならなくなってしまった。それでも公園が完全に浸水してしまう事だけは避けられた。
『どうして私たちを助けるんですか?何度も言ったはずです。何も変わらないと。先生が私達に何を望んでいるのか、私には全く分かりません』
『私は何かを望んでいるわけじゃないよ。私は先生だから困っている生徒達を助けたい』
"先生"との出会いは公園でデモをしていた自分達を先生の指揮した警察が制圧するというある意味最悪な出会い方だった。
故にそれまで宮子は大人という存在を、"先生"を信用していないどころか嫌っていた。そんな突き放す様な行動をしていても"先生"は手を差し伸べてくれた。この人なら信用して良いのかなと宮子は思ったのだ。それから先生を含めた皆と一緒にエビの水揚げ地として有名な漁港に行ってそこで起きた事件を解決した事もあった。
あの頃の眩しい日々はもう帰って来ない。それは宮子自身が一番わかっていた。この世界の
「ゾイドオン!ジェノブレイカー!」
ジェノブレイカーへと変身しして子ウサギ公園へと向かった。
一方の子ウサギ公園では…
「ミユ!こっちもタープが破れた!防水シートが足りない!あとモエはこっちを手伝え!いつまでも機械を抱きしめてる場合か!」
「も、もう予備は無くって…!」
「いやいやいや、通信設備が浸水したらヤバいでしょ!?この辺の機器、全部合わせていくらだと思ってるの?」
拠点を守ろうとRABBIT小隊は必死になっていた。
「防水周りが補強できたら、次は排水路の方を!土砂が詰まっているのか、水が溢れてて…このままでは、周囲一帯が全て浸水しかねません」
「分かってる!でもこっちも補強が間に合わない!」
そんな中、大雨が突然止まったのだ。不思議に思いながら頭上を見上げると
「ジェノブレイカー…?あっちの世界の私…?」
ジェノブレイカーがEシールドを張って拠点を大雨と落雷から守っていたのだった。
To be continue…