ティガダーク~やはり俺は光の巨人になれない~   作:大枝豆もやし

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最近ティガダークが怪獣あっさり倒してるので、怪獣の恐怖を思い出してもらいましょう。


ファイヤーゴルザ

 

 今回の主役はティガダークではない。

 これは、とある国の軍人だった頃の話である。

 

 彼の国では巨大生物討伐作戦が行われた。

 作戦の最高司令官は彼だった。

 

 突如現れた未知の巨大な怪物。

 人類の科学では説明のつかない事態。

 常識すら通じない存在を相手に、彼は当初恐怖を抱いた。

 しかし、ソレはとある存在の登場によって無くなった。

 

 ティガダーク。

 突如現れた黒い巨人は、瞬く間に巨大生物を倒していった。

 映像越しとはいえソレを見て思った、あの生物たちは決して不死身ではないのだと。

 

 生物とは殺せば死ぬ。

 攻撃を受ければ怯むし、痛みもちゃんと感じる。

 嵐や地震などの災害と違い、ハッキリした姿形があるのだ。

 もしかすれば毒なども効くかもしれないし、ミサイルや砲撃も一発二発では駄目でも連発すれば倒せるかもしれない。

 そう考えたのは彼だけでなく、国のトップたちもそうだった。

 

 巨大生物を討伐するのは我らだ。

 ティガダークなんて得体の知れない存在ではない。

 いや、そもそも神を騙る存在を認めるわけにはいかない。

 

 国は巨大生物討滅作戦を立案した。

 人類史上誰も成し得た事のない偉業。

 その輝かしく絶大な栄光を手にする為、総力を挙げた。

 

 最新鋭の兵器。

 精鋭を揃えた最強の部隊。

 最高の頭脳と技能を持つ科学者や技術者たち。 

 国の全力バックアップ体制を受けて作戦は実行された。

 

 巨大生物はマグマを取り入れ、そのエネルギーで自己強化している。

 このエネルギーを暴走させて内部から爆破するというのが作戦内容だった。

 

 彼は確信していた。

 自身の祖国の全力が、あの巨大生物を打ち滅ぼすと。

 我が国こそが最強の国であり、あの巨人ではないと。

 

 大体何なのだあの巨人は。

 何故人類の味方をする。

 何のために巨大生物と戦う。

 捕食するわけでもなければ遺体を加工するわけでもない。

 まさか、本当に人類を守るために戦っているのか。

 そんな筈がない。

 あの巨人は戦いを………殺しを楽しんでいる。

 

 あの禍々しい姿を見ろ。

 闇のような黒い身体に、纏う禍々しいオーラ。

 そして戦いを楽しみ、相手を打ち倒すことに快感を覚えている。

 

 悪魔。

 あの巨人は悪魔だ。

 栄光を掴むのはあの悪魔ではない。

 

 作戦は決行された。

 大国の全力を、我が国の軍事力を世界に知らしめる。

 そして思い知らせるのだ、我が国こそ世界を導く大国であると。

 

 

 

 彼が率いる軍は、怪獣によって潰された。

 

 

 

 最新の兵器—――通じない。

 ミサイルや爆撃の熱エネルギーを吸収して自身の力に変換。

 頭部からオレンジ色の光線を反射するかのように撃ち出し、最新の兵器を破壊していった。

 

 最強の部隊—――通じない。

 ただ歩くだけで被害が続出し、巨体以上の怪力で破壊していく。

 地面に潜り超音波で掘削しながら地震や地割れを起こして包囲網を突破し、甚大な被害を齎した。

 

 最高の技術—――通じない。

 データよりも数段パワーアップした怪力と防御力、そして新たな能力。

 生物がマグマをエネルギーにするというだけでも常識外れだというのに、更なる予想外の連続に、科学者も付いていけなかった。

 

 

 何もかも通じない。

 人類の力も常識も、あらゆるものが通じない。

 格が違う。

 最初から同じ土台にすら立てなかった。

 

 結局、巨大生物は倒すことには成功した。

 最終手段…いや、禁断である核兵器を使用して。

 甚大な被害と損失を出して、やっと巨大生物は停止した。

 

 大きすぎる被害。

 物も、金も、人も、何もかもが無くなった。

 たった一体の生物を倒す為に、全てを無くしたも同然だった。

 ここまでくれば、巨大生物が出した被害より自身の兵器による被害の方がデカい。

 

 

 後で彼は知ったが、本来ならこの作戦は勝てないと分かっていたらしい。

 だが決行された。上層部のごり押しによって。

 

 研究チームは最初から無理だと言った。

 マグマを未知の原理でエネルギーに変えている巨大生物を相手に更なるエネルギーをぶつけるのは危険であり避けるべきだと。

 しかし学者たちの上層部は決行した。

 自身の権威と既得権益を守るために。

 

 参謀チームはティガダークでしか勝てないと言った。

 理論上倒せるが、多大な損害と被害が出ると。自身の出した結果によって国が苦しむことになると。よって戦うべきではないと。

 しかし政府たちの上層部は決行した。

 自身の権威と既得権益を守るために。

 

 そして、若輩者であるはずの彼が最高司令官に選ばれた。

 失敗する貧乏くじを引かされ、全てを失ったのだ。 

 

 

 作戦失敗後に知った事だが、ティガダークは同個体を容易く倒したらしい。

 町に被害を出さないよう誘き寄せ、格闘能力で圧倒。

 最後は傷口に手を突っ込み、直接光線をぶち込んで討伐したそうだ。

 鮮やかな手並み。

 まるで最初から巨大生物の攻撃パターンや生態を知っていたかのようだ。

 そしてその上で実行できる能力。

 何もかもが祖国と違う。

 

 巨大生物の死体サンプルは被害国である日本が回収。

 その被害自体は祖国と比べると無いに等しい。

 

 

 彼は後に気づいた。

 祖国は政治上の都合でティガダークを否定していたことに。

 一神教である祖国は、権威の失墜を恐れて強行していたことに。

 もしティガダークを認めると、神以外の神を認めることになると。

 

 彼は祖国を捨てた。

 信仰を捨て、日本に向かった。

 真なる神であるティガダークがおわす日本に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………面倒くさいことになったな」

 

 とある元軍人のドキュメンタリー番組を見て、鞠川圭吾はだるそうに溜息をついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 前回に続いて今回も予想外だった。

 まさかダイナ怪獣が出てくるとは。

 だが、ティガとダイナのシリーズは地続きだ。

 ティガ怪獣が出てきたり、ティガの後日談をやる等、ティガの話がダイナに出てくるなら逆も然り。ダイナ怪獣がこの世界に現れてもおかしくはない。

 実際、この世界でダイナ怪獣が何体か出て来た。

 

 ゴルザII。

 今回相手した怪獣だ。

 原作でダイナを苦戦させた強豪。

 格闘能力、ビーム反射能力、そして高い知能。

 強敵ではあったが手の内を知り、レイキュバスの件からダイナ怪獣と戦う可能性を考えていた俺は攻略法を事前に編み出した。

 先ずは敏捷体のスピードでボクシングスタイルのヒットアンドアウェイ。フットワークで翻弄させつつダメージを与えて相手のペースを崩し、一点にダメージを与える。

 次に剛力体のパワーでカウンター。苛立って単調になった相手に攻撃を合わせ、相手の体力を削る。

 最後は通常体。一点集中で出来た傷に貫手を突き、中から直接光線をぶち込んだ。

 

 コカクチョウ。

 ビーム吸収能力に加え、プラズマ光弾や落雷などの攻撃手段を持つ。

 マッハで空を飛んでいたので敏捷体で対応。

 原作通り食らった落雷を己のエネルギーに変え、オーラを纏ってパワーに変換することで一時的にパワータイプ相応の怪力を発揮。

 怪力と加速力、そして体重を乗せたドロップドリルキックで粉砕した。

 

 シルドロン。

 予知能力と頑強な甲殻を持つ厄介な怪獣。

 しかしその予知は攻撃が来るタイミングのみ。どういった攻撃なのかまでは知り得ない。

 剛力体で殴ると見せかけて腕を掴み、関節技で両方とも外し、弱点である腹にデラシウム光流をぶち込んだ。

 

 この三匹の怪獣はティガとの関連性がある。

 ゴルザⅡはゴルザ強化と、コカクチョウはガゾート、シルドロン…正確に言えばクローンがシルバゴンと関連している。

 

 以前戦ったレイキュバスは…関連性無いな。

 こじ付けだが、ウルトラ10勇士でファイブキングと戦ってたから、レイキュバスと戦ってると言えなくもない。

 

 ティガに関連するのはこいつ等ぐらいだろう。

 これ以上出てこられたら原作が崩壊する。

 いや、俺が変身している時点で手遅れか。

 そもそも、俺はティガですら無いし。

 

 

 

『お前はティガさんじゃない!』

 

 

 

「(………考えるのはよそう)」

 

 気持ちを切り替える為にテレビを点けた。

 

『ティガダークこそ真の神である!私は偽りの信仰を捨てた!』

「………やっぱテレビはもうオワコンだな」

 

 俺は点けたばかりのテレビを消して自分の部屋に戻った。

 

 

 俺は今まで一人で戦ってきた。

 GUTS等の組織との協力も連携も無い中で。

 

 バリヤー怪獣ガギ。

 原作では窒素爆弾でバリヤーを無効化したが、俺は自力で破った。

 奴のバリヤーが急激な温度低下に弱いことは原作知識として知っているので、ティガフリーザーで破壊。

 最後はヒットアンドアウェイでダメージを蓄積させてからランバルト光弾で頚椎をぶち抜いた。

 

 強酸怪獣リトマルス。

 原作では中和剤で弱体化させたが、俺は自力で倒した。

 触手同士をパワータイプで酸が出る穴付近に結ぶことで無力化。

 最後は殴りまくった後にデラシウム光流で爆破した。

 

 超古代怪獣ガルラ。

 原作では超能力者と協力することで倒したが、俺は自力で倒した。

 予め弱点を知っている俺は最初からそこを狙撃。

 最大出力のゼペリオン光線一発で倒した。

 

 全部俺一人だ。

 だから世間は言っている、怪獣はティガダークだけに任せるべきだと。

 

 あまり良ろしくない流れだ。

 ティガダークだけに任せて人類は戦うことを放棄しようとしている。

 

 気持ちは分かる。

 怪獣に立ち向かおうとして失敗し、むしろ被害が拡大化したから。

 俺も悪い点はある。

 軍などが戦う前に怪獣を倒したこともあったから。

 だからこういう流れになるのも仕方ないと俺は思う。

 けど、最後の敵だけは、俺一人の力ではどうしても勝てない。

 

 何か別の力が必要だ。

 パワーアップ出来るよな何かが。

 

「キッツいなぁ………」

 

 ガタノゾーアが現れたら、グリッターティガも降臨してくれないかな。

 じゃないと釣り合い取れないだろ。

 





皆さん気づいたと思いますが、祖国を襲ったのはゴルザ強化です。
やっぱり現代が舞台だと現地戦力が役立たずになりますね。
オーブでは大した活躍無かったし。
そんな彼らからすれば、怪獣を倒せるウルトラマンは神に見えるでしょう。

あ、ダイナ怪獣はもう出ません。
収拾がつかなくなりますので。

他のウルトラマンとの絡み外伝とかでいる?

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