ティガダーク~やはり俺は光の巨人になれない~ 作:大枝豆もやし
主人公が変身しているティガダークはウルトラマンティガではありません。
そもそもウルトラマンですらありません。
コレはこのssを書く時に決めてました。
とある原子力発電所付近。
一体の巨大な人型ロボットが悠々と歩いていた。
機械人形ゴブニュ。
ソレは発電所目掛けて進撃している。
無論、人間たちもただ見ているだけではない。
迎撃しようとあらゆる手を尽くした。
砲撃—――無意味。
機関銃や追撃砲や戦車など、あらゆる銃火器が砲撃を行うが、ゴブニュは止まらなかった。
反撃すらせず、ただ歩くだけで戦線が崩れていく。
爆撃—――無意味。
ロケット弾や地雷や爆撃機やミサイルなど、あらゆる爆撃を行うが、ゴブニュは止まらなかった。
爆炎の中から変わらぬ姿で現れて進撃を続ける。
その他あらゆる手段—――無意味。
ハッキングや通信妨害、直接乗り込むなど、破壊以外の手段でも阻止しようとするが、全て失敗。
そもそもどういった構造かすら解明出来なかった。
人類の科学の範囲外。
内部どころか装甲の成分すら解明出来ていないという有様。
圧倒的な科学技術の差に人類は諦めるしかなかった。
「デュアッ!」
ただ一つ、ティガダークという希望を除いて。
黒い光と共に現れたティガダークは、ゴブニュ目掛けて飛び蹴りを繰り出した。
「ッ!?」
飛び蹴りを両胸で受け止めるゴブニュ。
たたら踏んで数歩下がるもソレだけ。
大したダメージを受けた様子は無かった。
「デュアッ!」
追撃をかけるティガダーク。
原作では、ゴブニュはティガに関心を示さなかった。
攻撃されようが無視して素通りしていたが、ここではどう動くか…。
「ッ!?」
ゴブニュが攻撃してきた。
振りかざした腕で殴り掛かる。
ソレを察知したティガダークは避けながらカウンターを繰り出した。
後から動いたというのに、ティガダークの拳が先に命中。
ティガダークの拳と共にゴブニュ自身の威力が乗ったストレートパンチ。
圭吾の格闘技術と相手が遅く鈍い事で成功したカウンター。
しかし、それでもゴブニュに明確なダメージを与える事は出来なかった。
ゴブニュの武器は怪力と防御力。
堅い装甲は並大抵の攻撃ではビクともしない。
ソレを原作知識で知っているダークティガは、次の手段に出た。
ゴブニュを投げ飛ばす。
先程のカウンターは柔道の当身のようなもの。
相手のバランスを崩して投げに入る。
「デュア!」
バランスを崩したゴブニュをぶん投げる。
背中から地面に叩きつけ、内部に負担が掛かるように。
おかげで左腕を引き抜けたが、活動を停止させる事は出来なかった。
よって次は関節技に入る。
逆十字固め。
敢えて肩に負担が掛かるやり方で残った腕を固める。
ゴブニュも持ち前の怪力で抵抗するが、むしろソッチの方が都合がいい。
ゴブニュの目のようなライト部分が点滅する。
自爆するつもりだ。
原作ではこれを止める為に大苦戦していたが、予想していたティガダークはさして慌てない。
細心の注意を払って抵抗出来ないよう解体作業を続ける。
邪魔な手足を引っこ抜いてから運搬し、望み通り爆発させてやる。
着実に解体していく。
まるでカニの脚を捥ぐかのように。
カラータイマーが鳴り始めるが焦らない。
むしろ鳴ってからが本番だ。
「デュアッ!」
手足が千切れたゴブニュを持ち上げて飛ぶ。
製造元である宇宙の要塞に放り投げ、テレポートして日本に帰還。
本来なら隙だらけで敵の前では使えないが、今回は例外中の例外だ。
日本に戻って一息つく圭吾。
ある程度深呼吸して変身の疲労を回復させると、窓から外を確認する。
赤く燃える空。
文字通り宙が燃えてるのだ。
「………威力、原作より高くね?」
もしアレがあのまま爆発していたら。
ぶるっと身体を震わせて圭吾はベッドに寝転んだ。
「なんでゴブニュが動き出したんだ?」
翌日、俺はベッドの上でまだ痛む身体を休めながら考えていた。
ゴブニュ。
ウルトラマンティガに登場したロボット怪獣。
製造元は機械島で、その機械島は禁じられた力とみなしているマキシマオーバードライブの開発を妨害したり、開発した文明を破壊する為、何者かによって製造された。
劇中では高度な文明を持とうとする惑星への先制攻撃と見なされている。
だが、この世界には先制攻撃をするに値するような技術など存在しない。
ほぼ俺の知ってる2010年代のこの世界に、マキシマオーバードライブに匹敵するようなトンデモ技術が開発される筈がない。
なら、一体ゴブニュは何を危惧して人類を攻撃している。
原作と違う行動。
時代設定が異なるせいか、多少の差異は今まであった。
登場時期がズレたり、誕生経緯が変わっていたり、そもそもティガ怪獣じゃないのが出てきたり。
だが、差異の範囲内に留まる程度であり、原作が崩壊するようなものはなかった。
例えばレイキュバス。
ティガ怪獣ではないが登場するダイナの世界観はティガと地続き。
登場時期がズレていたというだけで出てきてもおかしくはない。
強いて言うなら宇宙進出する人類が鬱陶しいと言っていたが、それがなくても地球を侵略しようとはしてたであろう。
例えばイーヴィルティガ。
本来ならマサキ・ケイゴが変身する筈が、ルーブに登場する筈の愛染誠が変身した。
登場時期もかなりズレており、変身経緯も俺からスパークレンスを奪うのではなく自力でウルトラマンになった。
だが事の顛末も目的も同じでソレほど大した違いはない。
例えば怪鳥シーラ。
本来なら根津博士がゼルダガスを開発するのだが、この世界では宇宙から来たガスになっている。
調べた限りではこれを解析しようとして事故が起こり、シーラが生まれたらしい。
違いはソレだけ。誕生経緯が少し変わっただけでやる事も結末も全く同じだった。
とまあ、多少のずれはあるものの、そんなに大きく異なる点はない。
だが今回は違う。話の根幹を支えるマキシマオーバードライブが存在しない。行動原理が分からない。
「(そういえば、俺にも攻撃してきたな)」
原作のゴブニュはティガに無関心だった。
だが、この世界のは俺に積極的に攻撃してきた。
予想はしていたが、今思えばこれもおかしな点だ。
「………考えても仕方ないか」
なんとなくテレビを付ける。
番組の内容はニュース。
俺が倒したゴブニュについて取り扱っていた。
『確保した巨大ロボットの残骸を各国がサンプルを渡すように要求したが日本はこれを拒否、今なお国家間で緊張が続いております』
「お、いいぞ日本。そのまま強気でいってやれ~」
この世界の日本はノーといえる国のようだ。
安心したよ。なにせ、サンプル要求してる国は俺を攻撃してきたクソ共だからな。
もし無償でサンプル渡せなんてカツアゲみたいな要求飲んでたら、ティガダークになって殴り込みに行ってたかもしれない。
確かアレはゾンビ怪獣シーリザーと戦ってた時だ。
眼前の敵に集中してると、怪獣じゃなくていきなり俺にミサイルを撃って来やがった。
咄嗟にシールド張って他所に反射したが、よりによって隣国まで飛んで行って大爆発。
国際問題になってしまった。
ミサイル撃った国は弾いた俺が悪いと言って、ミサイル当たった国はそもそも撃った国が悪いと言って、周辺国は半々といったところだ。
ちなみに怪獣はしっかり倒した。
本音は放置して帰りたかったけど!
俺もこんなことになるとは思ってなかった。
ミサイル迎撃する余裕なんて無かったし、そもそも途中で処理してるものだと思っていた。
「(今思えば、核兵器じゃないだけマシか)」
怪獣を倒せる兵器が現代にないわけではない。
大量破壊兵器などは条約や環境を気にしなければ十分効果的だ。
実際、クラスター弾やナパーム弾や核兵器を使って怪獣を倒した国もある。
ただそこで問題が一つ発生した。
怪獣が出す被害より大きな被害を出してしまったという点だ。
水爆で怪獣を仕留めた国があったが、アレはもう最悪だ。
怪獣だけでなく幾つもの町を巻き込み、国そのものが大打撃を受けることになった。
放射能汚染で土地は使えなくなり、最早その国は死の国と化した。
これではどちらが破壊者か分かったものではない。
いや、明らか使った国だな。怪獣以上に破壊してるもん。
GUTSだけに留まらず、地球防衛軍的な組織は戦闘機などで怪獣と戦っていた。
中高生ぐらいの時はチクチク攻撃してないで爆弾使えよとか思ってたが、これだけ被害出るなら使わないわ。
怪獣倒して町だけでなく国も破壊しちゃいましたとか本末転倒にも程かある。
あと、使ったとしても確実に仕留められるとは限らない。
マッハで飛行して逃げられたり、幽霊みたいに透り抜けられたりと、怪獣の能力や特性によっては失敗する事だってある。
失敗だけならまだいい。もしゴジラみたいに核エネルギーを吸収する怪獣なら逆効果になってしまう。
だからウルトラマンも地球防衛軍的な組織も、最初は色々と手探りで戦いながら情報を集めていたのだ。どこでどうなるか分かったものではないから。
「結局、理想の戦力は俺だけか」
そういうことになる。
一番安全かつ被害が出ないのは俺が戦う事。
最初、町の被害考えずに戦っていたが、アレの方がマシという有様だ。
今では怪獣を被害の出ない場に誘き寄せたりしてるから余計に酷いと感じてしまう。
『日本はティガダークがいるでしょ!なんで私たちだけ苦しまなくちゃいけないのよッ!?』
『ティガダークさえいればこんなことにならないのに!何で来てくれないの!?』
「テメエらの国がミサイル撃つからだッ!」
俺はテレビに向かって怒鳴った。
そんなことしても意味ないのに。
「…悪いな。恨むなら攻撃してきたそっちの国の上層部を恨んでくれ」
気分が悪くなったので俺はテレビを切った。
このssでの機械島の目的は地球生物の抹消です。
要はギャラクトロンと同じです。
けどゴブニュ爆弾で自滅したせいでその目的は結局主人公たちに伝わりませんでした。
最初はギャラクトロンっぽい奴出して主人公の価値観を書こうと思ったのですが、似たようなことを既にやったので諦めました。
あと今更ですが、愛染が憧れてたウルトラマンってオーブじゃなくてティガじゃない?
ティガは神秘性あるし、戦い方スタイリッシュだし、スラッシュ系の小技使うし、残酷な技使わないし。
アイツティガとスペシウムゼペリオン間違えてんじゃないの?
他のウルトラマンとの絡み外伝とかでいる?
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いる
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いらない
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ご自由に