ティガダーク~やはり俺は光の巨人になれない~   作:大枝豆もやし

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主人公は人間を悪く言ってますが、私自身はそこまで人間の悪性は強くないと思ってます。
もし人間がそんなに邪悪なら社会なんてとっくに崩壊し、もっと早く滅ぶ筈ですから。
第一、人間なんて現代でも国が違えば価値観も何もかも違うんですからそう簡単に一括りに出来ません。
同じ国どころか、同じ家で生活してるのに全然違うし。



報酬

 

「コレが約束の報酬だ」

 

 チャリジャが俺に渡したのはペンライトのようなものとクレジットカードのようなもの。

 おそらくペンライトが宇宙船を呼び出し、カードには金が入ってるんだろう。

 

「ファイトマネーは地球換算で最低五億だったが、思いのほか受けが良かった。おかげで儲けさせてもらったよ」

「左様で。ならその分の色を付けてもらえるんだよな?」

「勿論だとも。全額で五百億だ」

「………………マジ?」

 

 あまりの桁違いな金額に俺は言葉を信じられなかった。

 

「今思えばゼットン対ウルトラマンで五億は安すぎる。しかも闇のウルトラマン。最低金額でも百億はついて当然だ」

「・・・」

 

 駄目だ、感覚が追い付かねえ。

 いくら宇宙人でも五百億をそんなポンッと用意できるのか?

 宇宙の経済、怖すぎる…。

 

「では、次はガタノゾーアとの決戦を期待しているよ」

 

 チャリジャはそう言って虚空へと消えた。

 

「………」

 

 早速、ペンライトのスイッチを押して宇宙船を呼び出す。

 ペンライトの光と共に、大型自動車程の大きさで中央に人がギリ入れるサイズのカプセルが付いてる宇宙船が出てきた。

 なるほど、これは俺一人じゃないと脱出出来ないな。

 

「………」

 

 コイツがあれば、俺は地球から脱出出来る。

 荷物はバックに入る程度しか持っていけないが、五百億もあるなら現地で用意出来るだろう。

 宇宙での生存もティガダークの力があれば問題ない筈だ。

 後は、コイツに乗って脱出するだけ…。

 

「もうちょっと頑張るか」

 

 ペンライトをもう一度付けて宇宙船を仕舞う。

 

 俺は勝ったんだ。

 あのゼットンに。

 ウルトラマンを初めて倒した最強怪獣に。

 もしかしたら本当に勝てるかもしれない。

 勝って、またいつも通りに二度目の人生を生きれるかもしれない。

 

 やれる。

 今の俺は強い。

 前世と違って強者になれたんだ。

 力に憧れていながら、手に出来なかった力。

 痛みに耐えられず、辛いことから逃げ、弱い自分を受け入れられなかったあの頃とは違う。

 何よりも、俺はウルトラマンの力を手にしたのだ。

 

 勝ってきた。

 キリエロイド、ゴブニュ、シルバゴン、キュラノス。

 ティガが単独では倒せなかった敵を俺は一人で倒してきた。

 そうだ、俺は強い。強いんだ。おそらく原作のティガよりも…。

 

「………やってやるよ」

 

 先ずは奴と対峙しよう。

 逃げるのはその後でもいいだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあ鞠川、今回の内容は平等な社会についてだよな?なのに何だこの内容は?」

 

 

 ゼットンを倒した翌日、冨岡先生が訪問してきた。

 で、今はリビングで俺の書いた作文をテーブルの上に置いている。

 

「平等という偽りで搾取される強者と弱者の関係、弱者を救わず上っ面の救済政策をとる政治を憂いて書きました」

「よし分かった。お前がふざけてることがな」

 

 失敬な、俺は思った事はありのまま書いただけだぞ。

 

「…なあ鞠川。お前は、強者は弱者を救わないって言ったな? じゃあ何でお前は前の学校でいじめに向き合い、学校ぐるみの非行とその隠ぺいに立ち向かった?」

「………別に、見て見ぬふりしてると目覚めが悪かったのと、俺に立ち向かえるだけの力があったからです」

 

 前の学校は潰れた。

 俺がいじめを暴き、隠ぺいを明らかにしたせいで。

 そのせいで色々と問題が起きたが知ったこっちゃねえ。

 

「結局向かったのは俺だけだった。教師は見て見ぬふり、大人も教育委員会も聞く耳持たず。だから俺は思ったね、正義だの何だのは幻想だってね」

 

 別に正義の味方を気取る気はない。

 前世のころから所詮この世はそんなものだって知っていた。

 なら、俺が同じことやっても、何もかもぶち壊しても問題ないはずだ。

 なのに、俺がやった後だと文句や恨み言をほざいてきた。

 人間なんて所詮そんなものだ。

 

 

「だがお前は動いた。弱いものを助けて、隠れていた悪を暴き出して正しいことを為した。………綺麗ゴトを否定しながら、何でお前は手間暇かけて、リスクを冒してまで、その大嫌いなきれいごとを為したんだ?」

 

「力がある?それならお前のいう大人たちだってそうだ。何なら、ガキのお前よりある。権力とか財力とかな。けど奴らはそうしなかった。なら、何が足りない?」

 

「お前はその答えを知ってるんじゃないのか?知ってるからお前は動けた。俺はそう思うんだけどな」

 

 

「………気分悪い」

 

 俺は、そう答えるしかなかった。

 

「・・・そうか、悪かったな。課題は別のを用意するからちゃんとやれよ」

 

 先生はそう言って帰っていった。

 

 

 

「答え、ねえ…」

 

 バカバカしい。

 俺は今まで自分のためだけに戦ってきた。

 今世で与えられた才能も、磨き鍛えた技術も、そして手にしたこの力も。

 全ては自分のため。他はついでのようなもの。勝手あるいは結果的に助かっただけだ。

 

 そうだ、俺は俺のために生きる。

 俺は、一人だ。

 今までも、これからも。

 

「………鍛えるか」

 

 俺は自室に戻ってトレーニングにかかった。

 練習や鍛錬はいい。

 集中していると余計な考えを振り払える。

 何も考えず、ただ強くなることだけに意識を向けられる。

 





チャリジャの用意した五百億は一回払って終わりではなく、五百億×十年です。
さすがに一括払いだと経済的にアレですから分けました。
そのことは主人公は知りません。
頭痛くなるような金額ですが、ティガダークvsゼットンの戦いですから。

他のウルトラマンとの絡み外伝とかでいる?

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