ティガダーク~やはり俺は光の巨人になれない~   作:大枝豆もやし

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やっと主人公の正体を明かせます!


最強の刺客

 

 

 深い深い闇の中。

 その闇を支配する主は苛立っていた。

 自身の作り出した分身の一体が暴走している。

 己が使命を忘れ、主である己に牙を剥いているのだ。

 

 許し難い。

 何が何でもこの反逆者を罰さなくては。

 そのために闇の主はリソースを割いて最高傑作を創り出した。

 

 既に尖兵は創り出した。

 各地に派遣する準備もしている。

 だがこいつ等ではあの無駄に強い愚か者を殺すには心もとない。

 

 

“行け、あの裏切り者を殺せ”

 

 

 主の命令を受けて、最強の刺客が動き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今日の俺は最高に機嫌が悪い。

 理由は簡単、今日は登校日なのだ。

 

 俺は引きこもり高校生だ。

 登校拒否して宿題だけやって単位を貰っている。

 こうなった理由は前の学校も関係あるのだが、一番の理由はあの事故だ。

 

 俺がこの力を手に入れるきっかけの事件。

 シビトゾイガーの襲撃によって乗っていた船が沈み、乗客も乗組員も俺以外皆殺しになったあの事件だ。

 俺は闇の中で手を伸ばし、力を手にする事で助かった。

 

 最初は人間サイズだった。

 おそらくまだ不完全だったせいだろう。

 目もカラータイマーも原作通りで、大きさ以外まんまティガダークだった。

 

 俺はシビトゾイガー共を殺しまくった。

 殴り、蹴り、貫き、ぶち折り、引き裂いて。

 明らかに三分以上かけて殺しまくって闇を吸収し、大きくなった。

 で、巨大化すると普通のゾイガ―が現れた。

 

 最初の戦いはただ暴れるだけだった。

 殴り方や間合いの取り方は身体に染みついてたからその辺は大丈夫だが、衝動に身を任せていたせいでガキの喧嘩みたいな戦いになってしまった。

 あのタイミングが初変身で本当に良かった。

 生き残りがいたら巻き込んでいたし、生きていても俺がティガダークだってバレてしまっている。

 

 海のど真ん中、あるのは島だけ。

 見物人は誰もいない。

 理想の戦場だった。

 

 タイプチェンジを覚えたのは三回目の戦いだ。

 二度目はゴルザで三度目はメルバ。

 ゴルザの時は原作通りのティガダークで倒したが次の戦闘で変化が起きた。

 

 最初、ティガダークだからタイプチェンジ出来ないと思っていた。

 だが逃げるメルバを追いかけようとした際、ダメ元でタイプチェンジを行ったら出来てしまった。

 その後で俺が変身するティガダークの目とカラータイマーの色が紫になり、タイプチェンジする事で変わると分かった。

 

 俺の変身するティガダークは戦いの度に強くなる。

 経験値を積むとかそういうのじゃない。

 もっと大きなものだ。

 

 なら、次は強化形態とか手に入るのかな。

 

「あ、圭吾くんやっと登校してくれた!?」

 

 そんなことを考えていると教室に付いた。

 早速同級生のとんでもねえ炭治郎が絡んで来る。

 

「ああ、担任の口八丁に乗せられて遂に引きずり出されちまったんだ。で、俺の席ある?無いなら居場所ないという事で帰らざるを得ないと思うんだが」

「あるに決まってるだろ!相変わらず暗いな~」

 

 炭治郎は俺を席に案内してくれた。

 ソレは良いが暗いは余計だ。

 なにせ前世はニートなんだぞこっちは。そりゃ暗くなる。

 

「で、来て早々悪いんだけど…」

「ハイハイ、何処が分からないんだ?」

 

 席に着くや否や、炭治郎は教科書を拡げた。

 コイツ原作では努力家で成績もそんなに悪くない設定なんだが、この世界では少し違う。

 適度にサボり癖がある普通の高校生だ。

 

「あ、炭治郎また圭吾くんに勉強教えてもらってる」

「おいズルいぞ!俺も教えてくれ!」

 

 わらわらと集まってくるバカ共。

 やれやれ、コイツ達こんな簡単なところで躓きやがって。

 

「いや、圭吾くんは天才だからそんなこと言えるんだよ。俺らには難問だぜ?」

「バカ言え、そう見えるのはまだ子供だからだ。社会に出たら俺なんてすぐ埋もれる。二十歳過ぎればただの人ってやつだ」

「相変わらず暗いな!中身おっさんかよお前?」

 

 お、鋭いな伊之助。

 そうだ、ニートの元おっさんだ。

 けど男なんざ永遠にガキのままだからな。

 

 そんなことをしてると、周囲がざわついて妙な視線を向ける。

 まあ、そりゃそっか。もうすぐ進級っていうぐらい引き籠ってた奴が同級生と明るくおしゃべりしてるんだからな。

 戸惑うのも無理はない。

 

「おいホームルーム始めるぞ~。お、やっと来たか天才児」

 

 ガラガラと戸を開けて先生が入って来る。

 瞬間、俺の方をチラチラ見ていた視線がそっちに向いた。

 

「皆知ってると思うが、ソイツは転校生じゃないぞ。鞠川、自己紹介」

「え、要りますソレ?」

「いるに決まっているだろ。お前のこと、クラスメイト達は何も知らないんだぞ」

「そりゃそうでしょ。所詮人間なんて他人のことなんて知らないモンですよ」

「ハイハイ、今はひねくれタイムじゃないんだ。時間押してるからさっさと自己紹介。教師命令だ」

 

 ッチ、頭ごなしに命令するヒドい教師だ。

 まあいい、名前言って軽く趣味でも言えば…。

 

「ッ!!?」

 

 途端、凄まじい悪寒が走った。

 背筋に氷柱を突っ込まれたかのような、全身が芯から冷たくなるような悪寒。

 その奇妙な感覚に驚いたせいか、俺の身体は俺の意志を無視して勢い良く立ち上がった。

 

「お、おい鞠川どうした?そんなアグレッシブな奴じゃないだろ?」

「………」

 

 先生が何か言ってるが聞こえない。

 俺は悪寒の正体を探る為、窓の外に目をやる。

 見えたのは暗雲に包まれようとしている空。

 ソレ自体は問題ない。ただの天候だ。

 問題なのはその先。暗雲にいる何かだ。

 

「………嘘だろ?」

 

 何かが分かった瞬間、俺は震えた。

 身体だけじゃない。心も恐怖によって震えているのが明確に理解出来た。

 ティガダークになった影響か、俺の目は何百キロ先で暗雲に包まれた何者かを正確に捉えた。

 捉えてしまった。

 

「おいどうした?一年ぶりの登校で調子悪いのか?やっぱ無理だったか?」

「………逃げろ」

 

 暗雲の中には怪獣がいた。

 しかも、ただの怪獣じゃない。

 今まで戦ってきた奴とは文字通り格が違う怪獣。

 ティガどころか、ダイナですら出てきたことのない超ド級の怪獣。

 

 ファイブキング。

 暗雲の中から姿を顕す平成版超合体怪獣。

 奴は俺のいる学校目掛け、頭部のゴルザ部分とメルバ部分から光線—――ゴルメルバキャノンを撃ち出した。

 

「ティガアァァァァァァァァ!!!!!」

 

 咄嗟にブラックスパークレンスを掲げる。

 いつもはこの名前を言って変身したくないから無言だが、今回限りはそんなことを言ってられる状況では無かった。

 叫ぶことで力を入れ、即座にティガダークに変身。

 変身と同時、バリアを張って光線を防いだ。

 

「ッ!?」

 

 凄まじい威力。

 今まで受けた光線の中でダントツの威力。

 コイツを上回るのはゼットンの特大火球ぐらいだ。

 コレで五分の二の威力なのだから末恐ろしい。

 思わず押し飛ばされそうになるが、踏ん張って堪える。

 

 負けるわけにはいかない。

 俺の後ろにはたくさんの人がいるのだ。

 ここで避けたり逃げ出したら今までのウルトラマン活動が無駄になってしまう。

 

「ヴォアアアァァァ!」

 

 なんとか防げた。

 シールドで吸収した光線を纏い、ファイブキング目掛けて突っ込んでいく

 本当はいつも通り受け流してやりたいが、ファイブキングに光線技は効かない。

 左腕の盾状になったガンQ部分は光線技を吸収し跳ね返す事が出来る。

 よってここは物理攻撃が正解。敵の光線を無理やり纏ってこいつも盾にする。

 元は敵の攻撃だから制御は難しいが、なんとか成功した。

 このままポケモンのフレアドライブみたいに突っ込んでやる!

 

「◆◆◆◆◆◆◆◆◆ッ!」

 

 ファイブキングが吠える。

 機械音とも動物の咆哮ともとれるような、奇妙かつ不気味な声。

 合体元の怪獣のソレが合わさったものだ。

 

 ファイブキングが俺目掛けて一斉放射する。

 カタストロフィスパーク。ファイブキングの必殺技。

 まるでフリーダムガンダムのハイマットフルバーストだ。

 光線が、光弾が、火炎弾が、レーザーが。

 俺目掛けてあらゆる攻撃が雨霰の如く降り注ぐ。

 

 少しでも避けようとする。

 ジグザグに移動し、高度を変え、加速と減速を繰り返して。

 なんとか半分程は回避出来たが、残りだけでも凄まじい量だった。

 纏ったエネルギーフィールドがゴリゴリと削られ、遂に破壊された。

 

「デュアアアアアア!!?」

 

 撃墜された。

 フィールドを破壊されて数秒も経たずに。

 圧倒的な物量と破壊力の弾幕。

 俺はソレを突破出来ず、為す術なく撃ち落とされた。

 

 情けなく転がる俺。

 受け身も取れず背中から地面に叩きつけられる。

 そんな俺を、ファイブキングは嘲笑うかのように見下ろしていた。

 追撃は来ない。

 奴は悠々と下降して町に降り立つ。

 

 俺には分かる。

 アイツは俺を見下しているのだ。

 あの目、纏うあの雰囲気。

 前世で何十回も何百回も味わってきた。

 

 俺を見下すな。

 今の俺はもうあの頃の俺じゃねえだよ!

 

 なんとか気合で立ち上がる。

 この後から俺の逆転劇が…。

 

「(これは…今日が命日かもな)」

 

 立ち上がったそばから心が折れかけた。

 




ウルトラマンならファイブキングなんて倒せるよね!
新人のゼットくんが出来たなら、一年近くやってる君も出来る筈だよね!

他のウルトラマンとの絡み外伝とかでいる?

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