ティガダーク~やはり俺は光の巨人になれない~ 作:大枝豆もやし
主人公負けます。
「デュア!」
ティガダークが動き出す。
通常体から敏捷体へタイプチェンジ。
ボクシングスタイルに構え、フットワークで攪乱。
ファイブキングの背後や死角に回ってジャブや光弾を繰り出した。
光線と光弾が飛んでくる。
その全てを避けながら反撃するティガダーク。
華麗なステップで避け、見事なフットワークで死角に潜り込み、絶好の反撃のスポットに飛び込む。
ヒットアンドアウェイ。
数発ジャブを放っては反撃を避け、移動してまたジャブを放つ。
一発一発は大した威力はない。
だが数を重ねる事でダメージとなる。
大事なのは相手の反撃を食らわないことだ。
何時かは痺れを切らして大技を繰り出そうとして隙が出る…。
「デュアアアアアア!!?」
ファイブキングの全方向攻撃。
翼から、角から、背びれから。
あらゆる部位から辺り一帯に放電する事でティガダークの動きを止めた。
その隙を突いてファイスーパーコッヴの部位から光弾を散弾のようにばら撒いた。
「ディアッ!」
飛び上がって回避するティガダーク
持ち前の闘争心と殺意で痛みを堪え、ダメージを無視。
空中で回転して加速しながら、ファイブキングにドリルキックを繰り出した。
迎え撃つファイブキング。
炎火を纏った右腕の大鋏で突っ込んで来るティガダークを迎撃しようとする。
瞬間、ティガダークが空中で急加速した。
カウンター。
ファイブキングの突きの勢いと、ティガダークの加速したドリルキックがレイキュバス部分に集中。
いつもの相手ならこの一撃で勝敗は決まった筈であった。
「デュアアアアアア!!?」
弾き飛ばされるティガダーク。
カウンターは決まったが、それでもファイブキングの方が強かった。
しかしこの程度なら予測済み。
吹っ飛ばされる中、全ての銃口がティガダークに向けられる。
ソレらが発射される寸前、ティガダークは必殺の光弾を銃口の一つに放った。
ランバルト光弾。
狙いは壊一番厄介なガンQ部位。
如何に吸収能力があっても、攻撃中は吸収できない。
ティガダークの目論見通りに命中。
必殺の光弾がクリーンヒットした。
命中箇所から火花が飛び散る。
いつもの敵ならこの一撃で勝敗が付いていたであろう。
そう、いつも通りの敵なら。
鬱陶しそうにファイブキングが左腕を振るう。
火花を振り払い露わになったその腕は、多少傷が入った程度であった。
ファイブキングは固い。
劇中ではよく部位破壊されるが、ソレは単に技の威力が高いからだ。
生半可な威力では傷すらつける事は不可能。最低でも怪獣一体を一撃で倒せる程ではないと効かない。
ファイブキングの反撃。
ガンQとレイキュバス部位部位以外の銃口から一斉に光弾を放つ。
威力ではなく当てる事を重視した散弾のような光弾。
マシンガンやガトリングのように連射されたソレは、如何に敏捷体とて全てを回避できるものではない。
ソレに、威力を重視しないとはいえ、並の怪獣とは比べ物にならない威力を誇る。
「―――ッ!!?」
避け損なった光弾がティガダークの体力をゴリゴリと削る。
悲鳴をあげる事すら出来ないティガダーク。
ソレを代弁するかのように、胸のカラータイマーが鳴り始めた。
だが、ティガダークは倒れない。
無理やりにでも闘志と殺意を引き出し、ファイブキングに突っ込む。
それに対抗してファイブキングも迎え撃とうと前進する。
「デュア!」
一瞬で急加速して突っ込んで来るティガダーク。
同時、剛力体へと一瞬でタイプチェンジ。
スーパーコッヴの部位に体重をかけたボディブローをぶちかました。
敏捷体の加速力、剛力体の怪力と拳、ティガダークの体重
その全てを利用したカウンターブローが一点に炸裂した。
だが、それでも部位破壊には至らなかった。
しかしティガダークは諦めない。
ファイブキングが次の攻撃を仕掛けようとする中、すぐさま次の攻撃に移行した。
「デュア!」
ガンQ部位の腕に巻き付いて十字固め。
全身全霊で腕の関節を極め、捻り上げる。
しかしファイブキングはものとしない。
4万4千トンもの巨人が片腕に巻きついているのに、苦にせず軽々と持ち上げる。
そしてそのまま叩きつけようとした瞬間…。
メキッ!
「ッ!!?」
ファイブキングの腕に痛みが走った。
危機を感じ取ったファイブキングは全身から放電。
腕にしがみついて無防備な状態のティガダークはソレを直に食らって一瞬だけ硬直。
続けて、ガンQ以外の部位から追尾弾を撃ち出してティガダークに命中させた。
「デュアアアアアア!!!?」
モロに一斉放射を受けて撃墜されるティガダーク。
耐久力に優れた剛力体といえど、ガンQ部位の光弾は無かったと言えど、流石に一斉放射を食らって無事でいられる程頑強ではない。
地面に倒れ伏すティガダーク。
そんな彼をファイブキングは蹴り転がし、踏みつけようとした。
「ッ!? デュア!」
咄嗟に転がって回避するティガダーク。
しかしファイブキングの追撃が彼を捉える。
ガンQの部位から光弾を至近距離でぶちかまされた。
「ッ!!?」
受け止めるティガダーク。
自身のエネルギーに変換して倍増し、球体のまま投げ返した。
咄嗟に防御しようとガンQの吸収能力を発動させるファイブキング。
しかしソレが跳ね返された光弾を吸収する事は無かった。
「ッ!!?」
見当違いの方角に投げられた光弾。
ソレは地面にぶつかってボールのように跳ね返り、構えた腕の反対側であるレイキュバス部位に直撃した。
跳弾によるフェイント。
ガンQ部位を狙うとみせかけてファイブキングに防御させ、がら空きになったレイキュバス部位部位に跳躍した光弾を見事に当ててみせたのだ。
しかし、ここまでやっても未だ部位破壊には至らない。
むしろファイブキングの警戒心と本気を更に煽る結果になってしまった。
「デュアアアアアアああああ!!!?」
光弾の一斉射撃を食らって吹っ飛ぶティガダーク。
もう体力の限界だ。
カラータイマーの点滅が更に早くなる。
ソレをチャンスと見たファイブキングはいよいよトドメに入った。
咆哮をあげる。
全身の部位を構成する全ての怪獣のソレが混ざったもの。
ゴルザ、メルバ、ガンQ、スーパーコッヴ、レイキュバス。
全ての部位から各々のオーラが漏れ、今日一番の一斉放射の準備を終えた。
回避—――不可能。
敏捷体でさえ全てを避けられないのは既に経験積みである。
防御—――不可能。
敵の攻撃を吸収したフィールドと重ね掛けしたシールドでさえ破られた。
迎撃—――不可能。
むしろ論外。一つの銃口のソレでさえ強力なのに相殺できるわけがない。
全てが不可能。
ティガダークの運命はもう決まってしまった…。
「デュア!」
ティガダークが選んだのは迎撃だった。
通常体に戻りながらゼペリオン光線の構えに入り、しゃがみながら放つ。
ファイブキングの銃口は上半身に集中する。
よってベルトラインから下は自然と弾幕が薄くなる筈。
そこを開拓すれば安全地帯を作れる。
ティガダークは一抹の望みを掛けて最後の力を振り絞った…。
「デュアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァ!!?」
望みは潰えた。
確かに、ティガダークの予想は合っていた。
しかし、ソレを補って余り余る量の光弾による弾幕。
たとえ薄い部分でもゼペリオン光線だけでは突破出来なかった。
瀑布の如き勢いと質量。
ソレを浴びせられたティガダークは、黒い霞のように消えて逝った。
「………」
光弾の豪雨が止む。
悠々と佇むファイブキング…いや、トライキング。
レイキュバスとガンQとスーパーコッヴの部位が壊れ、煙をあげている。
反動による自壊。
ダメージがある状態でフルバーストした結果、耐えられず崩壊してしまったのだ。
万全の状態ならこのようにはならない。
つまり、ソレだけティガダークにダメージを与えられたという事である。
闇の力を消費して壊れた部位を再生させる。
背中から生えている紫色の結晶体を消費して。
原作ではビクトリウムと思われる水色の水晶体だったが、このファイブキングは闇の支配者によって作られたもの。
仕様は若干異なる。
チラリと、倒れ伏した敗北者に目を向ける。
既に巨人化は解除され、無力な人間に戻って気絶している。
戦える状態ではない。今なら簡単に殺せる。
「………」
ファイブキングは圭吾を殺さなかった。
ガンQの部位で吸収し、体内に取り込む。
自身にはない力を“同胞”から奪い取る為に。
ティガダークが負けた。
人類史上最大の訃報。
この悪報は瞬く間に世界中に発信された。
地方都市の出来事だというのに、全世界の人々に知れ渡った。
あらゆる狂暴な怪獣や凶悪な宇宙人を倒してきたティガダーク。
彼の強さと勝利に人々は安心感を抱いていた。
人類では駄目。勝てる訳がない。
たとえ勝っても自身の兵器によってより大きな被害を被るだけ。
だから彼一人に全て任せていた。
ティガダークさえいれば大丈夫。
暴れる怪獣も侵略宇宙人も全部倒してくれる。
ティガダークこそ人類の守護神。
全部やってくれると信じていた。
そのティガダークが殺された。
ティガダークが散る瞬間。
その映像がネット上に拡散される。
絶望をもたらすその事実が。
希望は潰えた。
戦う為の力もその為の意志も。
全世界が絶望に闇に覆われ、ソレを表すかのように暗雲が地球を覆った。
闇が全てを覆い尽くす。
人類を、世界を、地球を。
大いなるなる闇が全てを滅ぼさんとしていた。
主人公がファイブキングと戦えたのは、ファイブキングが油断してたのが大きいです。
関節技で腕にヒビ入れられてからガチ焦りして本気出しました。
ですから最初から本気で殺す気ならとっくに決着ついてます。
他のウルトラマンとの絡み外伝とかでいる?
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いる
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いらない
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ご自由に