ティガダーク~やはり俺は光の巨人になれない~   作:大枝豆もやし

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やっと主人公を闇の巨人に変身させれました!
こっから反撃の時間!怪獣を倒していきましょう!
ソレで町が守れるとは限りませんが。


初陣

 

「デュアッ!」

 

 ゴルザに駆け出すティガダーク。

 迎え撃とうとゴルザも突進。

 40mを超える巨体が走り出す事で地面が激しく揺れ、瓦礫や廃車がその勢いで跳ね上がる。

 

 ぶつかり合う両者。

 ティガダーク目掛け繰り出したゴルザのヘッドバット。

 合わせる形でゴルザの顔面に膝蹴りをぶち込んだ。

 頭突きの威力と体重、そしてティガダークの膝蹴りの威力。

 三つの要素がゴルザの顔面に集中し、ゴルザに大きなダメージを与えた。

 

 怯むゴルザに追撃をかける

 空手の下段突き三連発。

 ローキックでゴルザの体勢を崩し、三日月蹴りを食らわせる。

 更に攻撃を喰らわせようとするが中断し、その場を跳躍した。

 遅れて光線がゴルザに命中。

 メルバが援護射撃として放った光線。

 しかしソレを察知したティガダークは回避し、標的を失った光線が味方であるゴルザに誤射してしまったのだ。

 フレンドリィファイアを誘った。

 多対一において有効な戦術である。

 

「デュゥ…ハァ!」

 

 ティガダークの眼の色が変わる。

 暗い紫から紺色へと。

 体つきも筋肉質なものからスマートなものへと変貌。

 ティガダーク俊敏体。

 スピードと回避力に特化した姿である。

 その姿でティガダークは自身より高い建造物が立ち並ぶビル群へと姿を隠した。

 

 ティガダークを追うゴルザとメルバ。

 ゴルザは地上から、メルバは空から。

 ビルをなぎ倒しながらゴルザは直進し、翼を広げて凄まじい速度でメルバは飛び回る。

 ティガダークを探しながら町を破壊するゴルザとメルバ。

 ゴルザは額から、メルバは目から、各々の部位から光線を放ってティガダークをあぶり出そうとする。

 

「デュアッ!」

 

 ビル群から飛び出したティガダーク。

 メルバの死角を取り、背後から襲撃。

 右手に青黒い光を纏い、手刀で片翼を切り落とした。

 

 ゲリラ戦法。

 ビル群で姿を隠し、タイミングを見計らって襲撃。

 これもまた多対一において有効な戦術である。

 まあ、町の被害に目を瞑ればの話だが。

 

 墜落するメルバ。

 その間も余計な横やりを入れられないよう、油断することなくゴルザを牽制。

 メルバは別の巨大なビル群に突っ込み、瓦礫に埋まっていく。

 

「ディ…ハァ!!」

 

 両腕を胸の前で交差させ、左右に伸ばしながらエネルギーを集約。

 青黒い光が両手に集中し、左腰に置いて右手から光弾をメルバに放った。

 

 ランバルト光弾。

 ティガダーク俊敏体の必殺技である。 

 

「ッ!!?」

 

 爆発四散。

 光弾が命中したメルバは大爆発を起こして息絶える。

 飛び散った身体の一部が闇となってティガダークに吸収されていった。

 点滅する結晶体―――カラータイマーが再び光を取り戻す。

 

「デュゥ…ハァ!」

 

 ゴルザが背後から襲い掛かる。

 瞬間、再びティガダークの眼の色が変わった。

 紺色から暗い赤へと。

 体つきもスマートなものからマッチョへと変貌。

 腰ほどのサイズの廃ビルを持ち上げ、ゴルザに投げつける。

 

「ッ!!?」

 

 剛速球で投げられた廃ビル。

 ゴルザの突進を妨害し、足止めに成功。

 続けて瓦礫を投げながら牽制して接近し、兜のような頭部を掴んで拘束した。

 

「デュアッ!」

 

 ゴルザの足を引っかけて投げ倒す。

 倒した先は先端が尖っている建造物。

 突き刺すつもりで自身も倒れて体重をかける。

 ゴルザの身体を貫けず倒壊したものの、ダメージは確かに与えられた。

 続けて尻尾を掴んでブン回し、遠心力を付けて少し離れた大きめの建物まで放り投げた。

 派手な音を立てて崩れながら、ゴルザにダメージを与える建造物。

 ティガダークは知らぬことだが、ソレはこの町でも有数のビルであった。

 

 物を投げる、物に叩きつける、物を武器にする。

 これもまた多対一での戦闘で有効な手である。

 まあ、町の被害を考慮しなければの話だが。

 

「ディ…ハァ!!」

 

 両腕を大きく斜め下に広げ、エネルギーをかき集めるかのように回して胸の前で左右の掌を向かい合わせる。

 事実エネルギーをかき集めているのだ。

 集約されたエネルギーが両手の間に収まり、右手を大きく振りかぶってゴルザへ伸ばす。

 瞬間、光球は光熱の奔流となりゴルザを打ち砕いた。

 

 爆発四散。

 光と熱の奔流に呑まれたゴルザは大爆発して息絶える。

 飛び散った身体の一部が闇となってティガダークに吸収されていった。

 

「デュアッ!」

 

 索敵して完全に敵がいないと判断したティガダーク。

 彼はその場から跳び上がり、マッハを超えるスピードで飛行。

 破壊され尽くした町から飛び去った。

 

 巨大生物はいなくなった。

 突如現れた巨人によって討伐された。

 町を破壊し殺戮を行う破滅と災厄の権化。

 黒い巨人もそうなるかと思われたが、彼は脅威を取り除いてくれたのだ。

 

「家が…俺の会社が………!?」

「もうだめだ…おしまいだ!」

「生きてけないよぉ………!」

 

 しかし何故だろうか。

 巨人の活躍を喜ぶ者はその場にはいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ウルトラマンティガ。

 俺が前世で子供の頃に憧れたヒーローの一人。

 平成シリーズ最初のウルトラマンで、俺が一番最初に知ったウルトラマンだ。

 

 ティガは決して無敵じゃなかった。

 怪獣や宇宙人相手にちょこちょこ苦戦して、中盤では負ける展開がそれなりにあった。

 けど、彼は諦めなかった。どんなに傷ついても立ち上がり、仲間と協力して苦難を乗り越えてきた。

 迷ったり悩んだりすることも多かった。

 ウルトラマンの力に相応しいのか、本当に地球や皆を守り切れるのか。

 迷い悩み苦しみながらも進み続け、ウルトラマンである秘密を一人で抱え、孤独感に苛まれながらも走り続けた。

 そんな姿を俺はカッコいいと思っていた。

 これこそ英雄のあるべき生き様だと。

 

 けど、なりたいとは思えなかった。

 

 誰が好き好んで辛く苦しい道を選ぶ。

 難しい道より、楽な道を選ぶに決まっている。

 誰が好き好んで責任や義務を背負い込む。

 面倒なものなんて抱え込まず、気楽な方を選ぶに決まっている。

 

 俺はチーレムもの主人公は好きじゃない。

 けど、なれるなら英雄なんかよりこっちの方が断然いい。

 辛く痛い思いをするより、圧倒的な力で戦う方が良いに決まっている。

 孤独感に苛まれて寂しい思いをするより、美女美少女にチヤホヤされる方が良いに決まっている。

 

 特撮ヒーロー主人公は好きだけどなりたくはない

 チーレム主人公は好きじゃないけどなりたい。

 そんな人間に、英雄(ティガ)は重すぎる。

 

 早く来てくれ、本物のウルトラマン。

 ソレまでは俺が代わりに怪獣を退治してやるから。

 戦いを楽しみ、力を振るうことを楽しみ、人類を守らない俺でよければ。

 ソレが嫌なら早く来い、ウルトラマン。

 

 主人公は俺じゃない。

 俺は英雄なんか………ウルトラマンなんかじゃない。

 




傷つきながらも孤独と共に突き進む系の主人公と楽々チーレムな主人公、みんなはどっちになりたい?
私は断然後者。誰だってそうする筈です。

他のウルトラマンとの絡み外伝とかでいる?

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