ティガダーク~やはり俺は光の巨人になれない~ 作:大枝豆もやし
なら劇中で出てないとこでダイナとティガが比べられた事ってあるのかな?
もしそうならアスカはどう思ったんだろう。
朝早く。
まだ日も登ってない時間帯。
炭治郎は自室のカーテンを開けて町を眺めていた。
「(…あんまり変わってないな)」
人類は来訪者たちの手助けによって驚くほど速く復興した。
怪獣に破壊され、ギジェラに侵食され、老朽化が進んだ町も今では以前と変わらない程に修復されている。
変わった事といえば来訪者が生活の一部にいる程度。
しかし彼らも自分達地球人とそんなに変わらない。
確かに外見は全く違うし、価値観などにも相違はあるがその程度。
根本的な部分は同じ。自分達と同じ人。同じ宇宙に住む人だ。
まあ、だから彼らもギジェラの誘惑に乗る者もいるのだが。
ギジェラ。
突如与世界中に発生した麻薬物質の花粉を発する植物。
怪獣の襲来により疲れ切った人類は一度はソレを受け入れ、滅び寸前までいった。
炭治郎もその一人。文明を破壊され尽くした現状に絶望してギジェラの夢を受け入れた。
炭治郎が見た夢は日常。
家族がいて、友達がいて、いつも通りの日々を過ごす。
全てが楽しいわけでは無く、嫌いな勉強や忙しい家の手伝いなどもあり、時には怪獣が出現して町を破壊する。
けど自分には頼れる人たちがいる。少し変わった先生やお人好しな両親、そしてどんな相手にも負けない無敵のヒーローのティガダーク。
きっと大丈夫だ、全てとはいかなくても上手くいく。どんなに苦しくても、どんなに辛くても最後は笑えるようになる。
そこでふと炭治郎は思った、今でも十分に幸せなんだと。
確かに今は苦しい。
けど皆がいる。
ソレだけで十分だ。
怪獣も何とかなる。
だってティガダークが…圭吾くんがいるんだから。
どんな狂暴な怪獣でも、凶悪な宇宙人が相手でも勝ち続けた。
だから今回だって大丈夫だ。だってティガダークは無敵のヒーローなのだから。
そこまで考えた炭治郎は夢から覚めた。
選んだ道が間違いなのかは分からない。
あのまま夢の中にいた方が幸せなのかもしれない。
現に、今でも夢を見続けている者が大半だという。
しかしそれでも炭治郎はこの世界を選んだ。
皆がいる今の幸せを。
「…あとは君だけだよ、圭吾くん」
だから炭治郎は戦う。
真の英雄が戻って来るその日まで。
「炭治郎~!ちょっと来て~!」
「は~い!」
彼の母が下の階から呼び出す声が聞こえた。
横目で時計をみればそろそろ開店時間だ。
こうして今日も日常がスタートした。
『ふわ~あ、今日も早ぇな炭治郎』
炭治郎の脳内に気が抜けた声が聞こえた。
彼はアスカ・シン。炭治郎にダイナの力を与えた張本人である。
数か月前、怪獣災害で避難する中。
炭治郎は逃げ遅れた少女を落ちていく瓦礫から守ろうとした。
その時だった、別次元の宇宙からやってきたアスカと炭治郎は一体化した。
少女を瓦礫から守りながらウルトラマンダイナとなり、怪獣と活動時間ギリギリまで戦闘。最期は怪獣を撃破した。
ソレからはアスカと一体化を続け、怪獣や宇宙人が現地の戦力ではどうしようもないときに限って変身している。
「(今でも実感出来ないな、俺がティガダークと同じウルトラマンなんて)」
『おいおいまたそれかよ。仕方ねえだろ、俺もお前と一緒じゃないと戦えねえんだから』
アスカはため息をつきながら脳内で話す。
彼もまた一人では戦えない状態。
とある侵略者とも戦いで大きなダメージを負い、彼単体ではウルトラマンの力を発揮出来なくなってしまった。
故に、ダイナになるには波長の合う人類と融合しなくてはいけない。
そして、一度融合すると簡単には解けない。
『お、テレビで俺らのことやってるぜ』
店にあるTVで昨日の戦いが映し出される。
来訪者のアナウンサーがダイナを絶賛している様子を見てアスカはご機嫌だった。
「昨日もダイナ大活躍だったよな~」
「え~?そうかな?けっこうピンチだったじゃん」
店でも客は買い物をしながらダイナの話で持ち切り。
しかしその内容は必ずしもダイナを絶対視するものではなかった。
「ダイナよりティガダークの方が強いじゃん。ダイナじゃちょっと不安だな~」
ソレを聞いて、炭治郎はまあなという顔をした。
『おいおいおい、ここでもティガと比べられるのかよ~!?』
「………仕方ないよ。だって事実だし」
アスカは不服そうに言うが、炭治郎は淡々と仕事を続ける。
「本当に、ティガダークは強かったんだ。俺なんかよりずっと…」
思い出すのは圭吾と過ごした日常。
普段はなんでもなさそうに引きこもり学生をやっていたのに、裏ではあんなに戦っていた。
苦しいのも辛いのもおくびに出さず、ずっと一人で戦い続けていた。
俺には、出来そうにない…。
「ッ!?」
突然、炭治郎は揺れを感じた。
彼だけではない。店の中どころか、町中が揺れている。
地震とはまた違う地面の揺れ。この感覚をこの町の住民は良く知っている。
「怪獣だ!怪獣が出るぞ!」
「早く避難しなきゃ!」
客たちは商品を置いて逃げ出す。
決して我先にというわけではなく、火事場泥棒もしない。
怪獣災害で慣れている住民たちはそういう事は徹底されていた。
『炭治郎、行くぜ』
「………いや、ちょっと待って」
炭治郎はすぐに変身しない。
現地の戦力が整っているというのもあるが、それより期待しているのだ。
ティガダークが再び現れてくれる瞬間を。
最初はギリギリまで待って、最近は少し待つ程度だが、ソレでもどこかで思っている。
またティガダークが来てくれるのではないかと。
しかし、何時まで待っても闇の巨人は現れない。
戦闘機やUFOが戦うが、怪獣は進撃を止めなかった。
『おい炭治郎!』
「………うん、そろそろ行く」
リーフラッシャーを掲げる。
角のようなものが展開され、彼らは光に包まれた。
スーパー必殺怪獣デマゴーグ。
かつて、ダイナを苦しめた強豪怪獣の一体。
チェーン星人レフトの手によって実体化され、怪獣コロシアムの優勝プレイヤーである太一少年が操作する事で最強の怪獣となる。
怪獣コロシアム。
アスカの地球で子供達の間で流行していた通信テレビゲーム。
様々なパーツから自分だけの怪獣を作り出し、育成したり他者の怪獣と通信対戦などが出来るゲームだ。
しかしそのチェーン星人が用意した実態は侵略兵器。
トーナメントで優勝した怪獣のデータを元にチェーン星人レフトが実体化、優勝した子供を洗脳し怪獣を操作させるというもの。
そこまではこの地球も一緒だった。
ただ、今回は操作している子供は地球人ではなく宇宙人。
はるか遠方の星で操作している。
『そういう事だウルトラマンダイナ!このデマゴーグを倒すには自力で倒すしかないのだよ!』
『クソ、どうにも出来ねえのか!?』
ダイナにテレパシーを送るチェーン星人。
その内容にアスカと炭治郎は焦った。
前回はスーパーGUTSが操縦者の子供の家を特定し、ゲーム機を破壊して子供を救出することで勝てた。
しかしこの地球ではソレが期待出来ない。
チェーン星人の言う通り、自力で倒すしかない。
だが、ソレは不可能だった。
デマハンドプロテクション。
両手を巨大化させる事で敵のあらゆる攻撃を防ぐ防御技。
コレの前にダイナの攻撃は全て無力化。
攻めあぐねている間に、デマゴーグが猛攻を仕掛ける。
ソレにとってダイナはピンチに陥り、カラータイマーが鳴りだした。
尻尾による打撃。
横回転して威力を付けられたソレをぶちかます。
接近戦を仕掛けようとしたダイナへカウンター気味に当たり、本来よりもダメージを与えた。
デマゴーグスペシャル。
尻尾の先端の槍で敵を刺す連続技。
ダイナがタイプチェンジを行おうとした隙を突き、連撃を繰り出した。
サタンゴーグテール。
尻尾による投げ技。
ダイナが防御しようとした瞬間、股に尻尾を通して投げ飛ばした。
鋭い牙や怪力。
倒れたダイナに噛みついて持ち上げ、投げ飛ばした。
「デュアアアアアアアア!!!」
ダイナのカラータイマーがより早く点滅する。
もう限界だ。早く何か手を打たないとダイナは二度と立ち上がれなくなる。
「(クソ、こうなったら…!)」
『よせ炭治郎!エネルギーを消耗している今、ソルジェント光線を撃っても通じないぞ!』
アスカが止める。
あまりにも分が悪い賭け。
一か八かの賭けでソルジェント光線を撃っても、エネルギーを消耗するだけ。
その教訓は、前の地球でジオモスとの戦いで身に沁みついていた。
ではどうするか。その答えは未だに出せない。
「(俺には、やっぱ無理なのか…!?)」
炭治郎が諦めかけたその瞬間…。
「ッ!!?」
突如、空から紫と黒の光線が繰り出された。
咄嗟に防御するデマゴーグ。
デマハンドプロテクションで完全に防ぎ切り、手を戻しながら光線を撃った敵を睨みつける。
釣られてダイナも目線を向けた瞬間、彼は言葉を失った。
「やっと…来てくれた!」
ティガダーク。
彼は光線の構えを取って空の上で静止していた。
俺の好きなシーンの一つ。前作主人公ポジや前の戦いの英雄が主人公を助けに行くシーン。
他のウルトラマンとの絡み外伝とかでいる?
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いる
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いらない
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ご自由に