ティガダーク~やはり俺は光の巨人になれない~   作:大枝豆もやし

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Q:何で来訪者たちはガタノがいなくなった地球を征服しようとしなかったの?
A:要因はいろいろあるけど一番はティガダークにボコられるかもしれないから



期待

 

「最近よく侵略者が来るなと思ってたが…まさか人類がもう復興してたなんてな。何があったんだ?」

 

 町を見渡す圭吾。

 ギジェラに侵食され全滅状態だった町は見事に立て直されている。

 全てが以前と同じとはいかないが、彼がティガダークとして戦う前の状態とほぼ同じだった。

 

「ああ、実は突然ギジェラが枯れだしたんだ」

「何?」

 

 炭治郎はこれまでのいきさつを話し出す。

 夢を見るのを辞める人間が現れだした瞬間、ギジェラはソレに応えるかのように辞めた人間だけを解放して枯れた。

 目覚めた人間はまだ少数だし、再び夢を見ようとギジェラの生息地に行く者もいる。

 しかし、ソレでも人類は歩き出そうとしていた。

 

「フン、物好きな奴らだ。わざわざ自分から苦しみにいくなんてな」

 

 人類の新たな歩みを、圭吾は陰のある表情で冷笑した。

 

「で、あの宇宙人共は何だ? 地球に降り立つ前に宇宙を飛んでる宇宙船とか見たが、アレは明らかに地球の技術を超えている。何で科学力も武力も勝ってそうなアイツらが侵略を行ってない?」

「ああ、ソレは圭吾くん………ティガダークの存在があるからだよ」

「………俺?」

 

 訝しむような顔で圭吾は炭治郎から来訪者の話を聞いた。

 ガタノゾーアを倒して暫くしてからやってくるようになった来訪者たち。

 彼らも最初は地球人を動物として排除し、自分達のみが栄えようとしていた。

 怪獣コロッセオでティガダークの存在を知るまでは。

 

 ティガダーク。

 地球で活動していた闇のウルトラマン。

 その強さはウルトラ兄弟たちにも匹敵し、映像内では無敗の最強怪獣ゼットンを辛勝とはいえ倒してみせた。

 ゼットン以外にも地球で様々な凶悪怪獣と戦い、侵略してきた宇宙人を悉く撃破している。

 その情報を入手した彼らは侵略を諦め、人類と共存する道を選んだ。

 地球全土を侵略するつもりは元からない。

 どの来訪者たちもせいぜい少し大きめの島一つあれば事足りる程度の人数なのが幸いした。

 目覚めた地球人も少数。共存は十分可能だった。

 

 地球での共存は、来訪者に思わぬメリットがあった。

 今まで人類が発展させてきた娯楽の文明。

 科学技術の発展は著しいが、文化はあまり発展してない来訪者が多く、地球の娯楽は新鮮だったらしい。

 特に、食に対する執着が強かったようだ。

 

 来訪者たちは率先して人類を援助した。

 結果、地球人たちは復興して来訪者たちと共に共存している。

 

「今では来訪者も地球人も一緒に暮らせているよ。中には結婚してる人たちもいるみたい。俺も来訪者の友達いるし」

「宇宙人と共存ねえ…。ほんの数年なのに大分発展したな」

「君がいたからだよ、ウルトラマンティガダーク」

「………」

 

 ウルトラマン。

 その言葉に圭吾は微妙そうな顔をした。

 

「けど圭吾くんがいるならもう大丈夫だよね!なんたって無敵のティガダークなんだから」

 

 ティガダーク。

 地球でその活躍を知る者にとっては希望の象徴。

 地球を狙う侵略者にとっては絶望と破滅の象徴。

 一時期は地球から姿を消していた彼が再び戻って来た。

 

 再び怪獣や侵略者が現れるようになった。

 ティガダークがいないと確信し、攻めるようになった。

 だからダイナが………炭治郎が代わりに立ち上がるようなった。

 

 何度も痛い思いをした。

 何度も負けそうになった。

 何度もティガダークを求めた。

 

 自分では駄目だ。

 自分では彼のように戦えない

 自分ではあんな効率的に敵を倒せない。

 

 やはり自分では駄目なのだ。

 格闘技なんてやった事すら無く、喧嘩も碌にしたことが無いし、痛みを受けたら簡単に怯んでしまう。

 関節技で相手を無力化したり、ブラフやフェイントで相手を騙したり、攻撃されても止まることなく即座に反撃なんて出来るわけがない。

 

 ティガダークだから最後まで戦えた。

 きっと地球を破滅寸前まで追いやった大いなる闇も、ティガダークが倒したんだ。

 

 最強。

 やっぱりティガダークは最強なんだ。

 今日からはそんな彼が地球を守ってくれる…。

 

 

 

「え?俺は少ししたらこの星を出ていくつもりだけど?」

 

「………………え?」

 

 帰ってきてくれたんじゃないの!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここ最近、宇宙人や宇宙生物がよく来る。

 

 ウルトラマンダイナ。

 舞台はティガから七年後の世界。

 宇宙進出を始めた人類に再び脅威が迫るという内容。

 主な敵はスフィアという地球外生命体で、他の怪獣や宇宙人も主に地球外の敵が多い。

 公式設定ではないが、宇宙からの敵が多くなった理由は地球にガタノゾーアという脅威がいなくなったという説がある。

 コレが正しいかどうかは今のところ不明だが、実際に外来種や侵略者の襲来は増えた。

 

 宇宙超獣トロンガー。

 なんか宇宙船を追っかけてたから体当たりして近くの衛星に叩きつけた。

 で、その衛星に着地して戦闘開始。

 多彩な技を持つ上に再生力が厄介な奴だったが、やり様は何通りかある。

 敏捷体で避けながら身体中を闇の杭で数か所串刺しにして動きを阻害。

 剛力体で身体中をへし折って再生を阻害。

 最期はゼペリオン光線で倒した。

 

 生物兵器メノーファ。

 なんか宇宙船にへばりついて浸蝕しようとしてたので引っぺがして火星に叩きつけた。

 で、俺も星に着地して戦闘開始。

 光線技も肉弾戦も効かないのが滅茶苦茶厄介だったが、コイツのエネルギー源はマイナスエネルギー。つまり闇の力と似たようなもの。

 そう思った俺は奴のエネルギーを吸収したのがコレが見事に嵌った。

 最後は吸収したエネルギーを乗せたゼペリオン光線をぶちかまして倒した。

 

 宇宙帝王ヌアザ星人イシリス。

 こうも連続してダイナ怪獣が出てきて気になった俺は月を調査。

 すると原作と違って自力で復活したコイツを発見。不意打ちをかまして格闘戦に発展した。

 なかなか強かったが格闘能力は俺が上。しかも苦手だった切断技や光線技も先輩方に鍛えてもらったおかげで克服している。

 ガタノゾーアと戦う前なら怪しかったが、今の俺なら十分倒せる相手だった。

 で、後で調査すると人の痕跡らしきものがあったので地球に向かった。

 

「(………宇宙人が普通に暮らしてる?)」

 

 故郷に戻った俺は目を疑った。

 明らかに宇宙人らしき奴らが地球人たちと町で暮らしている。

 闇の勢力によって滅び寸前まで追い詰められ、ギジェラによって永眠を選ん筈の地球人

と共に。

 

 全ての人類というわけではない。

 俺の故郷だった町に戻るまでは廃墟や自然に戻ったモンだらけだった。

 おそらく目覚めた人類はほんの僅かで、大半の奴らはギジェラと共に眠るのを選んだと思う。

 

「(一体、何が起きている?)」

 

 さっぱりだった。

 何故地球人が復活してる。

 何故文明がまた戻っている。

 何故宇宙人と共に暮らしている。

 分からないことだらけで頭が混乱しそうになったところで、奴がトドメをさした。

 

「圭吾く~~~~ん!!!」

「………お前もか、炭治郎」

 

 なんかそんな気はしてた。

 だってここに寄る前に義勇先生見たもん。

 で、奴から話を聞いたがその内容はぶっ飛んだものだった。

 

 一部の地球人はギジェラの夢から覚めて苦しみながら生きることを選んだ。

 やってきた宇宙人たちは野生生物同然にまで落ちた地球人たちを支援して文明を復活させた。

 地球人と宇宙人は互いに手を取り合い、ウルトラマンダイナと共に怪獣や侵略者と戦っている。

 

 俺が戦っていた時とは全く違う。

 新たな人類は希望に溢れ、明日を見ている。

 まるで、俺が前世で夢見ていたネオフロンティアスペースみたいだ。

 

「………眩しいな」

「ん?何が?」

「いや、なんでもない」

 

 けど、俺には関係ない話だ。

 俺はもうこの地球を必要としていない。

 

 今の俺には他の宇宙で暮らす手段がある。

 生活する為の潤沢な資金もあるし、ソレを元手に投資してある程度の利益も出ている。

 偶に地球の飯や娯楽が恋しくなる時もあるが、これならその度に里帰りする事で解決しそうだ。

 幸いにもあの時貰った通貨はここでも通じる。

 もう俺が戦う理由はない。

 

 防衛隊がいる。

 来訪者の技術によって造られた戦闘機は人類のソレを遥かに凌いでいる。

 

 ウルトラマンがいる。

 俺と違って本物のウルトラマンが。

 どんなピンチでも立ち上がり、どんなに強大な敵でも倒し、どんな時も諦めなかったウルトラマンダイナが。

 

 やっと本物が来た。

 俺みたいな紛い物ではない本物が。

 これで俺はお役目御免。今までウルトラマン活動した甲斐があった。

 

 いや~、それにしてもダイナか。

 あのスポコンダイナに選ばれるって炭治郎ホントはすごい奴だったんだな。

 今までとんでもねえ方だと思ってすまん。根性無しの俺には無理だわダイナは。

 

「そ…そんな!今まで戦ってきたのは圭吾君じゃないか!なのに何で!?」

「いや何でって…もう俺が戦う理由ねえもん。お前が守ればいいじゃねえか」

 

 強い奴は粗方俺が倒した。

 スフィアとかクイーンネモラとかゼットワンとか。

 後の奴らはなんとかなるだろう。

 

「け、けど俺が負けたらその時はどうしたらいいんだ!?」

 

 いやいや、ウルトラマンが負けるわけないだろ。

 声援なり何なりでまた立ち上がれる。

 ダイナなんてその典型だ。

 けどもしその時は…。

 

「ギジェラがあるから大丈夫だろ」

 

 折角地球が用意してくれた贈り物だ。

 まだあるなら有効活用すればいいだろう。

 逃げるのは悪じゃない。

 本当に悪いのは碌に飴も用意しないのに鞭ばかり用意する世界だ。

 まあ、飴の範囲は人ソレゾレだが。

 

「何で…何でそんなこと言うんだ!?もう俺たちは逃げないって決めたんだ!」

「いいじゃねえか逃げて。適わないのに立ち向かい、楽な手段があるのに認めないなんて馬鹿げている」

 

 受ける鞭が耐えられるかどうか、貰える飴が本当に飴なのか決める権利は当人にある。

 気に入らなければリタイアする権利もセットでな。

 コイツを奪おうとするのは侵略者以外何者でもない。

 

「………皆、夢から覚めて歩いている。今度は本当の夢を叶えるために」

「その夢が希望に続いているとは限らない。むしろ希望を見てるから絶望することもある。なら最初から夢や希望なんて見ないのも一つの手だ」

「そんなの偽物だ!そんなのやっちゃいけない!」

「嘘の何がいけない?それで幸せならそれでいいだろ。てかやっちゃいけないって誰が決めるんだ?」

 

 ああ、段々腹が立ってきた。

 コイツも意味のない正義感を振りかざすのか。

 

 何故自殺が罪なのか。

 ソレは決して命が大事だからではない。

 人が減ると労働力減少などの社会に支障が出るからだ。

 だから自殺は殺人同様に禁止されている。

 

 誰も他人の命なんてどうでもいい。

 回り回って自分の都合が悪くなるから禁止している。

 その真実に気づかず知ろうともせず、正義感で駄目だとかほざく奴が俺は嫌いだ。

 

「ダメに決まってる!逃げる意味なんてない!嘘の夢なんていらない!俺は…俺達人間は!そんな弱い生き物じゃないんだ!」

 

 以前は気づかなかったが、どうやら俺はコイツの性格が嫌いらしい。

 ああ、こうもムカつくのか。…その真っ直ぐさが!

 

「黙れ」

「あぐっ!?」

 

 軽く突き飛ばす。

 ソレだけで炭治郎は尻もちをついた。

 

「お前の生き方なんざ知らねえ。好きにしろ。けど、ソレを押し付けるなら…」

 

 炭治郎を素通りした後、振り向く。

 

 

 

 

「テメエを侵略者として潰す」

 

 軽く殺気を込めて睨んだ後、俺はその場を去った。

 





ティガ編でのテーマの一つが「都合」なら今回は「棲み分け」にする予定です。
圭吾の戦う理由は自身の都合が発端であり、ガタノ戦でも超古代の戦士たちが自分の都合の為に力を貸してくれました。
都合が合う事でティガ編は解決しましたが、逆を言えば都合が合わなければ何も出来ないって事になります。

他のウルトラマンとの絡み外伝とかでいる?

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