ティガダーク~やはり俺は光の巨人になれない~   作:大枝豆もやし

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やっと炭治郎がコイツのヤバさに気づいてくれました。
武道嗜んでる癖に平気で延髄打ちなどの危険な反則技や目潰し(ガチ)などの人体破壊の技を使いますからね。
あまりにも使い慣れたので反射的に出しちゃいます。
もうリング上がれねえぞコイツ。
まあ、本人も気づいてるのでその辺はセーブしてますが、追い詰められると…。


スフィア

 

『やるのか、炭治郎』

「うん、もう圭吾くんは頼れない」

 

 家族が寝静まった真夜中。

 炭治郎は外に出て夜空を見上げた。

 今から来るであろうスフィア怪獣。

 あのティガダークよりも強いであろう未知の存在。

 

 スフィア怪獣についてはアスカから聞いたことがある。

 かつて、前の地球を侵略しようとしていた存在。

 ダイナは何度も追い詰められ、時には倒されたこともある。

 そう、今回のティガダークのように。

 

『本当に一人でいけるのか?アイツでさえ負けるような相手だろ?』

「………今の圭吾くんは戦える状態じゃないよ」

 

 圭吾は療養中である。

 満身創痍だというのに立ち上がろうとする圭吾。

 かなり荒っぽいやり方ではあるが、炭治郎は無理やり寝かせた。

 

「圭吾くんは、ずっと一人だったんだな…」

 

 炭治郎は思い出す、絶望の日を。

 ティガダークが初めて怪獣に負けた日。

 ファイブキングによって撃破されて、町を破壊され尽くしたあの日を。

 

 ティガダークは決して無敵ではない。

 確かに圭吾は強い。しかし個人では限界がある。

 現に、彼は二度敗北を経験し、そのうち一回は外部の助けが無くては立ち上がることすら出来なかった。

 

「アスカさんの世界のティガは、ガタノゾーアにボコボコにされたんだっけ?」

『そうだ。ティガは手も足も出なかった。けど、世界中の子供たちの希望が光になって、ティガに力を与えたんだ』

「………この世界では、気が付いたら闇が晴れてました。どうやったかは見てないから分からないんですけどね」

 

 これが妄信するもう一つの理由。

 結局、人類はティガダークの勝利に一度も貢献らしいものをしていない。

 全部彼一人でカタを付けている、或いは人類が一度も手を貸さずに事が進んだ。

 いつも人類は蚊帳の外なのだ。だから思ってしまう、別に何もしなくてもティガダークが解決してくれると。ソレは炭治郎も同じだった。…先程までは。

 

 ボロボロになった圭吾を見て目が覚めた。

 先程言い争ったことから気づかされた。

 あの獰猛な笑みを見て憧れから覚めた。

 冷静に考えられるようになった彼の頭は、圭吾が理想のヒーローでも無敵でもないことを分かってしまった。

 

 以前からアスカにはティガダークについて警告されていた。

 しかしあまり本気にしていなかった。

 警告されても圭吾への強さに対する憧れが消えなかった。

 だが、昨日見せたあの表情によって憧れにヒビが入った。

 憧れなんてちょっとしたキッカケで脆く崩れる。そんなものだ。

 

「もう、圭吾くんの影ばかり追うのはヤメだ。ここからは、俺一人で戦う!」

 

 炭治郎がリーフラッシャーを掲げる。

 瞬間、眩い光となって空に飛び立った。

 

「ジュワ!」

 

 ウルトラマンダイナ。

 彼が現れると同時、空から巨大な蒼い光もまた現れる。

 

「(アレが…スフィア!)」

『違う!あのデカさ、ただのスフィアじゃねえ!多分スフィア合成獣だ!』

 

 巨大なスフィアの両端が光る。

 瞬間、発行した部位からミサイルの如く複数の光弾を放った。

 

「ッ!!?」

 

 咄嗟に避けるダイナ。

 一弾目と二弾目。ジグザグに飛行して回避。

 三弾目と四弾目。急停止と急上昇によって回避。

 五弾目と六弾目。バリアを全身に張ってギリギリ防御

 七弾目と八弾目。ビームで迎撃するが、八弾目は相殺しきれず命中。威力は弱まったがダメージで怯んでしまった。そのせいで九弾目と十弾目が命中。撃ち落とされた。

 

「ジュワアアアアア!!?」

 

 墜落するダイナ。

 落下の衝撃で土が舞い上がる。

 ソレを見下ろすかのように下降する巨大スフィア。

 着地したと同時、ズシンっと地面が揺れる。

 

「グゥ…ジュワ!」

 

 立ち上がるダイナ。

 しかし先程のダメージのせいかヨロヨロの状態。

 そうしている間に巨大スフィアは縦に割れ、その正体を露わにした。

 

 マザースフィアザウルス。

 スフィアの残党たちが再び一つとなった存在。

 グランスフィアを取り戻すべく、最強の怪獣となった姿である。

 

『おいおいおい!こんなの聞いてねえぞ………!?』

「(な…何なんだあの怪獣は!?)」

 

 マザースフィアザウルスの降臨に恐れを抱く二人。

 彼らにマザースフィアザウルスの知識はない。

 しかしその圧倒的な存在感からこれだけは理解出来た。

 眼前の敵は今までの敵とは別格であり、逆立ちしても勝てない存在だと。

 しかし、今の彼には逃げる事もティガダークに頼る事も許されない。

 戦えるのは自分だけ。ならば選択肢は一つだけ。

 

「うおおおおおおおおおおお!!!」

 

 勝つしかない。

 雄叫びをあげながらタイプチェンジ。

 ストロングタイプになって巨大スフィアに殴り掛かる

 だが、その拳が巨大スフィアに届くことはなかった。

 

『亜空間バリア!?しかもコレ、ジオモスの時より強いぞ!?』

 

 スフィア怪獣の特徴の一つ、亜空間バリア。

 ソレはあっさりとダイナストロングタイプの拳を止めるだけに留まら、ダイナの動きそのものを封じてみせた。

 

 藻掻くダイナ。

 しかし亜空間バリアはびくともしない。

 まるで万力のようにダイナを押さえつける。

 

「アハハハハハハ!」

 

 怪獣の咆哮と女性の笑い声が混ざったかのような声を出すマザースフィアザウルス。

 瞬間、マザースフィアザウルスの口部分に光が集まる。

 全身を覆う青白い棘状のクリスタルからエネルギーを補填し、中央のヒビが入った青白い宝玉がソレを増幅。口部にたどり着いて緑色の強力な破壊光線が撃ち出された。

 

『「(マズい!!!)」』

 

 彼らにマザースフィアザウルスの情報はない。

 アスカもデッカーが始まる前、何ならスフィアを倒した直後のまだ若い時期である。

 だが放たれたソレがヤバい事は直感で理解出来た。

 炭治郎は咄嗟に最適解を選び、アスカもそのサポートをした。

 

 タイプチェンジ。

 ミラクルタイプに成ると同時、テレポートで回避。

 アスカもサポートしたことで通常以上にスムーズに行い、実行に移せた。

 

「ジュワッ!」

 

 マザースフィアザウルスの周囲を動き回るダイナ。

 時折光弾をジャブのように放って牽制。

 一発一発は弱弱しくダメージは一切ない。

 だがソレで良い。目的は攻撃ではないのだから。

 

「アハハハハハハ!」

 

 マザースフィアザウルスが動き出す。

 全身の棘のようなクリスタルから、無数の棘状の光弾を放つ。

 スフィアシューティングストリーム。

 マザースフィアザウルスは全方向に撃ち出す事でダイナを迎撃しようとした。

 

「(チャンスッ!!)」

 

 ダイナが念力を繰り出す。

 飛んできた光弾を操作してマザースフィアザウルスに返した。

 全弾命中。

 自身の攻撃を喰らって驚愕したせいか、単純に威力が高かったせいか、あるいは両方か。

 爆発によって姿が隠された中、マザースフィアザウルスが動きを止めた。

 

 ティガダークの模倣。

 敏捷体のスピードで敵を攪乱、或いは挑発する事で単調な攻撃を誘い、カウンターをぶち込む。そのアレンジである。

 ダイナはティガダークと違って何度もタイプチェンジを行えず、炭治郎は圭吾と違ってボクシングスタイルのフットワークなどできない。

 だからやり方を変えた。ミラクルタイプの超能力によるカウンター攻撃に。

 先代の戦術を自分なりにアレンジできる、これも二代目が使える特権である。

 

「(ここだッ!!!)」

 

 フラッシュタイプに戻るダイナ。

 同時、エネルギーを溜めてソルジェント光線を放つ。

 先程のカウンターはあくまで足止め。

 本命はチャージの時間を稼ぎ、必殺の光線をぶち込む為だ。

 

「(うおおおおおおおおおおお!!!)」

 

 最大出力の光線。

 普段よりも強力な必殺技。

 全身全霊の力を込めた、文字通り決死の一撃である。

 ソレほどのパワーを込めたのだ。もしこれが破られたら後がない。

 その時は、ダイナは光が尽きて消えるのみ。

 

 マザースフィアザウルスも迎撃に出る。

 胸のコアから放たれる緑色の強力な破壊光線、スフィアトルネイダー。

 ソレはチャージソルジェント光線とぶつかり一瞬だけ拮抗。

 次の瞬間、スフィアトルネイダーはダイナのチャージソルジェント光線を呑み込んでいった。

 

「(ッ―――!!?)」

 

 緑色の禍々しい光線が希望の光を引き裂く。

 ソレはダイナのカラータイマーを貫き、彼は力なく倒れた。

 

『おい、炭治郎しっかりしろ!おい、炭治郎…炭治郎ォォぉォォ!!!』

 

 マザースフィアが光を放つ。

 瞬間、彼女の身体から無数のスフィアソルジャーが誕生。

 ソレらは周囲の無機物を取り込みながら、街を目指して飛んでいった。

 




ティガダーク編はどうしようもない時代でした。
各国は自分の都合を優先して協力せず、上層部は自分たちに被害が出ないよう他所の国にいる間にミサイルを飛ばす始末。全員自分の都合しか考えてません。
それで自国を守れる軍事力があればいいのですが、そんな力もない。だから主人公も自分の為に戦い、自分一人だけで戦いました。
本来のウルトラマンの防衛隊のように人類が皆の為に協力して戦う環境ではなかったので、光ではなく闇の力が合っていました。
自分の都合の為に戦い、自分一人で戦い、闇の力による残虐性と暴力性をコントロールして敵を打ち倒す。そんな主人公だからあの時代では上手くいきました。
やっぱり、光が常に最善というわけじゃないんですよね。

他のウルトラマンとの絡み外伝とかでいる?

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