ティガダーク~やはり俺は光の巨人になれない~ 作:大枝豆もやし
オーブオリジンでは様々な価値観がありましたね。
敵は勿論、味方でも意見が対立しています。
味方陣営は平和を求めるそのスタンスが違うから揉めるし、ジャグラーなんてガイと決別。むしろクグツを使ってる敵陣営の方が一枚岩です。
ソレを見てサイキみたいに知恵を奪うとかしない限り皆が完全に手を取り合うのは無理なんだよって言われたような気がしました。
まあ、私もそう思いますが。
かつて、惑星カノンにガーゴルゴンが攻めてきた。
立ち向かう先代戦神。
アマテ女王の母親が変身し、ガーゴルゴンに応戦。
しかし相手は時代も宇宙も違うとはいえウルトラマンを倒したボス級怪獣。
如何に戦神がウルトラ種族と同等の戦闘能力を持とうとも、そう簡単に勝てる相手ではない。
別の並行世界では相打ちとなったが、この宇宙では違った。
「デュアッ!」
選手交代。
突如乱入したティガダーク。
戦神とガーゴルゴンの間に割って入った。
先手はガーゴルゴン。
両肩から生える蛇の口から青い稲妻を射出。
ティガダークは右に側転して避け、スラッシュ技を放って牽制。
しかしビクともしないガーゴルゴン。
攻撃を浴びながらも怯むことなく反撃の稲妻を放つ。
ソレをスウェーで避けながら、ティガダークは敏捷体へとタイプチェンジ。
牽制のスラッシュを放ちながらガーゴルゴンの攻撃を避けまくる。
スラッシュ技の威力は無いに等しい。
しかし手数を優先したソレはガーゴルゴンにとって鬱陶しいらしく、イラつき出した。
捕まえようとしても素早い上に捉えどころのない動きをして一向に当たらない。
鬱憤は溜まるばかりだった。
「ッフ」
ティガダークはソレを煽る。
人差し指をチョイチョイと動かして来いのジェスチャー。
余裕そうな態度がまるでガーゴルゴンを鈍間だと罵ってるようだった。
誘っている。
何かあるのは明白だ。
ガーゴルゴンはソレに気付くも、乗らないという選択肢はない。
強者としての自覚と能力の多様性は余計な万能感を産み、知性の高さはソレに拍車を掛ける。
気づいていながらも幾多の強敵や文明を滅ぼしたという実績と自負が逃亡という冷静な判断を拒んでしまった。
高い知力と強力な戦闘力が、逆に足枷になってしまった。
「ッ!!?」
キレたガーゴルゴン。
彼女はティガダークが何か企んでいると分かりながら、誘いに乗ってしまった。
二つの尾の先にある突起物が震え、光を発しながらエネルギーを口へと転送。
口の中から不気味に光る血走った目が顕わになり、チャージされたパワーを一気に撃ち出した。
石化光線。ガーゴルゴンの必殺技。この技で幾つもの星の守護者を打ち破り、文明を滅ぼしてきた。
ウルトラマンとて例外ではない。現に、この技によって破れたウルトラマンが存在する。
だが、今回はその強力な技が仇となった。
「デュワッ!」
いつの間にか通常体に戻っていたティガダーク。
ガーゴルゴンがチャージしている間に戻ったのだ。
彼は両手を前に突き出して闇のシールドを形成。
石化光線を受けると同時、盾を回転させて敵の攻撃を受け流した。
「ッ!!?」
石化光線が跳ね返された。
回転で軌道を変えられた光線は、勢いこそ弱まったがガーゴルゴンへと帰っていく。
光線を発射中のガーゴルゴンは動けずに命中。
自身の攻撃を喰らう羽目になり、命中箇所から徐々に石化していった。
「ぐ、が…が…ガ!」
しかし石化の浸蝕具合が途中で止まった。
己の攻撃に耐性があるのか、それとも受け流しによって効力が落ちたのか。
本来の性能は発揮出来ず、中途半端な石化に留まってしまった。
しかしそれで十分。トドメをさすタイミングを確保出来た。
シュッ!
両手を腰に置き、前に突き出して交差させて力を集める。
瞬間、一瞬だけティガダークの全身が黒く発光した。
シュピィィィン!
両腕を大きく横に広げてエネルギーを圧縮。
手の軌道に沿って光のラインが描かれ、カラータイマーを中心に光輪が発生。
ジュビィィィィィ!!!!
両腕をL字に構え、右腕に溜めたエネルギーをガーゴルゴン目掛けて一気に解き放った。
ゼペリオン光線。
原作のティガの必殺技であり、ティガを象徴する技。
ソレを食らったガーゴルゴンはその場で爆発四散。
闇となった怨念が溢れるも、ティガダークに吸収された。
これでもう何かしらの手段で復活する事もない。
「………」
転がるガーゴルゴンの首。
魂も力も宿ってないソレはただの肉塊に過ぎない。
「(ソイツをどうするかはお前らに任せる。出来るなら解剖なり何なりして解明するのをお勧めする)」
「え?ちょ、ちょっと!?」
一方的にテレパシーを戦神に送るティガダーク。
返事を待たずに彼は飛び立った。
「なるほどな、この星は既にティガダークに守られていたのか」
「ええ、ですが近年になって活動が止まっていました」
惑星カノンの王宮。
ウルトラマン達は女王たちと共にベゼルブの件について会議を行っていた。
圭吾の策略によって一度は引いてくれたサイキ達。
しかし所詮は何の準備も無く咄嗟に行った小細工。
あの時はティガダークという予想外の存在が襲撃してサイキ達も冷静さを無くしていたが、一旦平常心を取り戻して調べたらすぐにばれる。
そうなったら先程の焼き増し。再び大群で攻められてまた被害が出る。
同じ手は二度も使えない。もう二度と振り出しには出来ない。
「アイツが協力してくれたら心強いんだけどな~」
「アスカさん、あの少年は何者なんですか?」
溜息をつくアスカにガイが聞いて来た。
クレナイ・ガイ。光の力を手にしたばかりの新米ウルトラマン。
最初はぎこちない戦いだったが、少しずつ学んでいっている。
「彼はティガダーク。闇でありながら悪に堕ちず、悪の敵として力を振るう戦士だよ」
「………悪の敵?闇の力がか?」
ムサシの答えにジャグラーが興味を持った。
「そうだ。闇の力だといって悪だとは限らない。要は使い方次第だ。アイツは俺達にソレを教えてくれた」
「けど闇であることに変わりない。だから僕たちとは…光の戦士とは考えが合わないんだ。だから仲間とは言い切れないんだよね」
ティガダークはそれぞれ一度だけアスカやムサシと共闘したことがある。
しかしだからといって仲間になったわけではない。
共通の敵がいただけである。
「ティガダークは、何度もこの星を救ってくださいました。本来なら王家が率先して戦わねばならないのに、あの方が戦ってくれたおかげで母も命を落とさずに…」
「しかしあ奴は危険です。戦いを楽しみ、敵を嬲る事に躊躇がありません」
近衛隊長シンラが強く言う。
女王の発言を遮るかのように割って入り、ティガダークを庇う言動を阻止した。
「しかしあの残忍性と冷酷さに意味が無いわけではない。現にあの者が用意した案山子は効果があった」
「………カカシ?」
防衛軍将軍ライゴウが言うカカシ。
その意味が分からずガイが聞き返す。
「………ティガダークは、殺した侵略者の死体を見せしめとして吊るして案山子にしたのです」
「「「「ッ!!?」」」
女王が端末を操作する。
空中に映し出される画像。
そこに映っていたのは、宇宙人の無惨な死体だった。
最初は荒山に並べられた晒し首。
次に鋭い岩山に串刺しにされた死体。
最後は逆さ吊りにされて腹を裂かれ内臓が飛び出たものだった。
「ひ…酷い!」
「いくら相手が悪いからって、これはやりすぎだろ!?」
あまりの惨さに光の戦士たちが憤る。
ミコット等の新兵は吐き気を堪えるように口を抑え、こういった薄暗いことに慣れたジャグラーでさえ目を背けた。
「恐れながら光の戦士の方々、かの巨人の行った処置は効果がありました。現にあれ以来、我が星への襲撃がぴたりと無くなったのです」
「だ、だからって………敵だからって何をしてもいいわけじゃないだろ?」
ティガダークを庇う防衛軍将軍ライゴウ。
彼の発言に納得できないアスカは異を唱える。
「確かあの巨人の故郷には、畑を荒らす害鳥除けとして、殺した害鳥を吊る方法があるとか」
「いや、串刺し卿の逸話だろ。確か敵兵を敢えて残酷な方法で殺す事で敵の士気を下げ、無駄な犠牲を避けるという話」
「いやいやいや、一罰百戒でしょ。罪を犯した一人を罰することによって、他の大勢の戒めにするって意味」
ライゴウの部下たちが口々にティガダークを庇う。
ソレもそうだ、なにせライゴウ一派はタカ派。
女王だけに軍備を依存することなく増強すべきという思想なのだから。
そのためにはティガダークのような苛烈さも必要だと彼らは考えている。
「何も全ての敵に残酷な処刑を行っているわけではありません。実行した例はこの三つだけです」
「………それでも、こんなやり方は認められない」
ガイは目を背けながら言った。
「ソイツの話は後だ。今はサイキとベゼルブとの戦いに集中しようぜ。事態はかなり深刻だ」
ジャグラーの発言をきっかけに議題は戻った。
犠牲を出さず、文明にも干渉せずに守る。
両方やらなくちゃいけないのが光の戦士の辛いところですね。
他にも色々制限あるし辛いこともいっぱいありますが。
ですから主人公はやりません。制限なんざ知るかって感じで暴れます。
それもまた一つの答えであり、だからこそ助けられるものも存在します。
他のウルトラマンとの絡み外伝とかでいる?
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いる
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いらない
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ご自由に