ティガダーク~やはり俺は光の巨人になれない~ 作:大枝豆もやし
ジャグラーの変身能力ってあの輪っか由来だと私は思ってました。
光の戦士としての戦い方だけでは守れないものがある。だから闇の素質があるジャグラーに力を与える事で光の戦士と闇の戦士、二人で意見をぶつけ合いつつ協力して任務を遂行しろと。
惑星カノンを狙う侵略者たち。
彼らは一晩で滅びの運命を辿った。
道案内人はティガダーク敏捷体。
侵略者の拠点に殴り込みをかけ、破壊活動を行う。
小惑星程はある超巨大宇宙船。
所々から爆発が起こり、その被害が遠目からでも理解できる。
「デュアッ!」
外見がデカいだけはあり中身も相当デカい。
敵の船内だから被害を気にすることなく暴れられる。
むしろ積極的に破壊して被害を広げていった。
「いたぞ、ティガダークだ!」
「殺せ!これ以上好きにさせるな!」
無論、迎え撃とうとする者もいる。
だがそういう者程先に死んでいった。
ザラブ星人。
ウルトラマンに化けて不意を突こうとするが、ティガダークにはお見通し。
敢えて騙された振りをして背中を預け、捕まえて背後からの襲撃の盾にした。
ナックル星人。
殴って来たところを掴み、その勢いを利用して敵の集団目掛けて背負い投げ。
そのせいで敵がもたついている内にチャージした光線でまとめて焼き払った。
スラン星人。
お得意の超スピードによる分身殺法を乱戦に持ち込んで封殺。
敵の集団に飛び込む事で同士討ちを誘発し、盾や障害物にした。
最期は混乱に乗じて接近し、光輪で首を刎ねた。
暴れる。
ひたすら派手に。
周囲の被害などお構いなし。
いや、むしろ積極的に破壊していった。
コレが本来のティガダーク…否、闇の巨人の戦い方。
圭吾自身の格闘能力と小奇麗なバトルスタイルに誤魔化されがちだが、闇の巨人とはこういうものである。
普段は市街戦。
町への被害を抑えるためにコンパクトな戦い方を意識している。
だが今回の目的は破壊活動。その上で前回のギジェラ研究所襲撃みたいに犠牲者を出さないよう気遣う必要もない。
思い切り暴れられる。
普段セーブしているものを吐き出すかのように、彼は暴れまくった。
「もっと来いよぉ!!」
剛力体にタイプチェンジ。
ティガダークの破壊活動は更に苛烈さを増す。
ケムール人。
巨大な装置をぶん投げて圧殺。
投げられた装置は炎上して誘爆。
ケムール人だけでなく周囲も巻き込んで派手に爆発した。
ゼットン星人。
鋭く尖った柵に力ずくでぶん投げて串刺し。
ピクピクと動いていたが、すぐに死体と化した。
ダダ。
崩れかけの崖のような所に叩きつける。
衝撃でその場は崩れ落ち、生き埋めになった。
ババルウ星人。
稼働中のスクリュー装置に放り投げる。
装置は粉砕機のようにババルウ星人の身体を生きたまま粉々に圧し潰した。
その後、故障して動きを止めた。
二つを使い分け、時には統合させる。
そうすることであらゆる戦況や目標に対応できるのだ。
今回は普段抑えてる暴力を、武力で増大させる。
より威力と規模を高め、破壊と殺しに特化させた。
「やっと見つけたぜ!」
敵をぶん殴りながら壁を破壊。
その先にあったのはこの船の動力源。
ティガダークはソレ目掛けて必殺の光線を放つ。
「任務完了」
爆発する前にテレポートで外に出るティガダーク。
動力源は複数あるうちの一つだが十分。
光線によって誘爆を起こし、派手に大爆発を起こしていった。
「(後は頭領らしき奴を殺せば…)!!?」
突如、背後から光線が飛んできた。
警戒を怠らなかったティガダークはソレに気づいてすぐさま回避。
同時に襲撃者の姿を確認する。
アーマードメフィラス。
青いラインの入った白い近未来的な鎧を着たメフィラス星人である。
「よくもやってくれましたね、ティガダーク。たっぷりとお返しをして差し上げましょう」
「出来ないモンは言うんじゃねえぞ」
右手に闇の剣を発生させ、斬りかかるティガダーク。
ソレを腰から抜いた剣、ダークネスブロードで受け止めるメフィラス。
互いの得物をぶつけ合った瞬間を合図に、二人の戦いは始まった。
「(何処だ、何処にいる?)」
真夜中、ジャグラーは寝ることなくティガダークを探していた。
手がかりも何もないのに見つかるわけがない。
そんなことは彼自身も理解している。
だが、それでも探さずにはいられなかった。
もう一度会いたい。
会って聞いてみたい。
闇の戦士とは何なのか、どういったつもりで戦っているのか。
一度抱いてしまった光の戦士への不信感。
ソレを晴らす為にも必要な事だった。
「俺をお探しか?」
「ッ!?」
背後から声を掛けられて臨戦態勢をとるジャグラー。
声の主はソレを気に掛けず近くの丁度いい感じの切り株に座る。
「さっさと寝たらどうです? 疲れた身体じゃ連戦はきついでしょ?」
「………お前に聞きたいことがある」
構えを解いて聞くジャグラー。
圭吾も相手は一応年上だからか、若干敬語らしい言葉遣いだった。
「あの時、俺はお前がしたことが悪だとは思わなかった。現に、木を燃やす事でサイキ達は動きを止めた。もしあの時本当に燃やしても、星を救ったと言いきれてしまう」
「だがそのやり方は光の戦士のやり方じゃない。だから本当に正義かどうか迷ってるってとこですか?」
「………」
答えない。
しかしソレが口で言うより如実に語っている。
「その前に確認したい。貴方は光の戦士に成りたかったんですか?」
「俺は光の戦士に成る筈だった。………俺の、使命だったんだ」
搾りだすような声。
そこには今まで隠していた感情が見え隠れしている。
「成程。使命感で戦うタイプですか。なら次の質問です。貴方にとっての正義は何ですか?」
「勝つ事だ。勝って任務を果たす。ソレこそ俺達の…俺の使命だ」
「だが常に勝てるとは限らない。今回みたいに切り捨てる事も選ばなくちゃいけないことだってある。その時はどうします?」
「………お前と同じだ。大事なものを天秤にかけて判断する」
「成程成程…。分かりました」
圭吾は一度立ち上がった。
「ジャグラーさん、アンタの根っこは光の戦士ではなく兵士或いは軍人だ。だからあの輪っかは採用しなかったんでしょう」
「………ソレの何が悪い!?」
声を荒げるジャグラーに対し、圭吾は予想通りだなと言わんばかりに用意した答えを語る
「悪いってわけじゃない。ただ光の戦士の戦い方には合わないってだけだ」
「じゃあ、光の戦士の戦い方ってのは何だ?」
「一言で表すなら横綱相撲だな」
「よこずな?」
聞き慣れない単語にジャグラーは聞き返す。
「俺の故郷には相撲っていう国技があったんだが、ソレの一番強い選手が横綱に成れるんだ。で、最強である横綱は最強らしい試合をして最強らしい勝ち方をして、最強らしい精神性も求められる。もしやれないなら敗北も同然だ」
「………成程な。つまり光の戦士らしく戦い、光の戦士らしく勝ち、光の戦士らしい精神をしなくてはならないと。出来ないなら敗北。その上で敗北は許されない」
いつの間にか敬語が取れたがジャグラーは気にせず話を聞く。
「そういう事だ。もっと言えば物語的な英雄。一度の撤退も逃亡も許されず、常に勝ち続けなくちゃいけない。現実や歴史上で言われるような英雄たちと違ってな」
「………現実的じゃない。常に勝ち続けるなんてありえない」
史実の英雄でも負ける時は負ける。
その時は犠牲を払ってでも撤退するが、ウルトラマンは許されない。
敗北はあっても撤退は許されず、逃げ延びる為に犠牲を出すなど言語道断だ。
「アンタは多分光の戦士を現実や歴史上の英雄って呼ばれる奴らと混同してたんだろう。けど違う。実際の英雄は清濁併せ吞んだり、時に負けて逃げたり、平時にいると危険な側面を持つが、光の戦士には無い。………物語的な英雄を現実にしなくちゃいけないんだよ」
「………さっきも言ったが、現実的じゃないな」
少し、落胆したような声でジャグラーは言った。
「だからこそ憧れる。理想を現実にする勇姿と力に。ソレを貫き、実行してきた生き様に。アンタもそのクチだろ?」
「………ああ、そうだった。さっきまではな」
ジャグラーは背中を見せて宮殿へと戻る。
「危ういな、光の戦士ってのは」
「ああそうだ。けどこの宇宙には必要な存在だ。アンタみたいな現実的に考える軍人もセットでな」
「………考えておくよ。アドバイス、ありがとよ」
遠まわしにガイをサポートしてやれと言われた。
そんな気がしたジャグラーは乱暴に礼を言った。
「ま、前世で特撮オタクだった俺が出来るのはこれぐらいだ。後は当人次第だな」
どう転ぶかは分からない。
前世の彼も全ての情報を持っているわけではないのだ。
出来ることを、知ってる範囲をやる。
少しは良くなることを信じて。
え~、圭吾自身もウルトラマンへの憧れが残ってますので彼の言う事が百パー当たってるわけではありません。
アスカを見ろ。アイツ、隊長の前で変身しようとしてウルトラマンの力が応えてくれなかったことあったろ。
ジャグラーにそのこと伝えて本人の前で直接言って欲しい、アレは光の戦士に相応しい姿だったのかって。
他のウルトラマンとの絡み外伝とかでいる?
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いる
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いらない
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ご自由に