ティガダーク~やはり俺は光の巨人になれない~ 作:大枝豆もやし
まあ、二十年も経てば考方や価値観なんて変わるか。
暗雲の空。
不自然に黒い雲がアジア各地に拡がっていた。
人々は不審がるがソレだけでいつも通りに日常を過ごす。
だが、その日常は空から突如現れた巨大生物によって崩れ去った。
ゴルバー。
暗雲の中から現れた巨大生物。
中華大陸で撃破されたゴルザとメルバを合体させたような姿。
ゴルザよりスマートな体つきに、メルバより少し小さめの翼。
二体の怪獣の闇の残骸を合体させ、新たに闇を補給されることで誕生した怪獣である。
ゴルバーは再び大陸に現れた。
まるで以前の自分たちを倒した怨敵を探し出すかのように。
しかし怨敵は来ない。
当然だ、その怨敵とやらはこの大陸を根城にしていない。
だからいくら暴れても無駄。他がどれだけ傷つこうが自身に関与しない限り巨人は動かない。
ソレを知らない怪獣は場所を変えながらただ暴れ続ける。
国という概念がないこの生物にはそれしか出来なかった。
かつての己らを殺した怨敵を探し出す為に。
『巨大生物確認!これより爆撃を開始する!』
勿論、人間側もだまってやられるだけではない。
前回、巨大生物に街を破壊されたこともあってか武力活動は驚異的な速度で開始された。
戦闘機、戦車、戦艦などの兵器が即座に動き出し、大生物に向かっていく。
陸海空。あらゆる軍がゴルバーに攻撃を開始した…。
戦闘機―――全滅。
ミサイルや爆弾などで爆撃を行うが、ゴルバーはダメージを受けた様子はない。
光弾や光線を放ち、翼を羽ばたかせて暴風を起こす。
自身の周囲を飛び回る鬱陶しいハエを叩き落した。
戦車や戦艦―――全滅。
大砲で砲撃やミサイルなどの爆撃を行うがゴルバーはダメージを受けた様子はない。
尻尾を振り回し、足を振り上げ、巨体を利用して地震を起こす。
自身の足元を這いずり回る鬱陶しい虫を叩き落した。
僅か数分。
先進国にも届く程の軍事力を持つ軍隊がたった一匹の生物によって壊滅された。
もう終わりだ。
この国は、いや人類はこの巨大生物によって滅ぼされる。
誰もがそう思った…。
「今日だけはヒーローの代役をやってやるか」
町はもう壊滅状態。
これなら暴れても被害の出しようがない。
思いっきり暴れられる。
突如、黒い光が瞬く。
次の瞬間には黒い巨人となり、飛行中のゴルバーの眼前に現れた。
ティガダーク。ゴルバーが探し求める怨敵がやっと姿を見せた。
歓喜の叫びをあげながらティガダークに向かうゴルバー。
早速ティガダークに攻撃を仕掛ける。
ゴルバーの散弾。
頭のメルバの眼からメルバニックレイを放射。
ティガダークは両腕に黒と紫の光を纏い、打ち払って光弾を迎撃した。
受け流し、叩き払い、捌いて無力化していく。
ゴルバーの直射。
今度は口から黄色い超音波光線を放出。
ティガダークはサイドステップでソレを回避した。
ゴルバーの突進。
翼を広げてティガダークの足に下段タックルを繰り出す。
ティガダークはソレを跳んで避けた。
「ディア!」
飛びながら体を捻り、空中回転蹴りを食らわせる。
あまり慣れない技のせいか、それほどダメージを与えることは出来なかったが、迎撃には成功。
立ち上がるゴルバーに接近戦を仕掛ける。
ショルダータックル。
体重と突進の勢いを乗せた一撃を起き上がりざまのゴルバーに食らわせる
ダメージを受けてよろめるゴルバー。
追撃として首に腕を回して顔面飛び膝蹴りと頭突きを一発ずつ、背後に回りながら延髄に回転肘打ちを撃ち込み、キドニーブローとラビットパンチを食らわせた。
大半が反則技であり、人体なら深刻なダメージを与える危険な技。
しかしゴルバーは人間ではない。戦う為に存在する怪獣だ。
如何に急所を突こうがソレで致命傷を負う事は無い。
だが、それでも決して無視できるわけではない。
着実に削り、追い込んでいった。
落ち着いている。
今のティガダークは冷静だった。
炭治郎に説明された竈の説明。
ソレを取り入れて自身の衝動の制御を完全にコントロールしていた。
無理に抑えれば反発する。
闇雲に耐えれば弱くなる。
だから発想を変えるのだ。
抑えるのではなく方向性を与える。
耐えるのではなく調節性を与える。
そうすることで衝動という火薬は銃のように敵を狙い通りに撃ち殺す。
「ディア!!」
ティガダークのストレートパンチ
殴り飛ばされ、再び水しぶきを派手に上げながら着水するゴルバー。
圧倒的。
闇の力を完全に制御しているティガダーク。
最強の闇の戦士である原作を、完全に再現していた。
シュッ!
両手を腰に置き、前に突き出して交差させて力を集める。
瞬間、一瞬だけティガダークの全身が黒く発光した。
シュピィィィン!
両腕を大きく横に広げてエネルギーを圧縮。
手の軌道に沿って光のラインが描かれ、カラータイマーを中心に光輪が発生。
ジュビィィィィィ!!!!
両腕をL字に構え、右腕に溜めたエネルギーをゴルバー目掛けて一気に解き放った。
「ッ!?!?」
ゴルバーに命中する光の奔流。
ゼペリオン光線。
原作のティガの必殺技であり、ティガを象徴する光線である。
ソレを食らったゴルバーはその場で爆発四散。
闇に還ってティガダークに吸収された。
鳴り出したカラータイマーに光が戻る。
怪獣は倒された。
突然現れた巨人によって。
今度は町に大きな被害を出さずに。
というか、最初から被害が出すぎてもう出せるものがなかった。
「デュアッ!」
『巨人が飛び立ちました!追います!』
飛び立つティガダーク。
ゴルバー殲滅のために向かってきた戦闘機はそれを追うが、雲の中にティガダークが入った途端に見逃してしまった。
『標的ロスト!レーダーにも反応ありません!』
『そんな筈あるか!あの巨体だぞ!探せ!』
残った軍総出で巨人を探すが、見つかることは終始なかった。
ティガでは闇を克服すべきものとして扱ってました。
闇という苦難や心の闇を、心に抱く光で乗り越えるべきだと、そういった理想を子供たちに示す為に描いてきた。
主題歌のTAKE ME HIGHERがその象徴といえるでしょう。
対するトリガーは闇を共存するものだと扱いました。
心の闇は人間である以上当然に抱くもの。だから心の光と共に共存させるという現実的な考えに寄り添って描いた。
主人公のスマイルスマイルがその象徴といえるでしょう。
トリガーでの光と闇の扱いはオーブから積み重ねて出した答えだと私は考えてます。
多様性の時代になったことで、光と闇を善悪で単純に切り分けないようになってきた。
ニュージェネのスタンスがそんな感じでしょう。
では、このssでは光と闇をどう扱うか。
ソレを今考えてます、
他のウルトラマンとの絡み外伝とかでいる?
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いる
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いらない
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ご自由に