ティガダーク~やはり俺は光の巨人になれない~ 作:大枝豆もやし
確かに個人があれだけの力を持つのは危険ですが、その場合フットワークが無くなり、もたついてる間に被害がデカくなってしまいます。
結局どれがいんでしょうね。間を取ってもう一人デカい力を持つ奴を置いて互いのストッパーにするとか?
「なあジャグラー、お前はあの子をどう思う?」
中華料理屋の男子トイレ。
ガイは用を足しながら隣にいるジャグラーに質問した。
「危険ではあると思う。光の戦士っぽいことしてるが本質は闇だ。戦いと暴力を楽しんでいる」
「けどその対象は悪にしか向いていない。あの子自身は正義や悪に拘らない風に言ってるが、人間であることは捨てていない」
「ああ、複雑な立ち位置だ」
出し終えた二人は手を洗いながらジャグラーは話を進める。
「けど、だからこそ光の戦士では出来ないことが出来て、見えないものが見える。闇の戦士でしか…悪でしか救えないものがある」
「………そうだな」
手を洗い終えた二人は蛇口を止めた。
「俺たちは光の戦士になるのが使命だった。結局、俺はなれなかったけどな」
「ジャグラー………」
予定ではジャグラーが戦士になる筈だった。
戦士として訓練し、険しい冒険を乗り越えて山頂にたどり着いた。
しかし戦士に選ばれたのは非戦闘員であるガイだった。
その事に思うことは当然ある。
「けど、ソレでよかったと今では思う。お前が光の戦士に相応しい」
「………ジャグラー」
最初、ジャグラーは自分こそ光の戦士になる筈だったたと心のどこかで思っていた。
ガイ、なぜお前が選ばれて俺じゃないんだと。
しかし圭吾との会話で気づいてしまった。
自分は光の戦士には向いてないと。
「俺は圭吾の考え方に賛成だ。命の木をサイキに渡る前に斬るのも、敵を晒しものにして威圧するのも。一見残酷な選択だが意味はちゃんとある。お前は否定していたが、俺は認めるし正しいと思う。………こんな考え方は、光の戦士に相応しくないのも承知の上だ」
ジャグラーは戦士だ。
殺し合いを生業にする以上、戦いというものをシビアで現実的な目線で見ている。
戦いというのは常に勝てるとは限らない。
負ける事も考慮し、時には犠牲を払い、助けられる者も見捨てる覚悟が必要になる。
戦いとはそういうものであり、何が何でも目標を達成する事が正義だと信じていた。
そもそも戦い自体が敵を傷つけ殺し、その血に塗れる汚い行為なのだ。
キレイ事や理想など言ってられない。
だが、光の戦士は違う。
理想を貫かなくてはならない。
「俺としては受け入られない。今まで戦士として戦ってきた俺には」
「それでも俺は、理想を貫きたい。今は無理でも、いつか必ず…」
「ああソレで良い。その方がお前らしい」
「ジャグラー?」
どういうつもりだ。何が言いたい。
口には出さずともガイの眼はそう言っていた。
「俺も何が正しいのか分からなくなった。光の戦士は俺が思う戦士とは違う。だがその姿に憧れていたのも事実だ。だから、これから宇宙を旅して見つけたい。俺にとっての正義とは何なのか」
「待ってくれジャグラー。何が正しいのか分からなくなったのは俺も同じだ」
ガイもまた圭吾の発言に動かされた。
確かに認められないが、理屈では何処か正しいと思ってしまう。
しかし圭吾は闇の戦士であり、戦い方も思想も闇に近い。
光の戦士に選ばれておいてソレで良いのか。
先輩達にも相談しようとはしたが…。
「あの人たちも決して完璧じゃない。時には迷ったり、光の戦士として相応しくない事をすることだってある。そもそも考え方自体ソレゾレ違っていた」
「結局、どうするべきかは当人によって違うってことか」
「そういうことだ。だから分からないのは俺も同じだ。…いや、最初から分からなかったんだが」
「奇遇だな、俺もだ。さっきは自分の正義と言ったが結構曖昧なんだ」
「なんだ、お前もか」
結局、何が正しいかなんて誰もよくわからないのだ。
正しいと信じたものを貫く。出来るのはこれだけだ。
「俺は行く。圭吾がやったように、俺も闇を吸収して強くなる。その為に俺は闇が溢れた地に向かう」
「………そうか。お前がそう決めたら俺は何も言わない」
ジャグラーの決意は固い。
何を言っても聞くつもりはないらしい。
ならせめて応援してやろう。
ガイがそう思った瞬間、オーブカリバーから光が発した。
次のミッションの知らせだ。
「どうやら休憩時間は終わりみたいだな」
「ああ、もう少し食べてから行く」
「まだ食う気かよお前」
食事会が終わり、解散した一行。
圭吾はティガダークに変身し、とある星に向かっていた。
惑星カノンと同じ太陽系の惑星。
空は日夜問わず暗雲に覆われ、生物は一切存在しない死の星。
そこに彼のお目当てがあった。
アーマードダークネス。
かつて惑星カノンに攻めてきたアーマードメフィラスを殺して得た
ソレを手にした瞬間、ティガダークは闇の鎧を継承することになった。
『及第点といったところか。これからの成長に期待だな』
担い手がいなくなったダークネスブロードを握った瞬間に聞こえた声。
アーマードダークネスの声だ。
メフィラスは継承者を探すための試金石。
侵略軍ごと倒したティガダークは、アーマードダークネスに認められたのだ。
しかし、今の彼では使いこなせない。
当然だ。ガタノゾーアやグランスフィアの力でさえ持て余しているのだ。これ以上増えても万全に制御出来るわけがない。
正確に言えば、使えるには使える。
しかし完全にはコントロール出来ず、周囲に甚大な被害を及ぼしてしまう。
この星が闇に覆われたのはそのせい。
テラフォーミングすれば十分に生存可能な星だが、闇のせいでその可能性もなくなった。
生物が誕生する前、或いは他の星から来る前にこうなったのは幸いか。
鎧が鎮座している。
まだ完全に所有権を得たわけではない。
そのためには、この鎧に打ち勝つ必要がある。
前回は決着付かずだった。
ザイゴーグの闇を吸収した結果、休眠期が来てしまった。
しかし今は違う。
完全ではないが、暴走しない程度にザイゴーグの闇を支配した。
以前のようにはいかない。
『来たか、ティガダークよ』
「ああ、今度こそお前をモノにする」
構える両者。
ティガダークはトリニティモードになり、ダークネスブロードを闇から取り出す。
『では行くぞ。貴様が真の主に相応しいことを願ってな!』
動き出す両者。
ティガダークは八相の構えで向かって行った。
他のウルトラマンとの絡み外伝とかでいる?
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ご自由に