ティガダーク~やはり俺は光の巨人になれない~   作:大枝豆もやし

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気づいてると思いますが前の編ではX怪獣を中心に出しました。
今回出すバードンとベムスターも原作でクグツ怪獣として出てきましたし、X怪獣でも出てきました。
あとメビウスとかでも出てきましたね。ホント人気だな。



トレギア編
エタルガー


 

 

 惑星カナンの太陽系圏にある宇宙。

 ベゼルブ達とクグツ怪獣が何者かと空中…いや、宙中チェイスを繰り広げていた。

 ティガダーク。

 敏捷体になった彼は音を置き去りにして敵を追跡する。

 もっとも、大気の無い宇宙に音などない筈なのだが。

 

 このベゼルブ達は残党だ。

 クイーンが死んだからと追って即座にベゼルブ達が死ぬわけではない。

 しかしソレも時間の問題。

 産まれもせず寿命もある以上、いずれは滅びるであろう。

 中にはそんな悠長に待つのが面倒な者もいる。

 ソレがこのティガダークだった。

 

「デュアッ!」

 

 ティガダークが光弾を放つ。

 ソレによって撃墜されるベゼルブ達。

 一体、また一体と。ティガダークの正確な射撃によって沈んでいった。

 重力が無いのに何故落ちるのかといった疑問は生じるが、そういうものだと割り切って敵の動向に気を配る。

 

「ッ!!?」

 

 クグツ怪獣の一体が反撃に出た。

 宇宙怪獣ベムスター。

 角から光弾を撃ち出してティガダークを牽制。

 同時、戦闘機を優に上回る程の速度で接近していく。

 しかし速度ならティガダークも負けてない。

 ましてや今はスピードと空中戦が得意な敏捷体。

 光弾を避けながら、負けじと反撃のハンドスラッシュを放つ。

 

「ベムゥ!」

 

 ティガダークの攻撃は無為に終わった。

 ベムスターの腹部にある第二の口、吸引アトラクタースパウト。

 本来はガスなどを吸収し消化するのだが、ウルトラマンの光線なども吸収できる。

 ティガダークの光線技も同様。

 自身のエネルギーを消費し、身を削って放つ筈の光線。

 ソレがベムスターにとってはむしろ養分でしかなかった。

 

 だがソレでいい。

 ティガダークの思惑通りである。

 

「デュアッ!」

 

 右脚を突き出すティガダーク。

 同時に錐もみ回転しながらベムスターに突っ込んだ。

 ティガダークトルネードキック。

 加速した勢いと回転の勢い、そして落下の勢いと自身の体重を付けた蹴り技である。

 

「ベムゥ!?」

 

 蹴り飛ばされるベムスター。

 そのまま近くの惑星へと落下していった。

 

 先程の牽制光線はこのための布石。

 敢えて光線の吸引を誘ってベムスターの加速を止めさせ、身体をこちらに向けさせることで被弾面積を増やす。

 全てティガダークの目論見通りにいった。

 

「ケェー!」

 

 今度は炎の弾丸が飛来。

 ジグザグに飛んで避けながら火球が飛んできた方に目を向ける。

 火山怪鳥バードン。

 ソレもまたクグツ怪獣となってティガダークに襲い掛かって来た。

 口から放つ高熱火炎、ボルヤニックファイア。

 その威力は十万度を超える。

 

 回避行動を続行するティガダーク。

 今度は反撃することなく飛び回って火球を回避。

 バードンは逃げるティガダークを追いかけながら火炎弾を連射していった。

 

 次々と撃ち出される火球。

 ベゼルブに流れ弾が当たろうがお構いなし。

 ティガダークも同士討ちを狙ってやっているが、彼の想像以上にバカスカ撃って来る。

 フレンドリーファイアなど一切気にせず、血眼になって火球を放ち続ける。

 

 いわゆる暴走状態。

 主であるクイーンベゼルブがいなくなった今、ベゼルブ達もクグツ怪獣もただ暴れることしか出来なくなった。

 敵も味方もない。ただ目につくものを壊し、生物を殺すだけである。

 

「デュアッ!」

 

 ティガダークが反撃した。

 散弾のように複数の光弾を一気に放つ。

 避けるバードン。

 仲間である筈のベゼルブやクグツ怪獣に命中する中、時には押しのけながらバードンは気にすることなく避け続ける。

 

 だがソレでいい。

 ティガダークの思惑通りである。

 

「ゲェッ!!?」

 

 ティガダークの必殺技が命中した。

 ランバルト光弾。

 短くチャージして放ったソレは狙い通りの箇所―――両頬にある毒袋に被弾した。

 

 破れた袋から毒をぶち撒け、周囲のベゼルブ達がソレを浴びる。

 殺虫剤をぶっかけられた虫のように死んでいくベゼルブ達。

 バードンも自身の毒に当たり、力なく倒れてた。

 ソレを見届けたティガダークは既に逃げたベゼルブ共の方に目を向ける。

 

 通常体にタイプチェンジしながらエネルギーをチャージ。

 両腕を大きく横に広げて光のラインを描く。

 

「ジュワッ!」

 

 放たれる闇色の奔流。

 ゼペリオン光線。

 十分にエネルギーを装填されたソレは、遠くまで逃げたはずのベゼルブ共に命中。

 大爆発を引き起こし、一撃で全てのベゼルブを殺処分した。

 

 これで全て倒した。

 後はゆっくり帰って寝るだけだ…。

 

「ベムウ!!!」

 

 ベムスターの奇襲。

 別個体ではない。先程蹴り飛ばしたベムスターだ。

 角を突き付けて突進し、ティガダークを吹っ飛ばした。

 その先は奇しくも彼がベムスターを蹴り飛ばした先と同じだった。

 

「デュワッ!!?」

 

 地面へ叩きつけられるティガダーク。

 咄嗟に受け身を取ったが、重力のタイミングが違うせいか、いつもよりダメージを受けた。

 

「デュ…アア…!」

 

 痛みをこらえて立ち上がる。

 遅れて、ベムスターが再び突っ込んできた。

 右手の爪をティガダーク目掛け振り下ろす。

 

 サイドステップで回避するティガダーク。

 振り向き様に蹴りを繰り出すが、ベムスターも方向転換して回避。

 同時に反対の爪を振り回し、嘴で突こうとする。

 

「ッ!?」

 

 咄嗟に受け流すティガダーク。

 空手の中段受けと同じ要領で止め、反対の拳で顔面を殴る。

 ベムスターが嘴で突こうした勢いも相まって、カウンター気味に突き刺さった。

 追撃をかけようとした瞬間、ベムスターの吸引アトラクタースパウトから何かが吐き出された。

 ソレは弾丸のような勢いでティガダークにぶち当たって牽制。

 その間にティガダークから距離を取った。

 

 吸引アトラクタースパウトは飲み込むだけではない。

 予め飲み込んだものを吐き出す事で遠距離武器としても使える。

 

 ティガダークが怯んでる間にベムスタービームを撃とうとする。

 しかし次の瞬間、彼らは謎の奇襲によって動きを止めた。

 

 バードンの風起こし。

 羽ばたきによる強風、バードンタイフーン。

 嵐のような強風によってティガダークとベムスターは動きを封じられた。

 

「(クソ、コイツも仕留め損ねたのか!?)」

 

 潰れた毒袋からして同個体。

 どうやら光線の効きが甘かったらしい。

 

 続けて集中砲火。

 火炎弾をばら撒いてティガダークを牽制しつつ、周囲を炎に包んで視界を奪う。

 煙幕ならぬ全てを燃やしながら視界を奪う超高温の炎幕を形成した。

 ベムスターを巻き添えに焼き尽くしながら。

 

「ケェ!」

 

 突っ込んでいくバードン。

 太く鋭い嘴による突進、シャークノーズ。

 炎幕を突っ切ってティガダークへと…。

 

「デュアッ!」

 

 ティガダークの回し蹴りが炸裂。

 いつの間にか剛力体となった強烈な蹴り。

 かっ飛ばすように振られた剛脚はバードンを捉え、カウンター気味にぶち当たった。

 自身の突進の威力とティガダークの蹴りの威力。

 二つが合わさ蹴りは、バードンが自身の毒に当たってたことも相まって、その命を刈り取った。

 吹っ飛びながらブクブクと泡を吹き、遠くにあった巨岩にぶつかって絶命した。

 

「べ…ベムゥ…!」

 

 ボロボロの状態で立ち上がるベムスター。

 矜持や闘志からではない。

 ただそういう風にプログラムされてるから。

 命尽きるまで戦い破壊する。

 その性質は生物というより機械に似ていた。

 

 だが、コレも元生物。

 今の状態はあまりにも痛々しい。

 早く解放してあげなくては。

 

 エネルギーをチャージするティガダーク。

 トドメをさすつもりだ。

 ソレを察知したベムスターは吸引アトラクタースパウトを開こうとする。

 しかし、ソレが役立つことは無かった。

 

「デュアッ!」

 

 放たれた光弾。

 上空へと放り投げられ、ベムスターは釣られて視線を上に向ける。

 瞬間、その隙を逃さずティガダークのストレートパンチが繰り出された。

 

 剛速パンチ。

 怪力による突進と怪力による送り足と怪力による腕力が合わさった突き。

 ベムスターの顔面に命中したソレは、一発でその頭部を粉砕した。

 

 フェイント。

 先程の光弾は隙を誘う為の餌。

 見掛け倒しの力しか込めてない。

 目論見通り隙を晒し、本命をぶち込めた。

 

「………」

 

 二体とも完全に死んだか確認した後、念のため首を刎ねて心臓を潰す。

 その後マイナスエネルギーを吸収してある程度回復させ、その場から飛び去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やっぱ俺、宇宙での戦闘苦手だわ。

 ベムスターを一撃で仕留められなかった。

 重力がある状態だと一発だったが、無重力なのを忘れていた。

 バードンを一発で仕留められなかった。

 宇宙での加速の感覚がズレて狙いが微妙にずれてしまった。

 バードンにトドメを刺した蹴り。

 いつもより威力が出なかった。

 不時着した惑星の重力が弱いのを勘定に入れるのを忘れてしまった。

 ベムスターにトドメをさした突き。

 本当は別のデラシウム光流をバウンドさせようと思ったが、重力が弱いから当てる自信がなかった。

 とまあ、今回の戦いで見直す点がいくらが出てきた。

 

 俺は大体地球や重力のある惑星で戦っていた。

 宇宙での飛行戦や無重力での戦いにはあまり慣れてない。

 だから今回はベゼルブ共の残党を狩る序でに練習をしていた。

 ガタノゾーアを吸収する前、地球でウルトラマン活動していた頃にまで力を制限した状態で。

 今まで散々闇の力やマイナスエネルギーを吸収してきた。

 力ずくで勝とうと思えば勝ててしまう。

 ソレじゃあ意味がない。

 出力だけに頼った戦いでは何時か限界が来る。

 先ずは今ある力を十全に使えるようにならないと。

 ソレに並行して力も吸収していくが。

 

 アイツらはいい練習相手だった。

 所詮は残党。女王蜂がいなくなった蜂のような奴ら。

 援軍の可能性も無いし、逃がしてもすぐに寿命が来て死ぬだけだ。

 

「(まだまだ経験不足ってわけか)」

 

 俺は人間から怪獣になった存在だ。

 光線技と切断技はガタノゾーアを封印している際に鍛えて貰ったから克服したが、宇宙での戦いはそうはいかない。

 あの人たちは地球の文明を守るために巨人の力を手にしたのだ。

 宇宙での戦い方を知るわけがない。

 

「やっぱ宇宙警備隊か?」

 

 光の国のウルトラマン達は基本的に宇宙で活動している。

 何千年も蓄積されたデータや優れた科学技によってあらゆる環境や怪獣をシミュレーションできるだろう。

 やっぱり個人では限界がある。俺も使わせてもらおうかな?

 

「…いや、流石にそれは無しか」

 

 そうだ、ソレは焦り過ぎだ。

 いくらウルトラマンを真似ても所詮は偽物。

 俺自身が光の者なら兎も角、ウルトラマンになるつもりもないのだ。

 なのにウルトラマンの特権を使わせてもらおうなんてのは虫が良すぎる。

 第一、俺はウルトラマン認定を断ったじゃないか。

 

 

 つい最近の事、俺はエタルガーに遭遇した。

 全宇宙のウルトラマンを封印すると奴は言っていたが、俺は咄嗟に言い返した。

 俺はウルトラマンじゃないと。その理由もちゃんと説明した。

 納得してくれたよ奴は。で、そのまま帰ってくれた。

 

 あんな奴がいるような世界だ。

 今の俺では勝負にすらならない。

 もっと力を付け、技を磨かなくては。

 ソレに、今ある力に満足していたら、あの鎧に食われちまう。

 

「次の舞台はあそこか」

 

 これまでのことを振り返りながらずっと飛んでいた。

 光の速度とまではいかないが音速を遥かに超えスピードで。

 テキトーに飛んでたが思わぬものを見つけてしまった。

 

 地球に似た星。

 さぞかし怪獣や侵略者がいるだろうな。

 何故かは知らないが、そんな気がしてならなかった。

 





エタルガー「お前ウルトラマンやな?」

ティガダーク「ちゃうちゃう。俺の正体ガタノやし、自分の為に戦ってるし、ムカつく国は被害出ても無視するで」

エタルガー「ほなウルトラマンちゃうか」

他のウルトラマンとの絡み外伝とかでいる?

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