ティガダーク~やはり俺は光の巨人になれない~   作:大枝豆もやし

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全く関係ない話ですが、X怪獣ってティガと関わりありますね。
ガーゴルゴンはトリガーで出てきましたし、ティガの舞台でも登場しました。
ザイゴーグに至ってはティガと直接戦ってます。まあ、X世界のティガですが。


ホロボロス

 

 とある惑星。

 地球と似ており文明もある星。

 高層ビルが立ち並ぶ都市で怪獣とウルトラマンが戦闘を繰り広げていた。

 ウルトラマンロッソとブル、スーパーコッヴ。

 対戦相手はホロボロス。

 

 劣勢なのはウルトラマンの方だった。

 ウルトラマン二人に怪獣一体。

 計三体なのだがホロボロスは数の優位を覆していた。

 

「コイツ…強い!」

 

 単純に強い。

 素早い動きに強力なパワー。

 ビル群の間をスルスルと駆け抜けて姿を隠し、死角から現れて鋭く重い一撃を入れて再び隠れる。

 ヒットアンドアウェイ戦法。

 単純だが多対一では有効な手であり、現に二人と一体を追い詰めていた。

 

「どうする?こうなったら街に被害が出るけど…」

「ダメだ!そんなことしたら犠牲が出ちまう!」

「けどこのままじゃ負けちゃうよ!」

 

 突破口はある。

 ビルを破壊してホロボロスをあぶり出す。

 このビル群はジャングルのようなものだ。

 獣が木に姿を隠すように、この怪獣はビルを盾にして姿を隠している。

 だったら木を切ってしまえばいい。何ならビルを倒壊して生き埋めにするのもアリだ。

 しかし、そのやり方は出来ない。

 光の戦士の戦い方ではない。

 ここは高層マンションもあり、逃げ遅れた人たちもいる。

 邪魔だからといって建物を壊すのは、光の戦士失格だ。

 

「じゃあどうするの!? 何か方法ある!?」

「クソ!どうすれば…危ない!」

 

 ロッソが咄嗟に動く。

 ビルが崩れた。

 倒壊先には逃げ遅れた子供たちがいる。

 潰される前にビルを受け止め、ゆっくりと降ろした瞬間、その背後からホロボロスが襲ってきた。

 

「お兄ちゃん!」

 

 光弾を撃とうとするスーパーコッヴ。

 しかしこの位置では兄も巻き込んでしまう。

 判断に迷って動きが止まった。

 そのままホロボロスの爪がロッソを捉え…。

 

 

 瞬間、突然現れた黒い光がホロボロスを突き飛ばした。

 

 

「「「ッ!!?」」」

 

 突然のことに驚愕する面々。

 ホロボロスだけではなくウルトラマン達も。

 何だ、何が起こった。新手か?それとも味方か?

 何も分からず困惑していると、降り立った光が人の形を成していく。

 

「下がってろ。もう限界なんだろ?」

 

 ティガダーク。

 剛力体の状態になってロッソ達にテレパシーを送った。

 

「あ、アンタは…?」

「俺の事はいいだろ。今はもう下がれ。エネルギーが切れかけてるんだろ?」

 

 困惑した様子でブルがテレパシーを返す。

 しかし返信内容は下がれの一点張り。

 だがソレも仕方ない。現に三人ともエネルギーが切れかけているのだから。

 

「………悪い、恩に着る」

「必要ない。行け」

 

 何者かは分からない。

 だが敵ではないと、怪獣と戦う意思があることは分かった。

 こちらにもう戦う余力が無い以上、可能性があるこのウルトラマンらしき巨人に任せるしかない。

 二人と一体は変身アイテム―――ルーブジャイロで変身を解除し、人間の姿に戻った。

 

「デュワ!」

 

 仕掛けるティガダーク。

 重めのジャブを二発、牽制のローキック、そしてストレートパンチ。

 ホロボロスは全て軽々と避け、再びビル群の中へと消えていった。

 

「………」

 

 ティガダークは追わない。

 構えを解いて無防備な状態で悠々と佇む。

 大体十秒程経った頃か、再びホロボロスが姿を見せる。

 ティガダークの背後に跳びかかり、その爪を振りかざす…。

 

「ッ!!?」

 

 バァン!

 気が付くと、ホロボロスは投げ飛ばされていた。

 大質量が道路に叩きつけられる。

 大地が大きく揺れ、大きな瓦礫が舞い上がり、地面がひび割れる。

 

 何が起きた。

 その答えを知る前にティガダークが追撃を掛ける。

 

「フン、獣の扱いはイージーだな。背中を見せたらすぐに跳びかかる」

 

 誘った。

 ホロボロスの奇襲を。

 食肉目の動物は人型の獲物を狩る際、背後から跳びかかる。

 その性質を知っている圭吾は敢えて後ろを見せて誘導したのだ。

 

 攻撃が来ると分かれば迎撃は容易い。

 跳びかかる勢いを受け流し、地面に叩きつけたのだ。

 追撃を掛けて二度と逃げられないようにするために。

 

 チョークスリーパー。

 右腕を首に通し、左手でロックを掛ける。

 本来ならこれで成立するのだがティガダークは…圭吾はアレンジを加えた。

 

 ブリュッ!

 

 目潰し。

 ロックしている左手の親指を立て、目に突っ込む。

 親指の先に力を込めて尖らせ、電流のようにエネルギーを流し込んで動きを阻害。

 これで効率よく首を絞められるが、今回はそう簡単にはいかなかった。

 

「デュワッ!」

 

 振り払われるティガダーク。

 ホロボロスが赤黒いエネルギーを纏い、ソレを浴びて怯んでしまった。

 拘束の手が緩んだ隙にホロボロスは振り払って距離を取る。

 瞬間、ホロボロスに異変が起きた。

 

 ホロボロスが立ち上がった。

 上半身の筋肉が急速に発達し、前足の指も獣型から人型の手へと変化。

 前足の鋭い爪がより大きくなり、手甲鉤のような形状に代わった。

 第二形態。

 目を潰された怒りによってパワーアップした姿。

 より怒りと恨みをぶつけやすい姿へと。

 

「こりゃ怒らせちまったか?まあ当然か」

 

 ティガダークが先制を取る。

 上体を伸ばしたズームパンチ。

 しかしダメージは皆無に等しい。ホロボロスは怯むことなく反撃。

 太く逞しくなった剛腕を振るう。ソレがティガダークの思惑通りとは知らず。

 

 カウンター。

 上体を戻して易々と回避し、反対の手でホロボロスの脇胸にフック。

 筋肉が薄く、肋骨の作りからして弱い部分。人間なら折れている。

 だが相手は怪獣。ダメージはあるが折れては無い。

 返しの手ですぐさま反撃した。

 

 上体を後方に逸らしながら回避。

 同時、ローキックを繰り出す。

 関節を狙った蹴り。

 下半身は強化されてないのか、今度は効いた様子を見せた。

 

 追撃をかけるティガダーク。

 熱い胸板に拳を叩き込む。

 心臓打ち。

 人間には危険な技だが怪獣相手にはそれほどでもなかった。

 ソレ以前に胸板が厚く堅いせいで大したダメージにすらなってない。

 

「(ッチ、以前の状態じゃダメか)」

 

 反撃を受け流しながらティガダークは考察する。

 ウルトラマン活動していた頃にまで落としたスペックでは攻めきれない。

 純粋な戦闘能力に優れ、原作でも必殺光線を連続で受けても倒れなかった耐久力を誇る怪獣。

 

 圭吾の技術は更に向上した。

 シルバゴンのようなパワーを備えつつ動きも俊敏なホロボロス。

 体の構造が人間に近くなったおかげがプロレスのような技も多用している。

 しかしその全てをティガダークは受け流し、捌いて無力化していった。

 だがそれだけ。決定打を与えられず防戦一方。

 このままではエネルギー切れ…ということはない。

 

 このティガダークはウルトラマンではない。

 ティガの姿を借りたガタノゾーアのようなものだ。

 ウルトラマンと違って三分という縛りからとっくに解放された。

 だが、だからといってずっと戦うなんて選択肢も端からない。

 

 50mを超える巨体が町中で暴れているのだ。

 都市機能はマヒし、戦闘の余波で町に被害が出る。

 ただ歩くだけで支障が出るのだ。長々と居座られたら迷惑極まりない。

 

「(仕方ない。もう終わらせるか)」

 

 ホロボロスが跳び上がる。

 自身の身長を高く超える程の跳躍力。

 並の宇宙警備隊員ではその瞬間すら目視出来ないであろうスピード。

 無論、ティガダークは並ではない。

 むしろソレをチャンスと捉えた。

 即座に通常体へタイプチェンジしながら、必殺光線の準備に入る。

 

「デュワッ!」

 

 ゼペリオン光線。

 ホロボロスの爪が届くギリギリで放たれた。

 両手の爪、ホロボロクローから繰り出すラッシュ攻撃、メガンテクラッシャー。

 禍々しい紫色の光を帯びた斬撃と光線がぶつかり合う。

 

 拮抗は一瞬。

 ゼペリオン光線がメガンテクラッシャーを突破してホロボロスに着弾。

 ホロボロスは耐えようと踏ん張るも、出力だけで空高くまで打ち上げられる。

 やがて光線が全身に侵食し、派手に大爆発を引き起こした。

 

「………」

 

 町に大した被害はない。

 ソレを確認した後にティガダークは飛び去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「………これは、面倒になったな」

 

 何者かが陰から見ているとも知らずに。

 





このロッソとブルは先代です。
活動する惑星も地球ではありません。

他のウルトラマンとの絡み外伝とかでいる?

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