ティガダーク~やはり俺は光の巨人になれない~   作:大枝豆もやし

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閲覧注意:今回は主人公がトレギアをボロクソに貶します。
トレギアファンの方は見ないことをお勧めします。
むしろ言ってやれという方だけどうぞ。


トレギア

 

 トレギア。

 純粋なウルトラマンでありながら闇落ちしたヴィランの一人。

 ウルトラマンタロウの親友だったがウルトラマンとしての正義を信じられず、かといって対極の闇にも価値を見いだせず、考えすぎて病んでしまった。

 で、辿り着いた答えは、この宇宙に光も闇も無く、混沌こそ真実であり、ソレ以外は無価値或いは嘘だとかほざくようになった。

 要は極端な頭でっかち拗らせお坊ちゃんという事だ。

 

 ただ自分の考えを拗らせるだけなら問題ない。

 所詮は個人の考えだ。好きにすればいい。

 けど、コイツは自身の正しさを証明するためなのか、検証する為なのかトラブルを起こすのだ。

 

 例えばギガデロス。

 自身の悪意を機械にインストールしてどうなるか実験しやがった。

 原作ではそのせいでギガデロスが暴走し、幾つもの惑星や銀河を滅ぼしてしまった。

 この宇宙では俺がいたから何とかなったが、もし間に合わなかったらあの星は滅んでいたであろう。

 

 次にルーゴサイト。

 何をしたかは分からないが、本来宇宙の白血球のような存在であるルーゴサイトはトレギアが余計なちょっかいをかけたせいで暴走。

 原作では幾つもの生命ある星々が食い殺されたらしい。

 

 他にもウルトラマンジードの相棒を殺そうとしてジードが闇に堕ちるかどうか検証しようとしたり、ウルトラマンルーブではロッソの親友を唆して怪獣にしたりと、自分の好奇心を満たす為にやりたい放題しやがった。

 

 人の事をとやかく言えないが、コイツはウルトラマン失格だ。

 自分の好奇心や興味の為なら宇宙が滅んでもいいと思っているサイコパス野郎。

 これ以上の悲劇が起きる前にさっさと殺すべきだ。

 だが、よーいドンで戦うには懸念点がある。

 

 トレラ・スラー

 あらゆる場所や宇宙に空間を繋いで瞬間移動する技。

 トレギアの十八番であり、コレを用いて神出鬼没に現れる。

 繋げられる範囲は不明。並行世界とも接続可能であり、原作ではあらゆる場で暗躍していた。

 コレが兎に角厄介だ。

 限定的な瞬間移動ならまだ追えるが、宇宙を何度も跨れると流石に追跡は不可能。

 逃げられたらまず追いつけない。

 だから先ずは逃げる気を起こさせないように、挑発して敵意を俺に向けさせる。

 

 原作を見るに、トレギアは直情型だ。

 普段は丁寧語だが、物事が思い通りにならないと口調が荒くなって苛立ちを見せるシーンがよくあった。

 あと、プロフィールや設定ではコンプレックスや嫉妬心が強いとされている。

 ソコを突けば俺に敵意を向けて逃げるという選択肢を捨てる筈だ。

 

 

 おそらく、あのギマイラを誘導したのはコイツだ。

 少なくとも何かしらの関与はしている筈。

 じゃないとあのタイミングで邪魔しに来れる筈がない。

 いや、もうそんなことはどうでもいい。

 

 コイツには責任を取ってもらう。

 こんな胸糞悪い思いをさせた責任を。

 関係なかろうがどうだろうが知ったこっちゃねえ。

 ギマイラの代わりにコイツをぶっ殺し、嬲りに嬲ってやる。

 

 

 

 

「貴様もウルトラマンと同じだ!片方の局面からしか物事を見ない!光も闇も!正義も悪も!等しく同じ価値しかない!」

「ソレお前だろ。その価値基準は誰が決めた?自分の意見を他人に押し付けるその傲慢さ、正しくウルトラマンだな」

 

 先ずは価値観を否定する。

 こういった頭でっかちは絶対のモノを求め、今自分が手にしている物は絶対に近いと勘違いしている。

 だからソレを否定する事は自身の信じるものを否定されるに近い。

 序でに嫌ってるモノと同列にすると尚良い。

 

「物事は視点によって変わる。お前が同価値と見てるのも視点の一つに過ぎない。だから情報を得て様々な視点から物事を観測する。なのに一つの視点が全てとかいうのはバカのやる事だ。科学者の言葉とは思えないな。本当にちゃんと科学者やってた?」

「黙れ!私は科学者として功績を残し開発も担当した!勝手な推測で私を語るな!」

「ふ~ん、図工は得意でも他人の立場で考えるのは苦手みたいだな。さてはお前、友達いないだろ。或いはいてもお前の頭の悪さに呆れて離れたかのどっちかだ」

 

 次に精神的支柱を壊す。

 コイツの場合は自分が頭いいと思っておいり、ソレが自分の価値だと思ってる。

 だからソレを否定することは自身の価値や人生そのものを否定されるに近い。

 序でにバカにしているモノと同列にすると尚良い。

 今回はソレが出来ないからタロウが親友であることを否定して精神的支柱を壊すことにする。

 

「宇宙に存在するものはただそこに在るだけだ。世の中に起きている生命の誕生や滅び、平和や不幸等も因果関係による結果に過ぎない。ただの現象だ。ソレを観測しているモノはそれらに意味を付け、意義を考える」

 

「けど、その意味や意義を貫くのには才能と努力がいる。一度自分が編み出した答えを信じ、時には訂正し新しい答えを自分で作り出す。お前にはその堪え性が無いんだよ。宇宙を守る為に戦う光の戦士たちと違ってな」

 

「お前は半端者だ。光の戦士たちのように“ソレでも”と自分の正義を貫けず、かといって俺のように“だから何だ”と開き直れない。その上、自分が頭がいいと思ってるから周囲の言ってることを素直に呑み込めない。光と闇以前の問題。バカ以下だ」

 

 最後にコンプレックスを刺激する

 コイツは確か宇宙警備隊に入隊出来ず、精神面も弱いことを自覚している。

 だからそこを突く。

 出来たら具体例などを指摘できればいいのだが、そこまで知らないので勢いで誤魔化す。

 

 話変わるけど、ウルトラマンがウルトラマンたる理由って「それでも」って言えるところだと俺は思う。

 たとえ何度も負けそうになっても、何度も挫けそうになっても、何度裏切られても。

 ソレでも戦うと、ソレでも諦めないと、ソレでも信じると。

 そう言えるからウルトラマンはウルトラマンたり得ると俺は思う。

 

 コイツはソレを放棄した。

 ただ外側しか見てない癖に、簡単に結論出しやがった。

 ネットの知識だけで分かった気になってるガキみたいに。

 そんな奴にウルトラマンをどうこう言う謂れはない。

 

 まあ、人のこと言えないけど。

 同族嫌悪って奴か。

 

 

「黙れ!何なんだ!何ださっきから!?貴様に、私の何が分かるゥゥゥッ!?」

 

 ついに我慢できずに手を出してきた。

 よし、いい調子だ。このままこちらのペースに引き込む。

 

「分かるさ。お前みたいな浅い奴、すぐ分かるに決まってるだろ」

「適当な事を!一辺しか見ないで分かった気になるな!」

「お前こそ自分の薄さを棚に上げて偉ぶるなよ。劣等生のトレギアくん」

 

 兎に角煽る。

 トレギアの攻撃を捌きながら。

 激情任せに次々と撃ち出される光線。

 それらを余裕で受けていると見せかけるよう演技しながら対処する。

 

 かなりきつい。

 トリニティフォームになってるのに。

 流石はニュージェネトップレベルのヴィラン。

 こっちはもう本気で取り掛かってるのに倒せそうにない。

 だが、所詮は元科学者上がりの非戦闘員。

 戦闘スキルやバトルセンスはこちらが上だ。

 

「(そろそろいいか)」

 

 これだけ怒らせたら逃げるって選択肢は消えてるだろう。

 収穫時だ。

 

「出番だぜ、アーマードダークネス」

 

 

 

 

 

 

 

 

 突如、ティガダークの姿が変わった。

 骸骨を模した鎧を纏ったような禍々しい姿。

 目元には血走ったような黒いラインが刻まれている。

 両肩と背中からミーモスやゼルガノイドのような突起が生えている。

 

 ティガダーク・アーマードダークネス。

 かつて、ウルトラの星を滅ぼしかけたエンペラ星人。

 彼の鎧と力の一端を継いだティガダークが新たに獲得した姿である。

 本来の鎧姿とは違うが、ソレは鎧自身がティガダークに合わせて変化したから。

 暗黒宇宙大皇帝専用である筈が、彼を主と認めて自ら進化する事でティガダーク専用となったのだ。

 

「な…何だ!?」

 

 遠くからでも分かる圧倒的なパワー。

 ソレに一瞬気圧されるも、トレギアは戦闘を続行した。

 先程まであれ程コケにされたのだ。

 ブルー族の癖に意外と激情的な性格の彼は、目の前のコイツを叩き潰すという選択肢意外は消失している。

 

 姿が変わったからなんだ。

 少しパワーアップしたからなんだ。

 邪神を体内に封印する事で凄まじい力を手にしたのだ。

 この程度のイレギュラー、ハンデにすらならない!

 

 トレギアは気づいていなかった。

 冷静さを完全に忘れ、頭に血が昇った状態では。

 眼前の敵がアーマードダークネスを装備しているとは露ほども予想できていなかったのだ。

 だから判断を誤った。

 

 音速を軽く凌駕して縦横無尽に飛び交う。

 いつの間にか戦いの舞台は宇宙空間に変わっていた。

 時にはドッグファイトを行いながら光弾を撃ち合う。

 時には瞬間移動するかのような急加速で接近して殴り合う。

 時には光輪や光刃などを形成してすれ違いざまに斬り合う。

 

 一つ一つの激突が桁外れ。

 地球規模の惑星では収まりきらない程。

 宇宙に戦場を移してくれたことは、あの惑星にとって幸運な事であった。

 もし仮にあの惑星であのまま両者が激突していれば、戦闘の余波で環境が激変し、生命が存在しない死の星となっていたであろう。

 

「ッハ、所詮はブルー族か。いくら優れたスペックがあっても全然活かし切れてない。戦いは頭じゃなくて身体と精神でやるモンだぜ? あ、お前にはそんなものないか」

「黙れ黙れ黙れ!さっきから何なんだお前は!?」

 

 煽るティガダーク。

 お得意の舌戦で負けて、多用する精神攻撃を逆に食らいまくってる。

 ただでさえ真っ向勝負だと意外と脆いフィジカルで不利なのに、得意分野まで負けているのだ。

 

 スペックと経験の量はトレギアが上。

 流石は邪神の力。流石は純正ウルトラマン。

 彼の体内に封印されているグリムドは本来のガタノゾーアすら軽く凌ぎ、ウルトラマンの無限ともいえる寿命によって経験だけはティガダークを超える。

 しかしそれだけ。しかもスペックに関してはアーマードダークネスによって覆されている。

 

 戦闘センスと経験の質はティガダークが上。

 流石は我らが主人公。優れた格闘技術と戦闘センスを誇る。

 まだ千年も生きてないのにその経験の質は並のウルトラ戦士より高い。

 その上アーマードダークネスを纏う事でスペック問題も解決している。

 

 

「ヴォアッ!」

 

 ティガダークの右ストレートが炸裂。

 体重どころか踏ん張りすら効かない宇宙空間。

 しかし彼の拳はトレギアの顔面をしっかりと捉え、仮面に罅を入れながら数百kmの隕石群へと吹っ飛した。

 

 必殺の構えに入るティガダーク。

 両腕を前方にクロスさせ、左右に伸ばしながらエネルギーをチャージ。

 軌道上に紫と黒のラインを描き、その周囲を赤黒い稲妻のようなものが螺旋状に循環していく。

 

「デュア!」

 

 L字に腕を構えた瞬間に放たれる必殺光線。

 鎧によって増幅された光線は更なる進化を遂げている。

 ソレを見てやっとトレギアは鎧の正体に気づく事が出来た。

 

「ま…待て!まさかソレは!?そんな、そんなことが…!!?」

 

 ここでトレギアの悪癖と戦士としての心構えの無さが出た。

 気づいた瞬間に逃げればいいものを、敵の正体に気を取られ過ぎてそのチャンスを不意にしてしまった。

 

「ぐあああああああああああああああああああ!!!?」

 

 光線を食らった瞬間、トレギアの身体の輪郭が消えた。

 ボロボロと零れ落ちる砂のように粒子となりながら消えて逝き、やがて完全に消滅した。

 

 レゾリューム光線。

 ウルトラマンの肉体を分解する効果があるウルトラマンにとって天敵ともいえる技。

 これを他生物と融合していない純粋なウルトラマンが食らうと即死。

 地球人と一体化しているウルトラ戦士に対しては効果が弱まってしまうが、単純な破壊力も十二分に高い。

 本来なら暗黒宇宙大皇帝であるエンペラ星人のみ使用出来る技だが、アーマードダークネスを装備している間のみティガダークも使用可能。

 ゼペリオン光線と合わさる事で更なる威力を発揮する。

 レゾリューム・ゼペリオン光線といったところか。

 

「………」

 

 敵が完全に死滅したことを確認した後、ティガダークは鎧を解除。

 近くの手ごろな大きさの隕石に着地した。

 




言うまでもありませんがギマイラの件で主人公ブチ切れてます。
普段ならここまで言いません。
何より相手を否定するような言葉自体あまり使いません。
まあ、ウルトラマンに対して夢抱いてるってのもありますが。

他のウルトラマンとの絡み外伝とかでいる?

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