ティガダーク~やはり俺は光の巨人になれない~ 作:大枝豆もやし
トレギアは主人公の正体に薄々気づいてます。
厳密に言えばガタノでは無いんですよね。
似たようなモンですが。
鎧を解除したティガダーク。
パーツごとに分裂した後、鎧一式は虚空へと消えていく。
戦闘を終えて異次元に転移したのだ。
アーマードダークネスは普段別時空に保存されており、相応しい敵が相手の時などに呼び出す仕様になっている。
では、何故常に鎧を纏わないのか。
強すぎて戦いがつまらなくなったり、鎧に頼り過ぎると腕が鈍る…というのもある。
しかし一番の理由は…。
「ッグ…おお!」
膝を付くティガダーク。
いつの間にか通常体に戻っている。
本来酸素を必要としない筈が、息が荒くなっている。
アーマードダークネス着用による反動。
コレが一番の理由。
長時間使用すると相応の消耗を強いられるのだ。
だから訓練など以外では鎧を装着するに値する敵にしか使わない。
「まさかよりによってアーマードダークネスを所有し、ソレを使いこなすとは…。だが、それ相応の消耗を強いられるようだ」
「ッ!!?」
咄嗟に振り向くティガダーク。
隕石群の間の空間。
そこには先程倒したはずのトレギアがいた。
ティガダークは立ち上がるが、ソレに待ったをかける。
「待て、もう君と戦うつもりはない。降参だ。これ以上やり合うなんて命がいくつあっても足りない」
一見無傷に見えるが、トレギアも相応の代償を払うことになった。
邪神を体内に封じている彼は純粋なウルトラマンではない。
おかげでレゾリューム・ゼペリオン光線の効力は半減したが、ウルトラマン特攻はしっかりと効いた。
一度肉体が完全に崩壊し、邪神の力を使って復活こそしたが、その封じられている邪神も光線を食らって死にかけている。
万全の状態なら兎も角、封印されている状態でレゾリューム・ゼペリオン光線を食らったのだ。
いくら邪神グリムドといえど耐えられるものではない。
「ここはお互い手打ちにしよう。もう二度と君と会う事は無い」
「ソレを信用すると思うか?」
構えるティガダーク。
もう鎧を呼び出す体力は無いが、トリニティに成るぐらいなら残っている。
死のリスク程度で戦意喪失するような男ではない。
「いいのか、私に構っていて。君がいない間に星が滅ぼされたらどうする?」
「またお得意の舌戦か?そんなハッタリ………!!?」
その場しのぎの嘘だとは思うが、念のために視線をトレギアに向けつつ周囲を探知するティガダーク。
瞬間、彼の宇宙活動を可能するほどの超感覚はあるものを捉えた。
「以前ちょっかいをかけたら暴走してしまってね、困っていたのだよ」
「クソが!」
その場から飛び去るティガダーク。
飛行しながら敏捷体にタイプチェンジして急加速。
トレギアに警戒しつつ気配の元へと向かって行った。
「ティガダーク………気味が悪い奴だ」
忌々しそうに呟くトレギア。
挑発に乗って我を忘れ、相手の術中に嵌ってしまった。
一度殺されたショックで冷静さを取り戻したが、ソレもかなり危うかった。
頭が冷えた今なら分かる。ティガダークは最初からコレを狙っていたと。
挑発して怒らせることで逃亡の選択肢を奪い、一撃で仕留める。
成程理に適っている。効率的だ。
だが一つ理解出来ない点があった。
「何故だ。何故お前はあれ程に私を知っていた」
やけに具体的かつ自分に刺さる内容の挑発。
ぼやかしてはいたが、あんなの相応にトレギアを知ってる者でないと出来ない。
ではどうやって知った。知人どころか光の国すら関係しない闇の巨人が。どうやってトレギアの情報を掴めるのか。
分からない。気味が悪い。だから知りたくなる。
「いや、よそう。アレは危険すぎる。関わらない方が良い」
好奇心はある。
しかしそれ以上に危険だと勘が告げている。
ソレがトレギア本人が持つ物なのか、それとも封印されているグリムド由来なのかは理解出来ない。
ただ今はソレに従った方が良いという確信があった。
「さらばだ闇の皇子よ。願わくば君に二度と会わないことを」
トレギアはソレだけ言い残して虚空へと消えて行った。
とある太陽系。
巨大な黒い塊のような物体が生命のある星に接近していた。
ソレは隕石ではなく気体。
全長数百m程ある超巨大な何か。
紫色のガス雲状でありながら霧散することなく一纏めになっている。
ソレは生きている。
生命も意志も知性もある。
確固たる意図を持って惑星に接近していた。
名はルーゴサイト。
かつては宇宙に害ある存在を排除していた白血球のような存在。
しかし今では生命ある星を発見しては食らい尽くし滅ぼすウイルスのような存在と化していた。
今回もとある星が犠牲になろうとしていた…。
「ッ?」
何かが接近している。
察知したルーゴサイトは接近物の方に意識を向ける。
そこにいたのは自身と同じ気体状の何か。
自身と同じく気体でありながら一纏めになっており、凄まじい速度を維持して接近してきた。
迎撃するルーゴサイト。
気体でありながら、何処からか赤黒い光線を放つ。
ゲネシスレクイエム。
その威力は絶大。
原作では都市一つを軽々と吹き飛ばし、前日談ではウルトラマンを屠っている。
だが厄介なのはこの技ではなくルーゴサイトの特性。
気体の身体に攻撃してもすり抜けられるという点である。
ルーゴサイトの攻撃を避けたり防ぐことは出来る。
しかしその逆は不可能。どんな攻撃も全体に拡がる気体には当てられない。
更にガス状の身体はソレ自体が捕食器官のようなものであり、包んだ生命体を食らう事が出来る。
ただ触れるだけで相手を蝕むのだ。
自身は攻撃が当たらず、逆にこちらは攻撃を当てられる。
結果、相手はじり貧で負ける。
この必勝法で先代のウルトラマンロッソとブルを倒した。
だからゲネシスレクイエムを対処されても反撃の心配はない。
追撃を仕掛ければいつかは…。
「ッ!!?」
ゲネシスレクイエムが黒い霧を貫通する。
しかしソレは一瞬だけの事。
次の瞬間には霧が埋まって何事もなかったかのように肉薄。
ガス状のルーゴサイトと激突した。
相手も同じく気体。
ガスと霧という似たような存在。
しかも、ルーゴサイトと同じく、気体そのものに対象を蝕む効力がある。
ルーゴサイトのアドバンテージは相手も持っており、その上でルーゴサイトに触れる事が出来るのだ。
ぶつかり合った両者は混ざり合い、分子原子レベルで揉み合いになりながら近くの小惑星へと落下していった。
墜落した小惑星でルーゴサイトは実体化した。
青い身体をベースに赤と金で彩られた龍人のような姿。
蛇のように長い鎌首と食物を食らう為の顎が存在しない細く尖った口先。
ムカデのような尻尾に、袴かスカートのような衣類を履いてるような下半身。
コレこそルーゴサイトの真の姿である。
ガス状のままでは分が悪いと判断し、全力で脅威を排除しようとした。。
ソレは相手も同じ。
実体化して真の姿を顕す。
「デュワッ!」
ティガダークトリニティ。
自身の身体ごと対象を蝕む闇の黒い霧に成る事で、ルーゴサイトを無理やり実体化させたのだ。
目論見は上手くいった。
後は倒すだけだ。
先制はルーゴサイト。
本来の姿になって十全にスペックを発揮。
ティガダークを追い詰めんとする。
第一射。
尻尾のトゲをミサイルのように飛ばすゲネシスレイン。
文字通り雨霰の如く無数の棘を発射。
対するティガダークは空手の三戦立ちのような構えを取って全身にバリアを形成。
全ての棘ミサイルを防ぎ切った。
攻撃は無力化された。
しかし足を止める事には成功。
ルーゴサイトは攻撃を続行する。
第二射。
口から放つ赤く細い光線ゲネシスダージをティガダークの顔面目掛けて放った。
ソレを避けるティガダーク。
首を傾げるだけで紙一重に回避した。
防御の続行ではなく回避を選択する当たり、もうバリアは意味を為さないようだ。
畳みかけるように予め装填した次の攻撃を開始。
第三射。
超強力な怪光線ゲネシスレクイエム。
ガス状の時に放ったソレとは比べ物にならない威力。
ゲネシスダージを放ちながらチャージしたソレは、防御不能の一撃必殺となる。
だからティガダークは回避を選択。
ゲネシスレインを防ぐのに使ったバリアの残りエネルギーを足裏に回して無理やり跳んだ
ノーモーション跳躍により回避成功。
バリアを大分削られたせいか、程よいジャンプが出来た。
「デュア!」
ティガダークの飛び蹴り。
空中を飛行して加速し、右足を突き出す。
受け止めるルーゴサイト。
若干よろけはしたが跳ね返し、その反動を逃がしてティガダークは着地。
そこから白兵戦が繰り広げられた。
テゼペリオン光輪とルーゴテンタクル。
ティガダークは両手に光輪を装備し、ルーゴサイトは両腕から触手を伸ばす。
斬撃と鞭打がぶつかり合い、互いに激突して削り合う。
「デュアッ!?」
ティガダークの腹部をルーゴサイトの回転尾撃が炸裂した。
出血のように火花が飛び散る。
「ッ!!?」
ルーゴサイトの横腹にティガダークのミドルキックが炸裂した。
皮膚が鱗のように剥がれる。
「「ッ!?」」
ティガダークの光輪がルーゴサイトの胸元を切る。
ルーゴサイトの触手がティガダークの胸元を叩く。
どちらか一撃を入れるとお返しと言わんばかりに相手も当てる。
この繰り返しで両者は徐々にダメージを与え合い、削り合っている。
互角。
ティガダークトリニティと。
敏捷体以上のスピードと剛力体以上のパワー。
だというのにルーゴーサイトはその全てを受け止め、時には避ける。
幾多の戦闘経験を重ね、基礎能力もステータスも向上され、邪神たちの力をより引き出したティガダークトリニティ。
諸事情で全ての力を未だに使えないが、それでも強くなったティガダークと同格の戦闘能力をルーゴサイトは誇っていた。
よってここからは戦略と技術がモノを言う。
「ハァ!」
マルチ・スペシウム光線をルーゴサイトに放つ。
ソレを防ぐルーゴサイト。
空間を捻じ曲げて形成するバリア、ゲネシスシール。
トリニティになる事で強化されたティガダークの必殺光線の一つを、あっさりと受け止めてみせた。
しかし足止めには成功。
その隙にティガダークは分身体をけし掛けた。
「ッ!!?」
突如増えた三人のティガダーク。
スペックは本体と比べて落ちているが、ソレでも十分強力な分身たち。
互角の状態から一気に形勢が傾いた。
強化体のウルトラフィックス。
分身たちがルーゴサイトの動きを止めている間にチャージして放つ。
命中して動きを封じたものの、効果時間はそう長くない。
その間に分身も本体も一気に畳みかける。
敏捷体のランバルト光弾。
ルーゴサイトの頭部に直撃。
正確に急所を貫き、顔面を焼いてダメージを与える。
剛力体のデラシウム光流。
ルーゴサイトの胸部に命中。
膨大な熱量がルーゴサイトの発光体を焼いてダメージを与える。
通常体のゼペリオン光線
ルーゴサイトの首部分に命中。
闇の奔流が命中箇所だけでなく他の部位にもダメージを与える。
強化体のティガスライサー。
一度で三つの斬撃光線が繰り出された。
ソレはルーゴサイトの顔面と首と胸部の三か所に命中。
分身たちの光線技に重ね掛けする形で、より大きなダメージを与えることに成功。
負傷箇所に深々と斬撃が切り刻まれ、血液らしきものが飛び散った。
「(トドメだ!)」
分身たちが本体に戻る。
そのエネルギーを還元し、今ある力も更にベット。
瞬間、三つ巴のカラーライマーが鳴り出した。
ソレだけの力をつぎ込んだ証である。
「デュア!」
全力の強化ゼペリオン光線。
チャージのタイミングで奇しくもルーゴサイトもチャージを行い、ゲネシスレクイエムを発射した。
ぶつかり合う互いの必殺光線。
勝敗を制したのは、両者の戦略性だった。
「ッ!!?」
強化ゼペリオン光線がゲネシスレクイエムを突破した。
そのままルーゴサイトを貫き、体内に闇の粒子が侵食。
数秒程も持たずに大爆発を引き起こし、ルーゴサイトは完全に破れた。
勝敗を決したのは銃口の強度とチャージに掛けたエネルギー量の差。
ルーゴサイトは光線の発射口である発光体に多大なダメージを受けているのに対し、ティガダークの右腕には目立った外傷は無い。
光線に掛けたエネルギー量もティガダークは分身を回収してより威力を高めた。
スペック的にほぼ互角であった。
トレギアとの戦闘による消耗やダメージがあった上で。
しかしその不利を経験と技術と戦略によって覆した。
「・・・」
通常体に戻るティガダーク。
これ以上トリニティフォームでいても消耗するだけ。
解除してもカラータイマーは鳴り止まない。
ソレだけ消耗している証拠だ。
しかし彼にはまだやる事がある。
「………」
ルーゴサイトのエネルギーと怨念を吸収するティガダーク。
これでもうこのルーゴサイトが復活する事は無い。
そして吸収した分は彼の力となり、更なる闘争を期待できる。
だがその為には暫し休憩した後、再び永い眠りにつく必要がある。
その場で座るティガダーク。
適当な崖に背を預け、ゆっくりと眠っていく。
カラータイマーと目から光が消え、身体が段々と石化していき、やがて完全に活動を停止した。
休眠期。
これからティガダークは長い時を眠る。
再び活動するのは何百年か何千年か。
ソレは彼自身分からない。
「(クソ、トレギアの奴…今度見つけたら光の国に突き出してやる!)」
目覚めの時、彼はもっと強くなって復活する。
今度はトレギアを捕まえ、宇宙牢獄にぶち込んでやる。
その時を楽しみにしながら彼は深く長い眠りについた。
トレギア「キッショ。何で私の事そんなに分かるんだよ」
原作知ってる転生者の印象ってこんな感じだと思う。
あと、トレギアを光の国に連行したら闇の巨人であるオリ主でも感謝状貰えるかな?
他のウルトラマンとの絡み外伝とかでいる?
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いる
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いらない
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ご自由に