ティガダーク~やはり俺は光の巨人になれない~   作:大枝豆もやし

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インペライザー

 

 とある惑星。

 かつては生命に溢れていた星。

 文明の痕があり、つい少し前までは普通に機能していたのが伺える。

 しかし、人っ子一人どころかネズミや虫などの小動物の気配すらなかった。

 

「どうなってんだ?もしかしてサーガ時空のバット星人の実験場に迷っちまったか?」

 

 適当に自販機からジュースを購入する。

 電気は生きていることから、この異常事態は本当につい最近起こった事なのだろう。

 まあ自分には関係ないかと独り言ちりながら探索を続けていると、突然地面が揺れ出した。

 ジュースを零さないようバランスをとる圭吾。

 地震…いや違う。明らかに自然現象ではないような震動。

 その正体はすぐに知ることになる。

 

「怪獣かよ」

 

 空になった缶をゴミ箱に捨てながら、怪獣に目をやった。

 キングゲスラ。

 ソイツは俺に血走った眼を向けている。

 これは…狙われてるな。

 けど、その割には敵意や殺意などを感じない。

 もしかしたら話し合いが出来るか?

 

「(ここはお前の縄張りか?だったら悪い、すぐ出て行く)」

 

 キングゲスラにテレパシーを送信するが、その返答は口からの火炎放射だった。

 

「問答無用か。なら実力行使しかないか」

 

 逃がしてくれる様子もない。

 というか様子がおかしい。

 これはもう実力で排除するしかない。

 

 ブラックスパークレンスを掲げる。

 相手は所詮ゲスラだ。

 練習に付き合ってもらうぞ。

 

 

 

 

 

 

 無人の街で二体の巨大生物が向かい合っていた。

 ティガダークとキングゲスラ。

 キングゲスラは突然現れたティガダークの存在に驚くも、標的を見失った圭吾からティガダークに変更した。

 まあ、同一人物なのだがキングゲスラにソレを知る由は無いしどうでもいいこと。

 この星の生命活動を全て停止させること。それだけだ。

 

 キングゲスラが仕掛ける。

 強力な突進攻撃、ゲスラ・ヘビーアタック。

 全身の毒針を逆立たせ、より殺傷力を高める。

 

 ショッキング・ベノム。

 掠るだけでウルトラマンをも悶絶させるほどの猛毒。

 ソレを武器にして更に突進の攻撃力を増大させる。

 

 避けるティガダーク。

 軽々と飛び越えながらキングゲスラの背びれに手を伸ばした。

 背びれはゲスラの弱点。

 引き千切る事で一気に弱体化する。

 本編ではそうやって倒された。

 だが、このキングゲスラには通じなかった。

 

「ッ!!? クソ!」

 

 千切れなかった。

 劇中ではあっさり剥がれたというのに。

 ティガダークは無理だと判断して手を離して距離を取る。

 念のために闇を纏った手で触れてよかった。

 もしやってなかったら毒によってダメージを負っていたであろう。

 

 再び仕掛けるキングゲスラ。

 ベノムショット。

 全身の棘を赤く発光させた後に連射させた。

 まるでミサイルのように毒棘が次々と撃ち出される。

 

「デュワッ!」

 

 空手の三戦立ちのような構えをとるティガダーク。

 瞬間、闇をオーラのように纏って連射される毒針のミサイルを防御した。

 矢継ぎ早に撃ち出されるベノムショット。

 それら全てに耐えきり、やっと止んだ瞬間反撃に動き出す。

 

 纏った闇を掌に集めて光弾を放つ。

 しかし大した威力はなかった。

 簡単に弾き飛ばされる。

 ベノムショットによって纏った闇がほぼ削られてしまったのだ。

 

「(コイツ、予想以上に強いな!)」

 

 高がゲスラと侮っていた。

 コイツは間違いなくシルバゴンやキリエロイド級の強豪だ。

 

「デュワッ!」

 

 その場から飛行するティガダーク。

 撃墜しようとキングゲスラが再びベノムショットを繰り出す。

 ティガダークは全て回避。

 ジグザグに飛び、高度を変えて。

 避けながらチャージ行動して、形成した光輪を投擲した。

 ゼペリオン光輪。

 圭吾の光線技や切断技の技術が向上した事に得た新たな技。

 ソレは見当違いな方向に投げられたかと思いきや、ブーメランのように軌道を変えながらビル群を抜けてキングゲスラの背後に命中した。

 

「ッ!!?」

 

 切断されるキングゲスラの背びれ。 

 瞬間先程の強さが嘘のように無くなっていく。

 

「(勝機!)」

 

 飛行しながらいつものチャージ行動。

 急停止して必殺光線の構えをとる。

 

「デュワッ!」

 

 ゼペリオン光線。

 放たれた必殺技は見事に敵へ命中。

 キングゲスラはその場で爆散した。

 

 これで終わった。

 一度念のため周囲を警戒した途端…。

 

「ッ!!?」

 

 何処からか炎の弾丸が飛んできた。

 咄嗟に避けながら、攻撃が飛んできた方に目を向けるティガダーク。

 そこにいたのはキングパンドン。

 二つの頭が炎をチャージして火炎弾を連射してきた。

 

「デュワッ!」

 

 パリィで弾き飛ばすティガダーク。

 キングゲスラのベノムショック以上の連射性だが、毒などの付与性はない。

 受け流し、弾き飛ばし、捌いて。威力を殺して敵の攻撃を無効化。

 次の瞬間にはバリアを張って完全に防いだ。

 

 キングバンドンが攻撃手段を変えた。

 火炎弾から貫通力のある光線へ。

 ダブルレイ・インパクト。

 ティガダークはソレを高く跳んで回避。

 空中で回転して体勢を整えながら一気に接近した。

 

「ダアッ!」

 

 ティガダークの蹴りが炸裂。

 回転の勢いと体重を乗せた蹴り。

 ソレによってキングパンドンは蹴り飛ばされた。

 倒れている間にチャージを完了させるティガダーク。

 キングパンドンが立ち上がった瞬間、ゼペリオン光線が発射された。

 

 再び爆散。

 同時、ティガダークのカラータイマーが鳴りだした。

 今度こそ大丈夫かと周囲を確認。

 もう怪獣はいない。これで安心だ…。

 

「やはりな」

 

 突然、上から降って来たカプセルのようなもの。

 ティガダークを覆い隠せる程に巨大なソレを避けながら、空の方に目を向けた。

 

「何だ貴様は!?新手のウルトラマンか!?」

「違う。俺はティガダーク。ティガの姿を模した邪神だ」

 

 ヒッポリト星人。

 暗雲から姿を顕した敵を睨みつけ、構えをとる。

 

「ここにいた人たちをどうした?解放するなら楽に殺してやる」

「フン、とっくに怪獣共の餌食よ!」

「そうか、なら気兼ねなく暴れられるな」

 

 カラータイマーを止めるティガダーク。

 首謀者を表舞台に引きずり出す為の鳴りだしたのは演技。

 見事に引っ掛かってくれた。

 

「俺はまだまだ戦えるぜ。で、その後はお楽しみの拷問タイムだ!」

「お前、本当にウルトラマンか?」

「違うって言ってるだろ!」

 

 牽制弾を放ちながら飛び掛かるティガダーク。

 ヒッポリト星人はソレを弾き飛ばしながら防ぎ、迎撃しようとした瞬間、新手が現れた。

 

「「ッ!!?」」

 

 ウルトラマンメビウス。

 宇宙から現れた彼は、ヒッポリト星人を背後から蹴り飛ばした。

 

「ぐおッ!? お、おのれ現れたなウルトラマンめ!」

 

 倒れたヒッポリト星人が手を翳す。

 瞬間、空間が歪んでティガダークを囲んだ。

 無双鉄神インペライザー。

 複数同時に現れたそれらは一斉に砲撃を開始した。

 

「うおッ!?いきなりかよ!」

 

 砲撃を飛び越えながら敏捷体にタイプチェンジ。

 飛行しながら弾幕を避け、時に反撃。

 しかしインペライザー達に目立ったダメージはない。

 傷一つ刻まれてもすぐさま再生。

 ダメージを一切気にせず攻撃を続行した。

 

「(クソ、量産型の癖に性能良いな!)」

 

 無双鉄神インペライザー。

 ウルトラマンメビウスに登場したロボット怪獣。

 その強さはウルトラの父がメビウスに戦えば死ぬと警告し、教官であるタロウですらインペライザーを完全に倒す事は出来なかった。

 実際、劇中ではその非常に高い性能でメビウスを圧倒した。

 

 頭部に搭載された三連装ガトリングガン。

 チャージ無しとはいえタロウのストリウム光線と同等の威力。

 両肩に搭載されたガンポート。

 ウルトラ戦士のバリアすら砕く威力がある上に、追尾機能まであるせいで回避も困難。

 両腕に搭載された可変式パーツ。

 大剣インペリアルソードとドリル型ミサイルランチャーの二種類に変化することで近接戦にも対応可能。

 肩に搭載された再生装置。

 必殺光線やウルトラダイナマイトを喰らっても簡単に蘇生。

 腕を切り落とされても、すぐさま新たな腕を生やして反撃可能。

 

 途方もない性能。

 これだけでも恐ろしいというのに、量産可能なのだから尚タチが悪い。

 流石に、最初に登場した機体より性能は落ちていたが、十二分に脅威である。

 その脅威が今、ティガダークの眼前に迫っているのだ。

 

「(これは…いつものパターンは使えないか)」

 

 強敵ロボット怪獣の大半は装甲が厄介。

 打撃技は勿論、必殺光線ですら防いでしまう。

 しかし関節は機動性を維持する為か、強度に限界がある。

 よってロボット怪獣と戦う際は積極的に関節技や投げ技を使用。

 精密な内部を露出させ、その中に手を突っ込んで光線を放つ等して倒す。

 だが、今回はそのセオリーが通じない。

 折っても千切っても、破壊した途端に再生されてしまう。

 

 第一、関節技などは一対一が基本。

 多対一では技をかけている間に攻撃されてしまう。

 再生能力があるインペライザーはフレンドリーファイアなど気にせず撃ちまくる。

 

「ならセキュリティはどうだ?」

 

 ティガダークがインペライザーの一体に触れる。

 紫と黒の不気味な光を発する掌。

 頭に押し付けて数秒したらすぐに離れる。

 何度かその行為を繰り返した途端、戦況に異変が生じた。

 インペライザー同士が争い合っているのだ。

 

 同士討ちではない。

 互いが互いを敵として認識し、積極的に攻撃している。

 

 洗脳攻撃。

 闇の波動をインペライザーの自律AIに流し込んでデータを改ざん。

 攻撃対象を書き換える事で仲間割れを引き起こしたのだ。

 コレが通じるのは知能が低い怪獣やセキュリティの緩い機械怪獣のみ。

 それなりに思考出来る怪獣やセキュリティがしっかりしたロボには通じず、遠隔操作出来たり内部にパイロットが乗っている場合は対応されてしまう。

 今後の課題である。

 

「じゃ、仲良くケンカしな」

 

 インペライザー同士が戦う中、ティガダークはメビウスの援護に向かった。

 




この宇宙は大決戦!超ウルトラ8兄弟の世界とはまた違います。ですのでラスボスも違います。

他のウルトラマンとの絡み外伝とかでいる?

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