ティガダーク~やはり俺は光の巨人になれない~   作:大枝豆もやし

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メガキマイラ

 

 メビウスは苦戦していた。

 相手は合体怪獣メガキマイラ。

 先程倒したスーパーヒッポリト星人をベースに、以前倒したキングゴルドラスとキングシルバゴンの怨念が融合した怪獣。

 一体だけでも強力な怪獣が三体も合体したことで強力な戦闘能力を発揮。

 その力を前にしてメビウスは膝を付き、カラータイマーが鳴っていた。

 

「フハハハハ!どうだウルトラマンメビウス!我らの力は!」

 

「本来なら奴に倒されたキングゲスラとキングパンドンの怨念も取り込んでギガキマイラとなる筈だったがまあいい!これでも十分我らは強い!」

 

「トドメだメビウス!恨むなら貴様の弱さと甘さを恨め!」

 

 

 

「(ック!どうすれば…!!?)」

 

 メビウスが追い込まれているのはメガキマイラの強さだけではない。

 メガキマイラの腹部、スーパーヒッポリト星人にあった発光体。

 そこに少年らしき影が閉じ込められていた。

 対ウルトラマンとして用意された人質。

 コレのせいでメビウスは手出しが出来なかった。

 

「(どうする!?どうすればいい!?)」

 

 考えるメビウス。

 しかしどれ程考えても答えなど出る筈もない。

 そうしている間もメガキマイラの攻撃は止まない。

 

 

「戦ってウルトラマン!俺ごとこの怪獣を倒して!」

 

「この怪獣はお父さんとお母さん、学校の皆を殺した!だからここでコイツも殺して!」

 

 

「~~~~~!!!」

 

 少年の叫びに応えたい。

 しかし、少年ごと殺すわけにはいかない。

 ソレは光の戦士としてやってはならない事であり、何よりメビウス自身やりたくない。

 

「(………やるしかない!)」

 

 メビウスは張り裂けんばかりの想いで左手のブレスレット、メビウスブレスに手を翳す。

 クリスタルサークルを回転させてエネルギーを開放し、必殺技の構えを撮ろうとする。

 その時だった、乱入者が現れたのは。

 

「気に入った!お前の声に応えてやるぜ!」

 

 ティガダーク。

 彼は敏捷体にタイプチェンジして急加速。

 メガキマイラへと一直線に突っ込んだ。

 

「なッ!?また貴様か!?」

 

 スーパーヒッポリト星人の触角から紫色の光弾が放たれる。

 デカダント・ヘルレーザー。

 合体して威力も連射性も向上されたソレを、ティガダークはスルスルと避けながら接近していった。

 

「ええい!ならばこうだ!」

 

 今度はキングゴルドラスとキングシルバゴンの部位が光弾を放つ。

 トリプル・デストラクター。

 一つの砲門だけでもキツイというのに、三つも同時に連射。

 流石に威力は弱いものの、当てる事に重点を置いている。

 雨霰の如く降り注ぐ弾幕の前に、ティガダークも接近出来ず防御するしかなかった。

 そんな時だった、援護射撃ならぬ援護斬撃が飛んできたのは。

 

 メビュームギロチン。

 エースのバーチカルギロチンを真似た技。

 メビウスはチャージしたエネルギーをこの技に使用。

 放たれた光線の斬撃は見事にメガキマイラの首の一つ、キングシルバゴンの部位を切断した。

 

「おのれメビウス!」

 

 怒りの籠った視線をメビウスに向けるメガキマイラの。

 意識がそちらに向いた途端、その隙を突いてティガダークが急加速。

 一気に接近して剛力体にタイプチェンジし、スーパーヒッポリト星人部位の発光体を貫いた。

 

「ぐおあッ!!?」

「ッグ!?」

 

 爆発するスーパーヒッポリト星人の部位。

 ティガダークは自身を盾にして爆発から人質を守り抜いた。

 痛みを無視して地上に降り立ち、人質をそっと降ろす。

 

「(今だッ!)」

 

 絶好のチャンス。

 人質がいなくなった以上、遠慮はいらない。

 ソレにメガキマイラは各部位が破壊されて弱体化している。

 今なら一撃で仕留められる!

 

 放たれる必殺光線。

 メビュームシュート。

 彼の代名詞と言える光線技。

 ソレは見事に命中し、メガキマイラを爆散させた。

 

「………」

 

 メビウスがメガキマイラを撃破した後、ティガダークは周囲を警戒する。

 残敵はいない。敵の増援が来る気配も無し。

 安全を確信したティガダークはその場で人間態―――鞠川圭吾の姿に戻った。

 

「ッ!?待ってくれ!」

 

 メビウスも人間態―――ヒビノ・ミライとなって圭吾を追いかける。

 無視して去ろうとする圭吾だが、流石はウルトラマン。

 あっという間に見つけ出して圭吾に接触した。

 

「ん?もう俺を見つけたのか。流石ウルトラマンだな」

「僕たちは同族の気配を察知出来る。…君は同族とよく似ている気配だからね」

 

 似ている気配。

 しかしウルトラマンとは正反対の気配。

 光ではなく闇によって進化したもう一つの可能性であり、ウルトラ族にとって最大の宿敵の気配に。

 

 エンペラ星人。

 メビウスが最も恐れる最強最悪の天敵。

 ティガダークの気配はエンペラ星人に似ていた。

 流石にエンペラ星人程の力は感じられないが、何時かは到達するであろう。

 そんな確信めいたものがメビウスの中にあった。

 

 ここで見定めなくてはならない。

 この少年が第二のエンペラ星人に成るか否かを。

 

「あの時、何で君はあの子を助けたんだ?あの子ごと倒せばもっと楽に倒せたはずなのに」

「別に。命をかけた奴に命をかけて応えたくなった。ソレだけだ」

「・・・そっか!」

 

 どうやらこの少年にその心配はなさそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、この星に何が起こった?」

 

 適当に入った喫茶店。

 俺とミライは休息がてらに飯を食いながら情報交換をしていた。

 金をレジの上に置いて作り置きされてたカレーをパンでディップして食う。

 

「ほ、本当にいいの?お店の人いないのに勝手に食べて」

「人いねえんだから仕方ねえだろ」

 

 カレーを食いながら店内や外の様子を眺める。

 一見すれば俺が育った地球と似ている。

 けどさっき助けた子はピンク髪のエルフ耳だったから地球人ではない。

 

「け、けどこれって泥棒じゃ…」

「金払ってるからいいだろ。ソレに食い物を処分するのにも費用やコストがいるんだ。ならちゃんと俺らが食べて役割果たしてやる方が供養になるだろ」

「そ、それもそうだね。作った人や命を貰った生き物たちの為にもなるし」

 

 そう言うとメビウス―――ヒビキ・ミライもカレーに手を伸ばした。

 原作通りカレー好きみたいだな、このウルトラマン。

 

「美味しい!このカレーってコーヒーとも合う!これはこれでいい!」

「楽しんでるとこ悪いけど話を戻したい。一体何があった」

「あ、ごめん。実は…」

 

 メビウスの話を纏めるとこうだ。

 最近、エンペラ星人の残党が活発化しているらしい。

 なんでもアーマードダークネスが遂に相応しい後継者を見つけたからだそうだ。

 

「(ソレって俺のことか?)」

 

 アーマードダークネスの今の所有者は俺だ。

 メビウスの情報が正しいなら俺のせいってことになる。

 だが一つ気になる事がある。

 俺はその残党共に会ったことがない。

 というか、見かけたら即殺してる。

 なら考えられるのは二つ。偽物かデマだ。

 

「で、その後継者がここに来て何か企んでるってのか?」

「うん、ここの人たちを攫ってマイナスエネルギーを集めている。その研究所がこの星の地下にあるんだけど…」

「先輩たちと襲撃かける筈が、足止め食らって合流出来ないと。で、アンタ一人で戦ってたってことか」

「そうなんだ。だからこうして味方が出来て嬉しいよ!」

 

 味方?何の話してるんだ?俺は一度も協力するって言ってないぞ?

 けどまあ、アーマードダークネスの後継者が偽物かデマかは気になるな。

 

「分かった。けど今日は休憩だ。先ずはさっきの戦闘での疲れを取ろうぜ」

「・・・そうだね。恥ずかしいけど、さっきの戦いで消耗してたんだ」

 

 先ずは休む。

 まだ行ける筈はもう危ない。

 どんな敵がいるか分からない以上、余力は大事だ。

 

 襲撃は早朝。

 どんな奴が首謀者か顔を拝みにいってやる。

 





主人公、普段なら人質取られても「知るか!人質取るお前が悪い!」と言って攻撃します。
一応人質に当たらないようには努力しますが、もし仮に当たっても「人質取ったアイツが悪くて俺は悪くない」って開き直ります。
今回はその人質が命張ったので相応に身体張りました。

他のウルトラマンとの絡み外伝とかでいる?

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