ティガダーク~やはり俺は光の巨人になれない~   作:大枝豆もやし

60 / 70
主人公がノコノコとメビウスに付いて行ったのはアーマードダークネスの後継者が誰か確かめる為というのもありますが、一番の理由は自分が後継者として担がれる危険性を潰すためです。
もし仮に後継者を名乗る者が鎧を継いでるのが自分だと気付いたうえで何か企んでるんじゃないかと疑ってます。
だから真相を確かめてさっさと潰したいと考えて協力してます。


グローザム

 

 基地の内部にはそれなりの敵がいた。

 しかしエンペラ星人軍団とはいえ所詮は残党。

 今いるメンバーは極僅かの上、大半は役立たずだった。

 そもそも恐怖政治で無理やり従えていたのだ。

 首魁であるエンペラ星人が消えれば瓦解するのは目に見えている。

 よってメビウスもティガダークも特に苦戦することなく最深部までたどり着いた。

 

「これ以上は行かせん!」

 

 最終防衛ラインの重厚な扉の前。

 門番らしきリフレクト星人が剣を振るう。

 ソレを咄嗟に作った短い闇の鞭で受け止め、絡め捕って武器を奪いつつ関節技を極める。

 投げると見せかけて抵抗した力を利用し、腕を捻じる事でリフレクト星人の関節を外したのだ。

 

「ぐおッ!?」

 

 ゴキリと嫌な音が鳴るリフレクト星人の腕。

 続けて左腕の盾にも右手を伸ばし、関節部分を左手で抑えテコの原理で破壊。

 コレでリフレクト星人の戦力を奪って抵抗出来ない体にしてやった。

 落ちた武器を拾ってリフレクト星人に剣を突き付ける。

 

「無駄な抵抗を辞めて道をあけろ!さもないとコイツを穴だらけにするぞ!」

「ひ…ヒィ!?助けてくれ!」

 

 ティガダークは人質として利用。

 メビウスと戦っているもう一人の門番、サーペント星人に問いかける。

 

「知るか!敵の手に堕ちた者など仲間ではない!」

 

 しかし返ってきた答えはノー。

 人質など気にすることなくティガダークに右手から水色の光弾を発射した。

 リフレクト星人を盾にしながら撃ち合うティガダーク。

 その間にメビウスが背後からメビュームブレードで四肢の関節部と首を刎ねた。

 

「お、じゃあこいつは要らねえな」

「ぎゃあああああああああ!!?」

 

 これで人質は用無し。

 ということで剣を容赦なく柔らかい部位に突き刺す。

 ソコに闇の力を流し込んで内部から焼き殺した。

 

「ったく、人質を無視して攻撃するとか何考えてんだ。やっぱ闇の勢力は最低だな。仲間の命を何だと思ってやがる」

「………」

 

 お前が言うな。

 目は口ほどに物を言うとは誰の言葉か。

 無表情の筈のウトラマンの鉄仮面のような顔。

 しかしメビウスの視線はそう言いたげにティガダークを見ていた。

 

「コレがラスボスのいる扉だな。案外楽勝だな。アンタ一人でもいけたんじゃないか?」

「いやまだ分からない。あのエンペラ星人の後継者がいるかもしれない」

 

 扉を開けて中に入る。

 鍵は掛かってなかったようであっさりと入れた。

 中にあったのは研究所らしき場所。

 培養槽のようなものが立ち並び、中に怪獣が浮いている。

 

「ここは?」

「おそらく集めたマイナスエネルギーで怪獣を製造、或いは改造する施設だ。だから早く破壊しないと…!!?」

 

 二人が探索していると、何処からか炎の弾丸が飛んできた。

 咄嗟に避ける二人。

 巨大な培養槽らしきものが割れ、怪獣の死体が飛び出る。

 ティガダークとメビウスはソレを飛び越えて敵の姿を確認した。

 

「やっぱりお前たちか!暗黒四天王!」

 

 豪将グローザムに謀将デスレム。

 かつてエンペラ星人の直属であった暗黒四天王のうち二人がそこにいた。

 

「よくぞここまで来たなメビウス!てっきり一人で来るかと思ったが、まさかお仲間…おい待て。ソイツ闇の戦士か!?」

「何故闇の戦士がウルトラマンの味方をする!?」

 

 どうやら二人はティガダークの事は知らないようだ。

 ソレはまあどうでもいい。

 やる事は変わりないのだから。

 

「エンペラ星人の後継者が気になってな。ソイツぶっ倒せば全部俺のモンになる」

「成程、ただの賊か。そんなのと手を組むとはウルトラマンも人手不足のようだな」

「ならば排除するのみ!メビウスと共に死ぬがいい!」

「(この子挑発上手だな~)」

 

 途端、二人はソレゾレ別の場所に転移された。

 研究所に設置された転移装置によって。

 ティガダークはグローザムと共に、デスレムはメビウスと共に。

 ソレゾレが得意とするフィールドに侵入者を引きずり込んだ。

 

「俺の相手はアンタか」

「如何にも。お前の存在は俺の癪に障るんでな」

 

 極寒の地。

 吹雪が吹き荒れる極地。

 ティガダークとグローザムは向き合う。

 

「? 俺ら初対面だよな?」

「関係ない」

 

 

 

「お前の気配はあの方に似ている!あの方程大きくないが、闇の質はそっくりなんだよ!ソレが腹立たしいこの偽物め!」

 

 理不尽な理由。

 まあ、らしいといっちゃらしいが。

 

「ッハ、クソみたいな理由だな。まあいい。俺もお前とは戦って見たかった」

「何?」

 

 グローザムはティガとも戦闘した。

 GUYSに倒された後、ネオフロンティアスペースの並行世界である大怪獣バトルシリーズのストーリーに登場。

 ガタノゾーア戦後でダイゴが人ではなく光になることを選び、ティガとして戦い続けた世界線。

 ティガが消えなかったからダイナは現れないIFの世界だ。

 

 その世界のティガは原作より強い。

 当然だ、最終回まで戦ってダイナ怪獣とも戦って経験がっぽり稼いだのだから。

 圭吾は漫画もゲームも未視聴なので前世のネットの知識だが、ヘルフローズンブレスとゼペリオン光線との鍔競り合いで倒した事は知っている。

 

 試したい。

 今の自分がどれだけティガに近付いたか。

 戦闘経験なら負けてない。

 ガタノゾーア戦を経て、ダイナの強豪怪獣を倒し、他宇宙でもラスボス級の怪獣と戦ってきた。

 スペックだって様々な怪獣から闇の力やマイナスエネルギーを吸収して上げてきた。

 

 眼前の敵はある意味で試金石。

 ティガを模した今の自分がどれだけ強くなったのか。

 

「生意気な奴め!格の違いを思い知らせてくれる!」

 

 向かって来るグローザム。

 両腕の刀、グローザムブレードで斬りかかる。

 対抗してティガダークも両手に光輪を装備して応戦。

 最初はキンキンキンと甲高い金属音を奏で、徐々に激しさと重々しさを増していく。

 やがて金属を裂くような衝突音と大気を切り裂かんばかりのソニックブームが発生。

 斬撃の余波で吹雪か両者の周囲だけ切り払われ、どちらかの刃が通り過ぎた氷山が崩れていった。

 

「フン、やるな!闇の力を使っているだけのことはる!だがあの方には遠く及ばない!」

「ああ今はな。だがいつか超えてみせる!先ずはお前だ!」

 

 十字受けの要領で斬撃を受け止めるティガダーク。

 反対の刀が振るわれる前に受けた刃を受け流しつつ背後を取る。

 

「お前を踏み台にして俺は先に進む!ここがお前の死に場だ!」

「舐めるな!俺は不死身のグローザム!!お前如きでは殺せん!」

 

 背後から斬りかかるティガダーク。

 グローザムは振り返ることなく防御。

 氷の盾を咄嗟に創り出して無効化した。

 粉砕される氷塊は破片をまき散らし、光輪も同時に砕け散ってしまった。

 

「ッチ!」

 

 バックステップで距離を問るティガダーク。

 同時に繰り出されるティガスライサー。

 グローザムは避けることなく真正面から食らう。

 真っ二つに切断されるグローザム。

 通常なら致命傷だが、彼には当て嵌まらなかった。

 

「言った筈だ! 俺は不死身の、グローザムだッ!」

 

 一瞬で再生した。

 真っ二つにされた筈の身体が。

 上半身と下半身が切断された筈が。

 断面をスライドさせて簡単に修復させた。

 

 コレこそ異名である不死身の由来。

 氷で出来たその身体はいくらバラバラに砕かれても再生可能。

 生半可な炎や熱は冷気にかき消され、本編ではメビウスバーストやファイヤーウインダムの攻撃をモノとしなかった。

 

「今度は俺の番だ!」

 

 口から冷気を吐き出すグローザム。

 ヘルフローズンブレス。

 並のウルトラ戦士なら一瞬で氷漬けになる威力。

 しかしティガダークは並とは言い難い。

 咄嗟にバリアを形成して冷気を防いだ。

 

「いいだろう、力比べだ!」

 

 冷気が強まる。

 両者の視界を真っ白に覆い尽くす。

 ここまでくれば単なる冷気などではなくもはや吹雪だ。

 

「トドメだ!」

 

 冷気による煙幕の中、グローザムが突っ込む。

 グローザムブレードを伸ばし、ティガダークに刺突。

 バリアが破れたティガダークは無防備な状態で串刺しになった。

 特に抵抗らしい素振りを見せず氷漬けになるティガダーク。

 ソレをグローザムは面白くなさそうな様子でブレードを切り離し、突然振り返る。

 

「フン、囮か。………小癪な!」

 

 突如死角から飛んできた光線。

 ソレに合わせるかのようにグローザムはヘルフローズンブレスを吐き出した。

 ティガダークのゼペリオン光線。

 先程氷漬けにしたのはティガダークが作りだした虚像であり、囮であった。

 

 冷気の煙幕によって視界が塞がれたあの瞬間。

 そのタイミングで作り、入れ替わった。

 即席のためかすぐバレてしまった。

 だが囮の役目は十分果たした。

 おかげで必殺光線をチャージする数秒を稼げたのだから。

 

「(舐めるな!俺は不死身の、グローザム!この程度の小細工などォォぉォォ!!!)」

 

 全力のヘルフローズンブレス。

 本気になれば星一つなど軽く氷結出来るほどの強烈な冷気。

 この程度のハンデ、軽く覆せる!

 

「ぐおおおおお!!?」

 

 勝ったのはゼペリオン光線。

 吹雪をかき消し、貫いてグローザムに命中。

 全身に光線が行き渡って大爆発を引き起こした。

 バラバラになったグローザムの破片が辺り一帯に飛び散る。

 

「(無駄だ、この俺は不死身!この程度!)」

 

 バラバラの状態から再生しようとするグローザムの肉体。

 彼は不死身のグローザム。

 たとえどれだけ粉々にされようが、死ぬことは無い。

 現に肉体の破片たちが集まり、逆再生のように復元されていく。

 

 しかし復活は叶わない。

 なにせ彼がいるのだから。

 

「ムッ!!?ぐお、な…なんだ!? 何だこれは!!?」

 

 タイマーフラッシュスペシャル。

 カラータイマーを発光させ、熱で溶解させるタイマーフラッシュの強化技。

 いつもならば耐えられる熱量だが、バラバラになったことで抵抗力が低下している。

 

「再生力に胡坐をかいたのが間違いだったな!」

「バカな!? 俺は…俺は不死身のはず!! お、俺はァァァァッ!!?」

 

 溶解されるグローザム。

 完全に溶け切って欠片すら見当たらない。

 しかしソレでも安心は出来ない。

 なにせこの作戦は本編での攻略法を真似たもの。

 ソレでも殺しきれなかったのだから流石は不死身といえよう。

 二つ名は伊達ではないといったところか。

 

「念のためだ。お前のマイナスエネルギー、貰うぞ」

 

 その場でエネルギーを吸収するティガダーク。

 少しの間周囲を警戒した後、安全を確信してから元の場所にテレポートした。

 

 

 

 

 

 

 

 やった。

 一人でグローザムを倒せた。

 トリニティになることなく、ティガ本来の状態で。

 今の俺は、戦い続けたティガに匹敵する事を証明した。

 まあ、俺は真似てるだけだから本物と一緒の条件かは怪しいか。

 とは言え俺は成し遂げてみせた。

 俺の強さを示したんだ。

 

「じゃあ次はデスレムだな」

 

 一旦元の研究所らしき場に戻り、装置に触れる。

 まあメビウスからすれば一度倒した敵だ。

 案外すぐに終わってるかもな。

 いや、謀将という二つ名があったから人質取るなり何なりしているかもしれない。

 一度戦ったのは向こうも同じ。

 何かしらのメビウス対策はしていると考えるのが妥当だ。

 だから俺も行く必要がある。

 奇襲なり何なりして、失敗したら二人がかりだ。

 

 今の俺は機嫌がいい。

 少しぐらいならウルトラマン活動してやってもいいぜ。

 

「あん?何だ?」

 

 装置を動かそうとする前に、装置の方から勝手に何かのシステムを起動させた。

 瞬間、俺は別の場所に転移された。

 おそらく火山地帯。

 そこでメビウスは戦っている。

 だが、その相手はデスレムではなかった。

 

「………おいおいマジか」

 

 ダークルギエル。

 こりゃまたとんでもない大物が出てきたモンだ。

 

 





グローザムって漫画版とはいえティガの世界にも出たことあるんですね。
ティガ勝ちましたけど。

他のウルトラマンとの絡み外伝とかでいる?

  • いる
  • いらない
  • ご自由に
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。