ティガダーク~やはり俺は光の巨人になれない~   作:大枝豆もやし

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こういう全てを救ってやるって悪役って、何でちゃんと救済対象に選択権与えないんでしょうね。
アイツ等バカだからこの崇高な救済理解出来ねえよ。そんなの要らねえよ。とか思ってるんでしょうか。
ならソレは単なる押し付けであり侵略或いは支配なんだよ。



アークルギエル

 

 メビウスと戦っていたビクトルギエル。

 しかしその姿は原作のそれと少し異なっていた。

 確かビクトルギエルはUPG基地ライブベースとビクトリウムキャノンと地下に眠る大量のビクトリウム鉱石を元に、シェパードンのスパークドールズと融合する事で出来た怪獣だ。

 そのせいか背中にはライブベースの基地の一部が残っているなど、ロボット怪獣のような機械的な部分があった。

 しかしコイツには無い。どちらかといえばアークベリアルのような感じだ。

 まあ、大方の予想は付くが。

 

 おそらく集めたマイナスエネルギーと融合したのだろう。

 原理はむしろアークベリアルに近い。

 ならアークルギエルと言った方が適切だろうな。

 

 そんなことを考えてると、メビウスが更に追い込みをかけられている。

 俺はソレを阻止すべくスラッシュを放つ。

 効いた様子は無かったが、意識をこちらに向けさせることは出来た。

 

「選手交代だ。俺がやる」

「ッ!?駄目だ、あの怪獣は強すぎる!ここは二人がかりで…」

「大分消耗してるだろ。いいから休憩してろ」

「………分かった、ありがとう」

 

 下がるメビウス。 

 アークルギエルにソレを追う様子はなかった。

 

「フン、貴様一人に何が出来る」

「出来るさ。俺には切札がある」

 

 メビウスを逃がしたのは俺自身の為だ。

 別に気を使ってやったわけじゃない。

 光の国出身のウルトラマンに見られたら面倒なことになりそうだからな。

 

「ほう、ならば見せてもらおうか。その切り札とやらを」

「ああいいぜ」

 

 額のクリスタルが光る。

 瞬間、虚空が水紋のように揺らぎ、中から鎧が現れた。

 暗黒魔鎧装アーマードダークネス。

 パーツごとに分かれて瞬時に自動装着。

 鎧を装着するタイムは僅か0.05秒。

 計ったことないから知らんけど。

 

 装着完了。

 俺と鎧が内包する闇のエネルギーが相乗。

 漏れ出す余剰エネルギーが波動状に拡がっていく。

 

「グおッ!?」

 

 ソレを浴びてよろけるアークルギエル。

 どうやらコイツでも今の俺のパワーは予想外のようだ。

 

「ならいけるな」

 

 ウルトラシリーズの強豪と戦えるのだ。

 心躍らないわけがない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 月にあたる衛星。

 突如、二体の巨大生物が不時着した。

 ティガダークとアークルギエル。

 とある惑星から闇の波動を纏って戦場を移動。

 地中深い地下火山地帯から大地を貫き、大気を突破して。

 二人は立ち上がって同時に動き出す。

 

「全て止めてやる!」

 

 撃ち出されるダークルギエルビート。

 ティガダークはトリニティハルバードを振るってそれらを叩き落としながら接近し、攻防を仕掛ける。

 

 先制はティガダーク。

 トリニティハルバードを伸ばすかのように突き出す。

 一瞬怯むもすぐに立て直して反撃に出た。

 

 アークルギエルが腕を振るう。

 ソレを石突部の柄で受け、返しながら鎌部分を叩きつける。

 

 アークルギエルが尾を振るう。

 ソレを跳んで避けながら槍を振るって斧部分をうなじに叩きつける

 

「ッ!?」

 

 怯むアークルギエル。

 しかし一瞬だけ。

 体重も踏み込みもないが、頚椎を狙った一撃

 だというのにその程度のダメージしか与えられなかった。

 だがソレで十分。ティガダークは次の攻撃に移る。

 

 着地すると同時にトリニティハルバードを振るう。

 鎌部分でアークルギエルの足を引っかけ、そのまま倒そうとした。

 しかしその巨体を動かす事は出来ず、少し体勢を崩す程度に留まる。

 その隙に再び攻撃を仕掛ける。

 

 槍を突く。

 敵が振り返り、向かおうとした威力と、槍を突く威力が衝突。

 胸部分に突き刺さる事でダメージを与える事に成功した。

 

「ぐおッ!?」

 

 数歩後ろにたたら踏むアークルギエル。

 その隙に肩で梃子の原理のように回して威力を乗せた一撃を叩きつけた。

 回転力とパワーと体重が乗った上で、衝突すると同時に闇のエネルギーを撃ち出す。

 ソレで怯んだ瞬間、更に同じような一撃を繰り出してアークルギエルにダメージを与えながら数十歩程吹っ飛ばした。

 

「お…おのれ!」

 

 繰り出される黒い稲妻。

 ギンガサンダーボルトにあたる必殺電撃。

 しかしティガダークをソレを逆に利用。

 わたあめのように、槍の穂先で巻き上げる。

 出来た電撃エネルギーを叩きつけてクーリングオフした。

 

「ぐおおおおおお!!?」

 

 自身が繰り出した電撃と、相手の闇の衝撃波による斬撃。

 ソレを食らって怯むアークルギエル。

 全身を自身の雷とティガダークの闇が蝕む。

 しかしそのダメージを無視して無理やり突っ込んだ。

 

 アークルギエルの突進攻撃。

 ダメージを無視して繰り出した突撃は、攻撃直後で無防備になったティガダークを確実に捉えた。

 モロに食らって吹っ飛ぶティガダーク。

 たたら踏んで体勢を立て直し、再び槍を構え直した。

 そんな彼に胸部の結晶体を向け、エネルギーをチャージするアークルギエル。

 ソレが撃ち出される前に、ティガダークはトリニティハルバードを投槍。

 水晶体に命中してエネルギーが暴発し、必殺光線を妨害した。

 

「(今だ!)」

 

 戻ってきたトリニティハルバード。

 ティガダークはソレを空中でキャッチ。

 闇のエネルギーを纏いながら振り回す。

 

「ッ!!?」

 

 槍の両端を起点にエネルギーが増幅されていく。

 回転に応じてソレは強まっていく。

 まずい、何か来る。

 アークルギエルは危険を察知。

 しかしもう遅い。必殺の準備は既に整った。

 

 赤黒い光線が撃ち出される。

 トリニティハルバードの穂先全体から。

 闇の奔流に飲み込まれ、やがて大爆発を引き起こし

 

 ギガレゾリューム光線。

 アーマードダークネスの必殺技。

 本来の主(エンペラ星人)しか使えない技。

 しかし今の主はティガダーク。

 この鎧を使いこなしている証である。

 

 だが、今の主(ティガダーク)はエンペラ星人ではない。

 威力は本来とは劣る。

 

「ッチ、やっぱダメか」

 

 爆発が少し晴れてシルエットが映る。

 ダークルギエルの影。

 

 本家程ではないとはいえ十分に強力な威力。

 いかにダークルギエルとはいえタダでは済まない。

 怪獣(アークルギエル)態を解除され元の姿に戻っていた。

 

「まだだ!」

 

 ダークスパークを闇の槍に変えながら、ティガダークに向かって来るダークルギエル。

 ティガダークもトリニティハルバードで迎え撃つ。

 両者が激突。互いの得物をぶつけ合った。

 

「停めてやる!不変こそ唯一の救い!永久に停まった世界こそ何よりの平和だ!」

「なるほど、変化は劣化か。一理あるな」

「何?」

 

 否定されるかと思いきや、返ってきた予想外の答えに反応するダークルギエル。

 

「世の中常にいいように変わるとは限らねえ。進化があるなら劣化もあり得る。進んだ先に不幸や理不尽がある事だって当然ある。明日は今日より良くなるなんて楽観的で根拠の無ぇ世迷言だ」

「ならば何故私の邪魔をする!?明日に希望を見いだせぬなら、幸福に停止した世を想う筈だろう!?」

「興味無えよそんな世に。俺は今を楽しんでる。明日の事なんざ知った事か」

「矛盾している!未来を憂い希望を信じられぬなら、何故楽しい今を永久にしようとしない!?」

 

 口論を続けながら槍を振るう両者。

 話しながらだというのに攻防は苛烈さを増していく。

 

「といっても今の俺には力があるからな。大抵の不幸や理不尽は踏み倒せる」

「自分が良ければソレで良いのか!?」

「うん。他のことなんざ知った事か」

「なんと身勝手な!貴様のような奴が不幸や理不尽をまき散らすのだ!」

 

 槍の穂先が絡み合い、押し合いになる。

 

「ならば自身の力が及ばない理不尽に遭遇したらどうするつもりだ!?」

「う~ん、取り合えず足掻いてダメなら…幸福な時を思い出して浸りながら死ぬ?」

「なんと適当で曖昧な!貴様の人生それでいいのか!?」

 

 互いに槍が手元から離れる両者。

 遠くに互いの得物がクロスするかのように地面に突き刺さる。

 

「この宇宙は愚かなる生命体によって悲しみや過ちに満ち溢れている!ならば、新たな悲しみや過ちが起きぬよう、幸福の中で全ての時を停止させれば良い!それこそ決して終わることのない、永遠の命だ!」

 

 両者の戦闘は肉弾戦に移行。

 殴り蹴り投げ。

 互いに体術で応戦する。

 

 

「何でその愚かな生命体の為にそんな面倒なことしなくちゃいけないんだ?」

「………は?」

 

 一瞬、ダークルギエルの動きが止まった。

 明らかな隙。

 しかしティガダークはソレを突くことなく言葉を続ける。

 

 

「知ったこっちゃねえだろ、過ちや悲劇が起きようが。その愚かさの自業自得だ。アンタが気にする事じゃない」

 

「俺は人間の頃から自分の行動で微生物がどれだけ死ぬかなんて考えたことない。ソレと同じだ。愚かな生命体が死のうが関係ない。どうせすぐ湧いてくるんだから問題ないだろ」

 

「そもそもその愚かな生命体はアンタの救いを求めてない。感謝されないのにする意味無いだろ。こんな労力使って消耗してさ。何の意味があるんだ?」

 

 

「だ…黙れぇぇえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

 力ずくでティガダークを突き飛ばす。

 その勢いを利用して下がるティガダーク。

 同時、必殺光線の準備に入った。

 

「ッ!?」

 

 ソレを見たダークルギエルもパワーをチャージ。

 その動作は皮肉にもギンガクロスシュートに似ていた。

 ルギエルクロスシュートといったところか。

 

「「おおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」」

 

 ぶつかり合うレゾビューム・ゼペリオン光線とルギエルクロスシュート。

 拮抗は一瞬。ティガダークの光線がダークルギエルのソレを突破し、やがてダークルギエルを貫いた。

 

「何故…私、は………!?」

 

 爆発するダークルギエル。

 闇のエネルギーとなってティガダークに吸収されていった。

 

「………ソレを忘れたらおしまいだろ」

 

 鎧を解除して通常体に戻るティガダーク。

 彼はため息をついてダークスパークの槍が消えて逝くのを悲し気に見つめた。

 

 





愚かな者に救いをとか言ってる奴って、何でその愚かな奴なんかを助けようとするんでしょうね。
俺なら愚かな奴らが滅びようが何しようが自分に害が無い限り知ったこっちゃねえって思いますが。

他のウルトラマンとの絡み外伝とかでいる?

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