ティガダーク~やはり俺は光の巨人になれない~   作:大枝豆もやし

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・ティガダーク(偽物)の作り方
材料:闇の力、闇に適正がある人間の魂と強い感情
①闇に適正のある人間から闇の感情を引き出し、強い闇の力に放り込みます。
②人間が闇に支配されないよう、尚且つ闇の感情を保ったまま二つを交ぜます。
③魂を核にして闇の力で肉体を再形成し、巨人になったところで完成

注意点:普通なら魂が闇の力に耐えきれず崩壊或いは闇に飲み込まれます。なので闇に負けないような強い魂を用意するか、全く同じ魂を二つ持つ人間を用意しなくてはいけません。
尚、魂二つといても別々の人間では意味がありません。


ウルトラ会議

 

 ダークルギエル撃破後、今回の騒動は瞬く間に収束していった。

 

 奴らの目的はエンペラ星人の復活。

 アーマードダークネスが後継者を見つけたとデマを流して残党を集め、見失った鎧やエンペラ星人復活に必要なアイテムを探させようとしていたらしい。

 そのために使ったのがダークルギエル。

 見た目は確かに似てるし、闇の力も本来ならエンペラ星人に匹敵する。

 なにせ一度はダークスパークウォーズで数多くのウルトラ戦士や強豪怪獣宇宙人をスパークドールに変えたのだから説得力は十分ある。

 ダークルギエルも残党を利用して力を回復しつつ宇宙全ての生命体をスパークドールに変えようとしていたらしい。

 互いに利用し合っていたということだ。

 

 で、エンペラ星人の残党とダークルギエルを倒した結果、惑星の人たちは元に戻った。

 コレであの星は救われた。事件は解決したのだ。

 ハイお疲れ。解散解散…。

 

「聞きたいことがあるんだけどいいかな?」

 

 そういうわけにはいかなかった。

 

 

 

 

 

 とあるビルの屋上。

 施錠されてるソコには、人は来ない。

 ソコで俺とミライは対面していた。

 

「君はあのダークルギエルを倒したんだね?」

「ああ倒した。けど、どうせまた復活するだろうな」

 

 ダークルギエルを倒して闇を吸収した際、違和感があった。

 奴の魂を吸収した感覚が無い。

 魂とは俺が便宜上そう呼んでるだけで、本当にそうなのかは分からない。

 けどコイツを吸収することでその怪獣は復活出来なくなる。

 で、今回はその感覚が無かった。

 

 おそらくアレは分身みたいなもの。

 本体は何処かでまた復活しようと企んでるんだろう。 

 何度も復活したから今回もそうだろう。

 

 劇中ではウルトラマンより巨大な影として描かれていた。

 てっきり演出かと思ったが、もしかしたらあれがマジのサイズかもしれない。

 そもそもウルトラマン自体がサイズなんてエネルギー量次第で自由自在なのだ。

 似た存在であるダークルギエルなら十分あり得る。

 そもそも、本編でのダークルギエル自体消耗していたらしい。

 フルパワーはどれほどだろうな。

 

 とまあ、そんな奴が一回殺された程度で死んでくれるとは思えない。

 ウルトラ世界の強敵は死んでもまた復活するのがデフォだ。

 まあ、俺はその手段を潰せるんだけど。

 

「そうか。けど大分先だろうね。君が闇を吸収してくれたおかげで」

「やっぱ見てたのか」

 

 クソ、最悪だ。この人…というか光の国のウルトラマンだけには見られたくなかったのに。

 

「君なんだろ、本当のアーマードダークネスの後継者は」

「………だったら何だ?」

 

 敢えて挑発的な言葉を選ぶ。

 さて、どう来るか…。

 

「いや、正直に言うとありがたいよ。その鎧、壊してもまた何処かで復活するからね。だから封印するしかないけど、色んな勢力が奪おうとするし、鎧自身も逃げ出そうとするし、大分手を焼いた。だから抑えられる人がいるのは僕らとしては大分ありがたいよ」

 

 お、おう…。マジでしんどそうに言うなこのウルトラマン。

 設定では知っていたが、まさかそこまで面倒かつ厄介な鎧とは。

 あの明るいミライがここまで言うとは、よほどアーマードダークネスに手を焼いてたんだな、光の国は。

 

「じゃあ俺がコイツを持つのを黙認するってことか?」

「黙認するも何もソレは君の物だ。僕たちがどうこう言う権利は無いよ」

「いいのかソレで?俺は闇側だ。力に溺れて暴れるかもしないぞ?」

「本当にする人はそんなこと言わないよ」

 

 ・・・ウルトラマンってヤツはどいつもこいつもお人よしだな。

 

「そうか、じゃあ遠慮なく使わせてもらうぜ」

「うん、ソレで良いよ。…あ、そういえばEXゼットンに変わった技使ってたよね。アレ教えてもらっていいかな?」

「ん?ああ、エナジーショックか。ソレぐらいならいいぜ。先ず、発勁の前提知識がいるな」

 

 俺はメビウスにエナジーショックと幻の身代わりの作り方を教えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 M78星雲、光の国。

 ウルトラマンの故郷ともいえる惑星。

 宇宙警備隊本部会議室に9人のウルトラマンが結晶のような椅子に座っていた。

 ウルトラの父、ゾフィー、ウルトラマン、セブン、ジャック、エース、タロウ、ヒカリ、そしてメビウス。

 ウルトラ六兄弟を中心に集い、議論を交わし合っていた。

 議題はエンペラ星人の復活阻止とダークルギエルについて。

 もう一つは…。

 

「エンペラ星人に似た気配を持つウルトラマンだと?」

 

 宇宙警備隊隊長、ゾフィー。

 彼は困惑した様子で言葉を発した。

 

「ええ、彼は僕と共に戦ってくれました」

「闇のウルトラマンと共にか?」

「………はい」

 

 メビウスはゾフィーの質問に答え難そうに返した。

 

 ティガダーク。

 メビウスと共にエンペラ星人勢力の残党と戦い、最後はあのダークルギエルを倒した。

 万全の状態ではないとはいえ、あのダークルギエルを。

 最低でもウルトラ兄弟クラスの戦闘能力。

 ソレが闇のウルトラマンとして現れた。

 

 新たな戦力は大歓迎だ。

 ただでさえ宇宙警備隊は人手不足。

 もし普通のウルトラマンならもろ手を挙げて歓迎しよう。

 しかしソレが闇のウルトラマン―――エンペラ星人と同じ存在ならどうか。

 

「これを見てくれ」

 

 ヒカリが右手を掲げ、3つのビジョンを作り出す。

 会議室の中央に浮かび上がるソレの一つには、ティガダークのデータが記載されていた。

 ティガダークの生体データ、戦闘シーンや使用した技など。

 メビウスブレスに新たに搭載された情報収集機能によって入手した情報。

 二つ目のビジョンにはエンペラ星人に関するデータ、最後はガタノゾーアについてのデータである。

 

「………やはり、か」

 

 データから導き出される真実を見たウルトラの父は、深いため息をついた。

 

 

 

「そうだ。彼はウルトラマンではない。ガタノゾーアの闇を元にエンペラ星人となった生命体だ」

 

 

 

 

「「「・・・」」」

 

 会議室が重々しい空気に呑まれた。

 エンペラ星人。

 ウルトラマンにとっての宿敵。

 幾多の怪獣や宇宙人を従える宇宙と暗黒の皇帝。

 光の国を陥落寸前まで追い込み、ウルトラの父が相打ちになったことで撤退させた。

 一度はメビウスと地球の仲間たちによって倒したが、復活する危険性はまだ残っている。

 その存在を継ぐ者が現れたのだ。

 

 ウルトラマンと同じ姿と必殺光線。

 ウルトラマンと似たような技や力の使い方。

 ウルトラマンとは違い残忍性と冷酷性を持った戦い方。

 ウルトラマンと同等、或いは超える程の戦闘能力を誇っている。

 

 似ている。

 かつてのエンペラ星人と。

 まるで彼の若い頃を見せられているようだった。

 

「父さんは、どう思う?」

「………確かに似ている。今はまだ及ばずとも、何れ奴と並び立つ…いや、超えるかもしれない」

「「「………」」」

 

 タロウの質問に答えるウルトラの父。

 ソレに会場は再び重々しい沈黙が支配した。

 

「しかし、彼にはエンペラ星人にはなかったものがある」

 

 ピックアップされる映像。

 そこにはティガダークが子供を庇うシーンが映されていた。

 

「ええ、あの時彼はこの子の命を張った行動に応えたいからしたと言ってました。そして今回の件で僕の期待にも応えてくれた。彼はそういう人です」

「その通りだ。彼は人質を助ける必要なんてなかった。むしろ邪魔な筈。なのに率先してメビウスの事も助けてくれた」

 

 画面が移り変わる。

 それにはメビウスと共に基地を襲撃するティガダークが映っていた。

 

「もし彼が本当に冷酷で狡猾なら、メビウスを囮にして戦力を分析した方が効率的だった筈だ。なのに彼はソレをせず、むしろ援護してくれた。ソレが答えなのだろう」

「………父さん!」

 

 彼らは信じる。

 誰かの善意と優しさを。

 たとえ相手が正反対である闇でも。

 それこそウルトラマンの生き方である。

 

「しかし危険であることに変わりない。ふとした拍子に彼の優しさが闇に堕ちる可能性だってある」

「そ、それは………」

「だからこそ、彼を知る必要がある。そうならないように支え、理解する事が必要だ」

「………はい!」

 

 こうして会議は終わった。

 次の議題に移る。

 

「しかし彼の戦い方、残忍だの冷酷だの言っておいて何だが、超獣に対するエース兄さんと大して変わらない気がする」

「敵に容赦してはこちらがやられるからな。そうなるのも仕方ない。だからそういう面では逆に頼もしい」

「その話は終わりだ。次の議題は確認されたギルバリスについてだ。マガタノオロチやルーゴサイトの件もある」

 

「(………アーマードダークネスのことは黙っていよう)」

 

 流石にソレを報告するのはマズいと思ったメビウス。

 しかし後にまた会う事になるとは露知らずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何もない宇宙空間。

 隕石どころか塵すら浮いていない奇妙な空間。

 そこはつい数十年前までブラックホールがあった地点であった。

 しかし今はない。

 とある存在によってかき消されてしまったのだ。

 

「ああクソ。やっぱいやがるか」

 

 ティガダークの目線の先。

 本来なら何もない空間。

 しかしそこに突如、紫色に光るトゲトゲの球状のようなものが現れた。

 

 ソレは無そのもの。

 文字通り何もない。

 何もない筈なのだ。

 なのにそこに在る。

 

「グリーザめ。ブラックホールに突き飛ばしても生きてやがるか」

 

 虚空怪獣グリーザ。

 別名の虚空の通り、そこだけ空間が存在しない無そのものであり、実体が存在するわけではない。

 仮にあったとしてもそれは情報の無いものを無理やり脳が視覚化した結果であり、そこには文字通り何も無いため、「見る」ことでしか存在を把握出来ない。

 故に観測することは不可能。

 光の国が気づいてないのもそのせいであろう。

 よって怪獣として扱われているが、その実態は生物というより自然現象に近い。

 星の生体エネルギーを感知してそれらを無に還す現象。

 何も無いのに確かにそこに存在しているという凶悪かつ理不尽極まりないパラドックス現象みたいな奴である。

 

「流石は最強怪獣に数えられる強豪…いや、現象か?」

 

 グリーザが視覚化される。

 発光する黄色の頭部をした人型怪獣の姿。

 しかしソレはあくまで虚像に過ぎず、不規則にユラユラと揺れる。

 

 数十年前、ティガダークはコレを封印した。

 アーマードダークネスを纏っても倒しきれなかった。

 当然である、ソレは虚空である以上どんな攻撃も無意味。

 故にブラックホールに突き飛ばし、ダークネスブロードを突き刺した。

 

 無論、普通に突き刺したわけではない。

 剣と同化させたことで“虚無と実体の狭間”に封じ込め、ブラックホールに放り投げることで幽閉したのだ。

 しかしソレも一時しのぎ。

 数十年程度で封印は解かれ、牢獄は無くなった。

 

 だがソレで良い。

 既に対抗策は打ってある。

 

「返してもらうぜ、俺の愛刀を。宇宙の穴を縫う針と一緒にな」

 

 鎧を纏うティガダーク。

 闇のエネルギーによる余波をまき散らしながら、彼はグリーザに突っ込む

 寝起きのせいか、それとも一度撃退した相手だからか。

 抵抗らしい動きを見せず、正面から受けた。

 だが、すぐにソレを後悔する事になる。

 もっとも、コレにそんな感情などないが。

 

「おおおおおおおおおおおおおおおッ!!?」

 

 グリーザの胸の発光体に手を突っ込む。

 虚無の空間に手を伸ばし、封印に使った“刀”を引き抜いた。

 

「らあッ!」

 

 その刀を振りかざし、グリーザと向かい合った。

 





メビウスさん、ティガダークのためにこっそり入手した情報の一部を消してます。
それとダークエナジーショックのライトニングカウンターverと幻による身代わり技のメビュームイリュージョンを覚えました。
つまり装甲無視(流石にアーマードダークネスクラスは無理)のライトニングカウンター・ゼロをぶち込んだり、幻を作って倒したとみせかけて油断させてからの必殺光線などが出来ます。

他のウルトラマンとの絡み外伝とかでいる?

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