ティガダーク~やはり俺は光の巨人になれない~   作:大枝豆もやし

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少しぐらいはウルトラマンらしく人助けしないとな~。


レイビーク星人

 

 とある廃工場。

 機能してない筈のソコで、宇宙人が行き来していた。

 羽毛の無い鳥類のような頭と、人間そっくりな身体。

 レイビーク星人。

 地球のカラスに近い生物から進化した知的生命体。

 翼は退化して腕になったのか存在していない。

 

 レイビーク星人の目的は奴隷確保。

 地球人に似た動物を奴隷として扱っていたが、酷使し続けたせいで少なくなってしまった。

 よって労働力確保のため地球に来訪。

 縮小光線銃を使って人間を小さくして拉致し、労働力を確保していた。

 収縮させた人間は専用ボックスに収納している。

 後はコレを持って母星に帰れば終わりだ。

 一人のレイビーク星人が作業し終えて一息ついた瞬間…。

 

 シャッ!

 

 銀閃が首筋に走った。

 遅れて飛び散る妙な色の血飛沫。

 そして感じる鋭い痛みと激しい熱。

 自分の頸動脈を斬られたと、やっと理解した。

 

「邪魔」

 

 首を掻っ切ったレイビーク星人を蹴り飛ばす襲撃者。

 鞠川圭吾。

 彼は拉致された人々を救出すべく単身で潜入していた。

 

「な、何だお前は!?侵入者か!?」

「敵襲!敵襲!地球人が脱走したぞ!」

「捕獲しろ!無理なら殺処分してしまえ!」

 

 異常事態を察知して動き出すレイビーク星人たち。

 続々と集まる敵に、圭吾は嫌気が差したような顔でため息をついた。

 

「ああクソ、やっぱ素人がビッグ・ボスみたいに上手くはいかないか」

 

 圭吾はナイフを構えて次の行動に備えた。

 

 喉を突き刺す。

 今度は気道を狙って。

 鋭くフェンシングのような刺突がレイビーク星人の喉を貫く。

 

 心臓を突き刺す。

 わき腹から刃物を寝かせて。

 肋骨の隙間から潜り込む様に入った刃は心臓を潰した。

 

 肝臓を突き刺す。

 抱き着くかのようにして。

 ベアバッグで拘束し、自身の体重を掛けて突き刺した。

 

 左目を貫く。

 レイビーク星人の大きな目を。

 突き刺すと同時にぐりゅんと回し、そのまま脳に到達した。

 

「ッチ!」

 

 背後から襲ってきたレイビーク星人。

 ナイフを引き抜こうとするが間に合わない。

 よって武器を捨てて応戦。

 回転肘打ちで目くらまし、続けて背負い投げで下の階に放り投げた。

 ここからは素手の殺し合いだ。

 

 掴みかかるレイビーク星人。

 しゃがんで回避し、立ち上がりながら真下から掌底を顎にぶち込む。

 脳を揺らされながら浮き上がるレイビーク星人の身体。

 鳩尾に拳を入れて突き放し、他のレイビーク星人の方に投げてけん制した。

 

 殴りかかるレイビーク星人。

 拳を叩き落としながら左半歩進んで背後に回りこむ。

 後頭部に拳を入れ、脇腹に膝を入れて肋骨を折り、他のレイビーク星人の方に転がして動きを止めさせた。

 

 飛び掛かるレイビーク星人。

 ソレを回避し振り返り様に頭を両手で掴む。

 同時、目に親指を突っ込んだ。

 目を潰すことは固くて出来なかったが動きを止める事には成功。

 膝を顎に入れて怯ませ、後頭部を鉄柱に叩きつけた。

 そして他のレイビーク星人が攻撃しようとしてきたので盾にした。

 

 多対一では一撃で相手を仕留めつつ周囲を警戒する必要がある。

 だがそんな状況で一撃で敵を仕留めるというのは意外と難しい。

 よって、倒した相手を利用する。

 

「(よし、少し間が開いた!今のうちに!)」

 

 ナイフを回収して再び武装。

 その隙を突いてレイビーク星人の一人が向かって来る。

 ソレを受け流して背後を取り、首に腕を回して拘束。

 更に首筋にナイフを突き付けた。

 人質のつもりだ。

 

「ッ!?」

 

 動きを止めるレイビーク星人たち。

 先程まで散々仲間を殺されたのだ。

 本気であることは理解出来る。

 

「「「・・・」」」

 

 一度動きを止めてしまえば勢いは無くなる。

 さっきまでは猪突猛進気味に突っ込んできたのに、人質に躊躇した途端、急に士気が一気に下がった。

 その間に圭吾は部屋の出口まで移動。

 人質の首を掻っ切って放り捨て、部屋から出て行った。

 

「ッ!?待て」

 

 追いかけるレイビーク星人たち。

 出口に入った途端…。

 

「デュア!」

 

 ティガダークが光輪を投擲。

 予期せぬ行動と襲撃者にレイビーク星人たちは反応が遅れ、突入したものは光輪によって切り裂かれた。

 ただ一人、逃げて行くのを残して。

 敢えて逃がして宇宙船に案内させようとしているのだ。

 決して生身での戦闘で遊んでいたわけではない。

 

 壁に向かって走るレイビーク星人。

 瞬間、その壁に穴のようなものが開き、向こう側の景色が見えていた。

 どうやら特殊な技術で空間を弄っているらしい。

 ティガダークを入れまいと閉じようとしている。

 

「(よしよし、ここまで計画通りだ!)」

 

 内心ほくそ笑みながら、先程の感覚を思い出しながら。

 圭吾はレイビーク星人を追った。

 

「デュア!」

 

 穴の中に飛び込むティガダーク。

 すれ違いざまにレイビーク星人を光輪で斬り殺しながら。

 中で人質が捕まった箱を回収し、剛力体になって壁を破壊。

 大量の箱を担いで出て行った。

 

「貴様…余計な真似を!」

 

 元凶が現れた。

 レイビーク星人のボス。

 他の個体の眼が黄色だったのに対し、ボスの眼は赤く体格も一回りがっちりとしている。

 

 縮小され捕らえられている人々が入った箱を降ろすティガダーク。

 瞬間、ボスはティガダーク目掛けて縮小光線銃を向けた。

 だが、ソレよりも早くティガダークが動き出しす。

 予め掌に持っていた石を指で弾き飛ばす。

 ノールック指弾。

 大したダメージこそなかったが、動きを止める事には成功した。

 原作知識持ちの圭吾は、レイビークがどう動くか知っている。

 故にこの展開は読めていた。

 

「ディア!」

 

 振り向き様、ショルダータックルを繰り出すティガダーク

 受けて立とうとレイビーク星人は構えるが、タックルからストレートパンチに変更。

 フェイント。

 しかもタックルの勢いを利用した一撃。

 引っ掛かったレイビーク星人は反応出来ず、直に食らってしまった。

 しかし彼もここのボスをやって来た。この程度では止まらない。

 

「ぐおッ!? このぉ!!」

 

 レイビーク星人の反撃。

 ティガダークに拳を振るう。

 ソレを避けるティガダーク。

 突き出された右手の下に潜り込み、肋骨の横辺りを肩で体当たりした。

 カウンター。

 レイビーク星人自身の突進力とティガダークのパワーが乗った一撃。

 ソレによってレイビーク星人の肋骨が粉砕。大ダメージを受けて怯む。

 瞬間、地獄のごとき連撃がレイビーク星人を襲う。

 

 背負い投げ。

 掴んだ腕を抱えて投げ倒す。

 更に自身も倒れ込む事で威力を倍増。

 堅いコンクリの地面に頭を叩きつけ、大きなダメージを受けた。

 柔道の技ではあるが、わざとやったとなればペナルティを食らうものである。

 

 十字固め。

 掴んだ腕を捻りながら関節技で固める。

 力ずくで関節の可動域を外され、靭帯が千切れる。

 脱臼こそしたが骨は折れてない。しかしこのままでは後遺症が残るであろう。

 柔道の技ではあるが、わざとやったとなればペナルティを食らうものである。

 

 踵落とし。

 立ち上がって振り下ろされる右脚。

 体重と蹴り足の威力が乗ったソレが、レイビーク星人の頭部に直撃。

 レイビーグ星人も立ち上がろうとして頭が浮いたせいで、威力が付いて地面に叩きつけられるレイビーグ星人。

 瓦割りと同じ要領でレイビーク星人の頭部に甚大なダメージを与えた。

 倒れた相手に追撃を行うのも格闘技においては反則である。

 

「ディア!」

 

 トドメ。

 背中を踏んで拘束した状態で、レイビーク星人の頚椎に貫手を振り下ろす。

 エネルギーを纏って刃物状になった指先は敵の首を貫き、切断する事に成功。

 念のため転がる頭部を踏み潰した後、ティガダークは血に濡れた手と身体で縮小された人が閉じ込められている箱を再び抱えた。

 

「ヴ~…デュア!」

 

 額が強く発光。

 瞬間、ティガダークは本来のサイズへと戻っていった。

 同時に破壊される廃工場。

 しかし箱だけは囲えていたおかげか破壊されずティガダークの手の上に乗っていた。

 ゆっくりと箱を降ろすティガダーク。

 軽めに握って箱にヒビを入れる。

 途端、箱の中から光が溢れ、捕らえられていた人たちが戻っていった。

 

「あ、あれ?俺どうして…」

「確か鳥頭人間に攫われて…」

「そ、そうだ!俺、宇宙人に攫われたんだ!」

「けど何でいきなり…皆あれ見ろ!」

 

 最初は状況が呑み込めず困惑していたが、ティガダークに気づいた人々が一斉にソッチを向く。

 その時だった、ティガダークの巨大化によって破壊された工場から宇宙船が浮かび上がったのは。

 宇宙船は浮上しながら解放された人たち目掛けて光弾をアンテナのような部位から発射した。

 

「ッ!? デュア!」

 

 咄嗟にスライディングするティガダーク。

 自身の身体を盾にして光弾から人々を守った。

 

「あ、あれって…」

「もしかして、俺らを守ってくれたのか?」

「やっぱ巨人は神様なんだよ!」

 

 足元で人々が何か言っているが、ティガダークの耳には入らない。

 今彼が考えているのは眼前の敵を潰す事。

 こうなることは予測していたのにやられた。

 おかげで普段は自分が盾にする立場なのに、なる羽目になってしまった。

 この怒りをぶつけるべくティガダークは適切な形態になる。

 もちろん、レイビーク星人が母星に戻れば取返しが付かないので、ソッチをメインにするが。

 

「デュゥ~…ハァ!」

 

 敏捷体に変化したティガダークはレイビーク星人の宇宙船目掛けて飛び立った。

 宇宙船の牽制射撃を避けながら接近していく。

 攻撃はしない。効かないと知っているから。

 兎に角追いつくことに集中した。

 

「デュア!」

 

 空中で一回転。

 勢いを付けて宇宙船に踵落としを叩き込む。

 結果、天井部が炎上。コントロールを失って高度が下がる。

 

「デュゥ~…ハァ!」

 

 追い打ちのランバルト光弾。

 炎上部に命中し、見事に大爆発した。

 

「ゆ…UFOを撃ち落としたぞ?」

「アレって、俺らを攫った宇宙人のだよな?」

「じゃ、じゃあやっぱり!あの巨人は俺らの味方だよな?」

「そうだよ!そうに決まってる!じゃないと、宇宙人倒したりしないもんな!」

 

 宇宙船を撃破したティガダークを見て、人々は勝手に盛り上がる。

 

「ありがとう!やっぱり人類の味方なんだな!」

「これからも俺らを守ってくれ!」

 

 ティガダークは声援を無視して飛び立っていった。

 





ナイフで宇宙人を殺す特撮系主人公。
こんなのお茶の間に放送できないよ!
二次創作だから出来ることだよな…。

他のウルトラマンとの絡み外伝とかでいる?

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