真子の話を聞いた翌日、ミディアは自身の負った心の傷と向き合い、旅を続ける事を決意する。彼女が一皮剥けた事によって、Uも僅かに気を許し始めたのだった………
そうして、U達3人は村を後にし、森の中をさまよい続けていた。
「はあっ、はあっ………疲れた………いつまでこの森が続くのよ………」
ミディアは不満を漏らしながら疲れを隠せない様子で歩き続けた。
「だらしが無いな………仕方ない、見た感じもう少し進めば視界が開けた場所に出る。その近くで休息を取ろう」
Uはそう言って、ミディアの文句を渋々受け入れるように休憩を考えていた。だがその直後、近くの草の踏まれる音が聞こえた事から、Uは懐に手を伸ばす。
「しっ………誰かいる」
Uは声を小さくし、真子達へ自身の感じた違和感から人の存在を察知する。それを聞いた真子達は連鎖する形で身構える。3人が身構えて間もなく、周囲には十数人程度の兵装をした魔族が現れ、U達を円形に囲ってきた。
「随分なご挨拶だな」
Uはセイバーを取り出すと、冷静な様子でそう呟く。
「そうでもないさ………いや、俺様と遭遇するのはある意味幸運な事か………」
その中で魔族のリーダー格は自慢するようにそう言うと、U達の前へ立ち………
「俺様は魔王軍第45小隊の隊長にして、魔王軍切込隊長のライガ=ビース!!」
自身の名を明かしながら、魔王軍の人間である事を語る。
「魔王軍………ミディア、知ってる名かい?」
Uはライガを知っているか問いかける。
「いや………分からない。小隊クラスまではなんとも………」
だがミディアは彼を知らない事を口にする。
「何っ!? 俺様を知らないだと!?」
これを聞いたライガは大きく動揺し、苛立ちを見せる。
「そうか………まあでも、切込隊長を名乗ってるんだ、それ相応の自信と力はあるんだろ」
Uはライガに対して表情には出さないものの、彼の自信に目を向けていた。
「ふっ、察しがいいな………そうさ、俺様は魔族の中でもかなり上位の能力を持っている………! 今それを見せてやるぜ………!!」
ライガはUの言葉に頷くように自信を見せると、両手を地面に着け、四つん這いに近い姿勢をとる。
「な、何をしているの………!?」
ミディアは動揺の声を漏らす。すると次の瞬間、ライガはチーターの如く素早い動きでUに接近してきた。Uはタイミング良く回し蹴りで返り討ちにするが、このスピードは真子とミディアを驚かせるものであった。
「な、なんてスピードなの………!?」
特にミディアは動揺の声を漏らした。一方でUは冷静にライガへ視線を向けており………
「(高速移動………にしてはやり方が四足歩行の動物みたいだ………いや、もしかしなくてもそれが発動条件………?)」
彼が今見せた高速移動について分析を行っていた。そしてライガは自身の動きに追い付いてきた彼に対し驚きの声を漏らすと………
「俺様の動きに着いてくる奴がいるとは………お前、本当に人間か?」
そう言って、Uの以上な反応力に対してそう問いかける。
「さてな」
Uは冷たい言葉ではぐらかした。ライガは少しして再び地面に両手を着くと………
「まあいい………だが俺様の能力を前にまぐれは二度起きない………! この俺の能力………ビーストの力を見よ!!」
そう言って、再び高速移動でその場から動き回るのだった………
旅に戻ったU達の前に現れた魔王軍の魔族達。特にその中のリーダー格であるライガは、ビーストという特殊能力を有していた。果たして、U達はライガの能力に対応する事が出来るだろうか………?
To Be Continued………
次回予告
ライガの能力ビーストは、チーター以外にも様々な獣の力を模倣する事が出来るものであった。しかしUだけは冷静に着いていくどころか圧倒する強さを見せつけるのであった………
次回「無数の獣、獣をいなす戦術」