総大将の男は人間を憎む本心を露わにしてUへ襲いかかるが、Uは尚も容赦の無い強さを見せた。更に、総大将の男が持つ人間を滅ぼす思考に愚かしさも感じていたのだった………
Uの言葉を聞き、総大将の男は一瞬思考が停止し、かつてハルカに好意を抱いていた人間、ユウの事を思い出していた。だが少しして彼は地面に拳を打ち付けると………
「確かに私には好きな人間もいた………だが、彼も死んでしまった………ならばもうこの世界で人間を滅ぼさない意味はなんだ? ………私にはこの世界の人間に滅ぼさない価値があるとは到底思えん………!!」
そう言って、今の人間を滅ぼさない理由はないと言い放った。それを聞いたUは………
「分かってないな。全てを壊す事はアンタの平穏に向かってる訳じゃないって言いたいんだよ、こっちは」
そう言って、総大将の男がやってる事は総大将の男が抱いている平穏などでは無い事を指摘する。
「平穏では無い………だと!?」
これには総大将の男も動揺していた。Uは目線を隠すように俯く様子を見せると………
「………僕も全てを滅ぼせば自分の望むモノだけが残ると考えた事もある………けれどその先には間違いと言うより何も無かった。虚無だった………僕も割と自分の思い込みを信じがちなタチの悪いタイプだからあまり偉そうな事は言えないけど………今のアンタを見てるとそんな自分を見てるみたいで悲しくなってくる。確かにこの戦争を起こした人間側にも問題はあるし、アンタだけが全部悪いんじゃない………悪いのはハルカが死んだ………アンタの娘が、1人の魔族が殺された事態を利用して自分の野望を果たそうとする連中だ。何も知らない不特定多数を殺してもそれはアンタの自己満足でしか無いよ………」
そう言って、自身の過去の経験を交えながら、悪いのはハルカの死を利用する者達である事を指摘した。
「………虚無だと? なら私がこうして戦う戦争は虚無か? 無駄な話なのか? ………君に………私のこれまでの意義を否定されてたまるものか!!」
だがその指摘は総大将の男がこれまでに挑んでいた戦争の意義を否定するものであった。それを聞いた総大将の男はUに対して戦争へ挑んできた意義を否定された気分になったのか、苛立つように襲いかかってきた。だがUは冷静さを崩しておらず、右手から光のエネルギーを放出し、彼の身体を空中で硬直させた。
「………気持ちは痛い程に分かる。けどそれはアンタの進むべき結末じゃない」
Uはそう言って、このまま虚無に進もうとする総大将の男の道を塞ぎ止めようとしていたのだった………
総大将の男に全ての人間を滅ぼす事は虚無であると諭すU。だが総大将の男にとって、戦争を行ってきた意義を否定された気分となった。果たして、哀しき対決はどこまで続いてしまうのだろうか………?
To Be Continued………
次回予告
総大将の男の動きを拘束したUは必殺の一撃を叩き込もうとする。だが彼は敢えてギリギリの場面で攻撃を意図的に外すのだった………
次回「月光の決定打、最強剣士の慈悲」