総大将の男はUの言葉でこれまでの戦争の意義を否定された気になり、攻撃を狙ってくる。だがUはそんな彼の動きを封じ込め、彼の進もうとする道を塞ぎ止めるのだった………
Uは右足にエネルギーを集束させながらゆっくりと総大将の男に向けて歩き出した。総大将の男は身体を動かそうとするものの、身体は一向に動こうとも地面に落ちようともしない。
「な、なんだ………!? 身体が動かん………!?」
総大将の男は身体が動かない事に動揺する。
「僕の力で拘束させてもらったよ。落下しないのもそれが理由………ロープかなんかで吊るされている状態だと思ってくれればいい」
Uはそう言いながら現在の状況に対する解説を行う。Uは青い目を発光させながら大きく跳躍すると………
「アンタを止める………!」
そう言って、そのまま総大将の男に向けてエネルギーを纏わせたキックを狙う。総大将の男は身体が動かない為にどうする事も出来ず、実質的に詰んでいた。
「(身体が動く気配すら無い………これは詰みか………!)」
総大将の男もそれを予感していたのか、自らの死を受け入れようとしていた。だが次の瞬間、Uのキックは軌道がズレ、そのまま総大将の男の横を通り過ぎ、近くの壁に激突する。これにより壁は音を立てて崩壊したが、総大将の男は無傷でやり過ごす事となり、Uは指を鳴らすと共に総大将の男の拘束を解除。そのまま地面へ落とした。
「ぐあっ!?」
総大将の男は落下時の衝撃に痛みを覚えるが致命傷を避けられた事を考えるとほぼ誤差とも言えるものであり、寧ろ何故Uの攻撃が当たらなかったのかに疑問を感じていたが………
「………いや、まさか外させたのか………!?」
総大将の男は少ししてUが意図的に攻撃を外した事を察知した。
「………そうだよ。ここでアンタを殺す事が僕の依頼なのは間違いないが………流石に今のまま殺してもアンタを止めた事にはならない」
Uは歩きながらそう言って、総大将の男の真横を通り過ぎると地面に突き刺していたセイバーの地点まで戻り、セイバーを地面から引き抜いた。
「何故だ………何故情けをかける!?」
これには総大将の男も動揺のあまり疑問を投げかけた。Uは少しして溜息を漏らすと………
「アンタならこの間違った道から立ち直れると思ったからさ。アンタだって魔族とはいえ子供を育てた身のはずだ。ただ過去に囚われて全部無かった事にしようとするんじゃないよ」
そう言って彼なら間違った道から立ち直れると信じ、全てを無かった事にしようとする総大将の男へ呆れる様子を見せたのだった………
総大将の男を詰み状況まで追い詰めたUだったが、彼は意図的にこれを外す動きを見せた。そしてこれにより、総大将の男は困惑しながらも生き残る事態となるのであった………
To Be Continued………
次回予告
総大将の男はUの言葉を受けて今の自分の行為に迷いを見せていた。だがそれを見ていたハルカは総大将の男に向けて残酷にも攻撃を放つのだった………
次回「敗者の価値、利用価値の無い人形」