幻想異次元冒険記   作:Uさんの部屋

188 / 200
前回までのあらすじ
Uの力で実質的に総大将の男を詰ませる事に成功するが、総大将の男に対する攻撃を意図的に外すU。それは、全てを無かった事にしようとする彼を憐れんでの行為であった………


第188話 敗者の価値、利用価値の無い人形

総大将の男はUの言葉を受けてハッとさせられる様子を見せると共に、動揺する様子を見せていた。

 

「………っ、私は………」

 

総大将の男はこの時に大きな迷いが生じていた。彼自身が内心苦しむ様子を見せる中でUは無言を貫いていたが、その直後に総大将の男の背中を炎の魔法が通り過ぎ、彼の身体へ大きな風穴を空けた。

 

「………はあっ………!?」

 

これには総大将の男も困惑の表情を見せていた。

 

「………この勝負に負けるばかりか情けをかけられるとは………最早こんな敗者へ利用価値は無いに等しいですね」

 

総大将の男が混乱しながら背後へ視線を向けると、そこには先程の魔法を放った後と思われる煙を右手から放出するハルカの姿があった。

 

「何故だハルカ………!? 何故………父である私を………!?」

 

総大将の男はフラフラとよろめきながら縋るようにハルカの服の裾を掴む。だがハルカはそれを振り払うと………

 

「もう貴方だって気付いているはずでは? 私はこの姿を利用して過去という虚構に縛られ続ける貴方を利用させてもらっただけです。私自身は貴方の事を最初から駒として利用していたに過ぎません………いつまでも過去に囚われるばかりで現実から目を背けようとした貴方の愚かさがこの事態を招いたのですよ?」

 

そう言って、無常な言葉を言い放った。それを聞いた総大将の男は………

 

「愚かさ………か。ハハッ………そうだな………私の愚かさが………現実を認められない自分が………弱かっただけ………か」

 

そう言って自嘲するように息を引き取った。それを見たUはハルカへ鋭い視線を向けると………

 

「………何故その人を撃った? 戦意は無かったはずだぞ」

 

そう言って、総大将の男を殺したハルカへ疑問を投げかけた。

 

「戦意が無いならもう私の計画には必要ありません。私はこの戦争を活性化させる為の素材として彼を選んだ。けれどその意義も最早失われようとしている。なら私がやるべきはただ1つ………私がこの世界の全てを決め、この世界の全てを統べる………世界の意志たる私にしか出来ない使命です」

 

ハルカは総大将の男が最早必要無い事を告げ、世界の意志としての独裁的な行動を行おうとしていた。それを聞いたUは………

 

「………やっぱりアンタはハルカの皮を被った何かだ」

 

そう言ってセイバーを構えると共に明確な殺意を向けるのだった………

 

 

 

Uvs総大将の男の死闘が決着して間もなく、ハルカは総大将の男を切り捨て殺害して見せる非道の選択を行った。そしてUの次の相手は、ハルカの姿をした世界の意志であったのだった………

To Be Continued………




次回予告
ハルカは相も変わらず魔法の戦術を中心とした戦いを見せるが、基本的な優勢はUにあった。だがハルカが世界の意志そのものである故に、致命傷を与えても倒せない事態となるのだった………
次回「真の最終決戦、無意味な致命傷打」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。