ミイル王女の事を調べる為、兵士に紛れる形で潜入するU達。兵士達の会話から、ミイル王女をバーニン魔法長が連れ出している事を知る事となったのであった………
それから数十分後、Uが配属されたのはバーニン魔法長の執務室前の警備であった。
「(………情報収集はそう簡単にはいかないか………しかもバーニンは会議で留守中………情報収集にはまだまだ時間がかかるかもな………)」
Uは情報収集がそう簡単に進まない事を心の中でぼやきながら警備をしていた。そんな中、Uの視線には前髪以外を隠す程のフードが着いた大きなローブを羽織り、Uより少し背丈の低い女性が映った。
「(あのローブ………!!)」
それを見たUは、ローブに見覚えを感じていた。だがUは臆せずに敬礼を行い………
「ご苦労様です、バーニン魔法長殿!!」
バーニンへ敬礼を行った。それを聞いたバーニンは一瞬驚いた表情を見せた後、Uの方へ視線を向けると共に顔を近づけてきた。
「………? 何か? (………何だ? 人の顔をジロジロと………)」
Uは平静を装っていたが、内心はバーニンの考えが読めない様子だった。バーニンは少しして顔を離すと………
「………いえ。私に臆したりせずに敬礼が出来る人間がこの国の兵士にいるとは………と感心したものですよ」
そう言って、自分への敬礼が全く臆した故のものでは無い事に感心していたのが、先程彼の顔を覗き込もうとしてきた理由である。
「………貴方、新米かしら? そこまで元気な敬礼は久しぶりに見ましたよ………どうです、私の部屋でお茶でも」
バーニンは続けてUを自室へと誘ってきた。
「しかし………任務を放る訳には………」
Uは兵士の役を演じる為、任務を放棄する事に疑問を感じる………フリを見せた。
「私が来いと言っていたと伝えて構いませんよ。いざと言う時は私も弁明しますから」
しかし、バーニンは彼を引き込もうとしていた。それを聞いたUは………
「………ありがとうございます」
敢えてバーニンの頼みを聞き入れる様子を見せたのだった………
そして、兵士姿のままバーニン魔法長の執務室へ入ったU。執務室は魔導書や資料が散乱しており、部屋の中央には小さな机と、それを挟むようにソファーが2つ設置されていた。そしてバーニンは部屋の扉に鍵をかけると………
「………さて。これで貴方と心置き無く話が出来そうですね………ユウのそっくりさん?」
突如として、兵士の正体を見透かしたかのようにそう呟いた。
「………何の話です?」
Uははぐらかそうとそう呟くが………
「誤魔化さなくてもいいですよ………この国で私に臆さない勇気のある兵士は近年現れた試しが無い。それに兵士とは思えない覇気もまた………そして貴方から発せられる覇気は………あの一瞬だけでも強く感じられた………何が狙いでここに潜り込んだかは分かりませんが………私にはそんな変装は通じませんよ?」
バーニンはUの変装を見透かした様子でそう呟いた。それを聞いたUは溜息を漏らすと、観念したように兜を外した。
「………僕の正体を暴いてどうするつもりだ?」
Uはバーニンに対して彼女の真意を問いかける。
「言ったでしょう? お茶をしたいだけです」
しかし、バーニンはそう呟くだけであった………
バーニン魔法長の執務室を警護する事になったUは、バーニン魔法長に執務室へ誘われるが、それはバーニンがUと話をしようとする罠であった。果たして、バーニンは何を考えてUとの会話を目論んでいるのだろうか………?
To Be Continued………
次回予告
バーニンはUの事を、ユウとは別人である事を考えていた。ソーダリア兵士長とは全く違う彼女の異質な考え方にUは彼女の真意を測りかねていたのだった………
次回「異質な魔法長、見えない真意」