バーニン魔法長の執務室を警護する事になったU。だが、変装した彼の様子からUである事を察知したバーニンは、Uと話をする為に自身の執務室の中へと誘うのであった………
それから少し経ち、バーニンは急須にお茶の葉を入れた後にお湯を淹れる。お茶の葉が水に触れる事で紅茶を作った後、2つのティーカップに紅茶を淹れると、バーニンは自身とUの手前へ置いた。
「………何のつもりだ」
バーニンの異質とも言える行動に警戒心を向けるU。
「怖い顔しないでくださいよ。本当に私は話をしたいだけなんですから………それとも、紅茶はお嫌いですか?」
バーニンははぐらかすようにそう言うと共にUをからかってきた。
「………紅茶が云々じゃない。信用していない人から出された飲み物は口にしない主義なだけだ」
Uはそう言って、バーニンから出された紅茶には目もくれない事を語った。
「………尤もな考えです。特にこんな疑心暗鬼の蔓延る世界に於いて毒が入っていた………なんて日常茶飯事ですからね」
バーニンはUの言葉に頷くようにそう言うと、近くに置かれていた粉の砂糖がたっぷり入った瓶から、何度もひとさじ分を入れていた。
「………どんだけ入れるつもりだ?」
Uは呆れながらそう問いかける。
「頭を使うのでね。糖分摂取が必要なんですよ」
バーニンは飄々とした様子でそう呟くと、ようやく紅茶に口をつけた。バーニンは甘ったるい紅茶に舌鼓を打った後………
「それはそれとして………まずは貴方のお名前から聞きましょうかね」
まずはUの名を問いかけた。
「何故だ。何故そんな質問から入る?」
だがUはバーニンが、彼女が知っているはずのUとそっくりな人物、ユウと自分を別人扱いしている事に疑問を感じていた。
「何故とは………? 貴方と私がこうやってまともに顔を合わせるのは初めての事ですから当然でしょうに」
バーニンは目の前にいる男とは初対面であるという認識故、寧ろUがそんな事を聞いてくる事に疑問を感じていた。
「………あのソーダリアとかいう男は僕とユウという人物を同一人物と見なしていたようだが?」
Uはソーダリア兵士長の事を挙げ、彼の認識を口にする。だがバーニンは突如として笑いを零すと………
「………あの人の頭は単細胞ですからね………自分の考えを曲げる事が出来ない馬鹿だからこその認識ですよ」
そう言って、ソーダリアの知能の低さを嘲笑う様子を見せた。
「………味方を嘲笑うとは性格の悪い奴だ」
それを聞いたUもバーニンの性格の悪さを感じていた………同時に彼女の読めない真意の底知れなさも。
「よく言われます。でも口の悪さは身を滅ぼす事にも自身の武器にもなりうる………ただ強いだけの輩ではこの戦争は生き残れません」
バーニンは冷静にそう言いながら頭のフードを外す。するとフードの中からピンク色の長い髪が出現した。
「そして貴方はソーダリア兵士長より確実に腕が上………私が真正面から喧嘩を売っても生き残れるかどうか………だからこそ冷静に話がしたかったんですよ、指名手配犯のユウとは似非の存在である貴方と………!」
バーニンは続けて腕っ節でUと対峙する事が自身の身を滅ぼす事をよく理解していた故に、対話でUの事を測ろうとしている本音を口にした。それを聞いたUは………
「………アンタ、末恐ろしい女だよ」
そう言って彼女の末恐ろしさを指摘する。
「戦場では褒め言葉になりますね、その言い方は」
バーニンは紅茶を飲みながら言葉を返す。それを聞いたUはフッと笑いを零すと………
「………いいだろう、僕の名を教えてやる。僕はU。だがアンタの知るユウとは違う………こっちの表記のUだ」
Uはそう言うと、近くに置いてあった紙とペンに自身の名であるUを書いた。それを知ったバーニンは………
「U………分かりました。これから貴方の事はUさんとでも呼ばせてもらいましょう。その方が私にとって見分けが着きやすい」
そう言って、Uとユウを完全に別人として認識する様子を見せたのであった………
バーニンの末恐ろしい様子と、Uとユウを別人と冷静に認識する彼女にUは自身の名を語った。果たして、Uすら真意の読めない彼女はいったい何をUへ問いかけるのだろうか………?
To Be Continued………
次回予告
バーニンがUの狙いを問いかけてきた事から、Uはそれを試すように自身の目的を敢えて白状する。それを聞いたバーニンもまた、Uを試すようにUの問いに嘘なく答えるのであった………
次回「本音の対話、試し合う2人」