Uとフィーリの一触即発の空気において、Uは強気に実力行使も辞さない姿勢を見せる。それを見たフィーリは彼を気に入り、U達へ同行するよう言い放つのであった………
フィーリに連れられたU達は、町の中にある砦へと入った。砦の中は魔族の兵士が数十人おり、それぞれがヒソヒソとフィーリとU達が共にいる事について話していたが………
「………文句があるならハッキリと言え、兵士共!!」
フィーリはそれを鬱陶しく感じたのか、威圧をかけながらそう言い放つ。兵士達はフィーリに口答えが出来ないのか、怯えた声を漏らすばかりでそう以上は何も言ってこなかった。そしてフィーリは個人の執務室にU達を招き入れると………
「まあ座ってくれ、ここは私の執務室だ。幹部クラスでも私の許可無く入れる部屋では無いからな。ここなら隠し事をする必要も無いだろう」
そう言って、執務室の扉に鍵をかけると共にU達へ中央の椅子へ腰掛けるよう語った。U達は指示通り椅子に腰掛けると、フィーリは対面の席へ腰かけた。
「………何故僕達をここへ招き入れた? 下手をすればアンタの立場に関わりそうなものだが?」
先に口を開いたのはUであり、彼は何故フィーリが自分達を招き入れてきたのかシンプルな疑問を問いかけた。
「………確かにな。でも貴様らを敵に回すのは勿体無い。それに人間軍でないなら尚更だ」
フィーリは自身の立場よりもU達を敵に回す事を嫌がっていた。それを聞いたUは………
「………でもこの間、アンタらの軍の幹部………グバイドだったか? 奴を殺したばっかりだぞ?」
先日のグバイドの件について口にした。
「グバイド………いやいい。奴のあの時の行為は独断行動。私は指示をしていなかった。寧ろ止めろと釘を刺しておいたが………奴は無視した。その結果貴様が敵の状態で戦う事になってしまった。奴の自業自得だ」
だがフィーリはこれを許した。と言うのも、グバイドの件は彼の独断行動だったらしく、結果として、バーニンの垂らしていた餌に勝手に食いついたのが彼の死因へ繋がった。
「アンタも冷酷なものだな」
Uはフィーリに向けてそう言い放つ。
「軍師というのは基本冷酷なものだ」
フィーリは自身を皮肉るようにそう呟いた。それを聞いたUは………
「変わってるな、アンタ」
思わずフィーリに対してそう呟いた。
「………そうかもな。私は変わっているやもしれん………そもそも、私は相手が人間だからこの戦争を戦っている訳ではない。私が気に入っていた人間を傷付けた人間が嫌いなんだ」
フィーリはUの言葉を肯定しつつも、彼女自身は人間そのものを敵視していると言うより、自身の気に入っていた人間を傷付けた今の人間達を敵視しているようだった。
「………気に入っていた人間?」
Uは首を傾げながらそう問いかける。フィーリは一瞬息を漏らすと………
「………実は、貴様らを連れて来たのには他に理由がある。特にそこの白髪の男と白髪の女………貴様らにある人物達の面影を感じたからこそ、ここへ招き入れたのだ」
そう言って、彼等を連れてきた本当の理由を語る。
「何?」
それを聞いたUは疑問の声を漏らす。フィーリは少し考える様子を見せた後………
「………貴様らは私の知る人物………今は亡き姫様とユウに似ているのだ………」
フィーリはUと真子に感じたとある人物達の面影を語ったのであった………
フィーリとの会話をしていく中で、U達を連れてきた新たな理由を語り、それはUと真子へ面影を感じた為である事が明らかとなる。果たして、フィーリは何故Uだけでなく真子にも面影を感じたのであろうか………?
To Be Continued………
次回予告
フィーリはユウと彼女の言う魔族の姫の話をする。その話は戦争に大いに関係した話であり、Uも他人事とは思えない様子でその話に耳を傾けていたのであった………
次回「親子への面影、戦争の悲劇」